年子ママの出産体験記 〜初産は3日間の陣痛からのフルコース〜
出産は1人として同じものはないと言いますが、わが家も然り。
2回の出産を経験して、それぞれに全く違う出産となりました。
産まれるまでは、お腹の中のわが子と会える瞬間を楽しみに、ドキドキしながらも、超スーパー安産だったりして〜なんて、呑気に構えていました。
そう、まさかあんなにも長い闘いが待っているとは知らず…。
今回は、初めての出産での体験を紹介させていただきます。
予定日超過。焦る思い
初産は予定日より遅れやすいとよく聞きますが、私もそうでした。
主人には立ち会いを希望し、予定日の前後1週間で休みを取ってもらっていました。
なんとか間に合ってほしい、そんな思いと共に、「もうそろそろ?」と、友人達から連絡が来るたびに、焦りは募る一方でした。
真夏にも関わらず、ひたすらウォーキングしていたのを覚えています。
陣痛の始まり
一度は帰宅するも…
予定日から2日後の夜、ついに陣痛らしきものが始まりました。
一定間隔となり、病院に電話し向かいました。いよいよ始まるのかと高鳴る思いをよそに、子宮口はまだ1センチ。拍子抜けしたのを覚えています。
ですが、お産は進むかもしれないし、そのまま入院となりました。
しかし、明け方には陣痛は遠のいてしまいました。「よくあることよ〜」と、助産師さんに励まされつつ、昼過ぎには一度帰宅することになりました。
縮まらない陣痛の間隔
退院したその日の夜には、またしても陣痛の間隔が一定となり、再度入院となりました。
ですが、陣痛の間隔が5分から一向に縮まらなかったのです。
これがまた、長時間になると地味にきついんです。
痛みのせいか、飲食もままならず、陣痛の合間に仮眠をとっては目が覚めて、主人に腰をさすってもらっていました。
そしてそのまま、また陣痛室での夜を迎えます。
明け方には、主人が仕事のため私の母とバトンタッチで付き添ってもらうこととなりました。
終わりの見えない痛みとの闘いに、徐々に私も疲れてくるころでした。
3日目突入。促進剤の開始
ついに陣痛室で迎えた3日目。
それまでは、赤ちゃんも頑張っているのだから!と、なんとか冷静を保っていました。
しかし、産まれる気配がなく、ゴールの見えない痛みとの闘いに、気力も体力も限界がやってきました。
その間に、後から陣痛室に入ってきた2組の妊婦さんがすでに出産を終えていきました。
こんなに産まれないなんておかしい!
私のお腹に赤ちゃんいないのかもしれない!
と、疲労でおかしな思考回路になっていました(笑)
昼過ぎには、泊まり勤務を終えた主人が戻ってきてくれました。
早く痛みから解放されたい一心で、先生に何度もお腹を切ってくださいと懇願する始末…。
あくまでも自然分娩を推奨する病院だったので、母と主人、助産師さんたちになだめられ、促進剤を使うことになりました。
遠のく意識の中で
促進剤が効き始めて、陣痛の波は強くなりました。
それでも赤ちゃんは産まれる気配がありませんでした。
ここで、子宮口を広げやすくする薬を追加してもらいます。
連日の疲労と寝不足が募り、陣痛の合間に意識が飛びます。
そして迎える4日目の明け方、ついに子宮口が全開になったのです。
しかし、「ご主人といきむ練習しといてくださいね」と言って、助産師さんは行ってしまいました。
残された私と主人は唖然(笑)
どうやっていきむの?!まだ産まれないの?!
何も分からないまま、とりあえず雰囲気でいきんでいました。
出産の時
ついに分娩室へ
一度見えかけたゴールをまた見失い、遠のく意識の中で、早朝、ようやく分娩室へ移動になりました。
分娩室には、助産師さんたちが続々と集まってきます。若い男の先生の後に、おじさんの先生がやってきて、その瞬間一気に空気がピリつきました。
三度の吸引分娩
今度こそゴールは目の前。
残っている力を振り絞っていきみますが、やはり産まれる気配なし。
私の体力が落ちてしまっているのもあり、酸素マスクをつけてもらい、会陰切開と吸引分娩、おじさん先生が上に乗って押すという、全ての力を借りて出産に挑むことになりました。
「今!いきんで!」の合図と共に、おじさん先生が馬乗りになり、吸引のものすごい音が鳴り響きます。
キュポーン!!
なんと、二度も吸引が赤ちゃんの頭から外れてしまったのです(笑)
そしてついに三度目の正直。
みんなが一つとなって、ついに分娩室に赤ちゃんの産声が上がりました。
やっと産まれた…
3日間の陣痛の痛みは、嘘のようになくなりました。
赤ちゃんとの対面の時
長い長い闘いを終え、助産師さんが赤ちゃんを綺麗にして連れてきてくれました。
「頭…長っ!」
三度の吸引によって、頭がエイリアン並みに伸びてしまっていたのです(笑)
ちなみに、赤ちゃんの頭はまだ柔らかいので、吸引で伸びることはよくあるそうです。
数日したら、頭も縮んで今ではすっかり普通の頭の形になっています。
感動よりも頭の長さへの驚きが最初の感想となってしまいましたが、小さな小さな手には小さな爪までしっかりと生えていて、その命の力強さと温かさに涙が出そうになりました。
出産を終えて
結局、分娩時間は助産師さんの裁量で38時間となりました。
予想もしなかった陣痛室での3泊4日。そして、促進剤に会陰切開、クリステル胎児圧迫法に吸引分娩と、私の初産はフルコースとなりました。
一つの命の重さを、全身全霊で感じる貴重な体験を、わが子が与えてくれたのだと思います。
何よりも、可愛いわが子に会えるというこの上ない幸せが待っています。その瞬間に、痛みも辛さも吹き飛んでしまいます。
1人として同じ出産はありませんが、一つの体験談として、少しでも参考にしていただければと思います。