ソフロロジー式分娩方法とは
「ソフロロジー式分娩」という分娩方法はご存知でしょうか?
ラマーズ法などは広く知られていますが、まだソフロロジーという方法は知らない方も多いのでは?
ソフロロジー式分娩とは、フランスで発展し日本へも伝わった分娩方法です。
母親がリラックスした状態で、陣痛の痛みを「負のもの」としてではなく、赤ちゃんを迎えるための「大切な痛み」として受け入れると、痛みが少なく落ち着いた出産が出来ると言われています。
ソフロロジー式分娩は、出産前から呼吸法をトレーニングし、頑張って生まれてくる赤ちゃんに十分に酸素を送ってあげることで、赤ちゃんが出てこようとするのを手助けし、安全に出産することを目指しています。
また、呼吸法を練習することで、出産への恐怖を無くし、ポジティブな気持ちで出産に臨むことも期待できます。
ソフロロジー式での分娩方法を推奨している産院もありますが、まだ多くはありません。
けれど、実は独学でもトレーニング可能です。
ここでは、その方法についてご紹介します。
なぜリラックスしたお産が大切なのか
ではまず、なぜ出産にリラックスした状態で臨むことが大切なのでしょう?
主な理由としては下記が挙げられます。
□母体に無理な力を入れずリラックスしていれば、産道の筋肉が伸び、赤ちゃんが通りやすくなります。
反対に力み過ぎると産道の筋肉が強張り、赤ちゃんが通りにくくなるため、結果、赤ちゃんへ負担がかかってしまい、無理に産道を押し広げて通ろうとするため、出産時に会陰切開や裂傷につながります。
□母体に余計な力で負担をかけず、体力を消耗しにくくなります。
母体の体力が無くなると陣痛が弱まることもあるので、体力の消耗は避けたいところです。
□リラックスしていると鎮痛作用のあるホルモン”エンドルフィン”が分泌されやすく、陣痛の痛みを軽減してくれます。
陣痛を促進してくれる”オキシトシン”というホルモンの分泌量も多くなるため、短時間での出産につながりやすくなります。
ソフロロジー式分娩のトレーニング方法
では、ソフロロジー式の分娩方法はどのようにトレーニングすれば良いでしょうか。
主なトレーニングは、イメージトレーニングと呼吸法です。
これを妊娠中から練習し、リラックスした状態で分娩が出来る様にします。
◾️イメージトレーニング
出来れば専用の音楽を聴きながら、リラックスした状態でイメージトレーニングに臨みます。
身体の力を抜き、海の波の音や日の光などをイメージしながら、気持ちを落ち着けて音楽に身を委ねます。
そして、その状態でお腹の赤ちゃんに意識を向けます。
気持ちの良い子宮の中で、赤ちゃんが安心して生まれてくる日に向けて準備をしている様子をイメージします。
出産時に力強い陣痛で赤ちゃんが生まれてきてくれること。
陣痛は赤ちゃんが生まれてくるために、押し出してくれる大切なエネルギーであることを心に留めましょう。
▽ソフロロジー式分娩 松永 昭
◾️呼吸法
基本は、胡座の姿勢でゆっくりと鼻から息を吸い、ゆっくりと長く息を吐き出します。
横隔膜も広がるイメージでたっぷりと息を吸い、肺にも十分に酸素を入れ、蝋燭の火を静かに揺らして消すようなイメージでゆっくりと細く息を出し切ります。
しっかりと息を出し切ると、自然と息を吸うことになるので、陣痛時でもしっかりと呼吸が出来、赤ちゃんに酸素を送ることが出来ます。
また、陣痛時でも呼吸に集中することで身体に余計な力が入らず、赤ちゃんに負担をかけずに産道を通るお手伝いが出来ます。
陣痛が強まるにつれ、吐く息も力強くしていきますが、一気に出し切るのではなく、ゆっくりと出し切ることを意識しましょう。
心を落ち着けて出産に臨めるように
出産は、ママと同じく赤ちゃんも命懸けで生まれてこようとしてくれます。
そんな赤ちゃんを、ソフロロジー式分娩方法では、呼吸法やリラックスした状態を維持することで助けることが出来るのです。
この分娩方法は、トレーニングをすれば誰でもチャレンジすることが出来ます。
是非、陣痛や出産に不安や怖さを感じているのであれば、一度試してみてはいかがでしょうか。