祖母の家での思い出から学んだ夏休みの過ごし方

「あー明日から夏休み。」1日中子どもと過ごすとなれば気が重くなるのではないでしょうか。

私も子どもと過ごす夏休みがくることはとても憂鬱で嫌でした。しかし、祖母の家で過ごした夏休みの思い出を思いだしたことで、子どもと過ごす夏休みの考え方が変わりました。

祖母の家で過ごした夏休みを思い出すきっかけになったのは、井上陽水さんが歌う「少年時代」でした。なぜ、祖母の家で過ごした思い出が子どもと過ごす夏休みの考えが変わったのか、なぜ「少年時代」が祖母の家で過ごしたことを思い出すきっかけになったのかお話ししたいと思います。

はじめての夏休み

私が小学校に入学し、はじめての夏休みに入る前、母は頭を抱えていました。1年前の夏、私は保育所に預けられていたので夏休みに家にいるのは重度自閉症の兄だけでした。
重度自閉症の兄が家にいるだけで大変なのに、そこに私が加わるとなればますます大変です。自閉症の兄と私と一緒に1日中どうやって過ごすか悩んでいた、どうしても兄の方ばかりに手がかかり放任状態にしてしまう私に対して心を痛めていたのかもしれません。

そんな時に祖母から(母の実家)電話がかかってきました。
その電話の内容は、お盆の間、私を1週間預かるという電話でした。祖母の家にお盆に行けば、おばさんの子(母の妹)、おじさんの子(母の兄)がいるので、私も一緒にその子どもと遊べるのでよいと祖母は考えたのだと思います。
祖母も、母が兄のお世話が大変だということは十分わかっていました。母は半分うれしい気持ちになりましたが、兄のことで祖母にも今までたくさん迷惑をかけてきたので、兄と同じように私が祖母に悪いことをして困らせないか、親元を1週間離れることでホームシックにならないか心配をしていました。

しかし、母の心配とは反対に私は、祖母の家に1人で泊まってみると言われたときはうれしくてたまりませんでした。

兄を遊びに誘っても相手にしてくれない、逃げて1人で遊ぶことが多く退屈することもたびたびあったからです。広い田舎の祖母の家で従妹と思いっきり遊べることが楽しみで、早くお盆にならないかそればかり思っていました。

祖母の家

<祖母の家はどんな家>
1.母方の祖母の家は、田舎の本家で母屋と長屋の2件からなり、とても広くお部屋の数が12個、縁側は3個ありました。
2.祖母の家には祖父母と母の兄夫婦が住んでいました。
3.田んぼや畑も持っていました。
4.祖父の部屋にはボンボン時計がありチクタクチクタクと時刻を刻んでいました。
5.夏はとても涼しく冷房がなくても過ごせました。

<祖母の家で楽しかったこと>
1.従妹と楽しく遊べたこと
兄は人と遊ぶことには興味がなく一緒に遊ぶことはなかったので、1日中一緒に遊べる人がいて私にとってはとてもうれしいことでした。1人でできない遊び、かくれんぼ、闘いごっこ、トランプ遊びは当時の私の心をひきました。

2.盆踊りなどに行ったこと
縁日でおそろいのアクセサリを買うなど、おそろいのものをつけて一緒に盆踊りを踊れたことが楽しかったです。行楽地に行くときは車の中で楽しく歌う、おしゃべりに花が咲きました。

3.虫捕り
田んぼや山がたくさんあったので、虫捕り網やかごをもって祖母の家や家の周りで従妹と一緒に虫を捕まえました。ときに、従妹と一緒にカマキリやトンボを捕まえました。カエルを数えきれないほどたくさん捕まえて家の中に持ってはいろうとしたら大人に気持ち悪いと怒られたことがありました。

4.探検ごっこ
田んぼや山がたくさんあったので、常に従妹と探検ごっこをしていました。山の中を歩いてお墓参りに行く時、わざと危険な道を通りスリルを体験しました。時にはめをはずしすぎて屋根の上を従妹と一緒に歩き祖母に見つかった時はすごく怒られました。

田舎の祖母の家での生活、虫取り、探検ごっこは私が理科好きになった原点であったのではないかと考えています。もっと自然界のことを知りたい、学びたいと強く思うようになり、太陽がなぜ東から登るのか、なぜ季節があるのかなど理科だけは自分から進んで勉強をするようになりました。祖母の家で夏休みを過ごさせてくれた母や祖母に私は大変感謝をしています。

井上陽水さんの「少年時代」をきくと

私は井上陽水さんの「少年時代」をきくと祖母の家で過ごした夏休みが走馬灯のようによみがえります。
セミの大合唱で起こされた朝の気配、蚊取り線香の匂い、日めくりカレンダその1つ1つを思い出しながらコラムを書かせていただきました。振り返ってみると祖母の家で過ごしたひと夏ひと夏は、本当に1度っきりの大切な時間であったと思います。でも、同じ夏が二度と巡らないことに気づくのは、誰もがずっと先のことで、その時はただ夢のような夏を夢中ですごすばかりだと私は思います。1度っきりの夏が過ぎていってしまっても、私はきっと心のどこかに大切なその時間をとどめておけるのだとこの歌をきいて思いました。

「少年時代」がリリースされたのは1990年9月21日でだんだんと売り上げを伸ばし1991年から1992年に最もヒットしました。1997年には日本レコード協会からミリオンセラーに認定されたロングヒットの曲です。ちょうど、この曲がではじめてヒットしていたころは祖母の家で夏休みを過ごしていた時と重なります。この偶然の一致が少年時代をきくことで私は自然に祖母の家で過ごした夏休みを思い浮かべるのだと思います。

子どもとの夏休み

井上陽水さんの「少年時代」をきくことにより、祖母の家で過ごした夏休みを思い出したことがきっかけで、夏休みは子どもにとって思い出になるようなことをしてあげたいと考えるようになりました。
もし、祖母のサポートがあるならば、子どもだけで祖母に家に泊まりに行かせてみてください。大人はきちんといい子にできるか、ホームシックにかからないか心配事が先立つのですが、いがいと子どもは平気で楽しく祖母の家で夏休みを楽しみます。祖母の家いがいにもキャンプに子どもだけで参加させてみるのもいいかもしれません。野外炊事やテント生活など貴重な体験ができますよ。

お泊まりいがいにも、子どもの夏休みの宿題を全力でサポートして子どもと一緒に宿題を片付けることもいい思い出になり楽しいかもしれません。工作、自由研究、読書感想文などの宿題は特に低学年の場合は親のサポートが必要になってきますよね。汗水ながして作った、書いたものは傑作品できっと良い思い出として残ります。

私はおととしと去年の夏休みに子どもと一緒に時間をかけて自由研究をやりました。途中で投げ出したくなったことが何度もありましたが、自由研究の宿題が終わった時は母子ともに心地よい達成感が生まれました。苦労が報われ、自由研究で教育委員会から賞状をいただくことができました。賞状をいただいたことで子どもは大喜びし勉強に対する自信がつきました。また、賞状をもらったことで学校の宿題を積極的にするようになりました。

めんどくさい部分が多いかもしれませんが、子どもにすてきな夏休みの思い出をつくってあげましょう。きっと子どもは親や祖父母と時間をともにすることで喜びを感じすてきな夏休みになるでしょう。

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