ロタウイルスワクチンの重要性~接種しなかった姉と接種した妹~

「ロタリクスのワクチンのお会計は1万3000円です。」この言葉をきいた時、値段の高さで目から火が出るようでした。

しかし、ロタウイス性胃腸炎にはもう2度とかかりたくなかったので、値段がどうであろうと妹を妊娠したときから絶対ロタウイルスワクチンの予防接種をしようと心に決めていました。

 

ロタウイルスワクチン

ロタウイルスワクチンは、ロタリクスとロタテックの2種類があります。
ロタリクスは、1番流行して重症化しやすい1種類のロタウイルスを弱毒化したワクチンで、2011年11月に販売されました。1回の接種につき、お値段は1万3000円前後で接種回数は2回です。生ワクチンなので4週間隔で2回接種します。
遅くても生後14週6日(生後3カ月半過ぎ)までに1回目を受け、生後24週(168日)までに接種しなければいけません。生後24週以降は接種ができません。

ロタテックは、流行して重症化しやすいウイルスを含む、5種類のロタウイルスを弱毒化したワクチンで、2012年7月に販売されました。1回の接種につき、お値段は8000円で接種回数は3回です。ロタリクスと同様、生ワクチンなので4週間隔で3回接種します。
遅くとも生後14週6日(生後3カ月半過ぎ)までに1回目を受け、生後32週(224日)までに接種しなければいけません。生後32週以降は接種ができません。

ロタウイルスワクチンは、けして安くないので任意接種です。接種をするかしないか悩む人が多いのではないでしょうか。
また、接種できる期間が乳児期の前期と決まっている、予防接種のスケジュール調節が難しいなどで、ロタウイルスワクチンの接種をやめる人が多いのではないでしょうか。

しかし、ロタウイルスワクチンの効果は抜群です。
ここでは私の実体験を踏まえて、ロタウイルスワクチンを接種しなくてロタウイルス性胃腸炎にかかった姉と、高いお金を払って接種した妹を比較して、ロタウイルスワクチンの接種の重要性をお話ししたいと思います。

ロタウイルス性胃腸炎とは

ロタウイルス性胃腸炎は、乳幼児をはじめ子どもに多い急性胃腸炎を引き起こす感染症で、2月から3月にかけて最も多く発生します。潜伏期間は2日から3日です。
他のウイルス性胃腸炎にくらべて下痢や、嘔吐の症状がはげしいことが多く、入院が必要となることがあります

生後6カ月から2歳の乳幼児に多くみられ、5歳までには大半の子どもがかかると言われています。

 

ロタウイルスワクチンを接種しなかった姉

〇なぜ接種しなかったか?
1.ロタウイルスワクチンが販売されたときは、もう接種できる期間が過ぎていました。
姉が生まれたのは2011年3月で、ロタリクスが販売されたのは2011年11月です。姉は生後24週を過ぎていたため接種ができませんでした。
2.ロタウイルス性胃腸炎という病気を、私がまだ理解できていませんでした。
姉が嘔吐を繰りかえし、病院の先生からロタウイルス性胃腸炎ですと診断されて始めて、こどもの病気にロタウイルス性胃腸炎があることを知りました。
3.まだ、あまりロタウイルスのワクチンが知られていませんでした。
ロタウイルス性胃腸炎を予防するためのロタウイルスワクチンがあることを知ったのは、妹を妊娠したので役所に母子手帳と予防接種の助成券をもらいに行った時(2012年10月頃)でした。その時いただいたチラシにロタウイルスワクチンのことが書いていて、はじめてロタウイルスワクチンを知りました。

〇姉がロタウイルス性胃腸炎にかかった時
●かかった時期
1歳になったばかり 3月下旬

●症状
1.嘔吐の繰り返し
何度も嘔吐を繰り返します。水分をほしがるので、水分を1度にあげるとまたすぐ吐きます。
2.38度の熱
嘔吐から始まり、だんだんと熱が出てきました。1日から2日続きます。
3.黄白色の便
嘔吐がおさまると、次はおなかを下します。たくさんの水分をとると、すぐおなかを下し黄白便となり出てきました。
4.1週間ぐらいぐったり
1週間は食欲がなく、食欲が戻ってもおなかを下した状態が続きます。1週間ぐらいは1日のほとんど寝ていてぐったりしていました。

●小児科での対応
1.経口補水液(以下オーエスワン)を、スプーン1さじで5分おきに飲ませてくださいと言われました。
かかりつけの小児科も救急外来も、根気がかなりいるオーエスワンをスプーン1さじで5分おきに飲ませてくださいという対応です。しかし、1歳になったばかりの子どもに、根気よくオーエスワンを5分おきに飲ませることは困難です。
水分が欲しいと姉は泣きますがたくさん水分を与えると吐くし、与えなかったらワーワー泣き散らします。ワーワー泣き散らすことで私は近所迷惑を気にします。ワーワー泣きに心が折れ水分をたくさん与えてしまい、嘔吐を繰り返す悪循環になりました。

2.熱が出て水分が全く取れなくなってようやく点滴になりました。
夜中長女の対応で全く寝られなくて私はフラフラ、長女は朝になって熱が38度になり、そして黄白色のやわらかい便がでました。とにかく小児科側になんとかしてほしかったので、再び小児科を受診しました。ようやく小児科側は点滴をしてくれました。

3.吐き気がおさまると整腸剤を処方されました。
吐き気がおさまると整腸剤が処方されましたが、あまり効いていなかったような気がします。整腸剤を飲んでもおなかを下していました。

 

ロタウイルス性胃腸炎にかかり病院を4回も受診しました。
私自身の初めての子育てということもあり、ロタウイルス性胃腸炎という病気を全く知らなかったことが心配をあおり、何度も病院を受診する結果になってしまったのではないでしょうか。オーエスワンをスプーン1さじで5分おきに飲ませることが苦痛で、病院側に助けを求めていたのだと思います。

長女がかかって3日後に、私もロタウイルス性胃腸炎にかかりました。
吐く、おなかを下すことはなかったのですが胃が常にむかむかして食欲がなく、1日中長女と一緒に寝ていたような気がします。旦那も長女がロタウイルス性胃腸炎にかかって1週間後におなかを下したそうで、かなり苦しみました。

家の中でロタウイルス性胃腸炎が落ち着いて、インターネットでロタウイルスの治療を調べると、効果的な治療法がなく脱水防止のために5分おきにオーエスワンを飲ませるしかないそうです。病院にもよりますが、吐き続けるからすぐに点滴するようなことはありません。

ロタウイルス性胃腸炎と診断されて、マスクをかけゴム手袋をして家の中に塩素系漂白剤を水で薄めて、床や服などを消毒しましたが、タイミングが遅すぎて結局家族全員が感染する最悪事態を招いてしまいました。

 

ロタウイルスワクチンを接種した妹

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ワクチンの値段を聞いてとてもびっくりしましたが、ロタウイルス性胃腸炎にかかるよりは高いお金を払って接種した方が良いと思いました。
妹がロタウイルスワクチンを接種したことで私自身も、ロタウイルスから子どもを守れるという安心感が生まれて良かったです。

ロタウイルスワクチンはとても高いですが、値段にためらわずなるべく接種したほうがよいワクチンです。任意接種ではなく定期接種にしても良いワクチンであると私は思います。
ほとんどの子どもが5歳までに、必ずロタウイルス性胃腸炎にかかるといわれてます。
実際、子どもがロタウイルス性胃腸炎にかかると、洗濯、汚物の処理、オーエスワンを根気よく飲ませるなど思っている以上に大変です。

接種できる期間も限られているので迷っている暇はありません。さぁ、ロタウイルスワクチンを接種して、子どもをロタウイルス性胃腸炎から守ってあげましょう。

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