動物好きな子どもたちにグリム童話「ブレーメンのおんがくたい」を読み聞かせ
わが家の子どもたちは、動物が大好き。テレビの猫ちゃんのおもしろ動画からリアルなドキュメンタリー番組を見ては、珍しい動物を見つけると、図鑑を引っ張って同じ動物を探します。そんな我が家の絵本は、もちろん動物を題材にしたもの が多いです。特に、『ねずみくんのチョッキ』のように、いろいろな動物が登場し、身体の特徴の違いや大きさなどがわかるお話が好きです。
今回は、動物大好きな子どもたちのために、おそらの絵本「ブレーメンのおんがくたい」を選んでみました。
グリム童話の一つである「ブレーメンのおんがくたい」のお話について簡単にお話ししましょう。年を取って働けなくなったロバ、イヌ、ネコ、オンドリは、音楽隊に入るためにブレーメンを目指します。旅の途中で、たどり着いた家の中にいたドロボウたちを追い出すため、ロバ、イヌ、ネコ、オンドリが驚かせたり奮闘します。そして逃げていったドロボウのいた家で暮らしていった…というお話です。
みんなで力を合わせて困難に立ち向かうシーンが丁寧に描かれている
ブレーメンのおんがくたいはいろいろな本で出版されていますが、おそらの絵本のお話は、優しい語り口です。例えば、ロバが登場するシーンは、「としをとって はたらけなくなったロバ」という表現。他の本では、飼い主が意地悪をするなど書かれている場合もありますが、おそらの絵本は、すごく優しい表現です。一番最初のロバが登場するシーンには、ちょっぴりコミカルで愉快な音楽が流れます。
そして、イヌやネコ、オンドリが仲間になるたびに、鳴き声が流れてきます。その鳴き声がなかなかリアル!話の途中で効果音を押すのが、私も楽しみになってしまいます。
次は、旅の途中で、ドロボウのいる家に泊まろうとするシーンです。ドロボウと聞くと、少し怖そうですが、ドロボウの怖さは絵も音楽も控えめ。おそらの絵本では、動物たちがドロボウをやっつけるシーンにフォーカスしているのでBGMそのものに怖さはありませんでした。ドロボウが「おばけが出た」といって逃げていくシーンもちょっぴりコミカル。
そのかわり、どうぶつ達が力を合わせておばけのふりをするときの音楽や、イヌがドロボウにかみつくシーンなどはそれぞれ音が出て丁寧に描かれています。
子どもが一番びっくりしたのが、ドロボウが逃げたあと、寝静まった家の中にもう一度入ってくるシーンです。ドロボウがドアを開けるとき、ギィッっと音が鳴るのですが、怖がりなお兄ちゃんが「わぁ!びっくりしたぁ」と言ってました。ブレーメンのおんがくたいは、家にない本でしたが、子どもたちは幼稚園などで聞いたことがあるそうです。ストーリーの展開がわかっているからこそ、少し意外でドキッとする効果音にびっくりしたのかもしれません。
こんな風に、鳴き声やドアの開く効果音はもちろん、ドロボウをやっつける音楽まで凝っているなと感じました。
折り紙でどうぶつ達が力を合わせたブレーメンのおんがくたいを作るように!
読み終えて、眠る前にトイレに行こうとしたら、暗い場所にドロボウがいるのではないか?とお兄ちゃんが怖がり始めました。すると、意外と強い妹が、「鳴き声で驚かせるか、ネコみたいに顔をひっかけば、逃げていくから大丈夫だよ!」と言っていたのが印象的です。
戦いごっこが好きな兄妹なので、こういう議論は、後日も続いていました。ブレーメンのおんがくたいの中の、どの動物のどの技が一番強いのか?という部分をよく話しています。
そしてブレーメンのおんがくたいといえば、やはり力を合わせてどろぼうを追い払う シーンがやはり印象的ですね。
おそらの絵本を読み聞かせた翌日、折り紙で遊ぶのが大好きな子どもたちは、折り紙でブレーメンのおんがくたいを作っていました。合体させたり、単体で戦ったりしながら戦いごっこを始めてます。聞くと結局のところ、「合体したのが一番強い」のだそう。たしかに、大きくて強そう(笑)。
折り紙は兄妹そろって、もともと大好きな遊び。簡単な動物を作ることはあったのですが、お人形のように遊ばせたり、戦わせたりはしたことがなかったので新鮮でした。そして、よく折り紙で合体できるようなものが見つかったなぁなんて感心しちゃいます。子どもの発想って面白いですね。おそらの絵本「ブレーメンのおんがくたい」を通じて、新しい動物遊びを発見したのでした。