チャンバラ大好き三兄弟にぴったり。勇ましい「ももたろう」のお話し
「男の子って本当に効果音ばっかりだよ」。長男が産まれたばかりの頃、兄弟のいる親友に言われた言葉を最近よく思い出します。
私は男兄弟がいないので「効果音ばっかり」というのがどういうことなのか、いまいちピンとこなかったのですが、自分が結婚し3人の子どもたち(全員男です!)に恵まれた今、まさに親友の言葉通りだと実感しています。
男の子は長いものが好きですよね。なぜなのでしょう。庭に木落ちている木の枝、裁縫用の1mものさし、家庭菜園の緑のポール。もうすぐ2才になる末っ子さえ、「うあー」などと言いながら棒を振り回しているだけで楽しそうです。不思議です。始めて見る光景で、新鮮で面白いのですが…。
そして、「戦いごっこ」。我が家で流行っているのはナントカレンジャーの「◯◯ビーム!」とかではなく「剣」を使うオールドスタイル。いわゆるチャンバラです。長い棒を持って、何とも形容しがたい効果音を叫びつつ走っている姿には思わず吹き出してしまいます。最近はチラシで「剣」を作るところから戦いが始まります。いかに長くて丈夫なものを作るかが重要なようです。
今日の「おそらの絵本」には、そんな子どもたちにぴったりの勇ましいお話し、「ももたろう」を選びました。鬼退治のシーンは間違いなく喜んでくれるだろうし、うちの子たちはみんなイヌが好きで「飼いたい」とよく言われるのできっと楽しんでくれるはず。
メロディが楽しい!昔話の雰囲気でほっこりできる「ももたろう」の「おそらの絵本」
「ももたろう」は日本の昔話です。
おばあさんが川へ洗濯に行くと大きな桃が流れてきて、半分に割ると元気な男の赤ちゃんが出てきます。「ももたろう」と名付けられたその子は立派に成長し、村を荒らす鬼を退治しに出かけることになり、途中でイヌとキジ、そしてサルに出会います。きびだんごをあげることでイヌ、キジ、サルが仲間になり、みんなで力を合わせて鬼を退治し、村には平和が戻りみんな仲良く幸せに暮らしました、というストーリーはあまりにも有名ですよね。
仲間との出会い方や鬼との戦い方などには多くのバリエーションがありますが、だいたいこんな風なお話しになっています。幼稚園の紙芝居で読んでもらったり、学校の本で読んだりと、ほとんどの人が幼い頃からよく知っている物語ではないでしょうか。
昔話には子どもたちに伝えたい教訓が織り込まれているものです。「ももたろう」には2つの教訓があるようです。
1つ目は、「悪いことをするのはよくない」ということ。単純ですが生きていく上で大切なことですよね。
そして2つ目は「仲間と協力することの大切さ・素晴らしさ」「役割分担の大切さ」です。1人ではできなかったかもしれない鬼退治を、仲間それぞれの長所(噛む力が強いイヌ、空を飛べるキジ、手を使えるサル)を活かして協力して戦うことで成功させることができたのです。
これは仕事をする上でも大切な能力だとして「ももたろう」を考察するビジネス書もあり、奥が深いお話しだなと感じます。
「おそらの絵本」の「ももたろう」は、あの有名な「もーもたろさんももたろさん♪」のメロディで始まり、時折入るコミカルな効果音が昔話の雰囲気を良く表していて、幼い子でも楽しめる優しい印象のお話しになっています。
鬼退治のシーンは予想通り子どもたちに大ウケ。「いけー!」「どーん!」「わんわん!!」などと大いに盛り上がりました。
何度も繰り返し読むうちに、チャンバラの最中には「きびだんごぉー!」「ひゃくにんりき!!」などの声が加わり、丸いパンを焼けば「きびだんごなの?」と聞かれ…すっかり気に入ってくれたようです。
ひとつ誤算だったのが、「イヌ飼いたい」と言われる回数が格段に増えたこと。「鬼退治にも行けちゃうよ」とのことですが…君たちがもう少し大きくなってからかな。ママは今、3兄弟で手一杯ですよ。
「ももたろう」のように仲間を大切に、それぞれの違いを大切にできる子になってほしい
ストーリーをすっかり暗記するほどに幼い頃から「ももたろう」に慣れ親しむことで、私たちは生きていく上で大切な教訓を知らず知らずのうちに心に刻んでいるのかもしれません。古くから伝わるお話の力を感じます。
子どもたちがいつか大人になった時、「ももたろう」を単なる鬼退治の話としてではなく、仲間の大切さや、それぞれの違いを大切にし活かすことが大切なのだなという気持ちで思い出してくれたらいいなと思います。
ももたろうのように、強く賢い子に育ってくれたら嬉しいですね。