廃材ロボットはぼくのヒーロー
お子さんは、どんな遊びが好きですか。
おそらく、男の子なら乗り物やヒーローもののおもちゃを使ったごっこ遊び、女の子なら、お人形やプリンセスものの衣装を使ったおままごとや、なりきり遊びを好む場合が多いことでしょう。
今回は、私が息子を育てていて感じた、男の子の遊びや発想における特徴をお伝えしたいと思います。男の子の育児でお悩みの皆さんに、少しでも参考になれば幸いです。
収納のしづらさと理由
息子と一緒におもちゃで遊んでまず気づいたことは、収納のしづらさでした。
私は子どもの頃、他の女の子と同じようにおままごとセットや人形で遊んでいました。恥ずかしながら、あまり片付けの得意な子ではなかったのですが、部屋が散らかって母に注意される、というような記憶はあまりありません。
それに引き換え、息子の電車セットは、普通に遊んでいてもなぜか散らかって見えるのです。私は悩んだ末、ようやく一つの答えにたどり着きました。
おままごとセットやおもちゃのアクセサリー、人形などは、収納すること自体が遊びの一環として取り入れられているのです。キッチンカウンターのついたおままごとセットでは、レンジやオーブン、フライパンなどの調理器具に、木やプラスチックで作った食べ物を「入れる」こと自体が調理ごっことなり、人形をしまうことが、「ベッドに寝かせる」という遊びとなるのです。アクセサリーについても、綺麗なドレッサーにしまうことが「お片付け遊び」となるのです。
一方、電車を車庫型の収納ボックスにしまうのは「車庫入れ」の時だけ、ヒーローごっこに使用する武器をしまうのも、「戦い終了」の時だけなのです。つまり、遊びのピークに収納を取り入れているかいないかの違いなのです。
廃材に人格を感じる子どもたち
男の子の遊びについてもう一つ気づいたのは、廃材遊びにおける特徴です。
幼稚園や保育園で作ってくる作品の多さに、毎日頭を悩ませるお母さんも多いのではないでしょうか。牛乳パックにひらひらのテープを付けた可愛いステッキや、ティッシュケースに紙の手足を付けたロボットなど、場所を取るものが多いですよね。しかも、面白いことに、男の子の作品には昆虫などの生き物や、ロボットなどの動くものが多いのです。人格が感じられるためか、男の子はこれらの作品をなかなか処分したがりません。
部屋がいっぱいになり、つい声を荒げたくなる気持ちもよく分かります。しかし、発想を変えると、捨てられる運命の廃材に命を吹き込み、名前すらつけて愛着を感じている息子さんが、何だか愛おしく思えてきませんか。
アニメにも、毛玉や段ボールなどのキャラクターが登場するものがありますが、これらの物をかけがえのない相棒と感じ、一緒に難事件を解決していく主人公の姿に、男の子たちの思いを見てしまうのです。
おわりに
部屋の片付けは、確かに大切です。しかし、息子さんも成長し、あっという間に電車やヒーロー、そして心の相棒である廃材ロボットの世界から卒業する時がやってきます。
それまで、少しおおらかな気持ちで、片付け下手な息子はアイディアの天才と思い、一緒に楽しんでみてはいかがでしょうか。