トヤのひっこし~異文化から学ぶ絵本~

【トヤのひっこし】
イチンノロブ・ガンバートル/文
バーサンスレン・ボロルマー/絵
津田 紀子/訳
福音館書店/出版

 

異文化に触れる絵本


子どものころから様々な異文化に触れる体験は、とても貴重で大きな意味があるはずです。
とはいえ海外旅行に行ったり、外国の方と触れ合うにはハードルが高く、誰でもできる訳ではありません。

この絵本では、日常生活の中で、なかなか経験できない外国の暮らしについて知ることができます。
とても分かりやすく、楽しく学べるので、子どもが文化を感じ興味を持ってくれたらと思います。

 

トヤのひっこし

「トヤのひっこし」は、モンゴルの遊牧民の生活を描いた絵本です。
主人公の女の子が、家族・家畜のらくだやヤギたちとともに何日もかけて新しい土地へ引っ越す中で、出逢う景色や経験したことが1ページ1ページわかりやすい言葉で描かれています。

初めて見る文化に触れた息子には、たくさんの疑問が生まれた様です。
自分の生活とは違う事を理解すると、たくさんのことに興味を持ちました。

 

学ぶことに興味を持つのに最適な絵本

主人公の女の子が、お父さん、お母さんとの会話を通して、感じたこと、学んだことについて一つ一つ理解しようとします。
学ぶ事の楽しみを得られる絵本だと思いました。

ページを開くたびに次はどんなことが待っているのだろう!とワクワク読み進めている姿がとても印象的でした。

「トヤのひっこし」に描かれている世界は、私たちが普段生活しているのとはまったく違います。
モンゴルという国の、遊牧民の暮らしです。

学校へ行って、遊んで、温かいお風呂に入って、お母さんが作ったご飯を食べるという当たり前の毎日が、
他の国の人にとっては当たり前ではないということ。
そのような異文化に、初めて触れる子どもたちには衝撃的でしょう。

自分の送る生活へのありがたさ、自分が知らないところで動く世界があることを知ことは、子どもの成長に大きな意味を持つでしょう。

未知の世界を知ろう

親子3

物語の中で、モンゴルの雄大な大地に生きる動物たちが、強く生きていること。それを子どもたちに伝えるお父さんの説得力のある台詞が、とても印象的でした。

その姿は、与えられた環境の中で知恵深く、楽しく生きる人々の暮らしを教えてくれます。
絵本にはそんな世界が優しい色使いと、やわらかいタッチで描かれています。

ページをめくるたびに、トヤの旅路と共に、様々な未知の世界が広がっています。

色々な国があり、様々な人がいると、子どものうちに知ることはとても大切なことだと思います。

「トヤのひっこし」
ぜひお子様と読んでみてください。

 

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