絵本『しーっ』が伝えるママの想い。“なぜ”静かにする?の問いが想像力を育む

もうすぐ2歳半を迎えるわが家の娘。元々の”はっきりとした性格”に加え、イヤイヤ期の真っ只中。「自己主張」に磨きをかけるその姿は、一生懸命で可愛らしくもありますが、「勘弁してくれ〜」と頭を抱えたくなることもしばしば。

娘の場合、”静かに座る・聞く”は特に苦手な分野。先日、幼稚園入園希望者の説明会に参加した際には”静かにしてほしい場面”で自己主張全開に。「”どうして”静かにしないといけないのか」を丁寧に説明してみるもののすんなり納得してくれるはずもなく悪戦苦闘。娘を抱えて泣く泣く退席する瞬間、子育てって難しいなぁ〜と涙が出そうになりました。

今回ご紹介する絵本『しーっ』は”静かに座る・聞く”が苦手な娘について悩んでいた時期に出会った1冊。「”静かにする”の先に理由があること」を娘に教えてくれた、おすすめ絵本の魅力をご紹介します。

動物たちのガラリと変わる表情が、子どもたちの想像力をかきたてる

うさぎさんが小鳥さんにささやきます

「しー、しずかにしてください」「なぜかっていうとね・・・」

小鳥さんがりすさんにささやきます

「しー、しずかにしてください」「なぜかっていうとね・・・」 それまで無邪気に遊んでいた動物たちですが、「静かにしなければならない理由」を聞かされたとたん、ガラリと変わる表情。絵から伝わる表情の変化はとてもチャーミングです。「静かにしなければならない理由」は「なんだ?!」「なんなんだ?!」。ワクワク、ドキドキ、様々な想像を巡らせながら読み進めることが出来る絵本です。

最後のページまで続くワクワク・ドキドキと「どうして」の問い

絵本『しーっ』では、最後のページまで「静かにしなければならない理由」が明かされません。しかし、理由を聞かされたとたんにガラリと変わる動物たちの表情に娘は興味津々。私にはどの動物の表情も”チャーミング”に見えるのですが、娘にはびっくりしているように見えるものもあれば、怖がっているように見えるものもあるらしく・・・。動物たちの表情をそれぞれ観察しながら、「せんせいが おはなしするのかなぁ」「おばけにつれていかれちゃうのかなぁ」など、「静かにしなければならない理由」を一生懸命考えてつぶやいている様子が印象的でした。

子どもたちに、ママの”切実な願い”が「わかった!」と伝わる魔法の絵本

絵本『しーっ』では「しー、しずかにしてください」がリズムよく繰り返されます。そこだけを切り取ると、理由を聞く前からなんだか怒られているようにも感じる「静かにして」という言葉。多くのママ達が”切実な願い”を込めてわが子にこの言葉を伝えた経験をお持ちでしょう。

しかし、絵本『しーっ』の世界では「しずかにしてください」から”ワクワク”が始まるのが新鮮です。子どもたちは自然と”静かにする”の先にある理由”どうして”をポジティブにもネガティブにも想像し、最後は納得感のある充実した気持ちで本を読み終えることが出来ます。決して”しつけ絵本”ではありませんが、結果的にママ達の”切実な願い”を、子どもたちが「わかった」と納得できるように伝えてくれる魔法の絵本です。 

冒頭でお話した”幼稚園の説明会”もしかり、”公共交通機関”、”レストラン”など子どもに「静かにしてほしい」と感じる場面には、親自身の”緊張”が付きものです。

私自身「”静かにしようね”と伝えるときはいつもこわ〜い顔だったかも・・・。」と反省中。動物達を見習って、チャーミングな表情で伝えてみると、娘も「まず抵抗」ではなく、理由に耳を傾けてくれるようになったような気がしています。

とはいえ、一筋縄では行かないのが日々の育児。絵本からもらった大切なヒントを胸に試行錯誤は続きます。さて、次はどんな本を読もうかな。

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