おうち時間も充実!ワクワクが詰まった持ち運べる「ずかん」

今回ご紹介するのは、高校生になった長女が幼稚園生のときに購入したポケットサイズの図鑑で、長男、次男と受け継ぎ今も現役の一冊。幼稚園入園前の次男は、コロナによる自粛生活で自由なお出かけがあまりできなかった時期、近場の公園やキャンプ場など屋外で遊ぶ機会が多く、その時期から愛読しています。
タイトル下にも「幼児~低学年」とある通り、子どもの発達段階に合わせて長く楽しめる本。外出先の遊びだけでなく、おうち遊びのヒントも豊富。子どもの好奇心と興味を引き出してくれて、性別や年齢は関係なく楽しめる、私の子育てにおいても欠かせなかった「ずかん」です。
乳幼児から小学生まで長く楽しめるお役だちずかん

「ふれあいこどもずかん 春夏秋冬」
編集人:遠田 潔
発行所:学研教育出版
春夏秋冬に分けて、それぞれの季節の生き物や植物を紹介する子ども用の図鑑。写真に加えてリアルなイラストも多く描かれており、生き物の名前はすべてひらがな大きめに書かれており、文字を学びはじめの子どもも読めるようになっています。カタカナや漢字の表記も、きちんとルビがふられています。
図鑑のページには、その生き物の特徴や秘密といった豆知識も書かれていて、読み応えもあるので大きい子どもでも飽きない工夫が施されています。また、合間合間に登場するコラムページも興味深いものばかり。生き物の飼い方から自然の素材を使った遊びまで、幅広いジャンルの内容を取り扱っていて、子どもの好奇心を刺激してくれます。
成長するに従って興味を持つページが変わる

幼稚園に入る前は、自分だけのお気に入りの生き物を見つけるところからスタートしました。そして幼稚園に入ると、「これは何の仲間なのか」「どんな泣き声なのか」という細かい特徴まで読み込むように。特徴や豆知識は幼稚園児でも理解できるようなシンプルな内容なので、読み始めると集中して読んでいました。
長女は植物、長男はカブトムシのページが大のお気に入りでした。次男も最初は虫のページに個興味を示し、特にアリが描かれたページがお気に入り。この本のアリのページは、実寸大の大きさも描かれているのが特徴で、そのリアルさもお気に入りポイントだったようです。年中さんの頃になると、「くろおおありは大きいけれども、くろながありは小さい・・・じゃあここに歩いているアリはくろおおありかも?」と、絵本のアリと本物を見比べながら興味津々。私が口出しをしなくても、自分で学びを深めている姿を見たときは感動しました。
そして今、小学生になった次男が今一番のお気に入りは海の生き物のページ。特に危険生物に興味津々で、「どくきけん」のマークがついた生き物を探しては、目を皿のようにして眺めています(笑)。
ポケットサイズで子どものリュックにもすっぽり

図鑑は最後の索引も含めて全290ページと盛りだくさん。けれども、文庫本よりも少し大きい程度とコンパクトなので次男の幼児サイズのリュックにもすっぽり収まるんです。自分のリュックに入れて持ち歩ける「自分専用の図鑑」という特別感も「自分で調べて探したい」気持ちを助長してくれるよう。どこに行くときも一緒、お出かけのときの相棒のような存在でした。
週末のお出かけ先選びもこの本をきっかけに

私が日ごろ心がけているのは、子どもが本を読んで興味を示したものは、できる限り本物を見せてあげるようにすること。この図鑑で気になった生き物を見ることができる場所は調べておき、時間が空いた休日に一緒にお出かけすることが多いです。このお出かけが次男だけでなく私の楽しみにもなっています。
今は特に海の生き物に興味がある次男ですが、珍しく鳥のページを熟読していた様子を見て、先日鳥とふれあえるスポットに出かけてきました。今までは動物園に行ってもあまりじっくり見ずに通り過ぎてしまうので鳥の展示コーナーで、「見なくても大丈夫なの?」と確認することも多かったのですが、この日は鳥を間近で見て、自分の手に乗せてふれあえたことに次男は大興奮。

「鳥のくちばしってこんなに小さいのに、エサを落とさずに上手に食べていてすごい!」
じっくりと観察すると、足でエサを一度持ちかえてから器用に口の中に運ぶ鳥も。特にこの「食べる」仕草が気になったようで、この日を境に、道ばたに歩いている鳩も追いかけて遊ぶのではなくしっかり観察するように・・・。
少し前までは鳩を追いかけて遊んでいただけなのに、今では人がこぼした食べ物をどのように口に運ぶのか、その様子を見逃すまいとじっと見つめています。本で読んだことを、実際に見て、さらに学びを深める。この本はそのきっかけづくりになっています。
自宅でのプチ実験が考える力を育ててくれる

「ずかん」とタイトルにはありますが、子どもの「やってみたい」を刺激してくれるコラムが豊富な点も、この本の大きな特徴です。中でも冬のページ内にある「氷で遊ぶ」コラムは次男の一番のお気に入り。雨の休日、時間を持て余して困ったときにもできる、コラムで紹介されている簡単な実験遊びは何度も挑戦しました。どれもたいていが自宅の中にあるものでできる内容なのですが、簡単なのに大人も一緒に夢中になれるものばかり。
特に何度やっても楽しい「氷つり」には、何度も助けられました。氷に糸を垂らしただけでは氷はつれませんが、氷の上に垂らした糸の上に塩をふりかけると、氷に糸がついてつりあげられるというもの。正確には塩をかけることで糸に染みこんだ水が凍る現象。
はじめて挑戦した年中さんのころは「すごい!」と驚くだけで「どうしてこうなるのか」と知りたくなる気持ちは沸いてこないようでしたが、年長の後半になると「どうしてこうなるの?」とその仕組みを私に聞くようになりました。

そして、小学生になった次男は「2個の氷にそれぞれ塩をかけて、1本の糸を挟んだら2個の氷を一緒につれるんじゃない?」と考えて実際にやってみたところ、見事2個の氷を同時につりあげることに成功!
「見て見て!つれてる!しかも2個の氷がくっついて1個の氷みたいになってる!」本に載っていることから、さらに自分で考えて実験することまで発展させられたことには私も驚き。大きな成長を感じるとともに、子どもの頭の柔らかさには脱帽しました。
休日の遊びが学びにもつながる

この図鑑は息子の生き物好きの原点。移動中の電車内や食事の待ち時間にも大活躍していました。その楽しみ方は、成長の段階に応じて変化してきました。
コロナ自粛期間以降は、この本をきっかけにいくつもの水族館や博物館にも出かける機会が増えました。その先で購入したぬいぐるみは思い出の詰まった次男の宝物。日ごろおもちゃを買うことはないのですが、このぬいぐるみだけは特別で、白クマの名前は「むーちゃん」。次男はひとつひとつの動物に名前をつけてかわいがっています(笑)。名前をつけることで、お気に入りの生き物への愛着が増すのだそうです。その先々で選ぶ生き物のぬいぐるみにも、そのときの次男の「好き」がたくさん。
学校や習い事では学べない、子どもの興味を広げてくれるきっかけの一冊は手にする価値大。ぜひ本屋さんでチェックしてみてください。