DV(ドメスティックバイオレンス)から子ども守ろう

パートナーとの関係で、パートナーのことが怖いと思ったり、そんな関係は「なんだかつらい」と感じたりすることはありませんか?

DVは「配偶者や恋人などの親密な関係にある、または、あった者から振るわれる暴力」という意味です。さまざまな暴力でパートナーを支配しようとする行為です。

 

DVとは何か?

DVとは6つの種類に分かれます。

1.身体的暴力
殴る、蹴る、平手打ち、髪をひっぱる、引きずり回す、首を絞める、突き飛ばす、服を破るなどの暴力行為。

2.精神的暴力
ののしり、見下す、大声で怒鳴る、無視する、おどすなどの暴力

3.経済的暴力
生活費を渡さない、借金を強要する、自由にお金を使わせない、外で働くのを嫌がるなどの暴力

4.性的暴力
性行為の強要、避妊に協力しない、無理やりポルノ画像を見せるなどの暴力

5.社会的暴力
自由外出させない、交友関係を制限する、携帯電話履歴・メールを細かくチェックする、浮気を疑うなどの暴力

6.子どもを利用した暴力
子どもの前で暴力をふるう、子どもに悪口を吹き込む、子どもに暴力を振るう、子どもを取り上げようとするなどの暴力

 

DVサイクル

〇DVサイクル

1.ハネムーン期
加害者:暴力を振るったことを後悔し、謝ります。優しいふるまいになり、二度と暴力を振るわないことを約束します。
被害者:パートナーが次こそは変わってくれることを期待し、約束したことを信じて踏みとどまります。

2.緊張形成期
加害者:イライラして周囲をおどし、とげとげしい言葉や態度が増えます。
被害者:パートナーの爆発を防ぐために何かしようとします。

3.暴力爆発期
加害者:暴力を振るいます。
被害者:恐怖感や無力感を持ちます。パートナーにおとなしく、すなおにしたがい、責められることを受け入れます。

DVにはサイクルがあります。激しい暴力が振るわれた後、一時的に優しくなったとしても暴力は繰り返され、サイクルの速度が増し、暴力は激しくなっていく傾向があります。
サイクルの速度が増しDVを受け続けると被害者は、次のような5つの反応が現れます。下記の反応はDVの被害にあった多くの人が経験する、暴力というストレスに対する心理反応です。

〇暴力というストレスに対する心理反応

1.暴力を受けた場面が突然頭に浮かんできます。
2.神経が過敏になり、物音や刺激に反応しやすくなります。
3.何もするにもやる気が出なくなります。
4.なかなか眠れなくなります。
5.イライラが続きます。

5つの反応以外にも仕事が続けられなくなる、人間不信、さらに子どもへの虐待につながることがあります。

 

パートナーとの関係でこんなことはありませんか?

〇あなた

1.パートナーの機嫌を常にうかがっていることはありませんか?
私の父は自閉症の兄のことでよく母を怒鳴りつけ、時に手をあげていました。母は手をあげられないように常に父の顔色をうかがっていたと言っていたことがありました。
私も小学生の時から、母が父と異なる意見を言った時、父が有利になるように話をすすめたことが何度もあります。とにかく父を怒らせたら終わりだと思っていました。

2.パートナーが言うことを理不尽だと感じても、何も言わないで我慢してしまうことはありませんか?
私が大人になり子育てするようになって、父が理不尽なことを言っているなと思うことがよくあります。母に相談すると父の性格なので我慢しなさいと言われたことがあります。理不尽なことを言われようと子どものために我慢していた母に、ある意味で尊敬しました。

3.生活費などの範囲内でも、自分のためにお金を使うことにためらいはありませんか?

〇パートナー
1.人がいるときといない時で接する態度に裏表はありませんか?
父は第3者がいるところでは、よく物事に気が付き頼りにされる人でしたが、家に帰ると人の悪口を言っていました。
性格がとても真面目で完璧主義なので、仕事に対するストレスは相当あったと思います。時に仕事のストレス、自閉症の兄のストレスなどで、母にやつ当たりをすることが多かったのではないかと思われます。

2.暴力を暴力ではなく愛のムチなどと言って言い訳をしていませんか?
父は言葉が豊富ではなかったような気がします。だから私たちが悪いことをすると、口ではなく手の方が先に出ていた気がします。私が「暴力反対」と父に言うと「暴力ではない、愛のムチ」だと言われました。

3.あなたを自分の奴隷と考えており、行動を制限し、勝手に行動したことに対して文句を言ってくるなどしていませんか?
母は自閉症の兄のお世話で大変だったため外に働きに出ることはありませんでした。だから我が家は父の稼ぎで生活をしていました。父がいなくなったら私たちは生活できません。そのこともあり「この家の中心は俺だー。お前らは俺がいないと何もできないから」と威張っていることが多かったような気がします。
私が成長してこれは違うと否定すると父と大喧嘩になることがよくありました。

4.加害者の意識がないため、自分のやり方や性格を変える必要がないと考えていませんか?
暴力をしていると意識が全くないため加害者は自分が変わる必要ではないと思っています。

 

DVが子どもに与える影響(実体験から)

子どもがDV(配偶者など間の暴力)を見聞きすることは、面前DVと言って子どもへの虐待(心理的虐待)に当たります。子どもは直接暴力を受けていなくても、パパとママの関係が悪いのは「自分が悪い子どもだから」「自分さえいなければ」などと誤解してしまいがちです。

自閉症の兄のこともあって私の父と母は、よく喧嘩をしていました。母と父が喧嘩をするたびに「神様、母と父が早く仲直りしますように」と祈り続けていたことを覚えています。父を怒らせないように、母が嫌な思いをしないように、言い合いをしていたら喧嘩にならないようしなければと思うことがよくありました。
言い争いになる前に、よくとめに入っていた気がします。父と母が仲よくしている姿をみるとホッとしていました。大人たちの言い争いをきかせれている私は泣きそうでした。
子どもの前では夫婦喧嘩は絶対よくありません。

 

パパ(夫)との関係

パパと私は赤の他人です。一緒に生活をしていたらいろいろあります。イライラもあります。
しかし、言い争いになることはあまりありません。パパも親がよく喧嘩をしていて夫婦喧嘩は嫌だった人なので、夫婦喧嘩が子どもに良くないことを十分分かっているのかもしれません。
私との言い争いを好みまないのですが、私は結構言ってしまう癖がありますので、パパは言い返すことはしないで少しの間場所を変えて気分転換をします。
私は少し時間をあけると先ほどのイライラがおさまります。だから我が家では夫婦喧嘩をすることがあまりないような気がします。

〇DVをなくすために

1.暴力を認めません。
どんな事情があっても、いくら親密な関係であっても、暴力をふるっていいという理由にはなりません。暴力によらない解決方法があるはずです。暴力をふるうことは決して許されないものです。

2.自分のことを大事にします。
人はみな生まれながらにして1人1人が大切にされるべき存在です。暴力をふるわれてもいい人など1人もいません。
あなたは、自分自身のことを自分で決めることができます。嫌なことは「嫌」ということができるのです。子育てをしているといろいろあります。嫌なことを我慢していつの間にかストレスになりイライラが募り夫婦喧嘩にいたる話がよくあります。ストレスになる前に嫌なことは嫌だとはっきり言いましょう。

3.パートナーのことを大切にしましょう。
相手の話に耳を傾けましょう。自分の意志や考えを相手に押し付けないで、相手が自分と異なる意見や考えを持っていたとしても、まずはそういう違いがあることを認め、受け入れましょう。自分はどう思うのか、相手に言葉で伝えましょう。

私もパパの納得いかない趣味や行動はたくさんあります。しかしパパは我が家の大黒柱でなくてはならない存在です。家族のために外で働くと考えると、プレッシャーが大きいことと思います。趣味が家計範囲内で、仕事のストレス発散できているならば趣味を認めてあげています。
正直、パパの捨てたい雑誌やコレクションがたくさんありますが、それらを捨ててしまったらパパが家でも逃げ道がなくなってしまうので、パパの考えを尊重するようにしています。

以上3つのことに気をつける、気をつけてもらうことで、私とパパは不満のない生活をしております。

 

DVで困ったらこちらへ

もし、DVを受けて困っているならば女性のためのDV相談室、区役所・市役所、女性家庭センター、警察署本部、民間団体などの相談施設があります。
パートナーとのDVに悩んでいたらそれらの施設に相談してみましょう。DVは子どもに悪影響を与えることも覚えておきましょう。

自治体ではDVを防止するため啓発活動を行っています。パープルリボンをみたらDVの防止啓発を思い出してください。

パープルリボンキャンペーン
「DV防止」のシンボルとして「パープルリボン」を広める市民運動です。「パープルリボン」には、女性に対するあらゆる暴力をなくしていこうという気持ちが込められています。自治体では、子どもを被害者にも加害者にもしない取り組みに力を入れています。

もし、パートナーのことが「こわい」、「関係がつらい」と感じたら女性のためのDV相談施設などに相談して、子どもをDVの被害者、加害者から守ってあげましょう。

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