妊娠に気づかずお酒を飲んだ!妊娠初期のアルコールと胎児の関係
妊娠中のアルコールはNGというのは周知のことですが「妊娠に気づかずにビールやワインを飲んだ!」ということもありますよね。
これは「妊娠に気づいた時点で禁酒をする」と産婦人科医が指導しているので過剰に不安になる必要はありません。この記事では妊娠&胎児とアルコールの関係を紹介します。
妊娠に気づかずお酒を飲んでも不安にならないで
20歳を過ぎればお酒を飲みますし、晩酌もすれば友人や会社の付き合いで飲みに行くことはよくあります。生理予定日が過ぎても生理がこなくて妊娠検査薬を試してみたら陽性反応!「昨日、ビールもワインも飲んじゃったよ!」なんて焦ることもありますよね。
筆者の友人は双子を妊娠したことに気づかず、富士急ハイランドで絶叫系マシンをはしごし、夜はホテルで朝まで飲む!なんてことをしたそうです。でも、妊娠中大きなトラブルがなく可愛い健康な双子を出産しました。
筆者も妊娠した時、産婦人科で「妊娠に気づいた時点で禁酒してね」と指導されました。妊娠初期はまだ胎盤がありません。妊娠16週くらいで胎盤が完成し、胎児と母体が臍の緒で繋がります。
15ml未満のアルコールは胎児に影響が少ない、と言われていますから、妊娠に気づく前(妊娠初期のまだ繋がっていない時期)に何度か飲酒したことは過度に不安になる必要はありません。
妊娠に気づいたら即、禁酒でOK
妊娠初期は不安にならなくていい、と紹介しましたが、決して「妊娠初期はアルコールを摂取しても大丈夫」ということではありません。
妊娠は妊娠4~6週目くらいで気づくことができますが、この時期は胎児の脳や中枢神経、心臓など非常に重要な器官が作られている時期です。
この妊娠初期の母体に葉酸が不足していると胎児に神経管閉鎖障害が起こるリスクが高まることが分かっています。つまり、母体と胎児が繋がっていなくても、母体の状態が胎児の発育に影響する可能性は充分あります。
ですから、胎児と繋がっていなくても飲酒はNG!妊娠を希望して妊活している方はアルコールを控えておくと安心です。
遅くても妊娠が分かったらアルコールはストップしましょう。ビールやワイン、カシスウーロンなど。お酒の種類は問いません。アルコール自体を体に入れることを止めるようにしましょうね。
アルコールは胎盤を通り抜けて胎児に届く
胎児と母体を繋ぐ胎盤は妊娠16週くらいに完成すると言われています。この胎盤が完成すると、母体から胎児に血液を通して酸素や栄養分が送られるようになります。
アルコールはこの血液を通し、胎盤を通り抜けて胎児まで届いてしまいます。胎盤がブロックしてくれる訳ではないんです。
「妊婦さんがお酒を飲むと、胎児も一緒にお酒を飲んでいる」そう考えてくださいね。
大人はアルコールを分解する酵素を持っていて、酔うことはあってもアルコールの影響は一定時間で抜けます。しかし、発育途中の胎児はアルコールを分解することができません。かなり長い期間、アルコールの影響を受け続けることになります。
妊婦さんがお酒を飲んだら胎児がアルコール漬けになると言っても過言ではありません。絶対に飲酒しないようにしてくださいね。
なお、料理にみりんを使ったり、洋酒を使ったお菓子を常識の範囲内で食べても飲酒したほどのアルコールが体内に入る訳ではありません。そこは過敏になる必要はありませんよ。
アルコールが胎児に与える影響
妊婦さんがアルコールを摂取した時に胎児に与える影響は非常に深刻!具体的には次のようなものです。
・胎児の発育が遅れる
・流産や死産のリスクが高まる
・顔の奇形や小頭症など、頭蓋骨の奇形が起こる
・心臓や関節に奇形が起こる
・中枢神経に障害が出て精神遅滞や多動症などの障害が残る
こうした症状は胎児性アルコール症候群と呼ばれており、身体や精神に異常を来すだけでなく、妊娠自体が続かなくなるリスクが高くなります。
妊婦さんのアルコールについては「これだけなら大丈夫」という量は確認されていません。胎児の命を守るために妊娠中は必ず禁酒するようにしてくださいね。
ノンアルコール飲料は妊婦さんでも大丈夫?
妊娠中でもお酒の席に参加せざるを得ない時がありますよね。筆者も妊娠中でも職場の飲み会に参加することがよくありました。
今はノンアルコール飲料が多く市販されていて「アルコールが入っていないんだから妊婦さんでもOKでしょ?」と思いますよね。
でも、要注意!
実は、ノンアルコール飲料として販売されていてもアルコールが入っているものがあるんです!ノンアルコール飲料の中には1%未満ですがアルコールが含まれているものが!完全にアルコールが入っていないアルコール度数0.00%のものであれば大丈夫です。
ノンアルコール飲料と言っても種類があるので必ず表示をよく確認してから口にするようにしてください。
なお「ノンアルコールじゃ満足できない!やっぱり飲みたい!」となる方は最初から飲まないことをおすすめします。
アルコールは妊娠中だけでなく出産後も授乳期はNGなので、アルコール以外でお気に入りの飲み物を見付けるようにしたいですね。また、パートナーにも禁酒に協力してもらうのも手です。二人で可愛い赤ちゃんを育むようにしていきたいですね。
妊娠に気づく前に飲んだお酒については過剰に不安になる必要はなく、妊娠に気づいてから禁酒すればOKです。ただ「これ以下のアルコールなら大丈夫」という安全な量は確認されていませんから、お酒を避けることにこしたことはありません。アルコールは胎児の成長を遅らせるだけでなく、奇形や障害、流産や死産の原因になります。ノンアルコール飲料もアルコールを含むことがあるので注意してくださいね。禁酒は大変ですが、母親になることに意識を向けて上手くコントロールしていくようにしてください。