空間認知能力を遊びをとおして高めよう。

人が才能を開花させる、社会で生活していくには、空間認知能力が必要になってきます。空間認知能力という言葉を聞いたことはありますか?

今回のコラムでは空間認知能力とは何か、もし空間認知能力が低い場合、どのような不都合が応じるのか、空間認知能力を高める方法、空間認知能力が高いとどんな良いことがあるかお話したいと思います。

空間認知能力とは

空間認知能力→物・人との距離感を測る力や空間を把握する力のことを空間認知能力と言います。

物と人との距離感を測ることができるようになるとどうなるのでしょうか?

〈物との距離感〉
危険物との距離を把握して身を守ることができ、物にぶつからない、つまずかなくなります。

〈人との距離感〉
相手のパーソナルスペースに気づき適切な距離感を保つことができます。

〈空間を把握〉
図形や地形の把握が早くできます。

空間認知能力が低いと困ること

〈社会科で地図が読めない〉
小学校の社会科では地図帳を使う、住んでいる地域について調べて地図を使って発表する機会があります。空間認識能力が低い子どもは地図を使うことが苦手なことが多いので、地図を使う最初の段階でつまずいてしまう可能性があります。

〈図工で立体的な絵が描けない〉
一定の角度からだとものごとがどのように見えるかという視点が小さい子どもに欠けているためです。小学生になると図工で遠近法を習いますが、空間認識能力が低い子どもは上手に遠近法を使いこなせないことがあります。

〈理科で天体の授業に苦労する〉
人間から見ると夜空は平たんに見えますが、実際の天体は球体状にあるような動き方をします。また、月は太陽と地球との位置関係によって満ちたり欠けたりします。頭の中だけで天体を動かしてみる必要があるため、空間認識能力が低い子どもにはつらい作業になってしまうことがあります。

〈体育で球技が苦手になる〉
空間認識能力が低い子どもは、動くボールと自分との立体的な位置関係を考えなければいけない球技に苦手意識を持ちやすくなる可能性があります。

空間認知能力を伸ばす方法

〈ビジョントレーニング〉
ジーっと一点を見つめる、動くものを追うトレーニングです。

●運質
目と手を使って字を書くトレーニングです。

●指先
おはしでつかむトレーニングです。

●選択的注意
素早く必要な情報を見つけるトレーニングです。
多様な情報が渦巻くような環境条件下において、その個人にとって重要だと認識された情報のみを選択し、それに注意を向ける認知機能をしめします。

素早く必要な情報を見つけることが苦手だと、あらゆる場面で見落としや聞き漏らしが増えます。

●注視
カードやペンをジーと見つめるトレーニングです。集中力も必要なのではじめは5秒からはじめ、次に7秒と少しずつ伸ばしていきましょう。

●追視
動くカードやペンを目だけで追いかけるトレーニングです。ゆっくり上下左右または遠近など、さまざまな動きを追います。

〈キャッチボール〉

ボールを下に投げて、山なりになげキャッチするトレーニングです。

●軌道を読む
ボールを目で追い、軌道をよむトレーニングです。

●距離を測る
落下点を予測して、ボールと自分の距離を測ります。

●予測してつかむ
落下するタイミングを予測してボールをつかむトレーニングです。

〈かご入れ・的あて〉

ボールを的にあてます。

●ボールを握る
ボールを握る力加減を把握します。

●距離を測る
的までの距離を予測して、的と自分の距離を測ります。

●力をコントロールする
投げやすくする力加減を把握します。

●適切なタイミングで手を放す
どのタイミングでボールを投げたら的に当たりやすいか考えます。

〈鬼ごっこ〉

鬼ごっこは、常に自分と鬼の位置を把握しつつ、園庭や公園にある障がい物を利用して移動ルートを考えなければいけない遊びです。

●高鬼
高いところに登れば鬼を回避できる鬼ごっこです。

●色鬼
鬼が指定した色の物体を探しながら逃げる鬼ごっこです。

空間認知能力が高いと得すること

〈スポーツで活躍できる〉
フィールド上に散らばる多くのプレイヤーの動きを把握しつつも、ボールの速度や軌道を見極め、自分もそれに合わせて行動し、球技には、非常に高度な能力を要求されることが想像できます。

〈自動車を上手に運転できる〉
運転中は、自分で自動車を走らせつつ、周囲のほかの車や歩行者・自転車にけして接触しないよう、空間のなかで何がどのように動いているかを正確に把握する必要があります。空間認識能力が高いと、合流や駐車をスムーズに行えます。

〈職業選択の幅が広がる〉
「3次元CAD利用技術者試験」の1級・準1級では、2次元の図面を見て3Dモデルを作成する問題が出てきます。これを達成するには高い空間認識能力が必要です。合格者の進路は、自動車・機械の設計者やオペレーターだそうです。

以上空間認知能力が高いと上記の3つの良いことがあります。最近注目を浴びているのが空間認識能力です。子どもの才能を開花させる、社会で生きていくには、必要な要素ですね。机に向かって勉強するだけでは成長させられないこの力を、さまざまな遊びや体験を通じて伸ばしていきましょう。

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