大好き。いきもの!
こんにちは。
イラストレーター、絵本創作家のはっとりまりです。
前回は赤ん坊の入院のことなどおはなししましたが、おかげさまで今はすっかり元気になり、毎日すくすく育っています。
気にかけてくださった方々、どうもありがとうございました。
離乳食をもりもり食べるので、体つきもふっくらとして赤ちゃんらしさが増しました。
赤ん坊は、生後8か月です。まだはいはいをしませんが、ころんころん転がったり、座らせてあげれば、おすわりであそべるようになりました。
毎日すくすく。嬉しいことです。
さて。雨がたくさん降り、蒸し暑い日が続きますが、たくさんのいきものに出会える季節でもありますね!
今回は、小さな頃からいきものが大好きな長女にスポットを当て、我が家のいきもの事情をおはなしします。
かたつむり
なかなか外に出られなかったある雨の日、長女が学校から帰ってきたころに雨の止み間がありました。
そこで、赤ん坊を抱っこして、近所を散歩することに。家に帰ってきたばかりの長女は、出かけるのを渋りましたが、「かたつむりがいるかも。探しに行こう。」と言ったら、あっさり付いてきてくれました。
私は内心、そんなにすぐには見つからないだろうと思っていたのですが、散歩が始まってから5分も経たないうちに、なんといたのです。大きなかたつむりが!!殻は、大人が片手で親指と人差し指を輪にした程の大きさです。
近所の家の塀でのんびりゆっくり、つの出しやり出し歩いて(?)いたのでした。長女は大喜びです。
塀と長女の間には小さな木の生垣があって、腕を伸ばしてやっとかたつむりに届く距離でしたが、服が濡れるのも気にせず、夢中でむんずと殻を掴んでいました。
ところが、殻を力任せに引っ張ると体から取れてしまいそうです。大きなかたつむりなので、壁に張り付く力も強いのか、なかなか捕まえられないようです。
長女は、そんなことは知っていたというように、今度は殻を掴んだ手と反対の手で体の部分を優しく壁から剥がして、見事かたつむりを手中に収めたのでした。
お見事。
長女は手のひらにかたつむりを乗せて、嬉しそうに眺めたり、つのをつついたり、話しかけたり、結局その日の散歩はここで終了。かたつむりを家に連れて帰って、飼うことになりました。
逃げ出したかたつむり
かたつむりを飼い始めて、3日ほど経った朝、夫が「かたつむりがいない。」と言うので、玄関まで見に行くと、昨日まで容器に入っていたはずのかたつむりがいません。なんと、蓋にしていたラップフィルムをやぶって、外に出た形跡がありました。夫は仕事へ、長女は学校へ出かける時間でした。
2人を送り出してから、赤ん坊と2人で、かたつむりを探しましたが、玄関のどこにもいません。靴の中にいたらこれは一大事なので、出しっ放しだった靴の中をいちいち調べてから靴箱にしまいました。
玄関マットの下なども丁寧に探しましたが、なかなか見つかりません。容器が置いてあった玄関の靴箱の側面の方もよく見てみると、いました!靴箱と床の接地面ぎりぎりのところをのそりのそりと歩いていたのでした。
それは、のんびりとした楽しげな歩みでした。
私は見つけた喜びと保護のどきどきとで、なぜかでーんでんむーしむしかーたつむり〜♪と「かたつむり」を小声で口ずさんでいました。長女のようにむんずとわし掴みは残念ながら私にはできず、「かたつむり」を歌いながら魚を救う網で、無事に保護して、任務完了したのでした。
しかしながら、あんなに悠々と楽しげに歩く(?)姿を見てしまった以上、そろそろ自然に帰してあげた方がよいと思い、長女にもそのことを話しました。
それからしばらくして、かたつむりを外に帰しました。
エダシャク
放課後、長女が学校で遊んでくる日は、赤ん坊とお散歩がてら、帰りの時間に迎えに行くことがあります。
その日も、門の前で待っていると、長女は何やら大事なものを両手にふんわりと包んで歩いてきました。手の中を見せてもらうと、エダシャクがいました。枝にそっくりのシャクトリムシです。シャクガという蛾の幼虫です。
エダシャクが小さな枝のふりをしている姿はとても可愛らしいものです。
この、エダシャク。私は長女から教えてもらいました。長女はその昔、昆虫博士と呼ばれていたと自負する夫(お父さん)から教えてもらったようです。
長女は生き物の中でも特にシャクトリムシのような芋虫が好きです。芋虫は幼虫、つまり赤ちゃんです。そう思うと何とも可愛らしいと思えるようになったのも、長女のお陰です。
エダシャクを大事にうちに連れて帰り、玄関先の木の枝に留まらせました。でも、幼虫は生まれた木の葉っぱを好んで食べるので、ここにいては食べるものがありません。(このことは、絵本『いもむしってね』澤口 たまみ 文 / あずみ虫 絵 福音館書店 で、知りました。)
案の定、次の朝、エダシャクは枝にもならず、土の上でつまらなそうにしていました。
長女は、再びエダシャクを両手に包みました。そして、学校のもといた場所に帰してきたそうです。
いきもの大好き
他にも、長女のいきもの大好きなエピソードはたくさんあります。
毎年春先には、近所の夏みかんの木や、山椒の木の葉っぱにアゲハ蝶の幼虫がいないかな、とチェックします。これを我が家では、いもチェックと呼んでいます。毎日、いもチェックをしていると、芋虫の楽しい変化に気付きます。鳥の糞のような色から次第に鮮やかな緑色へ。そして、チョンと触ると、つのと一緒に臭い匂いを出すようになります。長女はこの、チョンが大好きで、「くさ〜い」と言いながらも、毎年楽しんでいます。
夏には、夫と一緒に蝉やクワガタムシ、ナナフシ、カマキリなどの昆虫を探しに行くことを楽しみにしています。残念ながら、都内ではなかなか見かけなくなってしまったこれらの虫たちも、東京近郊の雑木林で探してみると、まだまだ見つかります。
また、海の生き物にも興味があるようで、海に行くなら断然磯遊びが好きです。
見つけた生き物は手のひらに乗せて、じっくり見たり、話したり、ちょっかいを出したり、一緒に遊んで楽しんでいます。とにかく触っているのが楽しいらしいのです。
大人目線だと、ついつい観察して、、云々カンヌン、、、となりそうですが、子どもはただ生き物と戯れたいのかな。自然も人も境界がないのだろうな、と感心します。
いきものが好き、という気持ちは、やがて人を思いやる気持ちにも繋がるかもしれません。
長女のいきもの大好きの気持ちに寄り添い、これからも、家族でいきもの探訪を楽しんでいきたいと思います。
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