寝る前の時間

いつもの夕方、
家族と一緒に晩御飯を食べて、
片づけをして、
ちょっとゆっくりして、
お風呂に入って、
またゆっくりして、
布団に入って、
子守唄を歌って、
絵本を読んで、
子どもは眠くなって、
ママは「おやすみなさい」と言って眠りに就く。

めでたし、めでたし♪

子育て中のご家庭の夕方のイメージは、映画やドラマでよくあるような「団らん」という言葉が似合うそんな感じでしょうか?

実際は珍しい方だと思います。
どちらかというと、夕方になると家族はバタバタしているケースが多いのではないでしょうか?

自分の小さい頃の記憶の中では、夕方になると「早く〇〇しなさい!」と両親から口うるさく言われる時間になりました。
お母さんはよく、「早く夕飯食べなさい!」、「早く宿題をしなさい!」、「早く寝なさい!」などと言っていました。
これから眠りに向かっているのですが、なんだかマラソンが始まるような気持になったものです。

眠れないのは『ビジー・ヘッド(busy head)』だから

子どもの頃に自分はよく『ビジー・ヘッド(busy head)』になりました。(今でもたまにありますが)

『ビジー・ヘッド(busy head)』
これは専門的な言葉ではなく、寝る前に頭の中が色んなことでいっぱいで、考え始めるとグルグルと回って止まることが出来なくなり、結局朝までずーっと考えて全く眠りに落ちることが出来ないことです。

大人でもビジー・ヘッドになる方は多いと思いますが、小さい子どもも同じようにビジー・ヘッドがあって、そうなると子どもの方が苦しくてツライと思います。大人は何で自分が眠れないか?と、なんとなく分かると思いますが、子どもには多分分かりません。
子どもからすると眠れないなら遊べばいい、動けばいいなどと思うことでしょう。
そうすると大人は「早く寝なさい!」と言うでしょう?これは互いにイライラの元になると思います。
頭と心はスッキリしていないのは、ビジー・ヘッドに原因があると思いますので、それをスッキリさせるためにも寝る前のコミュニケーションタイムは大事にしたいものです

1日の最後のコミュニケーションタイム

寝る前は静かな時間にしないと「ダメ」と思う人もたくさんいるでしょう。たしかに大騒ぎをするのは逆効果になるかもしれません。

よく考えてみると、寝る前の時間は1日の最後のコミュニケーションタイムになります。

ですから、その日にあった嬉しいこと、悲しいことなどを家族で話す何気ない会話で、頭と心をスッキリさせることをおすすめします。そうすると良く眠れる気がするからです。

田上時子さんの『子どもに愛を伝える方法』(築地書館)の本の中では、子どもに愛を伝える方法が5つ書かれています。

その1つに「時間」が有ります。特に寝る前の時間は一番大事ではないかと思います。
テレビを消して、電気をちょっと暗くして、一緒にいる時間。ここではコミュニケーションタイムになります。

この時間に絵本を読んで過ごしてみませんか?絵本は、寝る前の頭と心を穏やかにしてくれます。

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寝る前に心を穏やかにする絵本選び

絵本で、寝る前の頭と心を穏やかにしようとすると「寝る前にどんな絵本を読めばいいの?」となりますよね?
自分考えるオススメの絵本は2種類に分けることができます。

コミュニケーションに役立つ絵本

最近「役に立つ」という言葉をよく目にします。
この前本屋さんに行った時に、ある絵本の帯に「この本読んだら、子どもは絶対ねむくなる」と書いてありました。さらに店の人の手描きポップで「子育てに役に立ちます!」ともありました。それ見ると、手に取り買いたくなりますよね?
忙しい子育ての中、子どもが早く寝てくれるならいいと思いますよね? 時間はかからないし、子どもがスムーズに眠りについてくれるのですから。

ですが自分は、寝る前のコミュニケーションタイムに役に立つ絵本は、本屋さんで見た帯に書いてあるものとは違う感じの絵本だと思います。
絵本を読むと、話が始まり、子どもは言葉を口にしたくなり、より深く知りたくなります。
お互いの事を知るにはコミュニケーションが必要です。
ただ、年齢の違いや子どもによって、出来るコミュニケーションやその仕方は違ってきます。ですから、コミュニケーションに役立つ絵本の選び方はとても大切です。

~おすすめの絵本~

『とりがいるよ』
風木一人・さく たかしまてつを・え(角川書店)

絵と文がとてもシンプルですが、絵を指さしながらコミュニケーションが出来るので、子どもは大好きです。
小さい赤ちゃんでしたら指さしや言葉は出来ないけれど、大人が指さしながら「赤いのがいるね」などを言うと、子どもはそれを吸収していつか同じ言葉を口にすると思います。指さしが出来るようになったら「赤いのはどこだろう?」と聞くことも出来ますね。

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『ねえどっちがすき』
安江リエ・ぶん 降矢奈々・え (福音館書店)

子どもが自分の意見を言えるようになったら、それを聞いてあげることは大切な事なことで、大事な大人の役割です。
日常生活の中では、毎回子どもの意見を聞くのにはすごい時間がかかりますが、寝る前のこの時間にはピッタリだと思います。
読み終わったら「どっちが好きごっこ」をしてみてはどうでしょう?大人は質問をしながら、子どもが今好きな事、嫌いな事など色々学ぶことが出来ます。

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絵本を読んでいる時、子どもから質問があるかもしれません。
物語の途中で答えてもいいですし、物語を読み終えてから答えても大丈夫だと思います。読み手から質問をするのは1度絵本を読み終えてからの方がオススメです。その方が自然に物語の始まり、終わりなどがわかるようになります。

寝る前のリズムや流れがわかる「真似できる絵本」

清水悦子氏の『赤ちゃんにもママにも優しい安眠ガイド』(かんき出版)の中では、小さい時から寝る前のリズムはとても大事だ、と書いてます。大人の方でもお酒を飲みに行ったり、夜更かししたりなどをすると睡眠時間に影響が出たり、寝不足になったり、日常の生活に影響が出ますよね。赤ちゃんや子どももそうです。

以前、赤ちゃんが生まれたばかりの友達の家に泊まりに行ったことがありました。その日の夜中に赤ちゃんが泣いてしまい、友達が私に謝りながら「ジェリー 、起こしてごめんね。けどしょうがないよね。この人は時差ボケさんですから」と苦笑いしながら言いました。
たしかにそうでした!赤ちゃんは寝たいに時は寝る。お腹空いているに時は泣く。自分のリズムを持っています。ただ、この生活リズムがずーとつづくと、家族は前の生活のリズムを戻しづらくなりますよね。

理想的なスケジュールがあって、毎日同じリズムで同じことをするのは1番いいですが、なかなか難しいと思います。だからと言ってスケジュールやリズムの大事さを子どもに伝えるのは相当難しいことです。

自分は小さい頃、お母さんから「野菜全部たべて。大事ですから」と言われても、その意味が分かりませんでした。
「早く寝ないとダメです」も同じです。子どもはまだその言葉の意味が分かりません。

そんな時は、子どもが真似したくなるようなリズム絵本を読むのがオススメです。
子どもは親の真似をすることで、自然と親と同じことをします。言葉では難しく理解できないことも、真似をすることで伝えられることもあると思います。

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~おすすめの絵本~

『こぐまちゃん、おやすみ』
わかやまけん・さく(こぐま社)

時代が変わるといろんなことが変わりますが、やっぱり1番大事なのは、人としての絆です。この絵本からそれは感じられます。絵本の雰囲気は懐かしいけれど、子育てのヒントや子どもが真似したくなる場面がとても多いからです。

『Goodnight Moon』
Margaret Wise Brown・さく Clement Hurd・え (HarperTrophy)

この絵本のページをめくっていくと絵がだんだん暗くなって行きます。暗くなると言っても、けっして怖いことではありません。むしろリラックスしながら読むことができます。
寝る時間=暗い=怖いと感じる子どもは多いと思います。この絵本は、暗いところがあんまり好きじゃない子どもにも「暗くなっても大丈夫。怖くないよ」とひとこと言ってあげると、自然に受け入れてくれるはずです。
実際に部屋が夕方暗くなる前に、暗さを体験できるのはこの絵本の力です。

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寝る前の時間はとても大事です。家族はそれぞれ自由に過ごします。

これが「正解」やこれは「ダメ」というのはないし、無理矢理に何かをするのもあんまり意味はないと思います。

自分の家族に合う寝る前のリズムと、1日の最後のコミュニケーションタイムを大事にするのは1番大事だと思います。
そうするときっといい夢を見ることができるでしょう。

 

 

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