前回は小川先生に伺った、「子育ての中の遊びの役割」について意外なお答えをいただいたと同時に、凝り固まった遊びについての考え方に気付かされた内容のお話でした。

今回は遠山さんに、遊びと子育てについて伺いたいと思います。

松倉弥生
それでは次に、遠山さんにご質問です。
遊びの中での教育や子育てはどうあるべきだと思いますか?

遠山彬彦さん
うーん、遊びの中での教育や子育てとはどうあるべき?
そうですね、その遊びの取り組み方とか
遊んでいるという事に対して、しっかり集中させてあげるべきかなと思います。

というのも、うちはトランプをやるにしても何をやるにしてもテレビを絶対消すんですね。
なので友達の家に行った時に、ビデオ(テレビ)を流しながらトランプをやっているとか
逆に遊んでいる最中に、他の子が違うことにちょっと集中しだしちゃうことがすごく嫌だったというか。
そう(いった環境)じゃなかったので、嫌だったという思いがあります。

今やっている事に対して、しっかりと集中して、それをやるんだったらとことんやろうよ、やめるんだったらやめようよ。
その選択はしてもいいと思うんだけれども、遊ぶってことに対してどれだけ真剣に向き合うか。
やるんだったら、真剣にやりな。ということが、遊ぶということに対してとても大切かなと思います。

小川大介先生
この小川式:見守り手帳の中にも
真剣に遊ぶってありますね。

遠山彬彦さん
そうなんです。
なので真剣に遊ぶっていうところですね。

さっき遊ぶってことは人生だと、小川先生がおっしゃったのはその通りで。
結局突き詰めていくと、昔やった遊びって意外と社会に出たときに「これってあの遊びと似てない?」というのが多いんですよね。例えばお買い物ごっことか。
幼稚園とか小学校低学年で、自分で折った折り紙を紙のお金で交換するとかあるじゃないですか。
あの時も遊んでいるんですけど、隣のお店で出しているものよりもクオリティの良いものをより安い値段で出せば売れますよね、っていうのが遊びの中に含まれているんですよね。

なので結局遊びを真剣にするっていうのは、何のものであれ、真剣に取り組むっていう事に対して必ず転嫁されると思うんです。
なので今やっている遊びをやるんだったら真剣にしようよ、興味ないんだったらやらなきゃいいじゃんっていうスタンスかなと思います。
なので”真剣に遊ぶ”って書いておいてください!

松倉弥生
分かりました。しっかり書いておきますね!

小川大介先生
今の話で”遊ぶ”って漢字の語源の話をしておくと
”遊ぶ”っていうのはいろいろな所を見物して見て回る、歩き回るっている意味があって。

”遊”って漢字自体のしんにょうは道を示すので、道を行く。
で、残った字は、神様の霊がふらふらとあちこち気ままに動いていくという意味がある。
だから広く言うと、人生を歩むこと自体が「遊」になる。そもそもの語源がね。
心のままに行動する、あちこちに行く、何かをするという全体が遊びだから

言葉自体の語源として、心の向かうままに動くことなんですね。”遊び”って。

それがどっかの段階で、本来やるべきこと以外の無駄な時間みたいな価値観が植え付けられた時代があって。いつからそうなったのか僕も分からないですが・・・
でも少なくとも江戸時代の時点では違った。
明治以降だと思うんだけど、西洋的な価値観が入ってきて遊びとは無駄なことなんだということが、ずいぶん出てきたんだと思う。
改めて現代において、遊ぶという言葉には、字そのものの”心の向かうまま”っていう意味を取り戻していいんじゃないかなと思いますね。

遊ばないと心向かわなくなるから、不健康ですもんね。

松倉弥生
本当にそう思います。
”遊び”って二の次になりがちですが、実は大人にとっても大切なものなんですね。
お2人にお話を伺っていて、気付かされることばかりです。

 

小川先生のおっしゃる通りで、「遊ぶ」ということ自体を無駄な時間のような大人の都合で考えてしまっていた自分に気付いたお話でした。
遠山さんから頂いた「真剣に遊ぶ」ということも、心が向かうままに動くという事なのだと思います。

次回はいよいよ最終回、遠山さんと小川先生が共通する「ぜひ親子で遊んでほしい」という思いをお伺いしたお話です。
次回もぜひお楽しみください。

前回は遠山さんと小川先生に「もし親として子どもにキャスリングとかなコロンで遊ばせるとしたら?」という質問をし、とても参考になる遊び方と、新しい視点もいただきました。

今回は小川先生に伺った、「子育ての中の遊びの役割」について意外なお答えをいただいたお話です。


松倉弥生

ではそろそろ最後の方の質問です。
小川先生にご質問ですが
子育ての中での遊びの役割とは何だと思いますか?

小川大介先生
子育ての中での遊びの役割?
人生はそもそも遊びなので・・・

遠山彬彦さん
僕もちょっと思ってました。

小川大介先生
偶然出会った親子が一緒にいるだけですごく嬉しい事なので。
でも目的意識をもって、何か計画的に進もうと行きがちだし
人生は目標をたてていかなければならない。みたいな考えがありますよね。
目的をもって、一度きりの人生だからやれることはやりつくそうみたいな。
今時の人の中で。インフルエンサーの人とか。
僕あれ苦手で。

目的意識を持って生きるという事に対して、すごく懐疑的なんですね。
やりたいことがある人は頑張っていいんですよ?
でも僕自身がまず、現状この状態を目指して生きてきたわけでは全くないので。

僕の歴史を簡単に言うと、もともと小学校の時弁護士になりたかったんです。

松倉弥生
え!そうだったんですか!

小川大介先生
というのも父親とよく議論してたのもあるし、ちょうど小学校の時に日本で冤罪事件が多発して死刑囚が無罪になる事件が連続していたんですね。
徳島ラジオ商殺し事件とか。いくつも。なんだこれは?と思ってました。
20年も30年も牢屋に入れられて、国も言い訳ばかり言ってろくに謝りもせず、
3000万、4000万くらい渡せば終わりかと。なんでこんなおかしいことが起きるんだ。
で、それは裁判でそうなったという話を聞くから、親父から。

つまり弁護士が悪かったのか。じゃあ僕が弁護士になる。親父も昔なりたかったのもあるけど。
それで、関西で弁護士になるんだったらどこ(の学校)かと。
一番は東大かな。関西なら京大かな。当時はまだ大阪東京戦争の時代だったので
大阪では全国ネットの番組は方々放送されず、ローカルの番組が多くて。
東京っていうのは冷たくて嫌な奴が多い所という印象なので、
「東京までなんで行かなあかんの。絶対行くか、東大なんか。」ということで京大(京都大学)に行った。

だから小学校の時から、京大法学部に行くことは決まっていたんです。
どうして落ちたか、ね。どうして法学部が落ちたか。
行く気がない学校には試験勉強をしてなかったから。
入試会場に行って、初めて試験時間を知った。

松倉弥生
佐藤亜希さん
えっ!?すごい!

小川大介先生
赤本なんて見たことない。さすがに怒られました(笑)

ここまでは目的を持ってきた感じだけど、あんまり勉強が好きじゃなかったんですね。
暗記が嫌いで。全く向いてなかった。
論争で勝てばいいんだと思っていたけど
論争するには知識がいる事に、ようやくそこで気付いた。

それまでは生活費稼ぐために塾講師をし始めていて。
仕送りはもらわないと決めていたので。
さっき言ったように(子どもの頃から)もともとお金に関して考えていたので、
私立の中学へ行ったのも奨学金を借りる形をとって、
大学出て何年かかかって中高でかかったお金を親に返して。
基本借りて、国立に行っていたらかからなかったはずの300万円を
追加で(親に)払わせていたから、これは「俺が払って当然」と。
そして大学入ったら当然生活費がありません、と。
で時給がいいのは塾講師だったので、教え始めた。
なので、教える仕事がしたかったわけではないんですね。

松倉弥生
本当に歴史の1ページのようです。

小川大介先生
塾講師は僕の”口が立つ力”に加えて、”国語”がすごくできたのでそのアプローチと、時間担当がいいなと。
ちょうど相性が良かった。
そのうち日勤講師になって、種類もあるからということで学校の勉強を教えるようになった。

そうしてだらだらと8年間やってきた。
休役制度があってね、一応司法試験の為にといいながら利用してきた。
で、そのまま卒業して、フリーターの状態。ただ、収入はずっとありますよ。
でも僕は教える仕事は腰掛で、本来の仕事はそうじゃないと思いがあって、できるからやっているだけ。
それで仲の良い人と集まって、一緒に塾関連の仕事もやりました。でも腰掛なんですよ。
みんな収入も必要だから、じゃあ個別指導塾も立ち上げようか、と。
言い出しっぺだから、じゃあ僕が代表いいよと。代表だから責任も伴う。
じゃあそれをやりましょう。でもやるからにはちゃんとしましょう。

でも別にそれをやりたかったわけではない。けど、役割だから仕方なくやっていたんですね。
預かった子どもたちがうまくいかないのは良くないので、そのためにはコーチングをしていました。必要。
必要。必要、だからやってきただけで。

東京に関しても、関西だけのマーケットでは社員を養うのは厳しいので、出るしかないよね。となって。
家族連れて僕だけ出てきて、こっちで立ち上げをして、広げるためにメディアに出て。
宣伝してくれてありがとう。って今までやってきて、本出してまたありがとう、とやってきただけで。
だから、「先生、何の本書きたいですか?」といっつも言われているんだけど
「別に・・・」ってなる(笑)

松倉弥生
意外でした。

小川大介先生
そういうのを今までやってきたて気が付いたら、
業界の中で結構有数の”個別面談をしてきた人”ということで。
かつ心理学も踏まえて、深いレベルでやってきている人が、どう見ても僕しかいないなと。

気が付いたらそうなっていた。だけなんです。
だから本も出しているし、ある程度知られるようになってきているけど
「小川先生目標は?」と言われても「いや、別に・・・」となってしまう。
社会のあちこちに行ってみたいとかも思わないし、穏やかに好きにさせてくれたら。
という生き方をしてきているからこそ目的意識がある人はあってもいいんだけど、無くても人生楽しくできる。

そんなグローバルにしなくても、幸せな生き方はあるんじゃない?それぞれでいいんだ。
という考えがすごく強いからこそ、人生は遊びだというように、どう過ごすかなんてそれぞれ好きにすればいいと思う。
でも、その”好きにしたらいいやん”と思える原体験を持っているかどうかだと思うんですよね。
与えられた評価の軸で、テストがあるよ、点が取れるよという中で”達成した”という事を〇をもらえる事だけで積み上げてきた人っていうのは、目的・目標がないと生きていけないと思うんです。

でも、その場で何でも遊べる。
新聞紙一つあっても、最初は読む、話をする、そのあと三角帽を折る、それから紙でっぽうをやって、あとは梱包に使うとか、一つに対して変わっていく遊びをした人はその場その場でどこでも生きていけると思う。
その感覚っていうのは、一言で言ったら”遊び”ってなるだろうし。
だから子育てに対しての遊びの役割って言われて、「ん?」ってなった。役割ってなんだ?って。

松倉弥生
そうですね・・・
イコールではないんですね。(お恥ずかしい)

 

小川大介先生
そうそう。子育て自体が遊びだと。真剣にね。
真剣だけど、何が起きるか分からない。常にそこは遊びであるし。

遊びとそうでない部分を分けるポイントは一つだと思うんです。
何かを達成するとか、手に入るとか、目的・目標が必要でないものが”遊び”だと思うんです。
今そこにいて、誰かと何かをしている、過ごしている、というのが遊び。
だから僕はお酒を飲むのも遊びだし、映画見ている時間も遊びだし、本読むのも遊びだし、講演を聞くのも遊びだし。っていう感覚ですかね。
子育てっていうのは、すごくさまざまに情報が強く流布していて”すごく難しいもの”のようになっていってるからこそ、遊びっていう感覚を持っていられたらいいなと思いますね。

子育ての中で子どもと遊ぶと、親の方が本来の状態に戻るから。
子どもが楽しみを探し続けているから。
ちょっといろいろな話をしましたけど、そういう全体的な質問でした。

松倉弥生
なんだか自分が、遊びにたいしてひどく凝り固まっていた考え方をしていたように感じます。
気付かないうちに感じている”子育てに対する焦りや不安”もその原因なのかなと思う事ができました。
私もひとりの母親として、今のお話を聞くことができて良かったです。

 

小川先生の意外な半生を伺い、本当に驚きでした!
もっと力を抜いていろんなことを見たり考えたりしたいと思えたお話を伺う事ができました。

次回は、遠山さんに「遊びの中での教育や子育て」についてお伺いします。
次回もぜひお楽しみください。

 

 

 

前回は「笑顔が生まれるボードゲームを作りたい」というボードゲーム作家遠山彬彦さんの、意外な過去についてのお話について伺いました。

今回は遠山さんと小川先生お2人に、「もし親としてキャスリングとかなコロンを子どもに遊ばせるとしたら?」という質問をしてみました。

松倉弥生
それでは、遠山さんと小川先生のお2人にお伺いします。

もし自分に子どもが生まれたとしたら
もしくは自分の子どもが小さいころ
親としてこのキャスリングとかなコロンに出会っていたら
何歳でどのような環境で一緒に遊んでみたいと思いますか?

遠山彬彦さん
僕の方が夢の話になるので僕からしますね。
想像上の話になってしまうのですが、(子どももいなく)子育てをしていないので。

飲み込まなければ、害がないタイミングであれば
もうそこに置いておきたいなと思います。
そこに、どんな遊び方でもいいのでこれをつみきとして遊んでいる中で
これなんなの?と気付いたら教えてあげたいし
それがきっかけで自分で何か遊んでいるような・・・
「あ、色で並べて遊んでいるんだな」とかを気付くのもいいかなと。
そういうのも楽しいかなと思うので、害がなければ横に置いておいてあげたいなと思います。

松倉弥生
では小川先生はいかがでしょう?

小川大介先生
難しいな。
やっていたしな。
観察をしているからな。実際。

ただ基本は遠山さんと一緒で、口に入れてしまうとかいうことがなければ、好きに触らせているかな。
あと、知育玩具というくくりでは見ないでしょうね。
遊び。

ちょっと変わった答えになるかもしれないけど、
僕はうちの子が本当に奥さんのお腹に授かった時点で
観察のアプローチはもう持っていたので。
なのでうちの子は結構視覚感覚を使いながら聴覚感覚も強い子だと見ていたから、
僕よりもどっちかというと奥さんに近い感じだった。

でも僕に近いこともあった。

松倉弥生
へぇ!そうしてどちら側に近いと知れるのも面白いですね。

小川大介先生
うちの奥さんは遊ぶという事に対して、どう遊んでいいのか分からない、といった
決まり切ったことをしてきた人だから、一緒に触ってみたら?と渡して
奥さんは、遊ぶ感覚をほぐすのに使ったんじゃないかな?

その時の様子を聞くことによって、
「あ、こういうところもあるかもね。教えてくれてありがとう」というような、
今もし戻って手元にあるのならそういうことはできると思うかな。
それこそママと子どもだけが遊んでいるときに、
遊び方が分からない方への”遊び方のリハビリ”になればいいな。

松倉弥生
なるほど!
そういう視点はなかったのですが、ぜひパパにも教えてあげたいことですね。

小川大介先生
そう。
一緒に渡してみたら、私と違う遊びをするかもしれない。というのもあるよね。
子どもを2人で発見していくツールとして。会話の糸口としてあればいいんじゃないかな。
1歳過ぎたくらいでいいんじゃないかな?
偶然言葉ができたら、それだけで興奮する。

松倉弥生
絶対そうですね!

佐藤亜希さん
あーそうそう!

松倉弥生
絶対写真撮りますよね!

小川大介先生
くまってできてる!みたいな。笑
だからこれ(かなコロン)なんか絶対近くにずっとある。
これで言葉ができたら、つみきを入れ替えて言葉を変えたりする。
そうすると子どもはきっと図鑑なんかを見て、その文字を作ろうとし始める。

それってスキルに繋がるので、それをし始めたら字を覚えるかな。
最初は絵と言葉、文字のある図鑑の方が入りやすいから。
で、地図とかで地名も作り始められるから、うちの子だと電車が好きだったから
そうすると路線図とか見ながら作れるだろうし。

松倉弥生
路線図も面白いですね。

小川大介先生
女の子で、人形遊びなんかが好きな子なら
キャラクターの名前なんかも作れて、お話遊びもできる。

松倉弥生
何でもできますね。
どうしても(遊び方が)凝り固まってしまうから
その遊び方は発見でした!

小川大介先生
あ!すごい!
こっちから見たら偶然”ちしき”で並んでる!笑
(この時お話しを伺いながら、小川先生がコロンコロンと触っていたかなコロンが
偶然”ちしき”の文字で繋がりました!すごい!!!)

佐藤亜希さん
確かに子どもと遊んでいる時の方が
遊び方の広がりをこちらに教えてくれるというか。
うちの息子もかなコロンが大好きなので、これをし始めてから
ダジャレノートを作るようになったんです!
ダジャレを思いついたらダジャレを書くというノートを作り始めて。

松倉弥生
えーー!!

遠山彬彦さん
すごい!!

佐藤亜希さん
言葉というのが面白い、と。
そういう事を教えてくれるのはやっぱり子どもなので、
(遊び方は)子どもが広げてくれるんだなとすごく思いました。

小川大介先生
そうですね。
そう思います。

一緒に遊ぶと親が育ちます。って言える。

松倉弥生
ぜひその言葉をたくさんの親御さんにお伝えしたいですね。

 

もし自分の子どもが小さい時にキャスリングとかなコロンに出会っていたら?という質問にお2人とも、「まず自由に触らせたい」という共通点がありましたね。
また、小川先生がお話されていた”遊び方が分からない人へのリハビリ”というのも新しい視点で、とても参考になりました。

次回は、小川先生から意外な答えをいただいた「子育ての中の遊びの役割」についてお伺いしたお話です。
次回もぜひお楽しみください。

前回は、キャスリングとかなコロンの遊びを見守ることで見えてくる、子どもの”隠れたメッセージ”についてのお話でした。

続いて今回はなんと、「笑顔が生まれるボードゲームを作りたい」をコンセプトに活躍され2020年にキッズデザイン賞を受賞されたボードゲーム作家遠山彬彦さんの、意外な過去についてのお話です。

松倉弥生
では改めて、遠山さんへご質問させていただきます。
実は親子の時間研究所の社内で、遠山さんの経歴が素晴らしいと話題になっていました。
ですがネット検索をしても謎に包まれている部分が多く・・・

遠山彬彦さん
そうですね。

松倉弥生
ボードゲーム作家というお名前は
webサイトで検索しても出てくるのですが
改めてどういった経歴なのか教えていただけますか?
その他どういったことをされているのか知りたいです。

遠山彬彦さん
そもそもゲームを作る作家になりたいなと思ったのは、大学生くらいの時なんです。
ボードゲームの可能性についてと感じていたものもあり、
人生ゲームと(カードゲームの)ウノを遊ぶ人をターゲットにしていました。
実はどちらのゲームもあまり自分は遊んでこなかったということが大きなきっかけでして。

松倉弥生
え!?そうなんですか?意外です!

遠山彬彦さん
その2つのゲームをこんなたくさんの人が遊んでいるのだったら、
もっと面白いボードゲームがいっぱい世の中にあるし、それなら自分でも作れるじゃん!
と思ったのがきっかけで。大学の時なんですけど。
まだ当時、15年前くらいになるのかな。その時にはそんな(ボードゲームの)仕事もほとんどなかったし
個人でやれるという発想もなかったので、自分で作って遊ぶという程度でした。

その時にずっとスープストックトーキョー(Soup Stock Tokyo)で飲食のバイトをしており
そのバイトをしていた流れで大学を卒業してからそのままスープストックトーキョーに就職をして。
飲食畑一本で、たくさんのお客様やアルバイトの子と関わりながら、営業や社員教育、店舗立ち上げで地方を転々と、などなど、色々なことを30歳までしていました。

松倉弥生
ずっとゲームに関係したお仕事をしていたのかと思っていました。

遠山彬彦さん
仕事の内容もすごく性格にも合っていて、
言い方を悪くすると、店舗の売り上げを上げるのも一つのゲームと同じような感覚で仕事をしていたんです。
あれをこうするとここの数字が良くなって、こうしてみたらお客さんが増えて、客席を増やすと回転率が上がって、とか、とても楽しかったのですが、
同等レベルにできる人もいっぱいいたり、更にそれをもっと楽しんでやれている同僚を目の当たりにして。
自分じゃなきゃできないことをやりたいなと思いはじめたのがきっかけです。

じゃあ自分には何ができるだろう?と考え始めると、仕事でいろんな人と関わる中で、言葉が通じなかったり思いが伝わらなかったりといったシーンが結構あって、それって遊びながらコミュニケーションをとることと一緒だなと思いはじめ。
他にも相手の気持ちをあまり読み取らない子も多かったりして。
それも遊びで学んでいたなという思いが強かったので、ならばこれを仕事にしてみたいと思い、(当時)マネージャーをやっていたのですが会社に時短で働けないか、と打診をしました。

いわゆる産休を取った後のママさんが時短で働いていたのでそれを使わせてくれと。
1年間くらい打診し続けて、週4で働いて残り3日はゲームを作るという活動を1年間させてもらえることになりました。。
その時に体当たりで3作品のゲームを作り、そのなかの「かなカナ」というゲームがグッドデザイン賞を頂くことができ、追い風も味方して徐々に販売してもらえる場所も増えてきて。
そうすると営業にいくとか、新しく(ゲームを)作る時間が足りなくなってきたので、
じゃあもう生きていけるか分からないけれども、ゲームを作ることに集中しよう、と一念発起しました。

そういった流れで作りはじめたので、なんのバックグラウンドもなく、教育的なアプローチも一切無かったので
小川先生がおっしゃったように、自分が「頭に良いよ」と言ってもなんの強みもなくて、とにかく楽しいものを作っていこうと。
自分の作りたいものをトコトン突き詰めていこうという思いで、今までゲームを作ってきたという経歴になります。

松倉弥生
ちょっと意外でしたね。

佐藤亜希さん
うんうん。そうですね。

松倉弥生
大学を卒業してから、ゲーム一本といった感じなのかなと思っていました。

遠山彬彦さん
飲食業の店長とかマネージャーって、ある意味ひとつの会社の社長みたいな仕事が多くて。
人を採用したり、評価したり、ボーナスを決めたりと、なかなか経験できない事を、それこそ20代でそういう仕事を経験させてもらえたので、広く社会を感じることができました。

でもそれが自分には合わないんだ、と気付いたんです。

社長がいて、部長がいて、自分がこうしたいという事を、順番に声をかけて顔色うかがって、といったことが自分は苦手だな。
やれないというより、疲れちゃうんだ。というのをとことん知れてしまったので。
今の仕事って全くバランス悪いですし、コロナ禍でどうなるかもわからないない状況で不安はたっぷりなんですけど、会社員に戻りたいとは微塵も思わない、というのが強みというか。
なので大学を卒業と同時に起業していたら、やっぱり会社員になりたかったな、とか、自分の中の後ろ髪引かれる部分があったと思うんです。
完全に背水の陣というか、自分は生きるためにはこれしかない。という立ち位置なので、グイグイとやれているのではと思います。

松倉弥生
なるほど。貴重な経験だったんですね。

遠山彬彦さん
今思うと、本当に時代というかタイミングがバッチリだったというか。
小ロット(少量)でものを作れる時代というか、10年前に同じものを作ろうと思ってももっと(お金が)かかっていた。
今なら言っても300個とか作ればなんとかなるし、それってそんなに高みを目指さなければ
20~30万で一応ものを作ってみることはできるんですよね。
なのでそういった意味では、トライできる時代まで待てたのも良かったなと思います。

松倉弥生
そのタイミングだからこそ、
今回も遠山さんに巡り合えてキャスリングとかなコロンが出来上がっているので、嬉しい出会いだなと思います。

ちなみにゲームを作っている、開発されている中で
大切にされている事とはなんですか?

遠山彬彦さん
何を一番大切にしているかな?
他にない何かがあるものを作るという事は必ず心がけています。

さっきも申し上げたように、誰かがやればいい仕事をするということをしたくなくて
(前の会社を)飛び出した部分があるので、もちろん言葉の遊びもたくさんあるのですが
世の中にあるものの真似っこではなくて、自分が作りたいものを作る中で今までになかったアイディアや発見があるものを作りたい。
というのはゲームというよりはクリエイター、物作りの立場として言える事なのかなと。

ゲームを作る中で大切にしているのは、アナログゲームを作るということは人と人との対面を大前提にして作っていて、
というのは相手の表情が見えるということだったり空気感を感じるというところで。
人が繋がれてコミュニケーションを取りながら、どこかしらで必ず笑顔が生まれるというのを必ず心がけています。

結構笑顔がないゲームというのも多くて、一番代表的なのがスマホのゲーム。
帰りの電車の中を見ていただくとわかると思うんですが、電車の中でゲームをやっている人で
笑顔の人ってほっとんどいないんですよね。

松倉弥生
確かにいないですね!

遠山彬彦さん
でもやっているのはゲームなんです。
だからそういったところを大切してます。
もちろん悔しい体験もあるんですがね。

 

今回は、遠山さんの本当に意外な過去の一面を教えていただきました。自分がやりたいと思う事に対して、気持ちに正直に突き進めるのもまた大きな勇気と決断だと思います。

次回は、遠山さんと小川先生に「もし自分の子どもに、親としてキャスリングとかなコロンで遊ばせるとしたら?」という質問をしてみました。
次回もぜひお楽しみください。

膝に乗りながら絵本を一緒に読む時期まで、ずっと

表紙の印象から、寝かしつけを連想させるこの絵本。
もちろん寝かしつけのルーティン絵本としても活躍してくれる
とても素敵な絵本ですが、実は「なにかな?」と
一緒に考えながら楽しめる絵本でもあります。

「これ、なあに?」の呪文と一緒に隠れた、なんだろう?の連続。
ページをめくるごとに、新しい”なんだろう?”が隠れていて
とても想像力を掻き立てられる仕掛けがあります。
だからこそ、子どもと一緒に「これって何かな?」の会話が生まれる。
そしてリズムよく読めるので、次は?次は!!と楽しめるのです。
最後にはすやすやと寝てしまうペンギン。

その優しい言葉とリズムの良いこの絵本は、会話を楽しみながらも
「ペンギンさんが寝ちゃったから、一緒に寝ようね」と
すんなり入眠タイムへと促すのにスムーズな一冊です。

 

 

あかちゃんのころから一緒に

おやすみペンギンの絵本は、出版社フレーベル館の
あかちゃんといっしょ 0 1 2シリーズです。

ふわふわ

さくさく

ぴょんぴょんといったオノマトペは、言葉の分からない0歳からでも
”音で楽しめる”ことができます。

浅沼とおるさん作品の鮮やかな色合いも
あかちゃんが成長過程で認識できる色が増えていき、その時々に反応する色が変わっていく中で
笑ったり手を伸ばしたりするような、反応するページが変わっていく様子が見られると
ママにとってはそれだけで成長を感じれた「特別な絵本」になっていくのだと思います。

 

 

言葉を覚え始めたら、膝の上で一緒に

実はこの絵本、ぱらぱらとめくっただけでは気付きにくいのですが
中のページの色がすべて異なっています。
色を覚え始めた頃の子どもは、どのページにたいしても

「あか!」

「しろ!」

「みどり!」と言えるのがまず楽しい。
そうするうちに、だんだんとたくさんの言葉を覚えるようになり
ひとつのページに対してたくさんのことを言えるようになってきます。

「これは?」の問いに「ふうせん!」と答え
「正解!」とほめてあげると、手をたたいて喜んだり
「これ、なあに?」と読む前に、答えを先に言いたくてしょうがなかったり・・・

そのうちに読み聞かせを覚えて、自分で絵本をめくりながら
リズムが良くて絵本の世界にすぐに引き込まれる
「これなあに?」の呪文のような言葉を言えるようになっていきます。

 

 

その時々で異なる成長を感じれる一冊

子どものその時々で、ふわっと笑った笑顔が見れたり
一生懸命考えている様子が見られたり、
何度も読むうちにそれを覚えて、正解を言える事が嬉しそうだったりと
この絵本を通して子どもの成長も感じれる、そんな絵本です。

 

 

読み聞かせ動画 おやすみペンギン

絵本「おやすみペンギン」の読み聞かせ動画はこちらからご覧いただけます。

親子のゆったりした時間をお楽しみくださいね。

【絵本】 あかちゃんといっしょに012 おやすみペンギン

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[おやすみペンギン]
作・絵 浅沼とおる(1949年~)
出版社 フレーベル館

 

 

【おそらの絵本】 おやすみペンギン

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絵本と最も異なる点は、効果音があるという事。 絵本自体がリズムよく読めるのですが、この効果音もリズムが良くメリハリが出て、おそらの絵本でしか楽しめない音もとてもかわいい、読み聞かせがより楽しめる絵本ディスクです。

前回は「小川式:見守り手帳」がどんなきっかけで生まれたのかお伺いしました。

今回は、キャスリングとかなコロンの生みの親である遠山彬彦さんと小川大介先生が思う、それぞれのお気に入りのポイントについてのお話です。


松倉弥生

キャスリングとかなコロンの生みの親でもあるお2人ですが
それぞれオススメな点、気に入っている点
お伝えしたい点などはありますか?

遠山彬彦さん
小川先生がおっしゃってくれていたとおり、
僕はトランプのように、それを使って他の遊びをしやすいとか
こんなものがあればもっと遊びに幅が出るな、ということを考えて形にしていくので
そういう意味では、かなコロン
僕が小さいころに持っていたら、すごい楽しかっただろうなと思います。

キャスリングは、大人と子どもが混ざって遊んだ時に、
ちょっとゲームに慣れてきた子どもならば、大人と同等かそれ以上に戦えるゲームなので、
フラットに親子で遊べる部分がすごくいいなと思っています。

松倉弥生
小川先生は何か気に入った点などありますか?

小川大介先生
今回二つのタイプを出していることがすごく良くて
かなコロンの方は、言葉とか音に反応する子が遊びやすい
記憶力を使いたい子が遊びやすいと思うし
キャスリングは映像イメージが好きな子にいいし。

共通して言えるのは手触り。
なんとか予算を抑えながらも手触り良く仕上げようとしてくれている結果
子どもたちが共通して持っている
”触る”という身体感覚という部分は満たされた上で
こっち(かなコロン)が言語情報、聴覚情報
こっち(キャスリング)が視覚情報が得意な子にあっていると思う。
なので子どもたちそれぞれが遊びを選びやすいし、
視覚情報をあんまり使わない子が
キャスリングで遊ぶことによって、物事を見ることに興味を持ち始めるだろうし、
その逆もあるだろうし。そこで2つのチョイスがあるのが良かった。
かつ見守り手帳に関して言うと
これは遠山さん自身がいろんなところでイベントを行ったりして
子どもがちが実際に遊んでいる所のシーンをできるだけ出してもらっている。
リアルなシーンなんです。

リアルだからこそ、こういうふうに遊ぶんじゃないかと大人が勝手に想像したんじゃなくて
こんな子がいます、
こんな子がいます、
こんな子もいます、に対して僕が
その子はこういう子ですよ。
その子はこういう力をきっと使っているね。という説明を加えたんです。
だからおそらくこの商品を手に取ったご家庭も

ページをめくっていると「あ、今この子これかも」と近しいシーンに出会える。

全部を網羅することはもちろんできないんだけど、見守り手帳のポイントは
ふとした子どもの姿の中に、その子のメッセージが隠れていて
それを見つけてみよう、理解してみようというのが醍醐味なので
「あ!これだ!」と(見つけてみて、)読んでみたら、
その子に隠れている力を説明しているから悪い気はしない。
そしてまた次の遊んでいる様子を見てみよう。としているうちに、見守り上手になる。
なぜなら子どもが遊んでいるところに手を出さず、こっち(見守り手帳)を見ているから。

松倉弥生
そうですね!
本当に遠目から観察するようになります!

小川大介先生
そうそう。

佐藤亜希さん
子どもの姿にすごく興味がわくようになります。

小川大介先生
そうですね。
そうすると、この時間以外にも興味をもつようになる。
ごはんの時なんかもそう。
そうして一歩引くと、話を聞いてあげられるようになった。と言われる。
というのが良さですね。
どっち(のゲーム)も、結構やり始めると難しいから。

松倉弥生
確かに、夢中になります!

小川大介先生
そう、夢中になる。
だからその姿が見えていい。
質の良いものの特性です。

遠山彬彦さん
上手いこと言いますね。

 

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今回はキャスリングとかなコロンの生みの親であるお2人に、お気に入りのポイントについて教えていただきました。
それぞれ視点が違うので、いろんな点から特徴をお伝えいただけて嬉しいです。

次回は「笑顔が生まれるボードゲームを作りたい」というボードゲーム作家遠山彬彦さんの、意外な過去について伺います。
次回もぜひお楽しみください。

前回は、「ママはなぜ子育てに自信がないのか?」ということを教育家小川大介先生に教えていただきました。

今回は、遊ぶ様子からどんな子どもなのかが知れる「小川式:見守り手帳」が、小川先生のどんな経験とノウハウからから誕生したのかを伺います。


松倉弥生

では小川先生にお伺いします。
キャスリングとかなコロンのゲームにセットされた、それぞれの遊び方に合わせた「小川式:見守り手帳」が生まれたのは
小川先生が親御さんとお話を繰り返された中で生まれてきたことがベースになっているのでしょうか?

小川大介先生
そうですね。
正確にはもちろん勉強して学んだこともあって。

心理学のひとつで
アメリカでNLP(Neuro-Linguistic-Programming/神経言語プログラミング)
といわれるものがあって、人の心というのは使う言葉によってすごく大きな影響があって
言葉を変えるだけで心の状態が変わるというメカニズムに注目したカウンセリングの方法で。
その中に優位感覚という、人それぞれがよく使う
視覚情報に反応しやすい人、聴覚情報に反応しやすい人、身体感覚情報に反応しやすい人、
といったタイプがあり、そのタイプによって言葉が違うし、反応するものも違うし
学ぶ上での学びやすさも違うよね。と。

NLPだったり加速学習だったり、ハーバード大学のガードナー教授という方が提唱している
多重知能理論(multiple intelligence/マルチプル・インテリジェンス)というものもあるんですが
みんな似ていて、それぞれ脳の使い方が違うよと、癖があるんだと。
その癖の違いによって、子どもの伸び方や反応の仕方が違って、そういったことを勉強したんです。

あとコーチングの勉強もして。
それは僕が運営していた個別指導塾で、より高いレベルの成果を上げていくためにはと考えたときに、こどもが100人いたら100通りっていうんだけども、実際100通りの教え方をしている講師なんて誰もいなくて。
実際には、長年「プロ講師」としてやってきた人も、自分のスタイルを押しつけているだけの講師がほとんどなんだなということを痛感したんです。

松倉弥生
そうなんですね!意外でした!

小川大介先生
教える人間って、与える側に回りがちで、自分の視点でしか見えなくなりがちなんですね。
コーチングのスタンスから見ると、それはすごく良くないというか、(視野が)狭い話だなと。
そこで、その子なりの感覚やタイプを見つけ出して、それに応じてどういう教え方をしたらいいのか?と考えた。

同じ算数を教えるにも、図を多用して教えた方がわかりやすい子もいれば
一つ一つ丁寧に言葉の意味を説明してから段階的に教えてた方が納得する子もいるし
日常生活の体験談を引き合いに出して「あ!あの感覚か!」といってから仕組みに持って行った方がわかりやすい子もいる。
そうやって教え方を変えなければいけない。

カウンセリングの中で、いかに早くその子を理解するかを意識して面談を行うと
面談のノウハウがすごく磨かれていったわけです。
その中で絶対に外せないキーワードとして「どういう遊びが好きですか」という言葉が定着したんです。

松倉弥生
へー!!

小川大介先生
最初はそれを、遊びを聞こうとしたのではなくていろんなことを聞いていたんです。
起きてから寝るまでの様子とか。どうやって遊んでるとか。

今まで6千回の面談をしていて、そうした話をしていくと遊びの話を聞いたときに
ものすごく簡単にその子の状態が見つかるなと気付いたんです。
(日常の)その子が口にする言葉だとか、しぐさとか、様子とかを親に聞いても
親のフィルターがかかってしまうので、どうしても実際の姿というのを言ってくれないんですよ。
「テストなんかよく悔しがってるんです。」と親が言って
「なんて言ってますか?」と僕が聞くと、「いや、ん、なんか悔しかったと思うんですよ・・・」
といった返答になってしまう。
でも「何をして遊んでますか?」という質問にはほとんどの親が説明できる。
「遊んでいる時ってどんな様子ですか?」と聞くと、余計なフィルターなしに話してくれる。
そういったことから、遊び方を聞くというスタイルができてきたんです。

そうして分析をして、その子の躓きの理由や伸ばし方を提案していくと
それが非常に効果があって。

と同時に僕が運営していた個人指導塾の講師に、そのノウハウを教えているのにも関わらずほとんどの講師が習得できない。
つまり教える仕事で頭が固まってしまっている。
そういう講師は与えることがしたいから、その子の特徴を汲み取って理解するマインドになれないんですよね。
答えを渡したがってしまう。
仕上がってしまった大人は変わることができないんだともつくづく感じました。

松倉弥生
大人は思っているよりもずっと、考えが固まってしまっているものなんですね・・・

小川大介先生
なので親からの影響が少ないところから、この考え方を元にすると
親子で一緒に遊ぶ中で子どもに対して気付くことができる。
だから僕の遊び方の本も、ただ遊んでいたらいいんですよと。本の中ではっきり書いてある。
ただ遊んでいる中で見つかる事があるし、そこに気付ける親に育っていくと。

どこかから情報を引っ張ってきて(子どもに)押し付けることに対して、一度立ち止まれる。
「あれ?うちの子違うかも・・・」と気付ける。うちの子を知っているから。
という流れから、今のタイプ別が生まれた。
だから僕にとっての”遊び”とはものすごく重要。

遠山さんは遊びを通して子ども自身が伸びていく、広がっていくということをすごく重視している。
僕は遊びを通して理解を深められるという点を重視している。
といった掛け合わせ方が良かったかなと。

”遊び”によって子どもを理解することは、大人にとっての糸口ですよという観点は
世の中であまり知られていないし、言っている人がいないので、
僕がそれを広める役目をさせてもらっている。

松倉弥生
なるほど!
”遊び”というキーワードだけでも(ハードルが低いようで)親はすごく安心するし
すごく取り入れやすい入り口でもありますね。

小川大介先生
そうそう。
分からないということがない。
子育てで親御さんが、特に女性の親御さんでよく口にされるのが、
「私には無理だから」「私には分からない」「私には自信がない」「うまくできない」
大体この言葉はどこかに出てくるんですね。
遊びですらうまく遊んであげられないということもある。
「うまく遊ぶってなんだろう?」と思う。

遠山彬彦さん
本当にそう思います。

佐藤亜希さん
大切に思っているからこそ、一つの言葉が
子どもにどれくらいの影響力があるかを考えてしまうから
言葉がけのひとつでも考えちゃったりするんですよね。
だから言葉もどういったらいいか分からなくなっちゃう。というママもいますよね。

小川大介先生
僕も声かけというフレーズを使うから自己批判になってしまうけれど・・・
言葉かけとか声掛けという言葉に惑わされてしまうけど
声掛けの一番大事なことは”話を聞くこと”なんですよね。
声掛けをどうしたらいいですか?と言われたら、何も言わず黙って聞けと。

聞いて、聞いて、聞いて、聞いてから言う言葉は、多分いい言葉に。
それがポイントで、それを聞かずに
魔法の言葉のように、それを言ったら子どもが急にスイッチ入るみたいなイメージが”言葉がけ”。

佐藤亜希さん
そうなんですよね。

小川大介先生
そういうふうに言ってしまう良くない本だとか、そういう人もいるんで
言葉かけ、声掛けを勘違いしている人もいる。

松倉弥生
確かにそういった刷り込みが入ってしまっているのかもしれませんね。

佐藤亜希さん
そういったものに出会うことも多いと思います

小川大介先生
そうですね。
〇〇すれば良い。の図式が多いです。

 


●キャスリングとかなコロンにそれぞれセットされた「小川式:見守り手帳」

 

今回は、遊ぶ様子からどんな子どもなのかが知れる「小川式:見守り手帳」は、小川先生のどんな経験とノウハウからから誕生したのかを教えていただきました。
小川先生のコーチングについてのお話も非常に興味深く、意外なこともたくさんあり、思わず聞き入ってしまいました。

次回は、キャスリングとかなコロンの生みの親である遠山彬彦さんと小川大介先生に、それぞれお気に入りのポイントについてのお話です。
次回もぜひお楽しみください。

前回は、教育家小川大介先生の経験から生まれた「小川式:見守り手帳」が、どんなきっかけで誕生したのかを伺いました。

今回は、ママが子育てに自信がないのはなぜなのか?について小川先生に詳しく教えていただきます。


松倉弥生

ところで遠山さんはどのようなきっかけで
自身が思う遊ぶことと知育を繋げようと思われたのですか?

遠山彬彦さん
僕は小学校のお受験をして小学校に入学したのですが
中学以降は受験勉強してきた子たちが外部から入学してきて、
高校進学時も大学進学時も同じく外部からの仲間が入学してきて・・・
学力からいえばすごく勉強した子がたくさん入ってきているので
自分の中では、勉強は底辺を歩いているようなものでした。

今振り返ると、小学校に入ったタイミングが自分にとって一番輝いていたなと思っていて(笑)

松倉弥生
それはちょっと意外ですね!

遠山彬彦さん
その(一番輝いていた)タイミングで、勉強よりも遊びを中心にしてきたということと
遊ぶ中で好奇心だったり、いろんな遊びから自分の好きなものを見つけて
それが得意なものになって・・・
得意になると自信がついて、よりやり込みたくなって。

結局はそういうことの繰り返しだなと思っているので、
とにかく遊びを提案したい。そう思って、遊んで笑って成長するということ
Dig-A-Doo(ディガドゥー)※2のコンセプトにしているんです。

前々から分かってはいたんです。
教育と知育のフィットについては。
やっていること自体は小学校受験のことを、ちょっとゲームにしている
といった形なのですが、それを自分で発信してしまうと
どうしても「あ、受験にいいんだ」という印象になってしまい
子どもにとっては敵になってしまうなと思っていた・・・
なので、自社で出すものは徹底的に「知育」という言葉は
使わないようにしていたし、頭にいいよといったことは言わずに、ひたすら楽しんだよっ!ということを伝えるようにしてきました。

なので、誰かがDig-A-Dooのゲームって成長にすごく良いんですよ、と言ってくれる機会をずっと待っていました(笑)
だから自社ではこういった(知育という)形では絶対に出せないのです。

子ども目線、遊び目線でありたいということをずっと思ってきたので
親目線で、誰かに良いよと言ってもらえる
今回のこういった取り組みができたのはとてもありがたかったです。

 

小川大介先生
僕のポジションで、受験において実績を持っている立場で
遊びの話をするからこそ効果があるので。
(※小川先生は中学受験や進路関係の情報誌AERAkidsへの出演の他、中学受験や教育についての本の出版など幅広く活躍され、中学受験指導のカリスマとも呼ばれています)

佐藤亜希さん
うん!うん!!!(頷き)

小川大介先生
特殊な立ち位置をあえて使う
というのもポイントかなと思っている。

佐藤亜希さん
これだけで遊ばせるということが一番いいんだなという安心感もあります。
子どもにとっては遊びが一番日常なので。
パパにとっても取り入れやすい。

遠山彬彦さん
「小川式見守り手帳」の前書きのところでも少し書かせていただいたんですが
やっぱり子どもがやってることに対して、子どもとコミュニケーションをとっていくと
興味を持っていることにはちゃんと答えてくれるんですよね。
なので、いかに
「あ!これ楽しい!」と思っていることをあおり続ける事ができるか
が大事だと思います。

小川大介先生
それはすごい大事で
子どもって楽しいことを大きく表現できる子もいれば
ほとんど外にも出さない子もいて、いろいろなタイプがあって
見る目が備わっていない大人は、分かりやすい表現をする子にだけ目がいってしまう。
目立つ方にだけ目がいって、目立つ子は楽しめて、うちの子は楽しまないという言い方で
間違ってとらえてしまうと、子どもも経験がないから
”ウキウキ”としたはずなのに、これは楽しい事とは違うことなんだと思ってしまう。

それを、ジーっともくもくとやっていて静かに遊んでいるときに、
大人が「楽しそうだね」と言ったら、「今していることは”楽しい”ということでいいんだ」と安心できる。

自分が楽しむ、自分の遊び、自分が考えたことを口に出す、試してみる
その一歩一歩をやっていいんだと思える事がすごく大事なんです。

それが今、させること、与えることに偏ると
子ども自身がしたことを認める力が落ちているので
そうすると、一見子どもはいろんなことをやっているように見えるけれど、
自分が感じた心の動きに自信が持てない。だから「なんでもいい」となってしまう。

松倉弥生
なるほど!
つい親の、大人の都合で子どもの行動を見てしまったり、口を出してしまったりすることもあるので
すごく心に刺さります。

小川大介先生
子どもが「なんでもいい」となってしまうのは、自分が思ったことを口に出すこと
もしくは体で表現することを、(大人が)そのままにしておいてあげるということが足りない証拠。
それは顕著な見本が女性なんですよ。

日本は男性優位社会だから、女性にはずいぶん負担がかかっていますよね。
女性は、何かにつけてきちんとしなさい、これをしちゃダメでしょ、
ダメ、こういったふうにしなさいと押し付けられてしまっている傾向があるので
ママたちが自信がないのは当たり前で、自信が育つように育てられてないから。
結婚して男の言うこと聞く、会社入って男の言うこと聞く
女の子は考えるなと言われ続けているので、そりゃ子どもに対して
「それで良いよ」とは言えないよね。
というのがずっと続いていて、(原因は)結構小さいころから始まっている。

だから「見守る」子育て(※1)という本の中でも
「結果的に待っていられる状態」というのが親としてすごく大事ですよ、と伝えてる。
だってその間子どもは自由だから。
自由っていうのは怖いんですよね。やらされることを実行する方が楽なんで。
自由は自分の責任が伴う。うまくいかないかもしれない。
だからちょっとドキドキするんだけど、やってみたいと思うからやってみる。
ああなったらすごく嬉しいとか。それが次のチャレンジに繋がるし
うまくいかなくて「あーあ」と思うけど、自分でやったからまた次やってみようと
その関わり合いをどう生み出していくか、というのはすごく大事。

松倉弥生
これもすごく(心に)刺さりますね。

佐藤亜希さん
今やよいさんと私だけがこのお話を伺っているので
はやくみなさんに伝えなくては!と思ってしまいます。

※1
『頭のいい子の親がやっている「見守る」子育て』
著:小川大介 出版:KADOKAWA

2020年1月に
『自分で学べる子の親がやっている「見守る」子育て』も同出版社で出版されています。

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※2
Dig-A-Doo(ディガドゥー)
遠山彬彦さんが代表を務め、「遊び・笑い・成長する」を企業理念とし
オリジナルカードゲーム、ボードゲーム製作及び、遊びを通じた研修Plearningのオーダーメイド製作運営を行う
代表作 かなカナ/2018年グッドデザイン賞・2020年キッズデザイン賞受賞
http://www.dig-a-doo.com/

ママが子育てに自信がないのはなぜなのか?について小川先生に詳しく教えていただきました。
今回はママの立場として、心に刺さる言葉がたくさんで、しっかり胸に刻まなければ・・・と感じました。また、無意識に刷り込みのような現状になっている女性の立場に少し衝撃を受けました。

次回は、遊ぶ様子からどんな子どもなのかが知れる「小川式:見守り手帳」が、教育家小川大介先生のどんな経験とノウハウからから誕生したのかを伺います。
次回もぜひお楽しみください。

前回は、「子ども本来の姿が見えるのはどんな時なのか?」についてのお話でした。

今回はお話が変わりまして、キャスリングとかなコロンが生まれるまでを遠山さんと小川先生に伺います。


松倉弥生

では次に今回お2人に、記憶力や想像力に関係する右脳を育む立体ゲームができる「キャスリング」と語学力や計算力に関係する左脳を育む立体ゲーム「かなコロン」の企画にご参加いただいた経緯と理由をお伺いします。

遠山彬彦さん
発端は私のところにあります。
私は、自身で作っているゲームを東急ハンズさんなどで販売させていただいていて。
今はコロナウイルスの影響でできないのですが
時折店頭販売をさせていただいていました。

そんなところに伊藤さん(親子の時間研究所のスタッフ)がふっと現れて。
私のゲームをじっと見ていて・・・
なんだろう?と思っていたら
「僕もこういったものを作ってみたんだけれども、できなかったんです・・・」
というお話があり、そこから名刺交換させていただいて
何か一緒にやろうよとお声掛けいただいたのが始まり。

半年くらいどんなものを出そうか、という話しをしていました。
キャスリングはもともと自分が作って販売していたものなので、
何か違うものをという話をしつつ、内容がどんどん発展していきました。
そうして話が進んだ先で、どう販売していこうか?となったときに
ふと頭の中で繋がったのが小川先生なのです。

実は僕の同級生が幼稚園を経営していて
小学校受験の塾などが、小学校受験だけのために教育をするのはおかしいのでは?と考えて、
受験するわけではなく幼稚園に通う感覚で
その幼稚園で(お受験教育と)同じような環境が整えられるようにといったことをしているんです。
その(幼稚園を経営している)彼と小川先生がテレビで共演されていて2年ほど前に紹介していただいたんです。
その時に意気投合させていただいて、それをふっと思い出し
今回小川先生を(この企画に)ご紹介しました。

小川大介先生
一番最初は伊沢(拓司)君がどうとか・・・

遠山彬彦さん
そうですね。
東大王の番組が伸びてきていて伊沢君がこれはいいよとか
藤井壮太君がこれがいいよとかいうのもいいだろうと。という流れで
そういった知り合い居ないか?という話から
小川先生のお子さんがちょうど灘中学に入っておられるのでお声掛けを。
なので、最初は才能診断だとかはなかったんですが
小川先生が参加されてからどんどん広がって・・・

小川大介先生
初めは「こんな遊びが頭にいいんです」といった、たんに説明だけだったけれど
とってつけただけでは意味がないし。
僕の代表作の一つに『頭がいい子の親がやっている「見守る」子育て』(※1)

という本があるんですが、その中で、遊びを通して子どもの才能を見つけ出す方法を紹介しているんですね。
遠山さんのゲームなら、まさにその視点が実践しやすいぞということで、改めて
「その方向にしよう」といった形になったんです。

そうしたときにキーワードとして、
どういった力が刺激されそうかといったことをある程度説明しながら
子どもが遊んでいる姿を親が穏やかに見ている絵を想像しながら考えてましたね。

知育玩具って”やらせる遊び”になってしまっていて
熱心なのはいいけど、残念な子育ての仕方をたくさん見てきた。
お金や意欲はあるけど間違った方向に行ってしまって、
子どもの伸びしろを傷つけてしまっている人ががたくさんいて・・・

でも、本当にその人たちももちろん悪気があるわけではなくて
むしろ良いと思って一生懸命していて、結果粗悪な玩具だったり
使い方を間違ってしまったりして。
いろいろと本来の子どもの姿と違う方向に行ってしまったりすることがあるので
余裕をもって遊ばせられる状態を作ろうということで
この(小川式見守り手帳)冊子を見て親がニヤニヤできればいいんじゃないかと
思ってこの形に辿り着きました。

松倉弥生
佐藤亜希さん
なるほど!

小川大介先生
才能が・・・て親が気になって冊子を見ていたら
そのあいだ子どもは邪魔されずに遊べる。

松倉弥生
確かにそうですね!

小川大介先生
そう。
それで親と目が合ったときに笑顔が返ってこればね。

子どもにとっても
遊びを通しながら”自分の感覚や才能を使っている状態”に対して自身が安心するので
それが力に代わる。

遠山さん自身もそもそもゲームで同じことをしようとしていて
僕はそれを言葉で表現することができるから、じゃあこの方法がいいねと
今の形になりました。

松倉弥生
自由に遊ばせてあげるのも重要なんですね。

小川大介先生
正解だったなと思うのは
(他所で)紹介したら反応が良いので求められているものなんだなと。
僕がいつも言うのが
みんな子育ての正解を探したがるのだけれど、答えはその子本人の中にしかないので
大人たちがその子本人の中にあるものを見つける力、気付いてあげる力を持っていないと
どこかから持ってきた知識を押しつける形になってしまう。

必要なのは子どもになにをやらせるかではなくて
この子ってどういう子なのかなと気付いてあげられる
知識と視点を大人たちがどれだけ持つか。

その観点から
親として成長する、大人として成長するということが
今の世の中まだまだ伝わっていないので
こういうものを通して伝えていきたい。

松倉弥生
小川先生はAER kidsさんのインスタライブによく出演されているので
それを拝見している中で
「親の目を養う」という言葉がとても刺さり、
今お話を聞いてもとても大切なことなんだなと思いました。

佐藤亜希さん
いろんな経験をしてほしいからこそ
やらせるという方向に向きがちだし、正解というものが欲しくて。
やっぱり自信のないママが多いんですよね。

小川大介先生
そうですね。
本当によく聞きます。

佐藤亜希さん
だから、せっかくだからいろんな経験をしてほしいと思って
いろんな玩具に触れさせるのだけれど
やりっぱなしになってしまっていることが多いので
やはりこういった「小川式見守り手帳」があることで
後押ししてくれているようで、ママに自信がつくといいなと思います。

 

※1
頭のいい子の親がやっている「見守る」子育て
著:小川大介 出版:KADOKAWA


2020年1月に
自分で学べる子の親がやっている「見守る」子育て
も同出版社で出版されています。
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KADOKAWA
¥1,755 (2025/07/15 11:20:53時点 Amazon調べ-詳細)

キャスリングとかなコロンが生まれるまでについてお話を伺いました。
小川先生がお話した、「自由に遊ばせることで伸びる感覚と、それが力に代わる」という内容の言葉は、なんとなく良い事ではあるけど成長に対してどう影響しているのかいまいちわかっていなかった”遊び”に対しての考え方が変わった一言でもありました。

次回は、ママが子育てに自信がないのはなぜなのか?について小川先生に伺います。
次回もぜひお楽しみください。

前回は、遠山さん、小川先生、佐藤さんと共に、「自分の気持ちに正直だった小川先生の少年時代」についてお話を伺いました。

今回は子ども本来の姿が見えるのはどんな時なのか?についてのお話です。

佐藤亜希さん
今まで小川先生が子どもの頃どのように過ごされていたかを伺った中で
素材を生かした遊びをされてきた感じがし
ふと、小川先生が出されている本『頭がよくなる子どもとの遊びかた』(大和書房)を思い出しました。
本の中では、お家でも取り入れられるよといった遊び方を紹介されていますが
ご自身でも体験されてきていたということですか?

小川大介先生
そうですね。
実際そうしてきたものもあるし
僕が実際子どもの時に遊んだものを少しアレンジしたものもある。
うちの子や周りの子をみて
「あ、これも遊びなんやな。」と思って入れているものもある。
こういうこともできるよね、というアイディアだとか。
辞書引き放題しりとりとかは実際にしていました。

佐藤亜希さん
ひらがなのブロックで言葉を作る「かなコロン」に近い遊び方を見かけたこともあるので
今までの幼少期で触れられてきた遊びが
こちらにも反映されているのかな?とも思いました。

小川大介先生
そうですね。
正確に言うとパズル自体は遠山さんが考えている。
けれど発想の仕方が似通っていると思う。

遠山彬彦さん
僕も話を伺ってて、環境は違えど、すごい似ていたなと思いますね。
自分も人の言うことを聞かないし、指示されるの嫌いだし…

松倉弥生
佐藤亜希さん
(笑)

遠山彬彦さん
僕がちょうど小学校に入るタイミングでスーパーファミコンが出たんです。
でもうちはテレビゲームが禁止だった。
だから祖母の家か従妹の家に行って(テレビゲームを)するのが小学校時代だった。
だから普段は、
ダイヤブロックじゃないけどレゴとか、紙と鉛筆でとにかく遊んでいた。
どれだけ三角形が作れるかとか。そんなことばっかりしていたんです。

小川大介先生
一筆書きとか

遠山彬彦さん
そうですね。ありもので遊んでいたというところも(小川先生と)同じだし
言うことを聞かないのも同じだけど、親もやりたいようにやらせてくれていた。
そういうところも同じで大きく(影響している)。

佐藤亜希さん
すごく、シンクロしているところがありますね!

小川大介さん
そうですね。
今回のキャスリングとかなコロンは、創造性のある遊びができるから遠山さんのパズルがいいと思うし。
だからこそ、僕の
『遊んでいる様子から学習タイプを見出していく』
というノウハウも、型にはまった遊びだと発見できないので(遠山さんのパズルと)相性がいい。
遊び方が決められていると、遊ぶスタイルもある程度決められてしまうけど
遊び方に柔軟性があると子ども本来の姿が出しやすいという意味で、彼の(遠山さんの)パズルがいいなと。

佐藤亜希さん
出来上がったものではなくて
広がっていくような?

小川大介先生
そうですね。
出来上がった遊びの方が、作る方も楽なんですけどね。

佐藤亜希さん
なるほど。遊び方が自由なパズルなので、実際にたくさんの方に遊んでもらうのが楽しみですね。

こども本来の姿が見えるのは、いったいどのような時なのか?というお話でした。
遠山さんと小川先生に以外な共通点があったのも、驚きでした。次回はお話が変わりまして、キャスリングとかなコロンが生まれるまでを遠山さんと小川先生に伺います。
次回もぜひお楽しみください。