列車のあかずのドア~ワンマン列車のマスター法~

「この列車はワンマン運転です。後ろのドアは開きません。お降りの際は先頭車両の前側のドア横のボタンでドアを開けてお降りください。運賃は運賃箱にお入れください。」列車に乗っていてこのようなアナウンスを聞いて戸惑ったことはありますか?列車のドアは自動的に開くものだと思っていませんか?

長期休暇になると子どもと一緒に行楽地などの遠方にお出かけすることが多くなりますよね。行楽地に向かう途中にワンマン列車に乗る可能性はゼロではありません。私は昔ワンマン列車に戸惑う家族を何組か見かけたことがあります。ワンマン列車の乗り降りに戸惑ったことで子どもの機嫌が悪くなりせっかくの旅行が台無しになる事態は避けたいものです。ワンマン列車を利用する場合少しでもスムーズに子どもと旅行ができるように、ワンマン列車の基本的な乗り方と降り方についてお話ししたいと思います。

ワンマン列車とは

ワンマン列車とは車掌が乗務しないで、運転士1人が旅客列車を運行する方法です。車掌の業務である運賃受け取りや発車時の安全確認など運転士が兼務します。
主に列車では乗客が少ない線区で、人件費削減のために実施されています。このため複数による分業よりも運転手にかかる負担が大きいです。ワンマン列車のメリット、デメリットは次の通りです。

メリット
1.コスト削減につながります
利用客の少ない線区では、ホームの乗客が少ないほか、列車の編成両数が少ないため、ドア開閉時の安全確認が、運転士1人でも行いやすいです。もし車掌を乗務させてしまうと、コストが高くついてしまいます。廃線にさせないため、乗客の便利を確保するためにも、ワンマン列車は必要だと思います。

デメリット
1.運転士の負担が大きくなります
乗客が少ないからといって、基本ドア開閉などの操作は行わなければならないことや、車内アナウンスも録音されたものを放送するだけであっても、ボタン操作などが必要になってきます。
2.緊急時に他の乗務員が乗っていないこと
運転士は定期的な健康診断を受けています。しかし、突然体調が悪くなることが絶対にないとは言えません。車掌がいれば、もし運転士が倒れてしまった時でも、車掌が列車を緊急停止させるなどの措置をとることができますが、ワンマン運転だと、自動制御装置などの力を借りないと、列車は緊急停止ができません。

ワンマン列車の乗り方

1.乗車券
駅に自動券売機(もしくは切符売り場)があれば切符を買います。
乗車証明書の発行機がある場合は、ボタンをおして乗車証明書をとります。
自動券売機や切符売り場がない場合や乗車証明書の発行機がない場合は、ホームに行きます。

2.列車に乗る
基本、先頭車両の2つのドアしか開きません。乗るときは「入口」の表示のある、先頭車両の後ろのドアから乗ります。
他のドアから乗ることはできません。切符や乗車証明書がない、お持ちの切符以外の区間から乗車される場合は、乗車証明書をとります。基本はバスと同じ乗り方です。
乗車証明書がない場合は必ず乗車証明書を取りましょう。乗車証明書がないと始発駅から運賃を払うこともあります。

1.乗車券
駅の自動券売機・みどりの窓口で切符を購入します。

2.列車に乗る
ホーム側のすべてのドアが開きます。乗りたい場所から自由に乗ることができます。

ワンマン列車の降り方

1.アナウンス
降りる駅のアナウンスは駅名、降り口、切符や運賃はどこで支払うかを告げるアナウンスがながれます。たいがい乗車券の場合は「乗車券・運賃は運賃箱にお入れください」というアナウンスです。

2.列車から降りる
基本、先頭車両の2つのドアしか開きません。降りるときは先頭車両の前のドアから降りてください。他のドアから降りることはできません。

3.運賃支払い
切符を持っている場合は、運賃箱に切符を入れます。乗車証明書の場合は、まず先頭車両最前部の運賃表と乗車証明書番号で金額をお確かめて、乗車証明書に加えてお金をいれます。定期券は運転士に見せます。

1.アナウンス
駅名、降り口、切符や運賃はどこで支払うかをアナウンスがながれます。たいがい乗車券の場合は「乗車券・運賃は駅の係員にわたしてください」というアナウンスがながれます。

2.列車から降りる
ホーム側のすべてのドアが開きます。降りたい場所から自由に降りることができます。

3.運賃支払い
駅の改札で、駅員に切符をわたします。整理券や乗車証明書の場合はお金もわたします。定期券は駅員に見せます。

ワンマン列車の乗り方、降り方を分かりやすく紹介したYou Tubeがありました。

半自動ドア・手動ドアを取り扱う列車

冬場は社内温度を快適に保つため、ドアの開閉はドア横のボタンや手で開閉を行う場合があります。主要駅では列車は何分か停車することがあります。この方法はワンマン列車以外にも取り入れられている方法です。

ドアのランプが点灯時に、ドアの横のボタンを押すとドアが開きます。ドアのランプが消灯時は開きません。動き出す列車やまわりのお客様にドアを閉める際はご注意してください。車内温度を保つために、乗車したら、乗車客を確認してドア横のボタンを押して閉めましょう。

<降りる時>
ドアのランプが点灯時に、ボタンを押すとドアが開きます。ドアのランプが消灯時は開きません。乗車客がいなければドア横のボタンを押して閉めましょう。

最近では少なくなりましたが、手動でドアを開ける場合があります。「シュー」という音の合図でドアの開閉を手でしていた時もありました。

ワンマン列車のポイント

1.乗る駅の場所が有人駅か無人駅か確認します
切符の買い方や列車の乗り方が変わってきます。無人駅の場合は列車の乗る場所を確認しましょう。乗る場所が分かっていなくて駅に置いてきぼりにされた家族連れを見たことがあります。

2.自動ドアなのか半自動や手動ドアなのか確認をします
自動にドアが開くなら開いたドアが乗車、降車の手がかりですが、半自動や手動ドアではそうはいきません。
すべてのドアが開くというアナウンスで降りたいドアの前に立っていたと思われるのですが、ドアが自動で開かないで困った家族を見かけたことがありました。結局、その家族は私がボタンで開けたドアからホームに出ていました。

3.降りる駅の場所が有人駅か無人駅か確認します
列車の降り方や運賃の支払い方が変わります。無人駅で降りる場合は降りる場所を確認しておきましょう。降りる場所が分からないで主要駅(有人駅)まで行ってしまい、駅員に降りたい場所でドアが開かなくて降りれなかったと文句を言っていたお客を見たことがあります。

子どもは列車に乗ることが大好きですので、列車でお出かけしたいと言ってきます。長期の休みを利用して子どもとお出かけしたときにワンマン列車や半自動ドア・手動ドアの扱う列車に出くわすことがあるかもしれません。3つのポイントをしっかりおさえておけば、ワンマン列車に乗り降りすることがスムーズにできるようになり子どもとの快適な旅行になるでしょう。

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