【体験談】子どもが食べ物によるアナフィラキシーショックになった時

用心していても万が一でなってしまうかも

離乳食を始めたばかりのお子さんや、既にアレルギー体質である事が分かっているお子さんをお持ちの方は特に注意されているであろうアナフィラキシーショック。
嘔吐や呼吸困難、意識障害や血液低下が起こり、命に関わるとても危険な状態になる事もある症状ですが、娘は1歳10ヶ月の時になってしまいました。
幸い一命を取り留めたのですが、この時の恐怖や娘への申し訳なさは今でもずっと心に残っています。

この記事では、具体的にどういう経緯でアナフィラキシーになったのか、また事前にどういった事に気をつければよいかを皆さんとシェアし、無闇に不安に思うだけでなく何を気をつければよいかを、この体験談を通してお伝えしていければと思います。

アナフィラキシーショックを起こした経緯

まず、娘のアレルギーの経緯とアナフィラキシーショックを起こした当日については以下の様でした。

□0歳4ヶ月
乳児湿疹が治らないため、近所の小児科へ。そこで湿疹はアレルギー起因ではないかとのことで、クリックテストを行い、数個の食品に対してアレルギーが発覚。

□0歳10ヶ月
自分でアレルギーについて調べていくうち、最初にかかっていた小児科での指導が少し古い指導法では?と思い、アレルギー専門の小児科医がいるクリニックへ変更。
詳しい血液検査は一般的にアレルギーが落ち着いてくると言われる2歳を過ぎた頃まで待とうということで通院。
卵黄が小さじ半分食べれる事を確認し、卵白にチャレンジのGOが出る。

・昼食時:
自宅で卵黄半分を食べた際、耳かき1杯程度の卵白を同時に与える。
※振り返ると同時に与えてしまった為にアレルギーの限界値を超えてしまった事が原因でした。
直後は特に体調に変化無し。

・昼食から2時間後:
笑顔で遊んではいるが顔が赤くなり、蕁麻疹が出来る。
少し治るのを待とうかと迷ったが、卵白を初めて食べたという事もあり直ぐにクリニックに電話し、そのままタクシーで直行。
タクシーに乗車するまで、みるみる身体中に蕁麻疹が増えていったがまだ意識有り。
乗車後、急にぐったりして顔が白くなり意識が朦朧としだす。

・昼食から2時間30分後:
蕁麻疹発症から約30分後、クリニックに到着した時点で意識無し。
直ぐに服を脱がせ、血圧や心拍をみる装置やアドレナリン注射などで処置。
血圧も下がり心拍も停止しかけ、かなり危険な状態だという事でクリニックから総合病院へ搬送するために救急車を呼ぶ。
そのうちに一度胃の中の物を全部吐く。
そして数分後、アドレナリン注射が効いたのか心拍も徐々に回復。
その他の状態も落ち着いたため、暫く点滴の後少し様子を見てから3~4時間後に帰宅。
その後も特に状態に変化無し。

アナフィラキシー予防法と対処法

思い出すだけで生きた心地がしない体験でしたが、二度とこの様な事態にならない為の反省点と準備していて良かった点を振り返りたいと思います。
突然アナフィラキシーショックを起こし、初めてアレルギーが発覚する事も多い様ですが、ここでは事前にアレルギー体質と分かっている場合に主な視点を置いて記します。

●アレルギー専門医の小児科医を受診する
アレルギー研究は日々更新されています。
小児科の先生もアレルギー専門でなければ、今は「あまり効果の無い指導法」で指導される事も。(娘の場合がそうでした。)
自分で最新版の専門書をチェックし知識を得たり、知識のアップデートをされているアレルギー学会のメンバーの医師を調べて一度受診するのが安心です。
下記のサイトで医師が調べられますのでご参考ください。
https://www.jsaweb.jp/modules/ninteilist_general/

●数時間後に発症するタイプもある為注意が必要
アレルゲン摂取後、直ぐに症状が現れるとは限りません。娘の場合は摂取後、約2時間が経過し症状が現れました。
「何時間まで症状が出なければOK」というのは一概に言えない様ですが、4時間くらいまでは様子を見た方が安心では無いでしょうか。
また、運動によって誘発される場合もあるらしいので、疑わしい食品を摂取したあとは出来るだけ安静に過ごす様にしてください。

●一刻も早く、まずはアドレナリン注射での処置が必要
アナフィラキシーに一番の特効薬はアドレナリン注射です。
アナフィラキシーが起こり僅か30分で心肺停止になる事が多い為、直ぐに処置が必要ですので救急車を呼ぶか、対応できる近くの病院に駆け込み処置してもらう事が必要です。

※エピペンについて
重篤なアレルギーが分かっていたり、また過去にアナフィラキシーを起こしていたりした場合は、医師からエピペンという自己注射のアドレナリン注射を処方される場合もあります。
エピペンの使用は体重15kg以上からとされていますが、では15kg以下の体重の子どもはどうするのでしょうか?
エピペンの針の長さは15kg以下の子どもにとっては長すぎ、骨に届いてしまう恐れがある為にこの基準だそうです。
しかし過去にはアナフィラキシーが起こった時は緊急事態として打つことを優先し、それによって大事に至らなかった事例もある様。
実際、15kg以下でも10kgを超えている場合は処方される場合もあるそうですが、やはり10kgの低年齢、低体重の子どもには特に使用は慎重になるべきでは無いでしょうか。(これについては厚生労働省などから「〇〇kg以下は使用不可」という様な具体的な指示はなく、また理想的な針長についての検証は無い様です。)
何れにせよ、医師との判断と相談が必要です。

大切な子どもの命を守るために

ここまでお読み頂いて有り難うございました。
私は、自分がアレルギーを持っていない事もあり、気をつけていたつもりでも実感を持って、本当の意味で注意していたのでは無かったのだと思います。
娘の場合は、その後も内定していた保育園や主治医とエピペンの件や園での対応について話し合いを何度が行いましたが、緊急時の対応が中々決まらなかったり(エピペンを扱うのが初めての園だったそうです)、娘の状態もまだ敏感な時期だったこともあり、退職し自宅で育児をする選択をしました。
その時、アレルギーを持っている子どもの命は、保育園、幼稚園、小学校、中学校・・・と、成長に合わせて周囲の環境や理解、協力を求めながら守っていかなければならないのだな、と痛感しました。

是非、アレルギーを無闇に怖がらず、いざという時に冷静に対処できる様、万全の準備と知識の蓄えていって頂くようにして貰えればと思います。
私自身もアレルギー情報のアップデートを怠らず、子どもの成長を見守りたいと思います。

この記事を書いた人

TOPICS