「おまえうまそうだな」悪者の優しさに心温まる絵本
【おまえうまそうだな】
宮西達也/作・絵
ポプラ社/出版
やさしい恐竜の物語
「おまえうまそうだな」は宮西達也さん原作の絵本です。
登場するのは恐竜ですが、怖いはずの恐竜もどこか親しみやすい可愛らしい絵が子どもの心をつかみます。
ポプラ社から出版されているこの絵本には、読み聞かせ用の大型版があります。
図書館で見つけた時、この独特なタイトルと、カラフルな色使い、そして大きな絵本であることからすぐ目に入りました。
タイトルだけみると、何の話なんだろう?と思いますが、
表紙からは想像できないとてもピュアで心温まるストーリーです。
「おまえうまそうだな」
「おまえうまそうだな」は登場する恐竜たちが、違う運命を背負いながらも出会い絆を深めていくストーリーです。
ちょっとした勘違いから時間を共有する中から、ピュアな心に動かされ
”思いやり”の心がうまれていきます。
偽りから始まった関係が、いつしか優しさや愛情でいっぱいになる、
そこにできた本当の絆にあたたかい気持ちになりました。
この絵本では、大人の心が浄化されていく様子が、恐竜たちののやり取りから見えてきます。
本当に相手にとって幸せとは何なのかを考えた時、陰から支える選択肢もあるのだと、
いつか子どもたちが自分の元から旅立つとき、寂しさをこらえながらこの物語のように思えるだろうか。
そんなことを考えさせられました。
だからこそ今もっと子どもたちを愛したい!そう感じるストーリーです。
子どももきっと優しさに触れているはず
子どもたちが大好きな恐竜が登場します。
悪者でも優しい心を持っていること、優しさで相手の心を変えることができること、
そんなことを教えてくれる絵本です。
ピュアな子どもたちはきっともっとストレートに、この絵本をとらえているかもしれません。
読み聞かせの後、どんな風に感じたか聞いてみると、大人とはまた違った答えが返ってくるかもしれませんね。
大型以外にも、通常サイズがあります。子どもたちの反応も楽しみに、ぜひ読んでみてください。