子どもの未来のために、絵本で心の筋トレ!
「早いうちに〇〇をやると上手になります」と、よく耳にします。
有名なピアニスト、オリンピック選手、英語が上手な女優などがテレビに出ると、「なんでそんなに上手になりましたか?」と必ず聞かれます。
するとほとんどの答えは、「小さい頃からやりました」と言われます。
この様なやり取りを聞くと、人の『想像力が走り出します』ね!
子どもの未来のために
私は、計算が早く出来る人を見ると「子どもの頃からそろばんを習っておけばよかったなぁ」といつも思います。けれど、大人になると、だいたいの人は「自分はもう遅いからね」と言ってあきらめます。
けれど子どもが生まれると、また『想像力が走り出します』。
「いま子どもは1歳で、これから習い事を始めたら世界レベルの〇〇になれるかも!」そう考える人はいるでしょう。
大人は子どもの可能性にかけて夢中になって、習い事を探したり、教材を買ったりもしますね。
「私は〇〇がとても苦手なので、子どもに〇〇を勉強させたい」とは思いません。
なぜなら、「子どもが私と同じツライ気持ちになってほしくない」などと考えるからです。
子どもの英語教師をしていた時に同じ様な理由をよく聞きました。
子どものこと、子どもの将来について考えながら何かをするのはとてもいいことですが、「いい人になれる様に小さい頃から〇〇をやらせたい」という様なポジティブな言葉は一度も聞いたことがありません。
この流れが正しいのであれば、出来るだけ早い時期から何かをするべきですね。
早いうちから子どもに何かを与えた方がきっといいのではないでしょうか。
するべき何かを探そう
その『何か』は、自分の中では絵本です。
出来るだけ早いうちから(生まれて間もない時から、もしくはお腹にいる時からでも)たくさんの絵本を読むべきです!
これから何かを始めようとするとき、習いごと感覚で絵本から色んなスキルが学ぶことが出来ます。
ここでは私が勧める学びの絵本を紹介します。
わかやまけん氏の『白くまちゃんのホットケーキ』
Leslie Patricelli氏の『Potty』
なかのひろたか氏の『およぐ』
佐藤忠良氏の『おおきなかぶ』
これらの作品を子どもと一緒に読むと、食べ物の作り方、物の使い方、新しいやり方、新しい言葉などを絵本から学ぶことが出来ます。
作り方、言葉、やり方は、学ぶほど身になっていきます。
スポーツが上手な人でも、生まれた時から上手ではありません。生まれつき才能を持っている人もいますが、多くの人は毎日毎日練習して上手になって行きます。
心も同じだと思います。
心や思いやりなどの様に目に見えないところでも他のスキルと同じ様に学び、トレーニングすると心がゆたかになります。
優しい、思いやりが持っている人は色んなこと、人、動物などに触れた結果だと思います。子育て中の人には外に出たり、他の人や動物に会うチャンスは少ないと思います。けれど、子どもと一緒に絵本を読むと色んな出会いがあります。
これは心の筋トレになります。子どもも大人も同じです。
その心の筋トレにオススメの絵本を紹介
動物は怖い、苦手な子どもはたくさんいます。ケイト・ベアビー氏の『ハンナとシュガー』に出てくる女の子のハンナも犬が苦手です。
そんなハンナにある「きっかけ」が起こります。自分とは違う立場にいる人や動物を「思いやる」というのはこういう事なのだろうと学べる絵本です。
エリック・カールさんの名前を聞くと『はらぺこあおむし』のイメージが強いかもしれませんが、『どこへいくの?ともだちにあいに!Where are you going? To see my friend!』は、「14ひきシリーズ」のいわむらかずおさんとの素敵なコラボ絵本です。
この絵本は、右から読むといわむらかずおさんの絵と日本語の物語で、左から読むとエリック・カールさんの絵と英語の物語です。絵本の真ん中のところでそれぞれの主人公たちが出会い、友達になります。その時に言葉も世界感も関係なく、いわむらさんの絵とカールさんの絵が一緒になって同じページにいます。
最近、海外から家族と一緒に日本に来て暮らしている人が増えています。その子どもたちは保育園、幼稚園、義務教育の場に入ります。
外国人や海外から来たというフレームを外れて、人と人とのつながりや友達の大切さが伝わる絵本だと思います。
さいとうあかり氏の『おちたらワニにたべられる!』この絵本を読んだとき、自分の子どもの頃を思い出しました。「あぁ、やったやった、こんなこと!」ベッドルームで二つ並んでいるベッドからベッドへ跳んでみたり。跳んだ時に誤って二つのベッドの間に落ちると床に吸い込まれたり、ブラックホールを想像したりして怖くなる…それはまるで空想のサバイバル。
主人公の女の子をその恐怖から救ってくれたのは…。
子どもは一人で頑張らないといけない時もありますが、子どもが不安に感じるとき「大人は見守ってくれているんだ」とか「困ったら大人に聞いていいんだ」と思える安心感を持てるかが大切です。ですから大人は「ちゃんと見てるよ。困ったときには手伝うよ」とか「ちゃんと聞いてるよ。なんでも訊いて」というように役割をしっかり認識しないといけません。
梅田俊作・桂子氏の『おかあさんもようちえん』の主人公はお母さんです。お母さんは、自分の小さい頃の記憶、得意なことを思い出しながら幼稚園に見学しに行きます。
この絵本を子どもと一緒に読むと、聞いている子どもは「大人も自分と同じ人なんだ」と気づくと思います。「ママとパパにも子どもの頃があったよ」と伝えるのは大事です。そうすることで、子どもが悩んだ時にこの絵本の事を思い出し、「ママとパパも昔、同じ悩み事をしたかもしれない。相談してみようかな」と思ってくれたら子どものつらいことは減るかもしれないし、家の中のコミュニケーションはきっと増えるでしょう。
絵本を読むことに年齢制限はありません。
「絵本を読むのは何歳まで?」とよく聞かれます。
自分の考えでは、絵本を読むことに年齢制限はありません。
子どもが大きくなると、大人は「もう一人で読めるでしょう?」と思うかもしれませんが、いくつになっても子どもが絵本を持って来て「読んで」と言われたら、読んであげてください。一緒に読んで欲しい気持ちがあるのなら何歳になってもつづけてください。心の筋トレも絵本と同じように年齢制限はありません。ただ、子どもの成長にあわせて、心の筋トレの方法を変えていくようにしましょう
子どもが大きくなっていくといろんなことに出会います。良い事だけではなく悪い事、大変な事もあります。その時にとても力になるのは、大人の支えと思いやりだと思います。イジメや差別の問題は、日常生活の中では意外とよく出てきます。
大人がいない時にも問題は起こります。問題が起こったら、大人がいなくても子どもは「思いやりの道」を選んで欲しいですね。
迷っている時、困っている時、自分の気持ちを理解してもらえないのはとてもつらい事です。大人は全員経験したことあるでしょう。
けれど、多くの子どもはその事をまだ知りません。子どもから見ると大人は違う人なのだと思います。
なので「今は大人だけど、わたしも子どもの時そうだったよ」とか、「困ったら大人は力になるよ」と、この二つのことを子どもに伝えるべきです。それをそのまま伝えても聞いてくれないかも知れません。
その時は絵本の力を借りましょう。そうすればきっと分かってくれるはずです。
このように心の筋トレをつづけると感情豊かな立派な心が育つと思います。