深緑の季節。家族そろって森林浴に出掛けたくなる季節ですね。

しかし、山登りに小さい子どもたちを連れて行くにはまだ早すぎるし...というご家庭に湖沼巡りをご紹介します。

毘沙門沼からみた裏磐梯

場所は、福島県裏磐梯にある五色沼自然探勝路です。

磐梯山の噴火後にできたいくつもの湖沼をめぐるコースで、片道4キロ、大人で約1時間半の道のりです。

周遊コースではないので、東側の「五色沼入口」バス停または西側の「磐梯高原駅」バス停のどちらか片側から入ります。バス停からすぐ近くの東西の駐車場を利用して、片道は路線バスを利用すると便利です

「毘沙門沼は周辺散策とボート漕ぎだけでも楽しめる」

ここでは、「五色沼入口」バス停からのコースをご案内します。

入り口の駐車場は売店などが充実し、観光バスが何台も訪れるほど大きな観光地ですが、ほとんどの観光客は毘沙門沼の展望台から景色を眺めただけで終了です。

もちろん、最初からコースを全部回る予定がない家族は、毘沙門沼周辺コースの散策とボート乗りだけでも、十分に楽しめることができますよ。

雄大な磐梯山を望みながら、ボートの上でオールを休ませ、ゆっくり家族でお弁当を食べるなんていうのもいいですね。神秘的な青色の湖面に浮かぶボートを見ていると、まるでヨーロッパの小説に出てくる一場面の様...ですが、わずか130年前の噴火跡を残す裏磐梯山の荒々しい姿を背に複雑な気持ちにもなります。

ちなみに手漕ぎボートは30分700円、1時間1300円、営業期間4月~11月の利用です。

湖面の美しさと静けさを求めるのでしたら、最初の休憩は混雑した展望台ではなく、少し離れた湖面付近で取るのをお勧めします。

「未就学児でも歩きやすい平坦な道のり」

さて、ボート乗り場付近を過ぎると、ここから本格的なハイキングの始まりです。

とはいっても、終点までの高低差はたった40m、ほとんど平らな道が続きます。道もきれいに整備されていて、中には木道もあり、道幅も車が通れるほどの広い道がほとんどなので、小さなお子さんの手を引いて横に広がって歩いても問題はありません。

最初の「毘沙門沼」を過ぎると「赤沼」が現れます。湖面の色は、先程とは変わり、赤沼だからといって全体が赤色ではなく、、、。

沼は大小いくつもありますが、湖面の色やコントラストは様々で、お子さんもきっと色んな表現で感動を伝えてくれるでしょう。

「弁天沼まで頑張ろう!」

 

弁天沼

「赤沼」を過ぎると「みどろ沼」「竜沼」と続きます。道が平坦なだけに沼と沼の間の単調な道のりに、より小さなお子さんは飽きがきてしまうかもしれません。道中の虫や花などに目を向けながら、後半の山場となる「弁天沼」までは頑張ってもらいましょう。ご褒美に、きっと素敵な景色が待っていますよ!

 

道中、子どもが見つけたハート形の石

「時間があったら寄って見よう!」その1、裏磐梯ビジターセンター

 

裏磐梯ビジターセンター

いよいよゴール!十分に休憩を取りながらでも2時間半以内には終点につくはずです。もし時間に余裕があれば「五色沼入口」バス停前にある裏磐梯ビジターセンターに寄られてはいかがですか?

さっきまで巡ってきた湖沼の神秘的な青さの正体と磐梯山の変遷をビデオやジオラマなどで予習・復習することができます。

館内の展示物も目を引くものばかりで、引き出し型の展示物はきっとお子さんも喜ぶと思います。

また、裏磐梯の動植物の塗り絵コーナーも常設していますよ。500円でバッジにもしてくれます。

「時間があったら寄って見よう!」その2、桧原湖遊覧船

お時間があれば、「磐梯高原駅」側入口のすぐ目の前から出港する桧原湖の遊覧船もおすすめです。さっきまで歩いてきた森の中と打って変わって、雄大な裏磐梯と湖上の小さな島々の景色がダイナミックに広がります。
船上の爽やかな風を浴びて、先ほどまでのハイキングの汗も吹き飛びますよ。

料金は大人1,300円 小学生650円 幼児無料
磐梯観光船のホームページに割引クーポンあり、JAF割も使えます。

今回は緑生い茂る季節の五色沼をご紹介しましたが、秋には紅葉と湖沼が織りなすまた違った景色が楽しめそうですね。

小さいときは家族全員そろって公園でピクニック。それもとてもいい思い出ですね!

でも、そろそろ小学生になったら、体力もついてきて少し物足りなくなってきませんか?

そこで、いよいよ本領を発揮してくれるのがお父さん!

特に独身時代よく山に登っていたお父さんには、小さなお伴ができてうれしい限りではないでしょうか?

そこで、今回は小学生から挑戦できる親子山登りスポットを紹介します。

 

「基本的装備は必須!だけど登山中の荷物はお父さんに任せよう!」

基本的な装備

・長袖長ズボン
・帽子
・トレッキングシューズは必須です。

中でも、足首まで固定してくれるトレッキングシューズは多少金額が張りますが、お子さんの足に合うものを選びましょう。

その他の、防寒具や水、行動食、救急道具、カメラなど重たいものはすべてお父さんに荷物は任せましょう。
安全のためにも、子供はなるべく手ぶらか軽い荷物がベストです。

ちなみに、今回は岩をつたいながらあるコースもあるので、手袋も装着しました。

 

「キャンプ場で前泊。翌朝に備えよう!」

今回の目的地は奥秩父の山域にある山梨県の2,230mの瑞牆山(みずがきやま)です。

富士見平キャンプ場から瑞牆山山頂へ2時間、往復で約5時間のコースです。その子の体力にもよりますが、小学生だと5~6時間以内が限度でないでしょうか。

しかし、登山口に来るまでのロングドライブで疲れている場合は、キャンプ場での前泊がお薦めです。

富士見平キャンプ場はテント設営の他に、下の駐車場近くに瑞牆山荘が、キャンプ場には富士見平小屋があって宿泊もできます。もちろん、食事だけの利用も可能ですが、山小屋初の「地ビール」もありますよ。お父さんには魅力的ですね。

ちなみに、テント設営料は子供は無料です。

さて、翌朝に備えて早寝です。慣れないテント泊でドキドキして眠れない?いえいえ、子どもは案外すーっと眠ってくれるものですよ。

 

「さて出発!お目当ては山シャクナゲ!」

5月のこの山の魅力は山シャクナゲ!ゴツゴツとした大きな岩が連なる山容とは対照的に、山肌に大きくて可憐なシャクナゲの花が咲き誇ります。

なんとなく、自然に親しむという目的よりも「山シャクナゲを見に行こう!」という具体的な目標を立てたほうが子どもはテンションが上がるかもしれませんね。頂上制覇!の方が分かりやすい子もいるかもしれませんが。

途中大きな岩が見えてきて危険に思えますが、岩登りのような急な斜面ではないので落ち着いて。お父さんから「3点支持」の登り方を教わって、ゆっくりと登れば大丈夫。ちなみに、3点支持とは腕2本、足2本のうち常に3点は地面をとらえた状態で、1点を伸ばし小刻みに進む方法です。

途中、「よく頑張るね!」「もう少しだよ。頑張って!」と登山客から励ましの言葉をもらいながら、いよいよ登頂です。

360度の大パノラマ。山頂道標の前で写真を撮って達成感満喫です。(くれぐれも山頂の岩場は端まで行かないでね!転落事故があったそうです。)

子どもと一緒の山登りに地図持参は必須ですが、地図上のコースタイムにこだわる必要はありません。子供のペースや休憩を多く入れたりして、片道1時間半くらい余裕を持った方がいいでしょう。くれぐれも、日暮れの時間を逆算しながら行動するのが肝心です。

一つ山を登るごとに、子どもは自分に自信を、大人は子供の成長を感じることができるのではないでしょうか。