災害時に知っておくと役に立つこと「2019年秋の台風15号千葉の豪雨災害を経験して」

2019年9月、10月に相次いで台風15号や19号、豪雨によるすさまじい災害が、関東を中心に起こりました。
我が家が住んでいるのは、とくに台風15号による強風被害と停電、10月の豪雨による冠水の被害が大きかった地域です。
本当に幸いなことに、我が家はいずれの災害のときもほとんど被害がありませんでした。
しかし友人の中には、被害を受けてしまったお家もあります。

ここでは、我が家の体験や友人の話をもとに、今回対策したことや困ったことを、お伝えしたいと思います。
台風や豪雨への対策なので、災害が起こることをある程度予測できる前提での話になります。
地震など予期せぬ災害時には通用しないこともありますが、「こういうこともあるのだ」と知っていただき、少しはお役に立てたら幸いです。

停電の対策をしておく

災害時にまず心配になるのが、停電ではないでしょうか。
地震による停電は予測できませんが、台風による停電の可能性は、気象予報などから予測することができます。
停電するかもしれないと思ったら、なるべく先にいろいろ済ませてしまいましょう。

ガソリンは残り半分になったら給油しておく

日頃から「車のガソリンは半分になったら給油する」と習慣づけておくとよいでしょう。
自衛隊の隊員の方たちは万が一の事態に備えて、常にガソリンを半分以上にしておくそうです。

台風15号による大規模停電のときは家の冷房がつけられないので、エアコンが効く車の中で寝泊まりした、という人が多くいました。
そのためガソリンスタンドは常に満車状態、ガソリンが売り切れたり給油制限があったりしたそうです。
それ以外にも、食料や水を求めていつもよりも遠くまで買い物に出かけるなど、停電時には何かとガソリンを使います。

先にお風呂と洗濯を済ませる

とくに夏場で汗をたくさんかいている、小さい子どもがいるなら、先にお風呂に入ってしまいましょう。
我が家は15時半くらいに、子供と一緒にお風呂に入りました。
湯温を熱め、湯量を多めに設定しておけば、ほかの家族が入浴するときに万が一停電していたとしても、追い炊きしなくて済むかもしれません。
湯量も増やしておけば、シャワーが温水にならなくても湯船のお湯が使えますし、断水対策にもなりますね。

あわせてその日の洗濯も済ませておくと、安心できます。
停電したら洗濯機も使えません。
コインランドリーも停電している可能性があります。
営業していたとしても、同じように停電中の家庭で混雑して、全然順番が回ってこないということもあります。

しかし我が家の場合、洗濯機を回している最中に停電してしまいました。
洗濯機のふたがロックされたままで開かず、オロオロ。
幸い30分ほどで停電が復旧してくれましたが、危うく強行突破でふたをこじ開けるところでした…。

そのため、停電に備えて洗濯しておくことは「絶対にやるべき!」とはいえません。
しかしコインランドリーが使えないこともあるので、我が家では停電の可能性があるときには、今後も先に洗濯も済ませておくつもりです。

冷蔵庫、冷凍庫のものをなるべく調理・消費しておく

停電時には冷気が逃げないように、冷蔵庫はなるべく開けないようにすると聞きます。
しかしとくに夏場は、それでもすぐに冷蔵庫内の温度は上がってしまうのです。

「冷蔵庫は開けない」には限界があると、台風15号のときに友人から聞きました。
台風15号により大規模な停電が発生したのは、まだ9月の残暑が厳しい時期。
停電した友人宅も、冷蔵室も冷凍室もなるべく開けないように、開け閉めは必要最小限にしていたそうです。
それでも猛暑の中では、冷蔵庫の中身はすべてダメになってしまいました。

停電時に備えておきたい食品は、乾麺やレトルト、栄養補助食品、野菜ジュースなど。
乾麺は細麺のパスタやそうめんなど、茹で時間が短いものがオススメ。
常温保存ができるものがとても便利だと、実感したそうです。

台風が近づいているなど、停電の可能性があるとわかっているなら、ペットボトルを何本かあらかじめ凍らせておくと冷蔵庫内の冷気が長持ちします。

もし時間と余力があるなら、冷凍している肉や魚、余っている野菜は全部作り置きにしてしまうという方法も。
いつもよりも濃い目に味つけをしておくと長持ちするし、停電になってもすぐに食べられるので、便利ですよ。

子どもをお迎えに行くなら、早めに!

非常時に学校や幼稚園に子どものお迎えに行くときは、指定された時間よりも早く行けることもあります。
先生方の判断が、必ずしも100%安全であるとは限りません。
親自身が「これはもっと早く迎えに行ったほうがよいのでは?」と不安に感じたら、その気持ちに従ったほうがよいときもあるでしょう。

10月の豪雨のときは、市内の幼稚園や小学校は早々に引き渡しとなりました。
学校からの連絡では「○時から引き渡しを行います」とのことでした。
もちろん先生方は、気象予報を参考にその時間を指定し、最善の策を尽くしてくれているのだと思います。

しかし指定の時間は、実際は道路の冠水ギリギリ!
あとから知りましたが、指定の時間よりも1~2時間早くお迎えに行った保護者も、何人もいたそうです。

あらかじめ幼稚園や学校に連絡をしたほうが、もちろんよいでしょう。
しかし非常事態のときには、電話がつながりにくくなっている可能性もあります。
早め早めの行動を心がけてください。

我が家のあってよかったもの

日頃から防災対策をしているご家庭もあるでしょう。
我が家でも、ひと通り防災用品をそろえていたつもりです。
今回の災害で「やっぱりあってよかった」「こんなものも役に立った」と感じたものをご紹介します。

電池

やはり電池は、なくてはならないものの一つです。
我が家で重要だったのは単2、単3電池でした。
LEDの懐中電灯はもちろん、重要なのは当時4歳の息子のプラレール。
停電で不安なときだからこそ、いつものようにプラレールで遊んでいることが、心を落ちつけるために必要でした。

大きなレジ袋

スーパーでもらう大きなレジ袋があると、何かと使えて便利です。
今回は、下水が逆流したときの「水のう」として大いに役立ちました。

豪雨のときに付近の道路が冠水し、キッチンとトイレの下水が逆流しました。
あふれるほどではありませんでしたが、ゴボゴボと音を立てて茶色の水が湧き出てくる事態に。
そこで、レジ袋に水をためて口をきつくしばり、即席の水のうにしてあふれ出る上から栓をしたら、しっかり逆流を防いでくれましたよ。
本当にレジ袋で大丈夫かと不安になるかもしれませんが、全然問題ありません。

ジッパーつき袋

耐熱性のジッパーつき袋が、停電中の調理で役に立ちました。
我が家はガスコンロなので停電時にも使えるのですが、換気扇はつかないし、暗い中で火を使うのが怖かったので、なるべく調理はしたくありませんでした。

我が家では先述のとおり、停電が起こる前におかずを作り置きしていました。
それらを湯せんするときに、種類ごとにジッパーつき袋におかずを入れれば、一気に温めることができます。
冷凍ごはんもふっくら。

フライパンに移して一つ一つコンロで直接温めてもいいのですが、それではいちいちフライパンを洗わなくてはなりません。
時間がかかるし、いつ断水になるかもわからない中では、効率のよい方法とはいえませんでした。

あればよかったと後悔したもの

こんどは逆に、「備えていればよかった」と後悔したものをご紹介します。
「なくても何とかなるかな」と甘く考えていましたが、あるのとないのとでは大違いでした。

ソーラーパネルつきのランタン

停電用に我が家で備えている明かりは、懐中電灯のみでした。
懐中電灯は何本かあるので、「それで十分かな」と安易に考えていたのです。

しかし実際は、リビングでは懐中電灯の明かりは物足りず、子どもたちは余計に心細く感じていました。
ランタンがあれば、もっと広範囲を明るく照らすことができます。

後日ソーラーパネルで太陽光発電ができるランタンを、ネット通販で購入しました。
ソーラーパネルでも手回しでも充電できるタイプなので、電池が不足していても心配ありません。
懐中電灯よりもはるかに明るく、これなら子どもたちも安心できるでしょう。

2回分以上充電できるモバイルバッテリー

停電時にはスマートフォンの充電も問題になりますね。
我が家には、数年前から使っているモバイルバッテリーがあります。
充電に時間がかかるものの、充電はできるので問題ないと考えていました。

しかし実は我が家のモバイルバッテリーは1回分、主人と私のどちらかしか充電できないんです。
少なくとも2回はフル充電できる、モバイルバッテリーが必要だと実感しました。
こちらも後日、手に入れました。

終わりに

この記事を書いている2019年12月現在でも、10月の豪雨災害の影響は市内のあちこちで残っています。
災害ゴミの搬入についての防災放送は毎日流れ、近隣の「災害ゴミ搬入場所」には、水に浸かってダメになった家財道具などが、いまでも山積みです。
いまだに営業再開できない店舗もあります。

災害はいつ起こるかわかりませんが、予期できること、備えておけることがあれば、どんどん準備しておくことが大切だと実感しました。

今回の記事は「ある程度予測できる災害」に対するものなので、役に立たないこともあるかもしれません。
しかし我が家の体験が、少しでもお役に立てられれば、うれしく思います。

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