吐いた時のホームケア(お腹に原因の嘔吐)
先日、小児救急医療センターのセミナー研修会に参加してきました。
その中でためになるお話をご紹介します。
今回はよくあるお腹の風邪が要因で吐いてしまった時のママ・パパケアについて説明します。
子さんが突然吐いたら、驚いて慌てるのは当然の事です。
子どもは大人のように免疫力が十分ついていないため、色んなきっかけで吐くことがあります。
原因がお腹にある場合の嘔吐では、胃の中に入ったウイルスや細菌を体内から排除しようとする大切な防御反応なのです。
初期の嘔吐のひどい時期
(食事はお休みし、水分のみ与えましょう)
☆水分・食事のとり方
!POINT! 嘔吐の初期ではすぐに脱水に陥る心配はすくないので、まずは脱水にならない為のホームケアが大切。
①吐き気の強い時
- 吐いている時はお腹を休ませてあげる事が大切。
- 吐いた後は2~3時間何も与えないようにしましょう。
②吐き気がおさまったら(嘔吐と嘔吐の間隔が空いてきたら)
- 吐いた後は胃の中が空っぽになるため、空腹を訴えるかもしれません。コップごと水分を渡さないようにします。(一気に飲み干ししないようにするため)
- 一度に沢山飲ませてしまうと、また嘔吐を引き起こしてしまいます。少しずつ水分を与え、食事はお休みしましょう。
!POINT! 嘔吐が続くと水分だけでなく、体内のバランスに必要なナトリウムやカリウムなどの電解質も失われてしまいます。それを整えてくれる水分摂取に適している飲み物は経口補水液や「塩分・水分・糖分」が含まれた飲み物が良いでしょう。
☆水分の進め方☆
①最初は1回に1口だけ与えます。
(欲しがっても多く飲ませず、吐かないか確認しながら与えます。)
1杯少量(スプーン1杯5㏄くらい)ここで吐かなければ→②へ
②約5分前後の時間をあけてスプーン1口あげます。→③へ
③さらに吐かなければ、5分後からスプーン2口あげてみます。
④この後、嘔吐しなければ、お子さんの様子を見ながら徐々に水分を増やしても良いでしょう。
※もし、また吐いてしまった場合は、しばらくの間、胃を休め吐き気がおさまったら、再度スプーン1杯少量ずつ飲ませましょう。
※柑橘系のジュースや乳酸飲料・牛乳は控えましょう。
嘔吐が収まって食事が取れるようになった時期(食事を開始しましょう)
水分をある程度摂取しても吐かなくなり、食欲が出てきたら、(下痢していても)徐々に食事を始めましょう。
《食べさせて良いもの》
- 離乳食の場合・・・いつもよる柔らかく、水分多め(塩分も控える)
- おもゆ、お味噌汁、野菜スープのうわずみ
- 幼児には、消化のよいデンプン類(うどんやおじやなど)
《裂けたいもの》
- 牛乳・乳製品
- 繊維の多い野菜(さつまいも・乾燥類)
- 脂肪の多いもの(ケーキ・フライドポテト)
- 消化しにくいもの(貝類・イカ・ラーメン等)
受診の目安
□熱や下痢が続いていて、水分がとれない場合
□嘔吐が、続いている
□眠りながらも吐いてしまう
□おしっこが出ない・少ない場合
□泣いても涙かでない場合
□皮膚・口・舌が乾燥している
□皮膚が冷たく、白っぽく色が悪い場合
□目が落ちくぼんでいる
□呼吸が速く、一日中うとうとしている
□呼びかけてもすぐ眠ってしまう
一つでも当てはまったら直ぐに受診しましょう。