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2018年6月8日

短くてもいい!『クオリティの高い親子の時間』の作り方って?

大友剛さんに聞く、子どもと濃密な時間を作る方法
前編:子どもの本当の気持ちを知ることから始めよう。

大友剛 (おおともたけし)
ミュージシャン&マジシャン&翻訳家。
自由の森学園卒業後、アメリカ•ネバダ州立大学で音楽と教育を学ぶ。
卒業後、フリースクールのスタッフとして不登校、引きこもりの若者と共同生活をする傍ら、音楽事務所で作編曲、演奏、CM制作を手掛ける。
現在「音楽とマジックと絵本のコンサート」で活動。
2013年より絵本「ねこのピート」シリーズ(ひさかたチャイルド)を翻訳。
他訳書に「えがないえほん」(早川書房)。
両作品共に10万部を越える。
東日本大震災後、被災地に音楽とマジックを届けるプロジェクト『Music&Magicキャラバン』を設立、東北、九州で展開中。

オフィシャルHP

 

絵本が繋げた出会い

一冊の絵本との出会いから始まった、親子の時間のお話し。

“子ども達が“絶対笑う!”と発売以来テレビや雑誌で話題になり、3ヶ月で18万部という絵本としては異例のスピードで売り上げを伸ばしている「えがないえほん」。

編集部の子育て中の社員も大絶賛!早速読んでみるとびっくりしました!

この絵本、本当に絵が無いんです。絵本なのに!
しかもストーリといえるようなものもなく、擬音語やオノマトペのオンパレード。

このユニークな絵本を翻訳をしているのは、ミュージシャン、マジシャン、翻訳家とマルチな活動をされている大友剛さんという方。
大友さんが読み聞かせをしている動画があるというので観てみました。

動画に映し出された子どもたちは、どの子もみんな弾けんばかりの笑顔で笑い転げていました。
表情豊かに笑いあう子どもたちの動画に、編集部一同すぐに引き込まれてしまいました。
子どもたちからこんな笑顔を引き出す絵本、そして読み聞かせをしている大友さんに興味を持った編集部は、大友さんのイベントに参加して、お話しをする機会を得たのでした!

 

子どもたちのリアクションがエッセンス

親子の時間編集部(以下、編集部):幼稚園で開催されたイベントには、元気な子どもたちがいっぱいでしたね。

園児さんたちはとてもお行儀よく待ってましたが、ショーが始まるとすごい盛り上がりでしたね!

大友さん:ありがとうございます。

編集部:動画で見たのと全く変わらず、会場の一体感と、子どもたちのリアクションに感動しました。
子どもなのに、あんなに体全体を使ってリアクションするんだって思いました。

大友さん:そうなんですよ。むしろそれが子どもらしさですね。
子どもたちは純粋で素直なので、面白い時もそうでない時も感じたことをそのまま体で表現します。
大人のような社交辞令などありませんからね。その意味では子どもへの公演はいつも真剣勝負です。

子どもたちのリアクションがエッセンスとなりコンサートが創られると考えています。やはり一期一会ですね。

 

翻訳もコンサートも正解がないから楽しい

編集部:ミュージシャンでありマジシャンでもある大友さんが、なぜ翻訳をされているんですか。

大友さん:5年程前になりますが、絵本の出版社ひさかたチャイルドさんに「ねこのピート」の翻訳をと声をかけていただいたのがきっかけです。
「ねこのピート」(原作:Pete the Cat)は歌と掛け合いで楽しむ画期的な絵本です。原作者もミュージシャンで、直接子ども達へ読み聞かせライブを行っています。
なので、日本でも直接子どもに届けられるミュージシャンに翻訳をということで、お話をいただきました。

編集部:翻訳をする時に特に、大切にされていることを教えてください。

大友さん:翻訳には正解が無いので、とても面白いし難しくもあります。勿論一番大切にしているのは、原作の持つ魅力を読者に伝える事です。
でも違う文化を活き活きと伝えるには、時として創作が必要になる場合もあります。

この「えがないえほん」は擬音語やオノマトペで出来ているので、かなり創作が必要とされる絵本の1つです。例えば、原作で”ぼくの頭の中は、ブルーベリーピッザ”というのがあります。ここは直訳したのでは、その面白さが全く伝わりません。
そこで日本の文化に変換する必要があります。
悩みましたが、「なっとうのみそしる」としました。実は他にもいくつか候補があって、どのワードが一番ウケるか、実際に子ども達に読み聞かせをして一番笑ってくれる言葉を選びました。

因に、南米ではグァバピッザです(笑)。

編集部:びっくりしたのは、アメリカではブルーベリーピザなんだよと、わざわざお話ししましたよね。
子どもたちに裏の事情まで話さなくてもと、思ってしまったのですが。

大友さん:今回は親御さん、保育士さんもいたので、紹介させていただきましたが、子どもたちも理解していると思っています。
大人は良かれと子どもに与えるもの全てを“子ども用”にしてしまいがち。でも、子どもは大人が思っている以上に、感覚で色んなことを理解しています。
音楽でも同じことが言えますが、たとえば多くの保育現場で歌われる童謡やこどもの歌などは、単純な和音のパターンの繰り返しで伴奏されることが多いようです。
保育士さんたちはとても忙しいので、ピアノを練習する時間がないというのも理由だと思いますが。

でも、子どもの時こそ複雑な音、色んな音楽を聴くべきだと思っています。なので私は子どもだけのコンサートでも、ジャズやボサノバなど、あれこれとアレンジを工夫して楽しんでもらうようにしています。
子どもだからこれぐらいでいいかとならないようにします。子どもは大人より感覚が鋭く柔軟ですから、こちらも手加減せずまさに命がけですよ。

編集部:そうなんですね~!

大友さん:なにより子どもたちには、音楽って楽しい!と思ってもらいたいです。
よくコンサートの前に先生が「おしゃべり禁止」とか言ったりしますが、私のコンサートではそんな必要はないんです。子どもたちには心も体も解放して参加してほしいと思っています。

 

親子で同じ情報を体感するメリットとは

編集部:子どもたちが集まり体感できる、この様な活動はいつからされているんですか。

大友さん:2006年からなので、もう12年になりますね。
2005年までは、北海道の音楽事務所で仕事をしていましたが、辞めて東京に戻って来ました。
たまたま、幼稚園の園長先生が集まるイベントに呼んでもらい、披露したマジックや演奏がとても好評だったんですね。そこから、口コミで広がっていき、お声をかけていただける様になりました。

編集部:今はどれくらいのペースで、活動されていらっしゃるんですか。

大友さん:月に20公演くらいですね。

編集部:関東や関西でのイベントが多いのですか。

大友さん:いえ、全国を回ってます!最近では特に九州や北海道、東北が多いですね。

編集部:子どもがメインのイベントだけですか。

大友さん:子どもだけでなく保護者向けにもやっています。他にも、保育士さんの研修だったり、高齢者施設やホスピス、小学校の芸術鑑賞会などでもショーをしてます。

編集部:イベントによって内容は違うのですか。

大友さん:多少の違いはありますが、子どもだから大人だからで大きく違うことはありません。日本では、子ども向けのイベントというのはたいてい大人が楽しめないですよね。
でも私はやっぱり大人も子どもも、一緒に楽しめるショーにしたいなと!

編集部:今回、私たちも実際に観させていただき思いました。
大人でも引き込まれる内容に、子どもが一緒になって盛り上がり楽しめるんだという発見がありました。

大友さん:親子のコミュニケーションを増やすためにも、ぜひ親御さんにも参加して欲しいと思います。
一緒に体験することで、子どもがどういうことに興味を示し、どう反応するのかを知り、新しい発見もあるからです。
その体験を持って帰って、ご自宅でお子さんに接してあげて欲しいなと。

忙しいとつい、おうちでもテレビやスマホ与えておけばとなりがちですが、それはとっても勿体ないことです。
親子でもっと色んなアクティビティーを共有して楽しむような事が出来るといいなと。
日本のお父さんもお母さんも本当に忙しいと思います。

でも僕は時間じゃないと思うんですよ。

クオリティが重要!

絵本1冊読むのにかかる時間は5分程度。短くても愛情をしっかり手渡せば、子どもはしっかり受け取ってくれる。凝縮された読み聞かせの時間を作ってあげてほしいと思います。

後編に続く

 

 

イベントスケジュールはこちら

取材協力:清心幼稚園

 

 

大友剛

ミュージシャン&マジシャン&翻訳家。

自由の森学園卒業後、アメリカ•ネバダ州立大学で音楽と教育を学ぶ。

卒業後、フリースクールのスタッフとして不登校、引きこもりの若者と共同生活をする傍ら、音楽事務所で作編曲、演奏、CM制作を手掛ける。

現在「音楽とマジックと絵本のコンサート」で活動。

2013年より絵本「ねこのピート」シリーズ(ひさかたチャイルド)を翻訳。

他訳書に「えがないえほん」(早川書房)。

両作品共に10万部を越える。

東日本大震災後、被災地に音楽とマジックを届けるプロジェクト『Music&Magicキャラバン』を設立、東北、九州で展開中。

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