人生は”遊び”。目的を作らなくても人生楽しくできる

前回は遠山さんと小川先生に「もし親として子どもにキャスリングとかなコロンで遊ばせるとしたら?」という質問をし、とても参考になる遊び方と、新しい視点もいただきました。

今回は小川先生に伺った、「子育ての中の遊びの役割」について意外なお答えをいただいたお話です。


松倉弥生

ではそろそろ最後の方の質問です。
小川先生にご質問ですが
子育ての中での遊びの役割とは何だと思いますか?

小川大介先生
子育ての中での遊びの役割?
人生はそもそも遊びなので・・・

遠山彬彦さん
僕もちょっと思ってました。

小川大介先生
偶然出会った親子が一緒にいるだけですごく嬉しい事なので。
でも目的意識をもって、何か計画的に進もうと行きがちだし
人生は目標をたてていかなければならない。みたいな考えがありますよね。
目的をもって、一度きりの人生だからやれることはやりつくそうみたいな。
今時の人の中で。インフルエンサーの人とか。
僕あれ苦手で。

目的意識を持って生きるという事に対して、すごく懐疑的なんですね。
やりたいことがある人は頑張っていいんですよ?
でも僕自身がまず、現状この状態を目指して生きてきたわけでは全くないので。

僕の歴史を簡単に言うと、もともと小学校の時弁護士になりたかったんです。

松倉弥生
え!そうだったんですか!

小川大介先生
というのも父親とよく議論してたのもあるし、ちょうど小学校の時に日本で冤罪事件が多発して死刑囚が無罪になる事件が連続していたんですね。
徳島ラジオ商殺し事件とか。いくつも。なんだこれは?と思ってました。
20年も30年も牢屋に入れられて、国も言い訳ばかり言ってろくに謝りもせず、
3000万、4000万くらい渡せば終わりかと。なんでこんなおかしいことが起きるんだ。
で、それは裁判でそうなったという話を聞くから、親父から。

つまり弁護士が悪かったのか。じゃあ僕が弁護士になる。親父も昔なりたかったのもあるけど。
それで、関西で弁護士になるんだったらどこ(の学校)かと。
一番は東大かな。関西なら京大かな。当時はまだ大阪東京戦争の時代だったので
大阪では全国ネットの番組は方々放送されず、ローカルの番組が多くて。
東京っていうのは冷たくて嫌な奴が多い所という印象なので、
「東京までなんで行かなあかんの。絶対行くか、東大なんか。」ということで京大(京都大学)に行った。

だから小学校の時から、京大法学部に行くことは決まっていたんです。
どうして落ちたか、ね。どうして法学部が落ちたか。
行く気がない学校には試験勉強をしてなかったから。
入試会場に行って、初めて試験時間を知った。

松倉弥生
佐藤亜希さん
えっ!?すごい!

小川大介先生
赤本なんて見たことない。さすがに怒られました(笑)

ここまでは目的を持ってきた感じだけど、あんまり勉強が好きじゃなかったんですね。
暗記が嫌いで。全く向いてなかった。
論争で勝てばいいんだと思っていたけど
論争するには知識がいる事に、ようやくそこで気付いた。

それまでは生活費稼ぐために塾講師をし始めていて。
仕送りはもらわないと決めていたので。
さっき言ったように(子どもの頃から)もともとお金に関して考えていたので、
私立の中学へ行ったのも奨学金を借りる形をとって、
大学出て何年かかかって中高でかかったお金を親に返して。
基本借りて、国立に行っていたらかからなかったはずの300万円を
追加で(親に)払わせていたから、これは「俺が払って当然」と。
そして大学入ったら当然生活費がありません、と。
で時給がいいのは塾講師だったので、教え始めた。
なので、教える仕事がしたかったわけではないんですね。

松倉弥生
本当に歴史の1ページのようです。

小川大介先生
塾講師は僕の”口が立つ力”に加えて、”国語”がすごくできたのでそのアプローチと、時間担当がいいなと。
ちょうど相性が良かった。
そのうち日勤講師になって、種類もあるからということで学校の勉強を教えるようになった。

そうしてだらだらと8年間やってきた。
休役制度があってね、一応司法試験の為にといいながら利用してきた。
で、そのまま卒業して、フリーターの状態。ただ、収入はずっとありますよ。
でも僕は教える仕事は腰掛で、本来の仕事はそうじゃないと思いがあって、できるからやっているだけ。
それで仲の良い人と集まって、一緒に塾関連の仕事もやりました。でも腰掛なんですよ。
みんな収入も必要だから、じゃあ個別指導塾も立ち上げようか、と。
言い出しっぺだから、じゃあ僕が代表いいよと。代表だから責任も伴う。
じゃあそれをやりましょう。でもやるからにはちゃんとしましょう。

でも別にそれをやりたかったわけではない。けど、役割だから仕方なくやっていたんですね。
預かった子どもたちがうまくいかないのは良くないので、そのためにはコーチングをしていました。必要。
必要。必要、だからやってきただけで。

東京に関しても、関西だけのマーケットでは社員を養うのは厳しいので、出るしかないよね。となって。
家族連れて僕だけ出てきて、こっちで立ち上げをして、広げるためにメディアに出て。
宣伝してくれてありがとう。って今までやってきて、本出してまたありがとう、とやってきただけで。
だから、「先生、何の本書きたいですか?」といっつも言われているんだけど
「別に・・・」ってなる(笑)

松倉弥生
意外でした。

小川大介先生
そういうのを今までやってきたて気が付いたら、
業界の中で結構有数の”個別面談をしてきた人”ということで。
かつ心理学も踏まえて、深いレベルでやってきている人が、どう見ても僕しかいないなと。

気が付いたらそうなっていた。だけなんです。
だから本も出しているし、ある程度知られるようになってきているけど
「小川先生目標は?」と言われても「いや、別に・・・」となってしまう。
社会のあちこちに行ってみたいとかも思わないし、穏やかに好きにさせてくれたら。
という生き方をしてきているからこそ目的意識がある人はあってもいいんだけど、無くても人生楽しくできる。

そんなグローバルにしなくても、幸せな生き方はあるんじゃない?それぞれでいいんだ。
という考えがすごく強いからこそ、人生は遊びだというように、どう過ごすかなんてそれぞれ好きにすればいいと思う。
でも、その”好きにしたらいいやん”と思える原体験を持っているかどうかだと思うんですよね。
与えられた評価の軸で、テストがあるよ、点が取れるよという中で”達成した”という事を〇をもらえる事だけで積み上げてきた人っていうのは、目的・目標がないと生きていけないと思うんです。

でも、その場で何でも遊べる。
新聞紙一つあっても、最初は読む、話をする、そのあと三角帽を折る、それから紙でっぽうをやって、あとは梱包に使うとか、一つに対して変わっていく遊びをした人はその場その場でどこでも生きていけると思う。
その感覚っていうのは、一言で言ったら”遊び”ってなるだろうし。
だから子育てに対しての遊びの役割って言われて、「ん?」ってなった。役割ってなんだ?って。

松倉弥生
そうですね・・・
イコールではないんですね。(お恥ずかしい)

 

小川大介先生
そうそう。子育て自体が遊びだと。真剣にね。
真剣だけど、何が起きるか分からない。常にそこは遊びであるし。

遊びとそうでない部分を分けるポイントは一つだと思うんです。
何かを達成するとか、手に入るとか、目的・目標が必要でないものが”遊び”だと思うんです。
今そこにいて、誰かと何かをしている、過ごしている、というのが遊び。
だから僕はお酒を飲むのも遊びだし、映画見ている時間も遊びだし、本読むのも遊びだし、講演を聞くのも遊びだし。っていう感覚ですかね。
子育てっていうのは、すごくさまざまに情報が強く流布していて”すごく難しいもの”のようになっていってるからこそ、遊びっていう感覚を持っていられたらいいなと思いますね。

子育ての中で子どもと遊ぶと、親の方が本来の状態に戻るから。
子どもが楽しみを探し続けているから。
ちょっといろいろな話をしましたけど、そういう全体的な質問でした。

松倉弥生
なんだか自分が、遊びにたいしてひどく凝り固まっていた考え方をしていたように感じます。
気付かないうちに感じている”子育てに対する焦りや不安”もその原因なのかなと思う事ができました。
私もひとりの母親として、今のお話を聞くことができて良かったです。

 

小川先生の意外な半生を伺い、本当に驚きでした!
もっと力を抜いていろんなことを見たり考えたりしたいと思えたお話を伺う事ができました。

次回は、遠山さんに「遊びの中での教育や子育て」についてお伺いします。
次回もぜひお楽しみください。

 

 

 

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