入園から卒園まで続けてほしいこと
保育園、幼稚園、子ども園に入園したら、「早寝早起き」とか「好き嫌いをしない」とか、しつけに関して、色々な人や先生から色々なことを言われますが、今回は少し違った視点から、マンモス幼稚園に子どもを通わせて多くのお友だちの親子を見て私が気づいたこと、ぜひみなさんに続けてほしいことを書きたいと思います。
自分の荷物は自分で
通園バッグや水筒、上履きなど、荷物が多い日もあるかと思いますが、その荷物を全部おうちの方が持ってお子さんは手ぶら、なんてことはありませんか。
年少さんでもバッグや水筒くらいは持てますよね。
もちろん、荷物が多ければおうちの方が手伝ってあげるのは良いと思いますが、最初から当たり前のように荷物を持つのはやめたほうがいいと思います。
降園時、先生にさようならをしてすぐ、当たり前のように「ハイ」と、お迎えにきてくれたおうちの方に荷物を渡す子ども、そして、何の疑問を持たずにそれを受け取る親。そんな光景をよく見ましたが、自分で自分の荷物を持つ習慣のなかった子が、小学校に入学して重たいランドセルや鍵盤ハーモニカ、雨の日は傘など、たくさんの荷物を一人で持って、安全にフラフラせずに歩けるでしょうか。
また、休日にお出かけしたとき、自分が買ってもらったものを持ったり、家族が重たい荷物を持っているときにそれを手伝ったりしてくれるでしょうか。
入園したらすぐ(入園する前からでも)、自分の荷物は自分で持つことをぜひ当たり前にしましょう。
徒歩で登園
これは自宅から園までの距離にもよりますが、徒歩で通える距離であれば、ぜひ徒歩通園をしてほしいと思います。もちろん、自分の荷物は自分で持って。
今はどこへ行くにも子ども乗せ自転車や車を利用している方が多く、とにかく歩くという経験が少ないように思います。娘が通っていた幼稚園では、徒歩5分程度の距離でも自転車で来ている親子が本当に多いこと。
私たちは、雨の日も夏の日も冬の日も、毎日片道10分強を歩いていました。もちろん、娘は自分の荷物はすべて自分で持っていました。年中さんになるころには、傘をさしながらでも、濡れないように上手に持って歩けるようになっていました。
そして、毎日同じ時間に同じ道を歩いていたら、自転車に乗っていたら絶対に気付かないことに目がとまるようにもなりました。昨日はつぼんでいた花が今日は開いている、とか、アリが列になって歩いている、とか、水たまりが凍っている、とか。小さな季節の変化に気が付くようになり、自然や季節の移り変わりに関心を持つようにもなりました。自転車に乗っているときよりも会話が弾みますよ。
週に1度の運動系の習い事もよいですが、日々しっかり歩くことも基礎体力の向上につながると思います。娘は年少は皆勤、年中は忌引きのみ、年長は風邪で2日欠席しましたが、インフルエンザなどで出席停止にもならず元気に過ごしていました。日々の積み重ねだと思っています。
「失敗する」という経験
あれダメ、これダメ、ああしなさい、こうしなさい…無意識のうちに何でも禁止していませんか。
それが、まだ早いから、まだ危ないから、という理由ではありませんか。
例えば、お子さんが包丁で何かを切るお手伝いをしたがったとき。
きちんと使い方を教えれば、子どもでも慎重に扱うことでしょう。もしかしたら、包丁で少し指を切ってしまうかもしれません。でも、おとながそばにいれば大けがになることはないと思います。指を切ってしまったとしても、次はけがをしないようにどうすればいいのか考え、子どもはしぜんと賢くなります。
失敗することが、次の経験につながるのです。失敗するからこそ気づくこともたくさんあると思うのです。例に挙げた包丁のお手伝いに限らず、何でも先回りして、子どもの「失敗経験」を回避させてしまうおとなが多いように感じます。「失敗は成功のもと」です。子どもが何かを「やりたい!」と思った時が始め時。失敗を恐れないで、かわいい子にはぜひ旅をさせてあげてほしいと思います。
ちなみに、私の息子は1歳10か月で包丁デビューをしています。普段おとなが使っている包丁では大きすぎるので、果物ナイフのような小さいサイズのものです。皮をむいたバナナやいちごなどを一口サイズにどんどん切って、2週間くらい毎日続けたら満足したのか、その後はたまに思いついた時だけ切ってくれています。
今回私が挙げた3つの「続けてほしいこと」は、祖父母や先生、育児雑誌などでも、あまり言われないようなことだと思いますが、小さい頃からよく「しっかりしている」と言ってもらえることの多かった娘が、ずっと実践してきたことです。
ぜひ、可能な範囲で少しずつでも、日々の中で意識して取り入れてみてください。