HSC(ひといちばい敏感な子)は担任の先生との相性が重要

慣れるまでは気が立っています

新しいクラスに慣れるまでは、どんな子どもでも不安になったり落ち着きがなくなったりしますよね。我が家の小学6年生と2年生の兄弟の弟は、幼稚園の頃からそれが顕著に出ていました。

弟はどちらかと言わなくても元気で活発です。ただし、暴言を吐く事や自分から相手を悪く言うことはありません。

そんな弟ですが、幼稚園の頃からクラス替えや進学時期になると心が不安で落ち着かなくなります。チックの症状が出たり、お友だちから執拗にちょっかいを出されると我慢できなくなり、手が出たりしてしまいました。

2年生の現在、私もどこか生きづらさを感じずにはいられない弟を心配に思っていました。そこで色々調べ、医師に相談したところHSC(ひといちばい敏感な子)ということにたどり着きました。

担任の先生との相性

小学1年生の時担任の先生に、新しいクラスに慣れるまで時間がかかり、お友だちとトラブルになることがあると思います、とお伝えしました。
案の定、何回か先生からお電話を頂くようになりました。お友だちがちょっかいを出すことで我慢が出来ず手が出てしまう。
弟の言っていることは正しいのですが手が出てしまうので注意をしましたと言う内容のものがほとんどでした。
ちょっかいを出された時点で先生に言いに行くことができれば良いのですが、どうしてもその場で我慢ができないのです。先生も、ちょっかいを出してくるお友だちもちゃんと注意をして、弟にも手を出すことがいけないことをしっかり怒ることなく注意をしてくれました。

また、弟の口癖として、絶対!と言うものがあります。例えば家に宿題のノートを忘れてしまっているのに絶対持ってきた!プリントがなくなり、学校の机を探したけど絶対ない!などです。宿題をやったこととランドセルに入れたことの記憶がごちゃごちゃになっているのか、忘れたことを素直に認められないのです。プリントに関してはただただ、低学年なら良くあるのですが探すのが下手なのです。

結局宿題のノートは家にあるので、次の日冷静になれば先生に謝ることができます。プリントに関しては先生が一緒に机の中を見て、あるじゃーん!と叱るのではなく軽く言ってくれる先生だったので弟もすぐ謝ることができたそうです。

弟は強く言われるより優しく言われたほうが話をよく聞きます。なので先生も大きな声で怒るのではなく諭すように言い聞かせてくれました。弟も担任の先生に対する信頼は大きく、家でも先生の話を楽しそうにしてくれていました。

3学期になり、もうすぐ2年生になること、クラス替えがあることを先生から言われるようになると弟のチックの症状が目立つようになりました。それにつれて、お友だちとのトラブルも出てきました。弟が落ち着かなくなるように、落ち着かなくなるお友だちももちろんいて、些細なことでトラブルになるようです。
なので、先生から連絡がきたあと何が不安なのかを聞きました。弟は、2年生になることでクラス替えが不安。お友だちと離れてしまうのが不安と言っていました。

進学時のお願いとして、来年の担任の先生にも弟が慣れるまでは時間がかかることを引き継いでいただけるようにお願いをしました。

先生の不理解とストレス

弟が2年生になり担任の先生が変わりました。
最初に提出する調査書にも弟は慣れるまで時間がかかるとこ。慣れるまではお友だちとのトラブルがあるとこ。神経質であることを書きました。

しばらくして先生からお電話を頂くことが増えました。弟がお友だちとのトラブルで手が出たというものです。
弟のクラスには幼稚園の頃から何故か、弟に対してのライバル心が強いお友達がいます。弟はやってもないことを、大声でやったー!と叫んだり、鬼ごっこの時そのお友達とは違うお友達にタッチしただけで、叩いたー!など叫んだりするのです。もちろんタッチされたお友達も普通に遊びを続けています。つまりは弟のやることなすこといちいち文句を言ってくるのです。
他のママに聞くと前からそういう傾向はあったらしいのですが、頭のいい子で先生にわからないようにするのです。
今でも弟が100点をとると、本当に100点なの?嘘じゃないの?と、先生の見ていないところで言ってくるそうです。

電話の内容は、その子が見てもないのに弟が触っちゃいけないものを触ったと言い、近くにいた子どもも騒ぎだし、いくら否定しても信じてもらえず手が出たというものでした。

もちろん手が出たことはいけないことですが、弟に聞くと先生は2人も言ってるんだからと弟の言うことを信じてくれなかった様でした。
また、1年生の頃のようにプリントがないという話になり、探しても出てこないと先生に相談したそうなのです。結局は机の奥にあったのですが、弟は見つけられずにいました。

弟は家で泣きながら、先生、相談したのに聞いてくれないと話していました。その後、しばらくたってから先生が机の中を探して見つかったものの、どうして始めから一緒に探してはいただけなかったのだろうと私としてもモヤモヤしていました。

高学年になっても物がなくなれば先生が机の中を一緒に確認してくれます。ママ友に相談をしても低学年で先生が一緒に探してくれないのはおかしいと言われました。

そして、弟も整理整頓ができないのがいけないのですが、またプリントがないとなり、先生が机の中を確認して見つけたとき、クラス皆の前で大きな声で怒ったそうです。後日同じクラスのママ友から、弟の様子は大丈夫?と、とても心配されました。

もともと大きな声で怒る先生で、その先生に連絡帳を書いても軽く流されるというママ友も多く、あるママ友は自分の子どもに、先生がみんな味方ではないんだからね、と伝えたと言うほど淡白な感じの先生でした。

運動会の前、先生からお電話で運動会の練習の時後ろからずっとちょっかいを出してきた子どもとトラブルになったと連絡がありました。慣れるまではと言っていたのですが先生から、弟の落ち着いたところを見たことがないのでそういう子だと思っていました、という言葉を言われ、私の心も限界でした。

弟はストレスで1ヶ月以上下痢が続いていて、そのことで病院へ通っていました。私も今回の電話で子どもたちの前で泣いてしまい、去年の担任の先生にすべてのトラブルは弟だけが悪かったのか相談のお電話をさせてもらいました。
去年の担任の先生は、そんなことはないと言ってくださり、弟のいいところはたくさんあります。もう少し担任の先生を信じて頑張りましょうと言ってくれました。

お兄ちゃんの奮闘

運動会当日、幼稚園の年少、年長時の担任をしてくださっていた先生が見に来てくれていました。お話をする時間があり、少し相談をしたところとても驚いていました。
弟のいいところをこれから担任の先生がきっとわかってくれると言ってくださいました。
そんなトラブルをずっと側で見ていたお兄ちゃんが、僕、明日教頭先生に相談してみるよ!と言い出したのです。誤解されてる弟も、泣いているお母さんもこのままじゃかわいそうだと、普段頼りないお兄ちゃんが怒っていました。
お兄ちゃんは、何故か教頭先生や校長先生とよく話すそうで、仲良いから大丈夫!と意気込んで学校へ行きました。
教頭先生が来る授業の時、後で大事な相談がありますと伝えたところ、作業が終わったお兄ちゃんを廊下へ連れ出し話を聞いてくれたそうです。そして、校長先生へ相談しますと約束してくれたと言っていました。

その後、担任の先生の対応はすっかり変わりました。他のクラスの子どもがあのクラスの先生は怖いと言うほど、声を荒らげて怒っていたのがなくなったそうです。怒るのではなく言葉でちゃんと注意をするようになったと弟が言っていました。

お兄ちゃんの頑張りのお陰で、薬の力もありますが2ヶ月弱ほど続いた弟の下痢もやっと治まりました。

その後

2学期、弟に対して頭が悪い、足が遅い等、悪口を言う子がいて消しゴムの投げ合いになったそうです。先生が消ゴムを投げることは悪いことを注意しつつ、弟はそのお友達よりお勉強を頑張っているからそれはおかしいと話していたと言っていました。
弟も今回は認めて貰えていたことにほっとしていました。

そして、この後先生にHSCであることを伝え、理不尽なことが起きると我慢ができないこと、我慢できるようになるには心の成長を待つしかないと医師に言われたことを伝えました。すべてのことに我慢ができないのではなく、理不尽なことのみに対してのみ抑えがきかなくなるので、先生もそこで初めて弟の性格を納得してくださったようでした。

トラブルが起きたときの対応は先生によって全く異なります。子どもに合わせた対応を、といっても全ての先生に求めるのは無理があるのかも知れません。しかし、誤解され苦しんでいる子どもを黙ってみていることはできませんでした。

色々な経験を通して強くなる子どももいますが、気にしすぎて潰されてしまう子どももいます。
HSCを知ることで、先生への説明も分かりやすくできるようになった気がします。
弟の心が大きく成長するまでできる限りサポートしていきたいと思います。

 

 

 

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