息子の行動が変わった!好奇心をくすぐる一冊

「これってどうなってるの?」「これは何?」毎日のように私たちに質問を投げかけてくる、人一倍好奇心の強い年長さんの次男。この好奇心をさらに伸ばす手助けをしてくれるような絵本はないかと探していたときに出会った1冊が、今回ご紹介する「知っておきたい!モノのしくみ」。大人の私も知らないような知識もたっぷりと詰まった、読み応えのある絵本です。

身近なものからロケットまで!ものの仕組みを楽しく学べる


「知っておきたい!モノのしくみ」

文:ジョン ファーンドン ロブ・ビーティー
監訳:門田和雄
発行所:東京書籍株式会社

自宅にあるものや、身近にあるもの、見聞きしたことはあっても詳しくは知らない乗り物などがどんな仕組みで動くのかを細かい部分まで描かれた画と、丁寧な説明文で分かりやすく解説してくれる絵本です。

冷蔵庫や洗濯機といった自宅にあるもののほか、ジェット機や潜水艇、ロケットといった子どもが興味を持つような乗り物の仕組みなど、全部で29個のものの仕組みが描かれています。

当たり前に使っているものへの見方が変わる!

本の裏表紙にも書いてあるとおり、ボタンひとつで調理してくれる電子レンジに、あっという間に汚れた洗濯物をきれいに洗ってくれる洗濯機やごみはどこに運ばれて処理されるのかなど、当たり前に使っているものや、できて当たり前と思っているようなことが、「こんな仕組みで成り立っているとは」と大人の私でも驚くような内容で、つい引き込まれてしまいます。

一番最初に出てくるのは「電気」についてのページ。次男はスイッチを押せば当たり前につくものと思っていたようですが、まず「電気は発電所でつくられる」ということを知り、衝撃だったようです。

「電線って電気を送っている線なんだね。だから外にはこんなにたくさんの線があるんだ!電気が通っているように見えないのに、なんだか不思議だね」
日ごろ見慣れている風景も、この線のすべて電気が通っていて家に電気を送り届けてくれているのだと思うと、何だかまた違った風景に見えると、目を丸くしながら話してくれました。

可愛らしい「小さなツアーガイド」に興味津々

表紙にもいろいろな所から顔を出している「小さなツアーガイド」が、至るところで働いている様子を見るだけでも、読んでいる側をワクワクさせてくれます。ただものの仕組みを見るだけでは飽きてしまいがちな子どもも、このユニークなツアーガイドが様々な姿で働いている姿に目が釘付け。

「この人、高圧線の上を一輪車で進んでる!おもしろすぎる!」
電気の仕組みを紹介するページで、高圧鉄塔同士を結ぶ高圧線の上を一輪車に乗った小さな人が長い棒を持ってバランスよく進む姿が描かれているんです。確かにおもしろい光景です。子どもってこういう細かい楽しみを見出すのが上手だな、と感心してしまいます。

この画の様子から、安全のことを考えて高い高圧鉄塔に電線を張り、その中に電気が通っていて各家庭に送られる仕組みが、すっと頭の中に入ってきます。

ものの仕組みを知ると手を動かしたくなる

絵本の内容はと幼稚園児には少し難しい部分もありますが、年長さんにもなると一生懸命理解しようと真剣。その姿に頼もしささえ覚えます。

そんな次男が一通り読み終えて、特に興味を持ったのが掃除機の仕組みを紹介したページ。
「なぜスイッチを押すとごみが吸い取られるの?」と日ごろから私に質問していた答えが順を追って丁寧に描かれていました。「真空」など難しい言葉もところどころに出てくるので、そこはママやパパがフォローしています。そして吸引力を生む仕組みがあると知って、すぐに掃除機を観察。その日から「僕が掃除担当になる」と宣言して、早速自宅にある掃除機を動かしていました。

絵本で理解したことを、実際に実践して考える。「目で見て手を動かして学ぶ」という楽しみを見つけたようです。そして何とこの日以来、次男が進んで掃除を手伝ってくれるようになるという私たちにとっては嬉しい誤算も!

大好きなブロック遊びもレベルアップ

もともとレゴブロックを使った遊びが大好きな次男。自動車を自分で考えて作ることがあるのですが、絵本の中の自動車の仕組みを紹介するページを見て、タイヤとハンドル以外にもさまざまな装置や部品が取付けられていることを知ったようです。
「バッテリーや燃料タンクがないと動かないよね」そう言って、さまざまな装置を車内に再現していました。自動車を動かすにはいろいろな装置があることを知り、大好きなレゴ遊びの内容もレベルアップ。

また、この絵本を通して「これってどうなってるの?」という疑問を、以前にも増してより持つようになり、私たちへの質問も目に見えて増えました。忙しいときに質問されるとつい回答が雑になりがちですが、その成長が嬉しくて、そんなときこそなるべく丁寧な対応を私たちも心がけるように。

観音開きのページなど、仕掛けも満載。画を見ているだけでも十分に楽しめるので、まだ文字が読めない年少さんや年中さんも夢中になって楽しめる1冊です。

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