ママもパワーをもらえる絵本!「生き方のバイブル」

「世界を変えた100人の女の子の物語」は今年高校生になった長女が幼稚園生だったときにプレゼントした絵本。タイトル通り女の子の物語が描かれているのですが、最近は小学1年生の次男が夢中になって読んでいます。次男は本を何度も読み返すうちに、登場する人物に影響を受け、予想外の行動に出たことに私もびっくり。次男の成長を感じた私が改めて読んでみたところ、登場人物の前向きさに感銘を受けて、読み終えたときはすがすがしい気持ちに。私が新たな一歩を踏み出すことができるきっかけにもなりました!
幼いころに読み聞かせていた長女は、さまざまな女の子の話が聞けることに魅力を感じていた様子でしたが、次男は登場人物が持つ失敗を恐れず進む勇敢さに心動かされていました。個性的な画も魅力的で見ているだけでも元気をもらえる絵本。ぜひ親子で読んでほしい一冊です。
活躍する女性たちの生き方が凝縮した一冊

「世界を変えた100人の女の子の物語」
文:エレナ・ファヴィッリ、フランチェスカ・カヴァッロ
訳:芹澤恵、高里ひろ
発行所:河出書房新社
世界の100人の女性がどのような考えて道を切り開き、物事を成し遂げたかが子どもでもわかりやすい表現で書かれた絵本。一人の人物に関して右ページには本文、左ページには画が一面に描かれています。
登場する人物は、古代文明の時代を生きた女王から数十年前に在職していた大統領、性同一性障害の小学生など実に幅が広いんです。時代や職業、年齢にとらわれないさまざまな人の考えや生き方に触れることができます。
すべて女性の話ですが、男の子にも人気の職業や肩書きを持つ人も多く、「古代エジプト王って女性だったんだ!」と次男が驚いたように、女性の話だということを忘れてしまうほどどの人もパワフル。女性の立場が弱かった時代に生き抜いた人も多く、逆境に負けない強さを学ぶこともできます。
どの話もポジティブで明るい気持ちになれる

この絵本は寝る前の読み聞かせ用絵本として活躍し、長女が小学生になってからは本棚に眠っていましたが、本好きの小学1年生の次男が発見して読むようになりました。
伝記というと堅苦しいイメージがありますが、その要素は一切なく表紙にも書かれているようにどの話もポジティブな結末で、読んでいて心が明るくなります。一人の人の話が見開き1ページで簡潔するので読みやすく、夢中になって読んでいる次男は「女の子の物語」というタイトルに気付いていない模様(嗤笑)。性別など関係なく楽しめる絵本です。
ずっと眺めていたくなる画に子どももハマり中

本文もさることながら、見開きの半ページを占める大きな画が子どもの興味をそそるようです。ポップなテイストのページがあるかと思えば、その次のページはクラシックな自画像が描かれていたり…ページ毎に描かれている画のテイストが異なり、めくるたびに引き込まれるように見入ってしまいます。
この特徴的な画は、子どもの興味の幅を広げてくれるきっかけにも。次男の様子を見ていると、最初のページからではなく、興味のある画が描かれたページに興味を持って読み進めていましった。
「この女王の顔、おもしろいね!」
とニヤニヤしながら古代女王に関するページを開き、女王がいかにして活躍したかを自慢げに話してくれました。古代女王のことを小学1年生が知る機会はあまりないと思いますが、個性的な画をフックにさまざまな生き方に触れて知ることができます。
知らなかった職業への興味もムクムクと

小さなころから数に興味のある次男は、最初は200年前に活躍した数学者のページが大好きでしたが、最近は「天文学者」という職業があることを絵本で知って興味津々な模様。
「この人が言っているみたいに生き物は地球にしかいないなんて、僕もおかしいと思う。僕も調べてみたい!」
そう言って、宇宙に存在していそうな生き物の画を描くように。大人になると、宇宙人と聞くだけで最初からいるわけないと切り捨ててしまいがちですが、子どもの発想はうらやましいくらい柔軟。当たり前のことを当たり前に思わず、疑問を持って行動することの大切さにも気付かされます。
「失敗は成功のもと」果敢にチャレンジ!

本の影響は職業への興味だけでなく、行動の変化にも。小学生になって周りの友達が自転車に乗れるようになっていく中、まだ補助輪なしの自転車に乗れないことを気にしてはいた次男でしたが、失敗や怪我を恐れて練習に誘ってもなかなか「やりたい」という気持ちになれないでいましいた。
そんな次男でしたが、本に登場する人たちが、諦めずに自分の思う道を進む姿に感銘を受けたようで、あれだけ避けていた苦手な自転車の練習を、何と自分からやりたいと言い出したのです。この変化に私もびっくり。
もちろん、すぐに乗れるようにはならず、道の脇に突進したりバランスを崩して倒れたり・・・。そのときに次男の口から出てきたのが「失敗は成功のもとなんだよね」という言葉。この言葉自体は別の本を読んで知ったようですが、その言葉と本に出てくる人の勇気ある行動を結びつけ、自分も負けずに頑張りたいと行動に移した姿には驚かされました。
母もパワーをもらえた

この本の影響は次男だけでなく、母である私にも。本を読んで諦めずに挑戦するようになった次男に勇気をもらい、忙しさを言い訳にして後回しにしていた「自分がやりたいことリスト」を作成。そのリストにあることを少しずつではありますが、行動に移しています。登場人物のように大きな世界は変えられなくても、諦めなければ小さな部分からでも自分を変えることはできるのだと、この本や次男に教えてもらった気がします。
読み聞かせをしていた幼かったころから10年以上が経過し、そろそろ将来の進路を考える時期にさしかかった高校生の長女にも「もう一度読んでみたら」とすすめている奥の深い絵本。幅広い年代のお子さんへのプレゼントにもおすすめです。