自閉症スペクトラム児を育て日々思う事!軽度と重度の差って何?
診断名は時とともに変化するらしい
世間の人は、自閉症スペクトラムと聞けば、「いわゆる発達障害児でしょ。」というレッテルがすぐに思い浮かぶことでしょう。
ですがほとんどの方が、実際に自閉症スペクトラムがどのような特徴を持っているのかまで、よくわからないというのが現実ではないでしょうか。
そして、自閉症スペクトラムは以前は細かく診断名が分かれていましたが、最近では自閉症スペクトラムという一つの名称に吸収されています。
つまり、軽度であっても重度であっても同じ診断名が下されるのです。
我が娘の場合は…
私は、娘が軽度から重度の間で、いったいどこの位置にあてはまるのだろうかと思い、主治医に尋ねましたが、以前はアスペルガーとか、色々あったけれども、今は一つになっているからという回答で詳しくは教えてもらえませんでした。
釈然としませんでしたが、その後、いろいろな療育を受けたり、周囲の話を聞いたり、実際に経験してきた中で、少し見えてきた部分があります。
軽度と重度の差って何?
言い換えると、環境次第で良くも悪くもなるということです。
例えば、手厚い園で過ごすことができる子どもは、周囲を困らせるほどの事態を起こしにくく、穏やかに暮らすことができます。
反対に、園全体的に知識が乏しかったり、不幸にもブラックな園に登園せざるを得ない子供は、落ち着きを失い、本来よりも悪化してしまうようです。
もちろん園だけではなく、家庭環境においても同じことがいえます。
つまり、暮らしている環境によって、軽度でいられるのか、はたまた重度に悪化してしまうのかということです。
程度が常に揺れ動くため、実際は判断できないのではないか?と考えるようになりました。
理解するのは本当に大変!
例えば、この子とこの子はすごくよく似ていると思っていても、実際は、個々の特性が全く異なると言っても過言ではありません。
そのため、一人の子どもを理解するまでには、果てしない時間を要します。
さらにいうと、周囲に理解を求めていく作業も果てしない労力を要します。
一見すると、何も問題を抱えていない元気いっぱいの子供に見えることも、わかりづらくさせる一因です。
まだ幼い2~3歳児の間は、「元気な子」それで十分通用します。
ですが、年齢を重ねていくにつれ、おやおや?と思わずにはいられないことが増えていきます。
そのことが、自閉症スペクトラム児を抱える母親としては、いたたまれない気持ちにさせられます。
私自身、娘と日々接する中で、理解していると思っていたはずなのに、突然の複雑怪奇な言動により、混乱を覚えることもしばしばです。
一番身近な母親でさえ、実際のところ、この子はどんな凸凹があるのか正直言ってわからない!というのが本音です。
ですが、当の娘は何の屈託もなく、無邪気に胸いっぱい夢を抱き、ときに大人顔負けなフレーズを言ってのけたりします。
つまり、少しばかり感情が豊かすぎる人間なのです。
自閉症スペクトラム児たちの行く末に幸あれ!と願わずにはいられません。