すやすやと寝息を立て、気持ちよさそうに眠っているわが子。
寝顔を眺めながら、「大きくなったなぁ」と成長を感じる瞬間は、
1日の中で唯一ホッとできる時間かもしれません。
こんなに気持ちよさそうに寝ているのに、
「寝かしつけるのってなんでこんなに大変なんだろう」。
寝る気のない娘をやっと寝室に連れていくまでに一苦労。
でも私にとっては寝室のドアを閉めてからが本番です。
部屋の電気が消えていてもお構いなし。暗闇の中を走り回ったり、私の上によじ登ったり。
眠たいはずなのに「まだ寝ない!」と泣きじゃくる娘。
「こんな毎日がずっと続くのかなぁ」と私のほうが泣きそうに。
子どもの”ねんね事情”は本当に人それぞれです。
毎晩寝かしつけに苦労し、疲れ切っているママもいれば、
寝かしつけはトントンのみ、数分で完了。悩んだことすらないというママもいます。
毎日のことだからこそ少しでも穏やかに気持ちよく(出来ればスムーズに)
寝てくれたらと願うのは当然のことですよね。
入眠スイッチはどこ?!毎日続く試行錯誤の日々
みなさんは、”入眠スイッチ”という言葉をご存じですか?
一般的には、スムーズな眠りにつくために就寝前に行うその人独自のルーティーンのことです。
入眠スイッチが見つかると、子どもは自分で“眠るモード”に脳を切り替えます。
入眠スイッチが入れられるようになると、子どもは自分から寝室へ行けたり、
布団の上でゴロンとしたり、スッと眠りについたりできるのです。
わが家の娘は今月で1歳8ヶ月。
断乳後、”添い乳”を失ってから、娘にぴったり合った入眠スイッチを見つけてあげられず試行錯誤の日々。
寝かしつけに良いとされることは積極的に試し、娘の入眠スイッチを探し続けました。
胎内音のBGMを流してみたり部屋を真っ暗にしてみたり、
薄暗い部屋で絵本を読み聞かせをしてみたり・・・。
でも眠くなるのは親の私ばかり。肝心の娘は全く寝る気配なし。
“寝室に入ると声が枯れるほど泣き叫ぶ”、
“暗闇の中で動き回り、なかなか布団にゴロンとしない”
「どうやったら“眠るモード”に入ってくれるだろう」
入眠スイッチを押したつもりが、「ムリやり眠らされてたまるか!」と
娘の”イヤイヤスイッチ”を押す羽目に。
「上手く行かないなぁ。」
涙が出そうになった日が何度もあります。
入眠スイッチみ〜つけた!大好きなジャッキーのまねっこで「おやすみなさ~い」
娘は1歳半頃から”まねっこ遊び”ができるようになりました。
おままごとや、お買い物ごっこ、テレビで流れるダンス。
「おんなじ、おんなじ。」と、楽しそうにまねをして遊びます。
同様に絵本の楽しみ方にも”まねっこ”が増え始めました。
絵本に出てくる食べ物に手を伸ばし食べるまねをしてみたり、
登場人物の動作をまねて同じように動いてみたり。
そのころ娘が気に入っていた絵本が、”くまのがっこうの『ジャッキーのゆめ』”です。
絵本を開けばいつでも会えるジャッキーは、いつしか娘にとって友達のような存在に。
「ジャッキージャッキー」と話しかけながら毎日何度も絵本を開きます。
絵本『ジャッキーのゆめ』には、ジャッキーが毎晩お兄ちゃんたちと”手を繋いで”ベッドに入るシーンがあります。
ある夜、娘と一緒に寝室で『ジャッキーのゆめ』を読みました。
ジャッキーがお兄ちゃんたちと手を繋ぎベッドに入るシーンになると、
「おててつないでねんね」と言いながら私の手を握り、布団にゴロンと寝転ぶ娘。
「え!?すごいすごい!ゴロンできたね~!」
得意げに笑う娘を、私はギュッと抱きしめました。
次の日も、また次の日も、娘はジャッキーのまねをして布団にゴロンと寝ころびます。
「偶然じゃない。娘の入眠スイッチみ~つけた!」
娘にとっては手を繋ぐのもゴロンとするのも大好きな友達”ジャッキーとおんなじ“だから。
以来、時間はかかっても入眠までの時間をゴロゴロしながら穏やかに過ごせるようになりました。
「こうやって、自分でできるようになっていくんだね。
ジャッキーのように手を繋いだらそのままスッと眠りについてくれる日が早く来るといいなぁ。」
絵本は子どもの遊び道具。憧れの登場人物と一緒にぐんぐん成長中!
絵本はおもちゃやテレビと同じ、子どもの楽しい!やってみたい!を引き出してくれる遊び道具。
そして、登場人物は友達であり、最も身近な憧れの存在です。
日常生活の中で親から与えられると”やらされている”と抵抗を感じることが、
絵本の世界を通してみると”まねしてみたい”に変わる。
何度も何度も繰り返しチャレンジ!
結果的に、絵本という遊びを通じて子どもたちは”できる”を憧れの登場人物と一緒に習得していきます。
娘は今、自分の意志でジャッキーをまねしながら遊んで、楽しんで、自分の「入眠スタイル」を作り始めています。
まだまだ時間はかかるかもしれませんが、
終わりの見えなかった寝かしつけに希望の光が見えてきました。
子育ては意識をしていても親子だけの世界となり、孤独になりがちです。
そんな時は深呼吸して、親子で絵本を読んでみてはどうでしょう。
絵本の世界は、子どもに遊びと学びを、親にはそっと助け舟を出してくれます。
私にとって絵本は、なくてはならない子育ての心強いパートナーです。