自由研究に悩みません。ソメイヨシノ(桜)を観察して小さな変化を見つけよう。
春、みなさんにとってどんな季節ですか?
まず、春と聞いて思い浮かぶのが桜です。春に歓迎会でお花見を行いますが、お花見で見る桜のほとんどがソメイヨシノです。ソメイヨシノの観察は学校の課題などに重要な役割を果たすと考えています。
みなさんは毎年夏休みになると自由研究どうしようか悩みませんか?ソメイヨシノを観察したことを自由研究にしてまとめてみるのも面白いかもしれませんね。
ソメイヨシノの観察、めんどうに思うかもしれませんが、はじめてみると意外と楽しいのです。今回は私と子どもが始めたソメイヨシノの観察方法、観察期間の設定、観察するソメイヨシノの木の選び方をお話ししたいと思います。
ソメイヨシノ(桜)の観察の流れ
1.調査の対象とする木を決めます。
まず調査するソメイヨシノの木を決めて下さい。観察・調査をするためにあまり手間がかからないように、通勤・通学途上または日常の生活圏内で簡単に観察できるソメイヨシノを選ぶようにすることがポイントです。その際に、調査する木は1本だけ決めていただければ結構ですが、可能ならば2~3本くらい複数決めておけばより調査の質が高くなります。
2.開花の観察をします。
開花は気象庁で実施している開花の基準にあわせて判断します。現在気象庁が桜の開花を発表している開花基準は、5~6輪の花が開いた時に開花としています。
1日に何回も繰り返して観察する必要はありません。各自の都合で朝1回でも夕方1回でも、都合により観察する時間帯が変わっても問題ありませんのでご自分の生活パターンに合わせて実施してください。1番観察しやすい時間を選んで観察しましょう。
3.満開の観察をします。
気象庁がソメイヨシノの満開を発表するのは、その木全体の8割以上のつぼみが開花した時とします。つぼみのすべてが完全に開いた時ではありません。まだ2割つぼみが残っていても満開なのです。
この基準から満開を判断する時には、開花の割合を大きく見てしまう可能性がありますので注意が必要です。つぼみは、それが開いて花が咲くと当然サイズが大きくなりますし、沢山咲いてくるとつぼみはその陰に隠れて目立たなくなります。ですから、満開かな?と思った時には少し冷静になって、観察している木の全体を見てください。
まだつぼみが残っていても枝先まで全体がよく開いているならば満開であると考えましょう。また、満開の観察時に困る問題として、時には満開前であるのに最初に開いた花が散り初めてしまうことがあるということです。はじめの花がひらいて満開までだいたい1週間ぐらいです。(花は咲いてから散るまでに1週間)すなわち、最初に開いた花は満開になる頃にはちょうど散ってしまうということになります。
また、花の開花は天候に左右されるので天候が悪いとお花の咲いてる日が短くなり、天候が良いとお花が咲いている日が長くなる現象が発生します。だから、最初に開いた花は満開になる頃にはちょうど散ってしまうということになります。満開基準を8割としているのはそのためです。
散ってしまった花でも花であることには変わりませんので、散ってしまった花も合わせて開花が8割を超えたかが判断のポイントであるといえます。実際にはつぼみはかなり後まで残っているものです。すべての花がまだひとつも散っていないで、つぼみも全部開いているということはソメイヨシノではありえないと考えて下さい。
4.散り終わりの観察をします。
パット見ただけではすでに花は見られないが、よく見るとまだ花が数輪~数10輪残っていることがあります。散り終わりのポイントは、しばらく見ていて風に吹かれて花びらがハラハラと舞い落ちてこなくなったときです。通常満開から10日~2週間あとに散り終わりを迎えます。
標準木と他の季節との比較
○観察したソメイヨシノと標準木のソメイヨシノを比較
私と子どもはソメイヨシノを観察して終わるだけではなく、標準木のソメイヨシノとの比較をしています。ソメイヨシノの標準木とは、各地の気象台の敷地などにある開花の基準となる木を標準木と言います。
私たちが住んでいる場所の標準木は私が観察しているソメイヨシノの木がある場所から南に徒歩20分から30分下った場所にあります。
観察しているソメイヨシノと標準木のソメイヨシノで、異なるのは緯度と標高です。経度はあまり違いがありません。緯度の違いや標高の違いでソメイヨシノの開花、満開、散り終わりの差が出るか出ないかを見ています。
2018年の開花と満開
私たちが観察したソメイヨシノ 開花日:2018年3月26日 満開日:2018年3月30日
標準木のソメイヨシノ 開花日:2018年3月23日 満開日:2018年3月29日
上記のように、私たちが観察したソメイヨシノと標準木のソメイヨシノと開花日と満開日が異なりました。テレビでソメイヨシノの満開が発表されて家の近くの公園にソメイヨシノを見に行くと満開でなかったということがあります。なぜテレビで満開であったのに、家の近くの公園のソメイヨシノは満開になっていないのは、標準木で満開を発表しているからです。
○毎年観察をする
ソメイヨシノの開花、満開、散り終わりは天候によって異なりますので毎年観察してその年が寒い春なのか温かい春なのかを考えます。子どもに天候の違いによってソメイヨシノの開花、満開、散り終わりの時期が異なることに自ら気が付いて欲しいと私は思っています。
○1年間観察してみる
まだ、実行をしていないのですがソメイヨシノを1年間観察してみることは面白そうです。ソメイヨシノは、春はお花、夏は緑、秋は紅葉、冬は葉が落ちた状態と姿を変えます。お花を咲かせる、緑が濃いい時期、紅葉の時期を観察して写真などに記録しておくとソメイヨシノの1年間の変化を理解しやすいです。
子どもの成長とソメイヨシノ
〇観察期間
私がソメイヨシノを観察している期間は長女の誕生日3月1日から次女の誕生日4月29日です。約2か月間観察します。もっと期間を短くしても良いと思いますが私は次の2つの理由で2か月間観察をしています。
1.ソメイヨシノは天候によって開花や満開が左右されるます。
開花や満開が3月下旬になる年もあれば、開花や満開が4月上旬になる年もあります。異常な天候になってもソメイヨシノの開花、満開、散り終わりの観察が余裕を持って行えるように観察期間を2か月にしています。
2.我が子どもの誕生日を観察期間に利用しています。
長女の誕生日3月1日と次女の誕生日4月29日までの期間は約2カ月ですが、その2カ月は年度の代わりを挟みます。そのため、子どもたちは進級、親たちは役員選出などで環境ががらりと変わるように、ソメイヨシノもつぼみ、お花、新緑へと変化します。子どもが1年1年成長していくことをソメイヨシノの変化とともに楽しめたらいいと考えています。
〇選んだソメイヨシノの木
マンションの窓から見える公園のソメイヨシノの木
私と子どもが住むマンションの目の前に公園があり、マンションの窓から公園が見えます。今ではその公園がお庭間隔になっていて家の中が退屈、遠出は面倒な時によくこの公園で遊びます。家から出てすぐ行くことができる、通園、通学の通り道なので毎日のソメイヨシノの観察が苦痛になることがありません。
ソメイヨシノの観察をはじめて良かったこと将来への期待
私たちはソメイヨシノの観察をはじめて良かったこと、将来に期待していることがあります。
1.ソメイヨシノの1日、1日の小さな変化に気付くことができたことです。
つぼみは初め茶色をしていて開花に近づくにつれ黄緑色、ピンク色に変化していくことに気付くことができました。つぼみの色の変化はじっくり観察していないと気付かないことでした。この変化をきっかけに子どもが自然界のことに興味を持ち積極的に学習をするようになってくれれば嬉しいです。
2.夏休みの課題の自由研究にできたらいいです。
夏休みの自由研究、何をしようか困ったらソメイヨシノを観察したことをまとめて自由研究が出来たらよいと考えています。開花、満開、散り終わりをまとめるだけでも良い自由研究が出来そうです。
みなさんもソメイヨシノを観察して小さな変化を見つけてみませんか。