かこさとし絵本「だるまちゃんシリーズ」新作3冊!
2018年1月「だるまちゃんシリーズ」新作3冊同時刊行。
(写真「だるまちゃんとてんぐちゃん」加古里子 福音館書店)
50年以上、子どもたちを楽しませてくれている「だるまちゃんシリーズ」。
いろいろなお友達に出会い、遊び、元気に育っていくだるまちゃんに新しいお友達が登場しました。
それも今回は新作3冊同時刊行!
実はこの3冊には、作者かこさとしさんの深い思いが詰まっています。
2017年3月に91歳になられた、かこさん。
東日本大震災、福島の原発事故にあわれた方々、そして戦中戦後、なお今も続いている沖縄の方々の苦労に思いを込めて描かれた3作品でした。
「だるまちゃんとかまどんちゃん」
ままごと遊びが大好きな、東北のかまど神「かまどんちゃん」。
2011 年3 月11 日の東日本大震災と津波に被災された方々への鎮魂と慰霊、
そして原発事故への警鐘の念を込めて描かれた作品です。
「だるまちゃんとキジムナちゃん」
キジムナとは沖縄諸島地域の伝承にある妖怪、樹木の精霊「キジムナ―」からつけた名前のようです。
古い伝承への敬意と、戦中戦後、今なお続いている沖縄の方々の苦労に思いをこめて描かれた作品です。
「だるまちゃんとはやたちゃん」
源頼政の従者、猪早太(いのはやた)がモデル「はやたちゃん」。
「源頼政・猪早太の鵺(ぬえ)退治 」という伝説が語り継がれているそうです。
福島のお母さんたちが、源頼政でなく、従者である猪早太を郷土玩具の張子人形としていたところから「はやたちゃん」が生まれたそうです。
50年以上、愛され続ける「だるまちゃん」。
だるまちゃんシリーズ第1作目「だるまちゃんとてんぐちゃん」が刊行されてから、50年以上経ちます。
今回の新作3冊を加えて、だるまちゃんシリーズは11冊になりました。
(写真「だるまちゃんとうさぎちゃん」加古里子 福音館書店)
「だるまちゃんとてんぐちゃん」
「だるまちゃんとかみなりちゃん」
「だるまちゃんとうさぎちゃん」
「だるまちゃんととらのこちゃん」
「だるまちゃんとだいこくちゃん」
「だるまちゃんとてんじんちゃん」
「だるまちゃんとやまんめちゃん」
「だるまちゃんとにおうちゃん」
「だるまちゃんとかまどんちゃん」
「だるまちゃんとキジムナちゃん」
「だるまちゃんとはやたちゃん」
順番に並べてみると、初期から最新作まで画風の変遷も楽しめます。
郷土玩具に込められた思い
(写真「だるまちゃんすごろく」加古里子 福音館書店)
「だるまちゃんすごろく」が福音館書店から発行されています。
コマはだるまちゃん、だるまこちゃん、絵本に登場するお友達たちです。
1マスに1つ郷土玩具が描かれていて、各都道府県の代表的で、なおかつ子どもにとって前向きでプラスになるような郷土玩具を選んで作られたそうです。
だるまちゃんの相手役も日本の郷土玩具を元に考えられています。
作者かこさんの郷土玩具に込められた深い思いに触れることができる「だるまちゃんシリーズ」。
「だるまちゃんシリーズ」を通して、郷土を愛する気持ちや日本の文化を、子どもたちにも自然に伝えていけるのではと思います。
かこさとしさんの絵本「だるまちゃんシリーズ」。
これからも多くの子どもたちに読み継がれていって欲しいです。
かこさとし公式サイト
http://kakosatoshi.jp/