こんにちは!
軽度の脳性麻痺により左半身に不全麻痺のある二歳の息子のママをやってます。
私自身、母親としてまだまだ未熟で手探り状態ですが、自分の経験から見えてきた、軽度ならではの障害児育児について親子時間研究所で書いていけたらと思います~!

想像と違う!?誰も教えてくれない支援制度とアレコレ

病院での検査で息子の障害が分かった時…
頭は真っ白になりましたが、『息子の将来のためにこれからできることをやっていこう。先生の言うとおりにしていれば大丈夫だ!』そう思った私。
医師から運動機能の訓練が必要と言われ、週に一回ほど理学療法を受ける事になりました。
でも、病院から必要と言われたことはそれだけ。

『え!?これからどうしたらいいのー…!?』

一般的な理学療法以外の訓練法、そして利用できそうな福祉制度。
でも、それが息子に該当するのか否か、当然素人の私には判断できません。
『障害者は国が守ってくれる。周りも親切にしないといけない。』
そう教えられてきた私は、息子の障害が分かった時も、これからの事はきっと病院の人が手取り足取り教えてくれるものだと思っていました。
でもそれは…大間違いだったんです。

助けを待っててもダメ!自分から動くべし

待っていても誰も教えてくれないとわかった私が、まず電話したのは市の保健師さん。
息子に障害が分かったことを相談すると、すぐに障害福祉課(課の名前は各自治体で違うと思いますが該当の課が必ずあります)に回してもらえ、そのまま今度は障害者支援団体を紹介されました。
早速アポを取り面談、そして、息子に障害者支援担当の相談員さんがついてくれることになりました。
そこからはなんでも疑問に思ったことは相談員さんに相談!
今やなんでもネットで調べられちゃう時代なので、時には自分で情報を得て、詳しく知りたい時もでてきました。
そんな時も、専門家である相談員さんに相談すればすぐに対応してもらえます。
そうすると、所定の手続きに導いてもらえたり、より知識を深める事ができるのです~。
困った時、いざという時の力強い味方になってくれるので、相談員さんにはついてもらう事をおすすめします!

母の不安。訓練を増やしたい!

相談員さんについてもらい、安心して息子の障害児育児を始める事ができた私達ですが、まずはじめに思ったのは『訓練増やしたい』でした。
当初医師から言われたのは週一の理学療法。
でも、息子の障害をなんとか軽くしたいと半ば呪いにかかっていた当時の私には、それでは物足りなく感じていました。
なんとか訓練を増やせないものか、理学療法士さんや相談員さんに聞いてみたのです。
まず、理学療法士さんによると、ほかの病院を掛け持つのは原則無理という事。
これはおそらく福祉医療制度を使用するためだと思います。
同じ病院で日数をこれ以上増やすのもおそらく無理。(これは住んでいる所にもよるようで月一や隔週一なんかもよく聞きます)
でも作業療法を追加する事はできるという事で、すぐに医師に相談し、週一の理学療法に加え作業療法も増やせたのでした。

そして、障害者支援の相談員さんからの情報では、『児童発達支援事業所(通称:療育)』に理学療法士や作業療法士が在籍している所があるとの事。
見学に行き、理学療法士在籍の療育に週一日通う事にもなりました。
それから月日は流れましたが、現在では上記に加えてさらに、週一日ほど、訪問看護施設から作業療法士さんにも来てもらっています。
何事にも無理は禁物ですが、うわべだけの情報であきらめるのではなく、このように色々な所からアプローチしてみるのも一つの手だと思います!

忘れてはいけない!本人の気持ち

ここまで、本人の気持ちには触れず母親の目線のみで話を進めてきましたが、一番大事なのは本人の気持ちです。
訓練開始当初、息子はまだ一歳で病院、療育ともに訓練は遊びながらの事が多く本人が嫌がるような事はありませんでしたが、一時期、身体を固定して行う訓練法に興味を持ち、年齢的におそらく拒否するだろうと思いつつも、本人の将来のためだと、気持ちを無視してはじめようとしたこともありました。

結局、周囲の反対や遠方という事もあり、断念しましたが今思えばやらなくてよかったと心の底から思います。
我が子を想うばかりに訓練に固執してしまいがちですが、ママは訓練士ではなく、母親です。
三歳までは身体機能発達のゴールデンエイジと言われ、それまでになんとか動けるようにしなくてはと必死になる方も多いです。すごくわかります。
でも、その反面で、三歳までは母親と子どもの信頼関係を作る一番重要な期間だとも言われているんです。
それを忘れてはいけないですよね。
私自身もそれを忘れず、息子の気持ちを第一にこれからも軽度障害児育児、頑張っていこうと思っています!

みなさんは『脳性麻痺』と聞くとどのようなイメージが浮かびますか?

〝車椅子?〟

〝寝たきり?〟

「よく知らないけど、寝たきりの人もいるのかな?身体の障害だよね?車椅子とかかな?」

正直な所、私にはそんな漠然としたイメージしかありませんでした。

2年前までは…。

息子が『脳性麻痺』と告げられた私が、皆さんに知ってほしい『脳性麻痺』への理解と知識をお話しします。

 

見た目は他の子と変わらない。

突然ですが、私には2歳の子どもがいます。

とっても活発で、公園に行けば広場でかけっこして、ジャングルジムに登ったり、滑り台を滑ったり。

高い所に登るのも、走りまわるのも大好きな、元気いっぱいの男の子です。

でも、そんな元気いっぱいな息子は、『脳性麻痺』なんです。

息子が脳性麻痺だとわかったのは1歳の時。

病院でのMRI検査で異常が見つかり発覚しました。

妊娠中〜出生後1ヶ月間に起こったなんらかの原因により右脳が損傷し、左半身に麻痺があります。

それがわかったからといって、治療できる病気ではないので基本的には理学療法や作業療法で機能訓練をするしかありません。

先程も記した通り、息子は歩けるし走れる。
ジャンプだってできます。

一見、他の2歳の子どもと変わらない。
おそらく側から見ても、彼が脳性麻痺だと気付く人は少ないと思います。

 

自然にできる動作ができるようにはなりません。

なので、人に息子に障害がある事を伝えると必ず驚かれるんです。

それと同時に必ず言われる事があります。

「でもよかったね。障害が軽くて。」

悪気なく、自然に出てくる言葉なんだと思います。

でも私はそれを聞く度に、複雑な気持ちになるんです。

もちろん、息子より症状の重い方は沢山いらっしゃいます。

脳性麻痺の症状は様々なので、それぞれ大変な思いをされる事もあると思います。

でも、息子も決して楽々自然に動けるようになったわけではないのです。

「座る、立つ、歩く、走る。」

本来なら成長と共に自然にできるようになる動作。

でも、息子の場合、左半身が自分の思うように動かないので自然にできるようにはなりません。

何度も、何度も練習します。

もちろん本人には、練習という感覚はなかったと思いますが。
(子どもの機能訓練は遊びの延長で訓練するのがほとんどです)

それでも、泣いて嫌がった事もあります。

今は理解も進んできて、「もう終わる?あと一回だけ?」なんて、言ってくる事もあります。

本人なりに、ちゃんとしなきゃいけないんだと納得して、頑張っているんでしょうね。

だから、彼が今できる一つ一つの動作には彼の努力が詰まっているんです。

 

息子の居場所を探す日々。

もちろん親である私も全力でサポートしています。

いいと思う事は全て取り入れ、スイミングをはじめたり、病院での訓練を増やせないので他にできるところを探したり、鍼治療を取り入れたり。

特に、毎晩のマッサージとストレッチは欠かせません。

そんな事の全てが、今の彼の動きに繋がっているんだと思います。

最近ではもっぱら就園に向けての練習ですが、年齢があがるにつれて課題も難しくなり、着替えや靴の脱ぎ履きなど、左手の器用さを求められる動作では行き詰まってしまうんですよね。

そんな事もあってか、先の事を考える事も増え、息子の将来が不安になる日もあります。

息子のような軽度の脳性麻痺だと『障害者の中では健常者。健常者の中ではやっぱり障害者。』

これじゃ、どこにも居場所がないんじゃないか。

どちらにいても生きづらいんじゃないか。

そう息子の将来を案じて涙した日もありました。

息子のような軽度麻痺の子達のコミュニティは少なく、情報もなかなか入ってこない中、相談相手もいないので、息子の子育てに孤独を感じる事もありました。

でもそれと同時に、この世の中で、この環境で、息子に生きていく力をつけてあげなくてはいけないと強く感じるようにもなりました。

 

『脳性麻痺』を知って理解してください。

だから皆さんにも知って欲しい。
障害が軽いからこその苦悩もあると。

親切にして欲しいとは思いません。

でも、知っていてほしいのです。

歩く、走る。

その一つ一つの動作が大変なんだという事。

だから、集団の中では少しだけみんなに遅れをとってしまうかもしれない。

うまくできない事もあるかもしれない。

それでも、急かさず、怒らず、あたたかく見守ってくれると嬉しいです。

本人から助けてほしいと声をかける事もあるかもしれません。

その時は、見た目では大変さが伝わりにくいかもしれませんが、そっと力を貸してあげてくださいね。