別居生活に終わりを告げて~穏やかな夫婦関係への歩み~
こんにちは!
親子の時間研究所の研究員『傾聴(けいちょう)』をお伝えしている村尾リエです。
いつもお読みいただきありがとうございます。
前回の終わりに書いていた、もうすぐ2年になるなぁという頃に、夫から言われた驚きのひとことは…
「また一緒に暮らさへんか?」(関西人のため関西弁です!)
でした。
きっと予想通り!ですよね(笑)
呼び覚まされた心の声
別居後も、月に一度位のペースで家族で会っている中で、外食をすることも多かったですが、自宅に夫が来ることもありました。
だけど別居しているので、うちで食事をして、夜遅くなってもちゃんと夫は一人暮らしをしている家に帰ります。
送り出す時は、毎回なんとなく申し訳ないような気持ちになっていました。
夫がローンを払ってくれている家に住ませてもらっている…だけど一緒には住めない…と。
別居して約1年10カ月が経ちました。
私はその頃、カラーセラピストとして活動をしながら別の仕事もしていて、その職場で両国にある「江戸東京博物館」のチケットをいただいたのです。
あ、有効期限がもうすぐ切れる!という時にたまたま夫と会うことになったので、ここに一緒に行かない?と誘ってみました。
なんとなく、夫と2人で行ってみようという気持ちになったので…
もし別居せずに一緒に住んでいたら、きっと博物館に一緒に行くなんてことは、まずなかったです。
出かけることは好きな夫婦ですが、一緒に出かけたいと思えなくなっていたんですね。
別居したからこそ、こんな風に2人で出かけようと思えたのだと思います。
そして江戸東京博物館を楽しみ、両国なので美味しいちゃんこをごちそうになり、食事を終えてここでバイバイかな?と思っていたら「家まで行くわ!」と夫。
まだ時間も早いし「じゃうちで夜ご飯食べて帰る?」なんて話しながら家に戻り…
ソファーでまったり座っていたら夫が驚きのひと言を発しました。
「また一緒に暮らさへんか?」
私は一瞬固まりました。
え?え?え?なんて?え?え?と少し混乱。
こんなことを言われるなんて、全く考えてもいなかったので。
しかし、最初に出てきた自分の心の声を聴いてみたら…『嬉しい』でした。
決断は「その時に考えよう」
嬉しかった私。
だけど、瞬時にもうひとつの気持ちが…
『また前と同じようなことになったらどうしよう』
『もう前のような思いはしたくない!』
そして、その2つの気持ちがあることを夫に伝えました。
ちゃんと自分の気持ちを、自分に誠実に。
それを聞いて、夫はこう言いました。
「もう前のようになるつもりは無いけど、もしそんなことがあったらその時に考えよう」と。
確かに。
なるかならないか、わからない未来の心配はしなくていい。
それは別居中に色々学んで来た中でわかっていたこと。
ストレスの原因はだいたい、過去への反省か、未来への心配ですしね。
過去への反省は
『あの時にあんなことをしなければ…』
『あんなこと言わなければよかった…』
未来への心配は
『またあんなにイヤなことが起こったらどうしよう…』
『あれがうまくいかなかったら…』
心を今ここに、現在に集中することが大切だよとも言われますよね。
夫に「その時に考えよう」と言われ、そうだなと思える自分がいたので、もう一度一緒に暮らしてみようと思えました。
そこで「はい。よろしくお願いします」と返事をしました。
戻る怖さが全くなかったかというと、それはウソになります。
本当にうまくやっていけるのだろうかという思いはやっぱりありました。
だけど、そうなった時に考えればいいと思えたことで、気分がスーッと楽になったんですね。
一番変わったのは私
それから2カ月後に夫が帰宅。
丸2年の別居生活に終止符が打たれました。
戻ってから数日はよそよそしさもありましたが、あっという間に慣れるものですね。
そして、以前一緒に住んでいた時と何が一番変わったかというと…
【私が夫に対して怖さが無くなっていること】
【自分が思ったことをちゃんと伝えられるようになったこと】
2年間の別居にムダは無かったなと今でも思います。
戻って3年経った現在も、以前のような夫に対する怖さはありません。
短気なところもまだたまに垣間見えますが、夫自身も意識はしているようですし、私の受け止め方が変わっていますからね。(これに傾聴が役立っています!)
以前のように苦しくなるようなことはありません。
もしまたなにか問題が起こったとしても、それはそれで。
今は穏やかな夫婦になっていますが、先のことはわからないと気楽に考えています。
自分の心の声を聴く
今回から、【夫婦関係を穏やかにするための方法】をお伝えしていこうと思っているのですが、まずは、ひとつ大切なことをお伝えしますね。
「距離を取ってみる」です。
うちでは別居という大きな距離になってしまいましたが、そうなる前に心の距離、物理的な距離を取ることをオススメします。
私は距離を取り、一人になったからこそ自分と向き合うことができました。
一人にならないと考えることができなかったと言ってもいいかもしれませんね。
自分がどう生きていきたいか、自分の人生を改めて考える機会が持てました。
夫自身も会社内で開催されていたマインドフルネスの勉強をしたり、座禅の会に参加してみたり、今までは全く見向きもしていなかったことを学ぶ機会を作っていたようです。
子育て中のあなたから「そんな時間取れるわけない!」と言われそうですが…
できることからでいいのです。一日5分寝る前にでも、トイレに入った瞬間でも。
自分の気持ちに目を向ける、耳を傾けることから始めてみませんか?
【自分自身の心の声に耳を傾けて聴く】これが自分への傾聴に繋がります。
ゆっくり落ち着いて、自分自身に問いかける時間を作ってください。
そして、あなたの本心に偽らないで、自分に誠実に優しく聴いてあげてください。
話しを聴くのは何も相手の話だけではないのです。
まずはあなたが、あなた自身の心の声を聴いてあげましょう。
そこからが『傾聴』のスタートです。
『傾聴』を知った私が穏やかな夫婦関係を保つために、今もずっと続けていることがあと5つあります。
次回からはそれを、ひとつずつお話しさせていただきますね。
プロフィール
傾聴講師・カラーセラピスト
彩-irodori- 村尾リエ
傾聴(聴き方)をお伝えする講師、カラーセラピスト養成講座の開講などで活動。
傾聴(聴き方)の講演・研修や、夫婦間の聴き方に焦点をあてた講演も開催。
傾聴やカラーセラピーを主体とした個人カウンセリングも「ちゃんと聴いてもらえて楽になる!」と人気。