臍ヘルニアと診断されて・後編 -手術をむかえてー

4年保育の幼稚園に通う2歳の娘がいる1児の母です。

さて、前編では娘が臍ヘルニアと診断されて手術が決まった経緯をお話させていただきましたが、今回は手術のお話です。
当日の話や入院の際の持ち物等、記憶している範囲にはなりますがお話させていただきます。

これから臍ヘルニアの手術を受けるお子さんのご家族にとって、少しでもお役に立てるところがありましたら嬉しく思います。

手術を控え、ついに入院

手術を翌日に控え、娘は午前中から入院しました。入院当日の娘は、病院に到着してからも終始とてもリラックスした様子でした。

入院の前に、小児外科と麻酔科の診察を受けて手術が行えるか体調を診てもらいましたが、その時も泣く事なく落ち着いて診察を受けていました。

それどころか、明日手術する子とは思えないほどとても元気で、病棟奥のキッズルームで走り回って遊び、看護師さんに笑われていました(笑)
もちろん手術当日は絶対安静で遊べませんが、前日は病棟の消灯までなら遊べるので消灯まで遊んでいるお子さんも多く見かけました。

普段と違う環境だと、子どもはなかなか寝付けない事も多いですよね。明るい時間にたっぷりキッズルームで遊ばせておくと心地よい疲れで早くに眠る事が出来ますよ。

また、手術した当日は、経過の心配と手術が終わった安堵で親側は心身ともに疲労感が襲ってきます。こういう時は心配で前日あまり眠れないとは思いますが、休んでおくと当日の体力が違います。ママとパパも休める範囲で休んでおきましょう。

いよいよ手術当日をむかえる

手術当日は、本当に1日が長く感じました。娘は午前の早い時間の手術だったので、朝早くから病室内には緊張感が漂っていました。

ここでは、当日の大まかな流れや実際に経験して感じたポイントをお話します。

許可が出るまで飲食禁止

午前の手術の場合ですが、食事は前日の夕食以降~翌日の手術後に許可が出るまで何も食べられません。飲み物は、日付が変わる午前0時までです。
唯一、OS-1(経口補水液)のみ、手術の2時間前まで飲む事が出来ました。
娘は前日わりと早めに寝たのもあって起床が早く、早い時間の手術でも水分補給をしてから手術へ送り出す事が出来ました。

術後、麻酔から覚めて腸が動き始めたのが確認できると飲水、食事がとれます。
ちなみに、娘が食事の許可が出たのは午後3時過ぎでした。前日の午後6時の夕食から実に21時間ぶりの食事となりました。
手術のために仕方ないとは言え、長時間の絶食は大人でもつらいですよね。子どもなら尚更です。
手術2時間前までに少しでもOS-1で水分補給させておきましょう。

手術は、1時間~1時間半程度

臍ヘルニアの手術は、腸が出ないように腹壁の穴を縫合閉鎖する手術です。ヘルニアの状態や手術の進み具合も関係すると思いますが、大体1時間~1時間半の手術と考えておくと良いです。
娘は、手術前日の説明では40~50分程度の手術と言われましたが、実際は1時間半弱かかりました。

手術の見送りは、空元気でも笑顔で

手術へ向かう際、娘は自分で歩いて手術室へ向かいました。ここまでは、とても饒舌で楽しそうに歌を歌ったりしていたのですが、手術室の前の扉が開き、たくさんの執刀医の先生方が待っているのを見ると途端に娘は無口になり不安な表情になりました。
小さくても、ただならぬ空気を感じ取ったのでしょう。

娘の大学病院は、母親は手術室の本扉の前まで一緒に行く事が出来ましたが、病院によっては病棟のエレベーター前で見送るケースもあるそうです。友人のお子さんも手術経験があるのですが、その時は病棟のエレベーター前で看護師さんにバトンタッチして見送り、手術終了の連絡があるまでは病室で待機だったと聞きました。

どこまで付き添えるかは病院によりますが、笑顔で見送る事が大切だと感じました。
正直なところ、親は心配で心配でとても笑顔になれる心境ではありませんが、一番不安なのは子ども本人です。
たとえ空元気でも家族が笑顔で見送ってあげる事で、子どもはとても励みになります。
これから小さな体で1人頑張ってくるのですから、笑顔でエールを送りましょう。

待ち時間の過ごし方

想像以上に待っている時間は緊張の波が大きく次々と不安が襲ってくるので、可能であれば夫婦や家族で待つ事をオススメします。

我が家は主人が多忙なので、元々は私1人で手術を待つつもりでいましたが、主人も仕事を休んで一緒に手術終了を待ちました。
手術中、主人と他愛もない話をしているととても気がまぎれたので結果大正解でした。
他のご家族は、スマートフォンでお子さんの写真や動画を見て過ごしている方々もいました。

また、子どもが絶食中だと親だけ食事をとるのは忍びなく一緒に絶食するパターンが多いです。私も、娘が絶食中は自分の病院食をお断りしました。
事前に、ゼリー飲料やプロテインバー等を用意しておくと、手術待合室を離れる必要もなくサッと小腹が満たせるのでオススメです。

麻酔から覚めると、なかなか泣き止まない

麻酔から覚めると意識が朦朧として大泣きしたり、お子さんによっては暴れたりする子、吐き気を訴える子もいます。
状態が落ち着くまでしばらくかかるお子さんもいるので、親はここが一番体力を使うかもしれません。
看護師さんにも「お母さんの頑張りどころよ」と言われました。

しかし、目の前で大泣きしているという事は、無事に手術から戻ってきたという事ですよね。
私は、大きな声で泣きながら戻ってきた娘の姿を見た時、とってもホッとして「元気に戻ってきて良かった!」と心の底から思い涙が出ました。

術後は普段以上に甘えん坊になりますが、あたたかい気持ちでとことん付き合ってあげましょう。
このためにも、待ち時間にエネルギー補給しておくのです!

入院の時の持ち物

入院となると、短期間の入院でも、万が一必要な時の事を考えてどんどん用意すると荷物が多くなります。

病院から事前に大まかな指示はありますが、実際に持っていった枚数やあって便利だった物もご紹介します。

着替え

病院からは、パジャマ3~4着、下着、靴下をそれぞれ用意するように言われました。

特に細かい指定はありませんでしたが、我が家は前開きタイプのパジャマを新たに用意しました。入院中は点滴している時間が長いので、着替えをする時は前開きタイプだととてもスムーズに着替えが出来ます。また、袖口は広め、ウエストが幅広いリブタイプのゆったりしたパジャマだと尚良しです。
袖口が広いと点滴中でも袖が通しやすく、ウエストがゆったりした幅広リブタイプのズボンは術後の傷口に優しい履き心地だったようで、娘は嫌がることなく着用していました。

10月下旬の、わりと涼しい時期の手術でしたが、院内は暑かったので薄手の長袖のパジャマでも快適に過ごせました。

下着は6枚ほど用意して持っていきました。術後、とても汗をかきやすく何度か着替えたので少し多めに持っていって良かったです。

室内履き

ほぼベッドの上で過ごしますし、病室内での短時間の使用を想定して、サッと脱ぎ履き出来るように親子でクロックスを持っていきました。
娘は普段からかかと側にしっかりとベルト部分を引っ掛けて履かせているのですが、入院中の子どもの使用はダメでした。
以前にクロックスで転倒する子が多かったので、事故防止のためだそうです。
入院中は、足元は靴下を履いて自宅から履いていった靴を履かせて対応しました。

この場合の室内履きとは、学校で履く上履きのような足の甲部分にゴムがある靴が望ましいとの事でした。

紙おむつ

事前に聞き忘れてしまい、一番悩んだのがおむつの枚数です。
我が家は、手術の時と術後しばらく動けずトイレに行けない事を想定して、一応10枚用意して持っていきました。
結果的には、手術へむかう時に1枚着用して、術後に交換して戻ってくるため看護師さんに1枚渡した分と、夜間も点滴をしていたので念のためにつけた1枚の計3枚のみの使用でした。
麻酔から覚めてすぐから、多少痛がりながらも(私が介助しましたが)トイレに行きたがったので、おむつは全然使いませんでした。

おむつを使うお子さんは、普段の使用量×日数分に、術後は点滴でおしっこの量が多くなるのでプラスで少し多めに持っていくと良いと感じました。

我が家は、自宅に残っていたパンツタイプを持っていきましたが、後日友人から入院の時はテープタイプの方が使い勝手が良いと教えてもらいました。
確かに、テープタイプだと寝たまま交換出来ますし、ウエストを調整して止める事が出来るので痛がらずに使用できますよね。

清潔用品、タオル類

シャンプー、ボディソープ、歯ブラシ、口ゆすぎ用のコップ等の清潔用品と、タオル類も忘れてはいけませんね。
タオル類は、3泊だったので手拭き用タオルは3枚、バスタオルは4枚用意しました。
バスタオルは、入浴以外にもタオルケットやブランケット代わりにもなりますし、折りたたんで枕のようにも使えるので、とても重宝します。

病院側でもタオルケットは用意されていますが、日中使うと暑く夜間は1枚だと肌寒そうでした。日中はバスタオルをかけてあげて、夜間はタオルケットにプラスして使うと温度調節もバッチリでした。

あとは、箱ティッシュと、ごみ袋があると洗濯物やごみをまとめられるので便利です。

S字フック、ペットボトル用のストローキャップ

定番ですが、S字フックとペットボトル用のストローキャップはやはりとても便利でした。
フックは、ベッドの柵に引っ掛けて袋を下げておいたり、直置きしたくないバッグも引っ掛けておく事が出来ました。重い物にも対応出来るように、大きめのフックを用意すると使い勝手が良いです。
ペットボトル用のストローキャップは、術後あまり体を起こさなくても飲み物が飲めるのでこれもたくさんお世話になりました。

ゼリー飲料、プロテインバー

前述したように、手術当日は親もしばらく食事がとれない事もあるので、荷物に1,2個入れておくと手術の待ち時間にサッとエネルギー補給が出来ます。

おもちゃ

あまり大きなものは荷物になりますし、個数も決まっている病院が多いです。娘の時は、個数は2~3個まで、ロッカーに入らないおもちゃは親が持ち帰るとの決まりでした。
また、細かい物、割れ物は禁止、コンセントの使用も一切禁止だったので、充電が必要なDVDプレイヤーやタブレットは候補から外しました。

悩みに悩み、お気に入りのディズニーのぬいぐるみ1つと絵本とシールブックを持っていきましたが、ぬいぐるみだけで十分過ごせました。

番外編:親の持ち物

夜間も泊まりで付き添う場合、寝具や着替え、特に女性は化粧品も必要で、全て持っていくとなるとなかなかの大荷物になります。

寝具は有料でレンタル出来ますし、自宅から持参して持ち込める病院も多いです。しかし、公共交通機関で行く場合、布団を持っていくのはとても大荷物になりますから、事前に病院にレンタルを申し込んでおく事をオススメします。

病院にいる間の服装は、昼夜兼用で着られるようにルームウエアを用意しました。ワンピースとレギンスのタイプだと楽ちんで可愛く着られて良かったです。
化粧品も、オールインワンタイプのスキンケアやBBクリーム等、1つで何役もこなしてくれる物なら、荷物の量も少なくて済みますよ。

手術を終えて、今 【経過写真あり。閲覧注意】

娘が手術を受けてから、次の秋で1年を迎えます。
伸びたおへその皮膚を奥へ引っ張るように糸で縫っていただいたので、今はとてもキレイな状態です。

退院してから次の診察までは、毎日シャワーでサッと傷口を流し処方された塗り薬を塗ってガーゼ交換をして清潔を保ちました。
術後数日は痛々しかった傷口も、2週間ほど経過するときれいな状態になりました。今でもよく見ると、傷はうっすらとわかりますが、臍ヘルニアの面影はもうありません。

小さなうちに手術をすると、怖い記憶が残らないと聞きましたが、娘はときどき思い出すようでお腹を見ながら「ここ、痛かったんだよ。私、頑張ったの。」と言う事があります。
本人は大きくなるにつれて、だんだんと忘れていくのかもしれませんが、親はあの日の娘の頑張りを忘れずに貴重な体験として記憶に残しておきたいと思います。

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