「工夫することの楽しさ」に子どもが夢中!

さまざまなものが簡単に手に入る今、工夫してものをつくる楽しさや、ものを大切にする気持ちを育む難しさを感じていたときに出会った絵本。ラムネがセットになっているというユニークな1冊で子どもは興味津々!今回は、楽しみながら子どもの想像力も伸ばしてくれるオススメの絵本をご紹介します。

ラムネを食べながら読み進めれば楽しさ2倍


「ラムネいろいろ トンタカトン」

作・絵・工作案:浦中・こういち
企画・販売:春日井製菓販売株式会社

不思議なたいこをたたくと、さまざまな味のラムネが飛び出してきます。そのラムネを子どもたちが美味しそうに食べる様子が描かれた楽しい絵本。

絵本にセットになったラムネを、本に登場する子どもたちと同じように食べながら同じ気持ちを共有することで、絵本の中の世界がより身近で楽しいものに。また、本の最後には食べた後のラムネの包み紙を使ってできる、さまざまな工作案が提案されています。

子どもが夢中になる包み紙の活用法

ラムネは5種類の味が入っています。いつもは食べたら捨ててしまうような包み紙ですが、この絵本にはその5色のカラーバリエーションがある包み紙でできる遊びが紹介されています。幼稚園児ひとりでもつくれる簡単な工作を中心にさまざまな提案がされていて、見ているだけでワクワクします。

色を重ねるだけでも発見が!

絵本の中の子どもがたたくリズムにあわせて5つの味を楽しんだ後は、包み紙を使ってさらに工作が楽しめます。

「包み紙ってキラキラしていてきれい!」
年長の息子はそれだけでも嬉しそうなのですが、2色の包み紙を重ねてキャンディのような形にすると、別の色になることを手を動かしながら学ぶことができるんです。赤の包み紙を丸めて青の包み紙でくるむと…まるでぶどうキャンディに!

「じゃあ、オレンジ色で緑色をくるむとどうなるんだろう?」
息子は目を輝かせて次々とつくっていきます。
「重ねるだけで色が変わるなんて不思議!なんで色が変わるの?」
親の私も答えに困るような質問まで出てくるほど、興味津々。本来すぐ捨ててしまうような包み紙でここまで楽しめるなんてすごい!

好きな色を選んで割り箸の先を包むだけ

包み紙をキャンディのようにして色合いの変化を楽しんだ後は、絵本に出てくるものと同じ、太鼓をたたくバチもつくれちゃいます。

材料は包み紙とティッシュと割り箸だけ。割り箸の先を丸めたティッシュでくるんで、その上から好きな色の包み紙をかぶせてテープで留めるだけ。青色が大好きな年長の息子は、迷いなく青の包み紙を選択しました。今回は割り箸を使いましたが、木の枝とどんぐりを組み合わせたり、ティッシュの代わりに鈴を使えば音が鳴るバチもつくれます。そのことに気付いた息子は、すぐに庭に材料を探しに行きました。
「どのくらいの大きさの実なら使えるかな?」
包み紙でくるめる大きさではないとバチができないことも、自分でつくっている中で学んだようです。包み紙1枚あるだけでも、あれもこれもできる!ということに気づいた息子は、工夫して工作する楽しさに目覚めました。

捨ててしまうようなものも貴重な材料に

包み紙のように本来ごみになるようなものでも、工夫して組み合わせればいろいろなものをつくれるということを学んだ息子。
「この箱捨てないで」
「この紙も使いたい」
「サランラップの芯ってある?」
このようなリクエストを私にするようになりました。次第に材料を集めた箱の中はいっぱいに。

この遊びを自宅だけではなく、幼稚園の降園後に通っている預かり保育でもするように。すると、息子に刺激を受けた周りのお友達も興味を持ったようで、捨ててしまうような空き箱やパッケージなどを持ち寄ってみんなで工作をするようになりました。その空き箱などは「リサイクル資材」という名前を先生がつけてくれました。ごみではなく資材なんだという意識が子どもたちにも芽生えたようで、皆で持ち寄って工作を楽しむように。息子の成長が周りのお友達にもいい刺激になっていると聞き、私まで嬉しくなりました。

何か特別なものを買わなくても身近なもので工夫する楽しみを学んで、親の私も「なるほど!」と感心するようなものもつくってきます。先日は、カフェの紙製のコーヒースリーブと折り紙を組み合わせてつくった銃を持ち帰ってきました。スリーブが少し厚い紙でできているので、ペラペラした折り紙を組み合わせてもふにゃふにゃしない銃がつくれるのだそう。いろいろ研究してたどりついたそうで、感心してしまいました。

想像力を高める遊びの楽しさを教えてくれる絵本が、自分で楽しみを見つけ出すことに加え、ごみになるようなものでも見方次第で工作の大切な資材になるということを息子に教えてくれました。息子はこれから小学生になり、より世界が広がっていくと思いますが、創意工夫の大切さを知ることで息子の根っこを強くしてくれた気がします。小さいお子さんでも理解できる内容の絵本は、ぜひ親子で読んでほしい一冊です。

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