臍ヘルニアと診断されて・前編 -手術までの経緯ー

4年保育の幼稚園に通う2歳の娘がいる1児の母です。
まだまだ少ない育児経験ですが、少しでも参考にしていただけるところがありましたら幸いです。

今回は、娘が臍(さい)ヘルニアと診断された時のお話です。

臍ヘルニアとは?

臍ヘルニアとは、いわゆる“でべそ”のことです。

赤ちゃんはへその緒があった部分の筋肉が開いた状態で、最初はどの赤ちゃんも開いています。
通常であれば、月齢がいくにつれてだんだんと筋肉が閉じていくのですが、稀に閉じきらずにそこから腸が出てしまい臍が膨らむ状態になるのが臍ヘルニアの症状です。

臍ヘルニアと診断をうける赤ちゃんは意外と多く、生後3か月前後で診断されるお子さんが大半を占めているようです。
娘のお友達にも臍ヘルニアと診断されたお子さんがいますが、診断されたのは生後2か月頃だったと言っていました。(そのお子さんは、自然に治りました)

診断されても、1歳までには80%、2歳頃までには90%~95%のお子さんが自然に治ると教えていただきました。

※娘の主治医の先生から伺ったお話です。お医者さんによって見解は若干違うと思いますので、参考程度に考えていただきたいと思います。

娘、臍ヘルニアと診断される

娘が臍ヘルニアと診断されたのは、生後9ヶ月の頃です。周りの方々のお陰で臍ヘルニアを見つける事が出来ました。

最初に気づいたのは、私の母

娘の臍ヘルニアに最初に気づいたのは、私の母でした。
私の実家に遊びに行った際、娘を抱っこしてくれた時に娘の腹部に固い“なにか”を感じたそうです。母から「今度の検診でお医者さんに相談してみたら?」とアドバイスを受け、それからすぐ受けた乳児検診で小児科の先生に相談してみました。

それまで受けた市の乳児検診でも特に指摘された事もなかったので、その時も小児科の先生の答えは「気にしなくて大丈夫。そのうち治るから」でした。

セカンドオピニオンの大切さを知る

それから数ヶ月後、娘が重い鼻風邪をひきました。それまでほぼ体調を崩した事がなく、離乳食も毎食モリモリ食べる元気な子だったので、娘のただ事ではない様子にいってもたってもいられず、すぐに小児科を受診しました。
軽い診察と薬を処方されて終わったのですが、娘の様子がおかしい…他の小児科に電話をして、急遽診察をしてもらうと両耳がひどい中耳炎だったのです!

提携の耳鼻科も紹介してもらい、お陰ですぐに娘は元気に回復したのですが、中耳炎の診断の際に小児科で臍ヘルニアの疑いがあると言われたのです。
その場で紹介状を書いてくださり、大学病院の予約を取るように言われました。
乳児検診の時に「大丈夫」と言われた話もしましたが、娘の状態ではその時に治療を始めているのが最適だっただろう…との事でした。

私に知識があれば、もっと早くに気づいてあげられたのに…他の病院にも行き、色んなお医者さんの話を聞くべきだったと反省するところばかりでした。この時ほどセカンドオピニオンの大切さを実感した事はないでしょう。

今では、その時に中耳炎と臍ヘルニアを見つけてくれた小児科をかかりつけ医にしていますし、その時の事を教訓にして耳鼻科や歯科、皮膚科など症状に合わせてかかりつけ医を決めています。

専門知識がある方に見てもらうと早期発見につながる事はもちろん、お医者さんによって見解も違う場合もありますし、いくつかの選択肢から納得して治療方法を選べるのもセカンドオピニオンの良さだと思います。

大学病院での診察

早速予約を入れて、そこから約2週間後に初めて大学病院へ行きました。

大学病院は、予約を入れてからすぐに受診出来ないケースも多く、担当の医師によっては予約出来る日が限られています。その後の予定の調整も視野に入れなければいけない場合がありますので、余裕を持って予約する事をオススメします。

圧迫法で治療を開始

他のお子さんから遅れること半年以上、娘も圧迫法を試してみる事になりました。
圧迫法とは、綿球をおへそに当ててその上から医療用テープで固定する方法です。臍ヘルニアと診断されたお子さんはほぼこの圧迫法を試されているそうです。
綿球とテープは、両方とも診察後に大学病院の院内薬局で購入しました。
次の診察まで週に1度、綿球とテープを新しいものに交換しながら圧迫法を行っていました。

大体のお子さんは生後2ヶ月頃から圧迫法を行うそうで、早くはじめればはじめただけ治癒率が高くなります。

娘は受診した当時、立つようになっていたので腹圧も結構強く、効果があまり出ないかもしれないと言われましたが、数週間継続すると若干の改善はみられました。

祈るような1年間

まずは、1歳半まで様子をみる事になりました。
1歳半の時にも様子見との判断になり、2歳になってもあまり改善がみられない場合は手術を検討する事になりました。手術の際、全身麻酔を使う事を考慮してギリギリまで待とうと判断してくださったようです。

2歳までの半年…その間に娘はトイレトレーニングも完了し、歩くスピードも走るスピードも各段にアップしました。
治療を始めた時よりも治る条件はどんどん厳しくなっていくように思いましたが、合間をみては圧迫法を試し最後の可能性にかけました。

ついに手術が決定

しかし、残念ながらあまり改善が見られなかったので手術する事が決まりました。

手術は1ヶ月後、2歳になったばかりで娘は生まれて初めての手術に挑む事になったのです。

入院は3日程度

入院日数は病院によって多少日数の前後があると思いますが、娘がお世話になった大学病院は経過が良好であれば3日間の入院でした。
手術の前日に入院して、手術当日、手術した次の日に問題なければ退院といった流れです。

全身麻酔で行う外科手術と聞くと、とても大がかりで回復に時間がかかるイメージですよね。私も長期の入院を想像していたので、説明を受けた時にとても驚きました。

付き添いは、病院による

お子さんが大手術を行うのですから、親としては片時も離れたくないですが、入院の際の付き添いは病院によってさまざまです。
大部屋でも付き添いが許可されている病院もありますし、全く付き添い不可の病院もあります。一番多いのは、別途料金がかかりますが個室をとって付き添うケースではないでしょうか。
娘の大学病院も、個室をとれば付き添い可という事でしたので、個室をとって私が付き添いました。

病院側の方針は、親の負担軽減のために基本的に小児病棟は付き添いなしという考えでした。0~2歳児でも大部屋入院で付き添いなしという病院だったのですが、娘はオムツが外れていたので術後のトイレ介助のためにも付き添いが必要となり個室が許可されました。

看護師さんはお子さん1人に付きっ切りで介助するのは難しいので、お手伝いが必要な場合は遠慮なく病院側に相談して付き添いを希望しましょう。

次回は、手術当日の話や入院の際の持ち物をご紹介します。

この記事を書いた人

TOPICS