幼稚園選びのポイント〈親の負担編〉

来年子どもを幼稚園に入園させたいけれどどんな基準で選んだらいいの?

そんな母親の悩みを少しでも解決できるように、今回は幼稚園選びのポイントの一つ「親がするべきこと」についてお話しさせていただきたいと思います。

幼稚園を選ぶためにまず、確認しておきたいのは親の出番「親がするべきこと」です。親の出番で確認しておきたいのは、通園の方法、昼食、行事や役員の以下の3点があります。

通園の方法: 園バスか、親が送迎(徒歩・自転車・車)か

行きたい幼稚園は家の近くにありますか?それとも遠いですか?

もし、遠い場合で親が送迎する場合負担が大きくなります。また、家が近くても園バスがあるのと親が送迎するのでは負担が大きく変わってきます。

園バス、親が送迎のメリットとデメリットは下記の通りです。

〈園バスのメリットとデメリット〉

●メリット
1.違う年齢の子どもと交流できます。
幼稚園バスには同じ学年の子どもだけが乗るわけではないので、学年が違う子どもとも交流ができる点がメリットです。年上のお兄ちゃん、お姉ちゃんにお世話をしてもらう、自分より小さい園児が一緒だとお世話をしてあげるようになるかもしれません。

2.バスに乗るときのルールを学べます。
バスを利用した時にわかる乗車時や乗車中(立ち歩かずに静かに座っているなど)のルールも自然と身に付けることができます。

3.親の負担が少なくなります。
園バスはルート上であれば家の近くまで来てくれます。親はわざわざ幼稚園まで行かなくてよいので送迎の負担が少なくなります。

4.保護者づきあいの負担が少なくなります。
バスを乗る場所によっては、一緒に同じ場所からのる園児がいない場合があります。ママづきあいの負担を感じる人はうれしいのではないのでしょうか。

●デメリット
1.先生とのコミュニケーションがとりづらいです。
幼稚園バスを利用すると、バスの出発・到着時間が決まっているので先生とコミュニケーションをとるのが難しいですよね。バスを利用していると参観日などで幼稚園に行かないと、先生とも会話する機会があまりありません。

2.親子での時間が少なくなります。
バスを利用すると徒歩通園にくらべてバスが来たらバイバイをする時間なので、親子での時間が少なくなるケースもあります。

3.バス停づきあいを苦手に感じる人もいます。
同じバス停から何人も一緒に乗る場合もあります。毎日の送り迎えで、バス停づきあいを負担に感じる人もいます。

4.長時間のバスでの移動は子どもの負担になります。
乗り物酔いしてしまう子どもや、長時間椅子に座ったままの長時間のバスでの移動は子どもの負担です。

5.バス代がかかります。
徒歩通園の人にはかからない基本的な保育料などの他にも「バス代」が月々掛かってしまいます。

〈親が送迎のメリットとデメリット〉

●メリット
1.親子の時間が増えます。
家から幼稚園まで、幼稚園から家まで一緒なので親子の時間がバスで通園と比べると増えます。

2.担任に子どもの様子を聞くことができます。
毎日ではありませんが、徒歩通園だと子どもを送って行った時やお迎えに行ったときに担任の先生などから、幼稚園での子どもの様子を聞く、親が子どものことを先生に話しやすいです。

3.ママ友を作りやすいです。
バスで通園でも同じバス停を使用しているとママ友を作れますが、徒歩通園はバス停よりも多くのママと一緒になりやすくママ友は作りやすい環境です。知り合いのママを多く作っておくと、幼稚園行事などの役員の仕事も楽しみながら行えます。

●デメリット
1.歩くことが負担になることもあります。
大人にとって近い距離でも、子どもからすると長い距離の場合もあるので子どもが歩ける距離なのかの確認が大切です。子どもは元気でも、連れて行く人の体調などが悪い場合は歩くことが負担になる場合もあります。

2.保護者との交流が多く、負担に感じる人もいます。
徒歩通園は他の保護者との交流が多く、例えば幼稚園に子どもを送って行き、時間がある場合などは一緒にお茶に行ったりする場合もあります。保護者との交流が多くなるのは良いこともありますが、トラブルが起きやすくなってしまう場合もあるので負担に感じる人もいるようです。

3.雨の日の送り迎えが大変です。
雨や雪の日、歩く道のコンディションが悪かったりしてカッパや長靴を履いて通園するので晴れている日に比べると大変です。

昼食:給食か、お弁当か

給食があるかないかで親の負担が大きく異なります。栄養が豊富な給食、アレルギーを対応しやすいお弁当、みなさんはどっち派ですか?

〈給食のメリットとデメリット〉

●メリット
1.親が楽
お弁当を作る手間・時間がかからず楽だということです。共働きの家庭はもちろん、忙しい父、母が多い中、朝にお弁当を作らなくてもいいという魅力です。献立を考える必要もなく、買い物の時間・手間も減ります。

2.プロが栄養管理してくれます。
給食はたいてい地域が運営する給食センターで毎日作られています。その際、献立を考えるのはプロの管理栄養士さんで、きちんと食事のバランスを考えて毎日の献立を考えてくれます。地産地消が進む中、地元の食材を多く使う、季節ごとの特別献立があるなど、バラエティーに富んでいます。

3.子どもたちの好き嫌いが克服できます。
お弁当になってしまうと、親はついつい食べてくれるものという観点で食材をえらんでしまいます。その点給食は親が普段は使わないもの、あるいは嫌いなものもきちんと使われています。「家では食べないけど、実は給食ではちゃんと食べていることもよくあります。私もそういうタイプです。友達がみんなで食べていれば、自然と自分も食べないといけないと思うようになります。

4. 温かいもの、冷たいものがそのまま食べれます。
温かいもの、冷たいものがそのまま食べられる給食の場合、温かいものは暖かいまま、冷たいものは冷たいまま準備されます。お弁当ではなかなかそうはいきません。

●デメリット
1.食中毒などの感染症が発生したとき一気に広まります。
みなさん同じものを食べているため1つの材料に食中毒をおこす細菌やウイルスが含まれていますと一気に広まります。

2.学校設置者が選んだ給食の調理形式・納入方法の差が激しいです。
自校調理方式や委託業者納入方式、お弁当納入方式などによっては、ものすごくまずかったり貧相だったりします。

3.アレルギー対応が難しいです。
アレルギーのあるお子さんをお持ちの場合は、きちんと先生と連携をとって慎重に進める必要があります。同様に献立が選べないということは言えます。アレルギーを持つ子どもの親御さんは子どもたちがどのような給食を食べることになるのか、事前に確認しておかなければいけません。

〈お弁当〉

●メリット
1.親が自分で栄養管理・食材管理ができます。
お料理が好き、子どもの栄養管理は自分でしたい、アレルギーを持っているお子さんがいる親御さんなどの場合は、この点は非常に大きなメリットです。また、子どもが好きなものを入れることもできます。

2.愛情が伝わります。
給食と違って毎日親御さんが作ってくれたお弁当は、子どもにとっても特別なものです。母が私のためだけにがんばって作ってくれたそれだけで、子どもに愛情が伝わります。

3.お昼ごはんをゆっくり食べられます。
給食の場合は配膳に時間がかかりますが、お弁当の場合は各自が座って準備するだけです。なので、配膳の時間が少ない分、ゆっくりとお昼ごはんを楽しむことができます。その分お友達と話したり、おかずを交かんしたり、とコミュニケーションの時間が増えます。

●デメリット

1.夏場は腐敗などに注意しなければなりません。
夏場などは食材が痛まないよう細心の注意が必要です。暑さでお弁当が腐ってしまうこともあるそうです。

2.親が大変です。
バラエティに富んだ、栄養学的に優れた弁当を作れる親ばかりではなく、とにかく毎日親の時間・手間がかります。また、親が忙しいなどの理由できちんとしたお弁当を作ることができないで、弁当の中身がいじめに発展した例が多々あります。

3.偏食や三角食を食べるなどについての指導がしづらいです。
子どもが好きな食べ物しかお弁当に入れない親御さんがいるので、偏食や三角食の指導ができにくくなります。

4.汁物を食べることができません。
カレーやシチュウなど子どもが好きと思われる食べものを弁当では食べることができません。

どちらも一長一短で家族の生活スタイルに合わせて見極める必要があります。

行事と保護者の役割

幼稚園には、親が行事に参加しなければいけない幼稚園と、ほとんど行事は子どもだけで済ませる幼稚園があります。

〈親の出番が多い幼稚園のメリットとデメリット〉

●メリット
1.幼稚園での子どもの様子を見られます。
幼稚園の子どもがどのように過ごしているか見ることができます。

2.園の様子がよくわかります。
実際幼稚園でどのように子どもを教育しているのか、目で見ることができます。

●デメリット
1.保護者づきあいが負担になる場合行事の度にゆううつです。
子どもが幼稚園に行っている間ゆっくりしたいと考えている親は幼稚園の行事があるごとに負担に感じるかもしれません。

2.行事が多い分仕事などがやりにくくなります。
仕事をしているならば平日の集まりや行事であれば、仕事を何時間か休まなくてはなりません。園の行事と仕事を掛け持ちするのは大変なのでかなりの負担です。

〈親の出番が少ない幼稚園のメリットとデメリット〉

●メリット
1.自由時間が多くなります。
行事が少ない分、自由時間が増え、時間を自由に使いたい人はうれしいことかもしれません。

2.友達がいない母は行事でのゆううつさがなくなります。
井戸端会議などまわりの声が気になり1人がゆううつと感じる人は行事が少ないことがうれしいかもしれません。

●デメリット
1.園での子どもの様子がわかりにくいです。
幼稚園で子どもがどのように過ごしているかわかりにくい場合があります。

2.先生とのやり取りがありません。
行事などで幼稚園に行くときは先生とのかかわり方を見ることができますが、行事が少ない場合はなかなか幼稚園に行くことがないので先生とのやりとりを見ることができません。

また、幼稚園にはPTAがある幼稚園とない幼稚園があります。PTAは以前書かせていただきましたコラム『幼稚園PTA役員はどんな仕事があるの?』を参考にしてください。

役員がある幼稚園の場合役員にはどんな役職があるのでしょうか。

幼稚園PTA役員はどんな仕事があるの?

以上は親の出番編です。実際説明会やパンフレットを見ただけではわからない部分が多く、最もわかりやすいのは、子どもを入れたいと思っている園に子どもを通わせている保護者のお話が最も分かりやすいのではないでしょうか。特に親の負担は幼稚園の先生に聞くよりは先輩の保護者に聞く方がわかりやすいように思えます。
何となく選ぶと後になって「思っていたのと違った・・・」ということになる可能性が高いので幼稚園を選ぶときは慎重に選ぶようにしましょう。

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