Presented by 触れる図鑑
声の模様を見てみよう!
こんにちは!サイエンスコミュニケータのくもMです。
奈良県を中心に身近な科学を通じて、学びを遊びに変えていくためサイエンスショーや実験教室を開催しています。
今回は音にまつわる実験をご紹介していきましょう。
私たちは人それぞれ、違った声を持っています。
そして、そんな声は普段目で見ることはできません。もし、見えてしまえば色んな人の声がこちゃごちゃして大変そうですが・・・。
しかし、今回は見えない声を見る実験!
声で模様を作り、色んな人と比べてみましょう。
お家でも簡単にできる実験です。チャレンジしてみてください。
実験装置を作ろう
準備するもの
準備するものは以下の通りです。
・ボウル
・厚手の黒いビニール袋
・ビニールテープ
・ハサミ
・塩(さらさらのもの)
黒いビニール袋は100円ショップでも手に入りますが、破れやすいのでホームセンターなどで手に入る厚手の物を使用した方が良いです。
この黒いビニール袋をボウルよりも少し大きめのサイズにカットします。
だいたい直径の大きさよりも10 cmは大きくしてください。小さすぎても大きすぎても後で困ります。
作っていこう!
まずは黒ビニール袋をボウルにかぶせていきます。かぶせてから、下の写真のように縦方向にビニールテープを止めていきましょう。
しっかりと黒ビニール袋を伸ばしながらテープを貼っていってください。しっかりと伸ばさなければ綺麗な模様を作ることはできません。
また、対角線上に交互に貼っていくと綺麗にビニール袋を張ることができますよ。
どんどん貼っていきましょう。裏向きにして貼っていくと貼りやすいです。
ここまで貼っていけばひとまずOKです。
表に向けて黒いビニール袋がピンと張れているか確認しましょう。
うまく張れていれば、太鼓のような音が鳴るはずです。
しかし、このままではまだまだ張りがたりません。もっともっと張らなければうまく声の模様を作ることはできないのです。
つぎは、ビニールテープを周りに巻いていきましょう。
この時注意することは、写真のようにビニール袋の膜が張ってあるおもて面から離して、少し下の部分から巻いていくということです。
最低3周は巻いた方が良いので、下の方から巻いていきます。
テープは重ならないように引っ張りながら巻いていきましょう。
これで完成です!さっきとの違いは写真ではわからないかもしれませんが、叩いてみるとすぐにわかります。
音がさっきよりも響くようになったはずです。
それでは実験していきましょう!
実験
塩をまいておこう
実験装置は完成しましたが、このままここに声をかけても音の模様を見ることはできません。
そこで、どのご家庭にでもあるであろうものを使います。
それは、塩です!さらさらしたタイプのものを使用してください。
写真のように表面にまんべんなく塩をまいていきましょう。少なすぎると綺麗に見えないので、多めに巻くことがポイント。
もうこれで準備は万端です。
塩は落ちてしまうので、トレイなどを下にひいておくことをお勧めします。
それが無いと塩まみれになってしまいますよ!
声をかけよう!
それではこちらに思いっきり声をかけて下さい。
小さな声ではだめです。
おもっいっきり大きな声で、「あーーーーー!!!」と声をかけてあげるのがポイントです。
また、ただ声をかけるのではなく、少し両手で口を覆って音が出る範囲を狭めてあげるとより綺麗な模様を見ることができます。
声をかけるとこうなります。
まんべんなく広がっていた塩が、模様のようになりました。
何だかお花みたいではないですか?
この模様は人によってそれぞれ違います。私のはこのような模様になりましたが、皆様のはどんな模様になるでしょうか?やってみてください。
どうして模様ができるのか?
声は振動
私たちの声は喉にある声帯という部分が震えることで出ています。
自分ののどに手を当てて、声を出してみてください。そのことは簡単にわかるはずです。
そして、その声帯の震えが空気を揺らし、その振動が耳に届くので音として聞こえるのです。
また、人によって声が違うのは、人それぞれ声帯の長さや厚さが違いますし体格も違うからで高い声の人や低い声の人がいますよね。
男性の声帯は女性よりも長く厚くなるので、声が低くなるのです。のどぼとけが出ているのはそういうことです。
声は振動であるということはお分かりいただけたかと思いますので、なぜ、それが模様を作るのかを解説していきましょう。
模様ができるのはなぜ?
ボウルに向かって声をかけると、空気を伝わってその振動はボウルに到達します。
すると、その振動はピンと張った黒いビニール袋の膜を揺らすことになり、揺れは膜表面で下のように波となります。
この波は上下に揺れることになります。すると、揺れている部分と揺れていない部分があるのがわかりますか?
青まるで囲まれたところは揺れていませんよね。
ではここでもう一度、声の模様を見てみましょう。
このように塩があまりない部分と塩がたくさんある部分があります。
塩があまりないところは膜が揺れた部分であり、波の部分。反対に塩がたくさんある部分はちょうど波と波の間の節の部分なのです。
だからこのような模様ができるのです。
この模様は人によって違うといいましたが、それは、人によってこの波の間隔が異なるからです。
この波の間隔が狭いと音は高く聞こえ、広いと低く聞こえます。これを波長が短い、長いと言うのでぜひ覚えておいてください。
また、このように声でできる模様をクラドニ図形と言います。
あなたの声の模様はどんな風になりましたか?
色々な人の声を比べてみましょう。