「トラのじゅうたんになりたかったトラ」~一生懸命な姿に笑いあり感動あり~
楽しく笑えるトラのストーリー
「トラのじゅうたんになりたかったトラ」は小学生向けの絵本です。
ジェラルド・ローズ/作
ふしみ みさを/訳
岩波書店/出版
インパクトのあるタイトルと、パッと目を引くユニークなイラストから一目で「読みたい!」と思わせてくれる絵本です。
「トラのじゅうたんになりたかったトラ」の主人公は痩せこけた一匹のトラ。
いつか、暖かい場所でくつろぎながら何不自由なく暮らしていけるお城のじゅうたんになりたいと夢見ています。
その夢をかなえるために、トラはあらゆる手段を使います。
そして、ついにお城のじゅうたんの座を手にすることができたのでした。
トラがとった手段は思いもよらないことばかりで、その中で起こる出来事も驚くことの連続ですが、
笑えること間違いなし!のとても楽しいお話です。
トラの一生懸命な姿から感じるものがあるはず
「トラのじゅうたんになりたかったトラ」に出てくる主人公の痩せこけたトラは、
あらゆる手段を使って、自分の夢をかなえようとします。
その一生懸命な姿が滑稽で、情けなく思えることもありますが、
どこか一本心に強い芯を持っていると感じます。
読んでいるうちに、決してぶれない自分の夢を、回り道しながらも追いかけるトラの背中を応援したくなってくるはずです。
手段を選ばず、人をだまして自分の願ったお城のじゅうたんになれたはずなのに、
終盤トラは自分の正体がわかってしまう行動に出てしまいます。
でもそれは優しい心を持っているが故。どうしてもかなえたい夢に一生懸命になりながらも、人への思いやりはいつでも忘れてはいけない、
そんなことを教えられているようでした。
これを読んだらきっと、子どもたちも夢を持つことの楽しさを感じてくれると思います。
まっすぐに突き進みたい夢の途中、回り道することがあっても
強い心さえぶれることがなければ、きっとかなえられる
時間がかかっても、なかなかうまくいかなくても、決してあきらめないこと
そしていつも相手を思いやる気持ちを持つこと
「トラのじゅうたんになりたかったトラ」からそんなことを感じてくれたらと願います。