絵本で踏み出す!世界への一歩は3冊の絵本で

2020年度からは、小学3年生から必修化となった英語教育。私たちが子どもの頃よりも、より身近なものになりつつあります。我が家では、「英語が好きになることで世界が広がる」と考えて、幼稚園生で6歳の次男が日頃よく手に取る絵本棚に、今回ご紹介する3冊を入れています。

リアルさが感じられる絵に夢中!「ちっちゃなミッケ!」

文:ジーン・マルゾーロ
写真:ウォルター・ウィック
訳:糸井重里
出版社:小学館

文章内のアルファベットを絵の中から探し出す、アメリカ発の絵本「ミッケ!」の小型版が、こちらの「ちっちゃなミッケ!」。実は、中学生の長女が1歳のときに初めて買った絵本なんです。目をひくデザインのアルファベットの美しさに私が一目惚れして購入しましたが、長女、長男、そして今は幼稚園児の次男が夢中になっています。読み返しすぎてボロボロになっていますが、今でも現役です。
アルファベットが印象的な絵、デザイン、色使いで描かれており、見ているだけでも楽しくなれる一冊。子どもが大好きな動物や、食べ物、乗り物が小さな本の中にたくさん散りばめられています。

「ここにあった!」「これ僕持ってる!」表紙にあるものが、中ページにも出てきます。中ページでは、アルファベットだけでなく、その日本語訳と一緒に、英語の発音をひらがなで書かれています。
虫が大好きな次男は、幼稚園の帰り道にありの巣を見つけながら帰るのが、最近のブーム。そのときにありを指さしながら「あんと」と言ったので、驚いて「どうして知ってるの?」と訪ねたところ、「ミッケ!に大好きなありがいたから覚えた!」と。「本の中のアリさんが本物みたいにかっこよく書かれているんだよ」とも教えてくれました。
次男の将来の夢は、虫を研究する博士。自分の大好きなもの、興味のあるものを絵本から見つけて、吸収する力には驚かされます。

息子のハワイへの憧れが増大!「Hawaiian Alphabet」

作:Lori Phillips
出版社:PREL

ハワイに旅行したときに、現地の本屋さんで表紙の虹の画に惹かれて手に取った絵本。こちらも前出の「ちいさなミッケ!」同様、ページ毎にアルファベットや、単語とそれにまつわる画が描かれていますが、こちらは英語ではなくハワイ語の単語が載っています。
クレヨンで子どもが描いたような雰囲気の画は何ともユニーク。どれも力強いタッチで、「ちいさなミッケ!」のリアルな画とは対照的で、味があります。

この絵本を持たせるとこの通り。次男が1歳の頃に行ったハワイですが、もちろん次男の記憶には残っておらず・・・。この夏、久しぶりに国内旅行で飛行機で乗ったのですが、飛行機はほぼ初体験の次男は、飛行機に乗ると、すごく遠くまで行けることを悟った様子。「日本って世界のどこにあるの?」「ハワイってどれくらい遠い場所にある?」そんな質問が増えた次男にとって、この絵本に描かれたハワイは、憧れの場所になっています。

この絵本の中に描かれている「lei」のページがお気に入り。実は、次男の名前の由来にもなっている「lei」。「僕の名前のもとになっている」単語が、ハワイの花飾りである「レイ」であることを教えたところ、「自分で自分の名前を英語で書けるようになりたい!」と、自分でこのページを開いてノートに練習し始めたんです。

実は、習い事で宿題が出ても、じっと座って文字を書くことがまだまだ苦手な次男。そこはじっと我慢し、無理強いせず、自分でやりたくなったときに・・・と思っていたのですが、急に自ら座って字を書き始めた姿を見て、私も感動。英語で自分の名前を書きながら「いつかハワイに僕も行きたいな」と楽しみにしているよう。私にも、次男に本場のレイを見せてあげる楽しみが増えました!

音声と画で自然に単語が学べる「ドラえもん はじめての英語図鑑」

原作:藤子・F・不二雄
監修:宮下いづみ
画:むぎわら しんたろう
出版社:小学館

小学校の英語教材と、英検5級によく登場する単語と表現が合計2400も収められている図鑑。英語図鑑と言っても堅苦しいものではなく、ドラえもんのキャラクターや、子どもの好奇心をくすぐるような写真や画がたくさん描かれていて、見ているだけで楽しくなる一冊です。
英語を楽しみながら学べたら、と思い実は3歳の誕生日にプレゼントした本。小学校入学前から高学年まで長く使える点もお気に入りポイント。

タッチペンで音が聞ける、という点もほかにはない大きな特徴。子ども自身で学べるポイントが詰まっているんです。

プレゼントした当初は本を開いて、お気に入りの食べ物の写真や、大好きな「のび太」が昼寝をしているページを眺めていたり、ペンのスイッチを押すことだけを楽しんでいた次男。あえて私たちが口を出すことなく見ていたところ、次第に画に合わせてペンのスイッチを入れると、単語名を聞けることを自分で学びました。

そして驚いたのは、ある日夕飯を食べる前に味噌汁を指さして「みそスープ」と嬉しそうに、私に言ってきたこと。発音も素晴らしく、「えっ?どうして知ってるの?」と聞いたところ、得意げに「ドラえもんの図鑑で覚えたんだよ」と。私のこの驚いた表情がとても嬉しかったのか、そこから、誰に言われるともなく、自分の興味を持った単語を次々と習得。今では20語ほど言えるようになり、幼稚園への送り迎えの自転車に乗っている時、「英単語クイズ」をすることが日課になっています。

絵本に描かれたABCから世界が広がる

幼稚園の預かり保育から帰宅してお風呂に入り、私が夕飯の準備をしている30分間と、寝る前に私と一緒に1冊読むのが、お決まりのルーティーン。絵本を読むことで「英語を知る」だけでなく、最近は「これは英語で何て言うの?」「みそスープって英語なのに、日本語みたいじゃない?どうして?」といった疑問を私に投げかけるようになったことが、一番の変化です。

英語を知ることは、単に話すことだけでなく、その国の文化に興味を持つことにつながります。英語を学ぶことは義務なのではなく、楽しいこと!それを今年年長になった次男は本から学んだのだと思います。ある日、「トイレにあいうえおだけじゃなくて、ABCの表も貼って欲しい!」と自分から私にリクエストしてきたのです。今は、世界地図を広げながら英語が母国語はどこにあるのかを調べることに夢中。

その好奇心を育ててくれるのは、特別な習い事やイベントなどではなく、今回ご紹介した3冊の絵本。「今度の夏休みは飛行機に乗ってハワイに行き、“ハンバーガーアンドミルク、プリーズ”とお店で注文するんだ」と張り切る息子。そんな姿を見て頼もしく感じています。

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