親子の時間研究所

《連載コラム》アイスクリームを作ってみよう

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こんにちは!サイエンスコミュニケーターのくもMです。

奈良県を中心に身近な科学を通じて、学びを遊びに変えていくためサイエンスショーや実験教室を開催しています。

今回のテーマは『アイスクリーム』

 

皆様アイスクリーム好きですか?好きですよね!

実はそんなアイスクリームは簡単にお家で作れちゃうのです。

今回はアイスクリームをお家にもあるものを使って作りながら、そして食べながら科学を学んでいただこうと思います!食べることも立派な学びです。

それでは早速作っていきましょう。

準備するもの

準備するものは以下の通りです。

・氷:大量
・塩:大量
・牛乳:100 mL
・生クリーム:100 mL
・バニラエッセンス:2, 3滴
・砂糖:15 g
・チャック付きの袋大、小

※1人で食べるには多い量です。ご注意ください。

作り方

1.まずは小さい方のチャック袋に牛乳と生クリームを1:1で入れましょう。今回は100 mLずつとしています。

2.バニラエッセンスを2, 3滴、砂糖を15 g加えてしっかりとシェイクしましょう。砂糖をしっかり溶かしてね。

3.しっかりと砂糖が溶けたら、大きなチャック袋に氷をたくさん入れましょう。

4.氷を入れたところに塩をたくさん入れます。※大さじ4杯ほどで十分です。

5.氷と塩を入れた大きなチャック袋にアイスクリームの材料を入れた小さなチャック袋を入れます。※しっかりとチャックが閉まっていることを確認してください。

6.あとはシェイクするだけ!みるみるうちに硬くなっていきます。※とても温度が下がるのでタオルを巻いて振ることをお勧めします。

7.アイスクリームは完成です。

さらに詳しい作り方を知りたい方は一番下の動画をご覧ください。


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どうしてアイスクリームができたの?

冷凍庫にアイスクリームの材料を入れて置いておいてもそんなにすぐにアイスクリームはできません。また、カチカチでアイスクリームとは程遠い存在になってしまうのではないでしょうか?

しかし、今回の作り方ではあっというまにアイスクリームができましたよね。なぜでしょうか?解説していきましょう。

融解熱

大きなチャック袋にはたくさんの氷と塩を入れましたね。そうするとみるみる温度が下がっていったはずです。

皆様も感じることができたと思います。

一体どうして氷に塩をかけると温度が下がっていくのでしょうか?

通常、0℃になると水は氷になりますよね。このように氷になることを凝固、逆に氷が水になることを融解と言います。

今回、大事になってくるのは「融解熱」。融解熱とは固体が溶けて液体になる時に必要な熱量のこと、つまり氷が水になる時に周りから奪う熱のことです。

これは氷や水を水分子の粒として考えることでイメージがつきやすくなると思います。

氷(固体)の状態では水分子はあまり動いていないので、お互いに強く引き合っています。しかし、水(液体)の状態では水分子はお互いに引き合える程度に揺れ動いている状態です。

みんさんもそうだと思うのですが、揺れ動くにはエネルギーが必要ですよね。まさにこれと同じで、氷の状態の水分子が周りからエネルギー、つまり熱を受け取ることで水になることができるのです。

つまり、温度が下がるのは塩をかけることで氷がどんどん溶け、周りから熱を奪っていくからということですね。

凝固点降下

氷に塩をかけていくと氷の一部分が溶けていって温度が下がっていくことはわかりました。

しかし、思い出してください。水は0℃になると氷になってしまうんですよね?

氷に塩をかけると-10℃は軽く超えていきます。何が起こっているのでしょう。

これは塩が水に溶けることで『凝固点降下』が起きているのです。

簡単に説明すると、水に塩が溶けることで氷になりにくくなっているということ。つまり、凝固点が降下している、0℃で凍るはずなのに-20℃でも氷にならないようになってしまったということです。

塩が水分子が集まってこようとするのを邪魔しちゃうんですね。

その結果、0℃でも凍らなくなる+氷が溶けて温度が下がる ことでどんどん温度が下がっていきました。

実はこの凝固点降下は身近なところにも利用されています。

冬、道路に白い粉が撒かれているのを見たことがありませんか?

この白い粉の正体は塩化カルシウムと言いまして、塩と同じ働きをしてくれるので道路が凍らなくなるのです。

次の冬には意識して観察してみてください。

凝固点降下の動画⇩

冷やされ方の違い

氷に塩をかけるとどんどん温度が下がっていく理由は分かっていただけたかと思います。

しかし、アイスクリーム作りには更なる科学が隠れています。

冷凍庫の設定温度は約-18℃ですが冷凍庫に入れてもこんなにすぐにアイスクリームができないし、なんならカチカチになってしまいますよね。なぜでしょう?

それは冷凍庫と今回の冷やし方の違いに答えがあります。

冷凍庫は冷たい空気が物を冷やしますが、今回はどうでしょうか?水や氷が直接冷やしていますよね。

空気の方が分子が少ないので、冷やすのには時間がかかってしまうのです。冷えるのに時間がかかるということはゆっくりと氷になるということです。

すると、1つ1つの氷の結晶が大きなものとなり、カチカチになってしまいます。

一方、アイスクリームは急激に冷やされて作られるので氷の結晶が細かくなり、柔らかくなるのです。

また、この冷やされ方をイメージするにはサウナで考えるとわかりやすいと思います。

90℃のお湯に手を突っ込んだら火傷してしまいますよね?しかし、90℃のサウナに入っても火傷しません。

これも同じで、空気の方が分子が少ないので火傷しないのです。

アイスクリームを作るだけですがたくさんの科学が詰まっていますよね。

視点を変えてみると色んな所に繋がっているということがわかると思います。

ぜひ、美味しいアイスを食べながら身近に溢れる科学を学んでみてください。

 

 

 

サイエンスコミュニケータのくもMの『身近な化学 遊びを学びに!』
(その1)声の模様を見てみよう!
(その2)ロウソクとCDで美しい実験
(その3)マヨネーズを自作しよう!
(その4)アイスクリームを作ってみよう
(その5)ふわふわ宙に浮いてる!?静電気でクラゲを操ろう!

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