自分にあった出産方法を選択しよう
新しい命が生まれてくるほどうれしいものはありません。出産方法は多種多様にあります。さて、どんな出産方法があるのでしょうか。
出産はいろいろ
分娩の種類は大きく分けて、経腟分娩と帝王切開があります。
経腟分娩は水中分娩やフリースタイル分娩の自然分娩と、無痛分娩などの医療処置をおこなう分娩があります。
帝王切開には予定帝王切開と緊急帝王切開の2種類があります。
今回は経腟分娩について詳しくお話ししたいと思います。
自然分娩
自然分娩は、もっとも一般的な出産方法です。赤ちゃんがママの産道を通って腟から出てくるという、自然の流れで出産します。おもに分娩台に仰向けの姿勢でおこなわれ、水中やほかの姿勢で出産する方法もあります。
〈自然分娩の種類〉
○水中分娩
水中分娩は、出産専用の浴槽設備が整った病院や産院でおこなえます。浴槽または浅いプールに用意された、37度前後のぬるま湯の中で出産します。温かいお湯につかりながら出産することで、心と身たいをリラックスさせ、陣痛の痛みを和らげる目的があります。
赤ちゃんはママのおなかでは羊水の中にいます。羊水の中から乾燥した外の世界に出ることよりも、水中に出るほうが、赤ちゃんのストレスも少ないといわれています。また、産道を通るときの摩擦が少なくなることから、ママと赤ちゃんにかかる負担が軽減されます。
○座位分娩
座位分娩は、分娩椅子に座っておこないます。仰向けでの分娩よりも、座位分娩はおなかに力が入りやすい場合が多いようです。座ることでいきみやすくなり、妊婦さんの骨盤に沿って、赤ちゃんが自然に下がってくるとされています。
○フリース分娩(アクティビバース)
フリースタイル分娩は出産する場所や姿勢を、ママが自由に決められる分娩方法です。入院室内の畳の上やベッドなど出産場所を選びます。立ったままの姿勢や四つんば、ひざで立ってなど、ママが一番楽でいきみやすいと感じる体勢で出産を迎えます。パパに身たいを支えてもらうママもいます。フリースタイル分娩はおもに助産院で取り入れられていて、病院では対応していないことが多いようです。
私が出産した病院は、フリースタイル分娩はおこなっていませんでした。
○ラマーズ法
ラマーズ法は日本では、多くの産院で取り入れられているよく知られた方法です。「ヒッ・ヒッ・フー」というラマーズ法の呼吸法で緊張した筋肉をほぐし、リラックスできるとされています。出産が始まると産道が開く痛みによって、ママの身たいはこわばります。ラマーズ法では「出産の基本はリラックス」だと考えられており、息をはく動作を意識することで、筋肉の緊張をゆるめ、リラックスさせます。
私が出産した病院は、ラマーズ法を取り入れられていました。
○ソフロロジー
ソフロロジーは、ヨガやめい想法を取り入れた出産方法です。陣痛を痛みではなく、赤ちゃんを産み出すちからとして受け入れるイメージトレーニングをおこないます。ヨガや禅の考え方を取り入れ、全身の筋肉をリラックスさせる訓練をします。スムーズな出産をおこなうために、出産への不安を軽くしてお産に臨みます。
マタニティーヨガやマタニティービックスを取り入れている病院もあります。
私も実際マタニティーヨガをやって出産に備えました。詳細は以前、書かせていただいたコラム『マタニティーヨガで快適なお産に導け』を参考にしてください。
○リーブ法
リーブ法は中国医学の気功を取り入れた分娩方法です。
赤ちゃんがママのおなかの中で徐々に下がっていくイメージをすることと体中に気を巡らせることで、出産をスムーズにするのがリーブ法の考え方です。リーブ法(RIEB)とは、リラックス(Relaxation)、イメージ(Imagination)、エクササイズ(Exercise)、呼吸する(Breathing)の頭文字に由来します。
〈自然分娩のメリット・デメリット〉
○メリット
1.腹部を切開しない
医療行いを行わないので、出産時に家族が立ち会う「立ち合い出産」ができやすいこと、出産費用が安くすむことです。
2.産後の回復が早い
帝王切開に比べると、自然分娩は産後の体力が回復しやすく、時間がかからない傾向にあります。
3.産後の入院期間も帝王切開より短くなるようです。
産後のエクササイズや骨盤矯正を開始できる時期も、自然分娩のほうが早くなります。個人差がありますが自然分娩の場合、産後エクササイズはすぐ、骨盤矯正は産後1カ月から始めることが多いようです。
4.立ち合い出産できる場合が多い
自然分娩は、パパや家族の立ち合い出産ができるケースが多いようです。病院や助産院によってことなりますので、事前に確認しておくとよいでしょう。水中分娩やフリースタイル分娩では、立ち合うだけではなく、パパが出産を手伝うこともあります。
○デメリット
1.陣痛の強い痛みがある
麻酔を使わない自然分娩では、陣痛の強い痛みに耐えて出産します。痛さの度合いは妊婦さんによってさまざまです。陣痛だけでなく、会陰切開の痛みを感じる方もいるようです。
2.自然分娩は出産日やかかる時間がわからない
自然分娩での出産は、陣痛を人工的に起こしません。そのため、陣痛が起こるタイミングを自然に任せるので、あらかじめはっきりとした出産日がわかりません。出産予定日の近くは、いつ陣痛がきてもいいように準備をしておきましょう。出産時間の目安は初産婦で12~20時間、経産婦は6時間前後かかることが多いようです。
医療処置が必要な分娩の種類
経腟分娩には、陣痛促進剤や局所麻酔、バルーンなどの医療処置が必要な分娩方法があります。
〈医療処置が必要な分娩の種類〉
○無痛分娩
無痛分娩は、分娩の痛みを軽くするために局所麻酔を使う分娩方法です。全くの無痛ではなく「痛みをコントロール」する方法です。麻酔をしない自然分娩よりも、痛みが少なくなることが多いようです。局所麻酔なので、分娩中に意識があります。
○計画分娩
計画分娩はあらかじめ分娩日を決め、陣痛促進剤を利用し、人工的に陣痛を起こして出産する方法です。ママや赤ちゃんの様子から、早めに出産したほうがよいと医療機関が判断すると、計画分娩が予定されます。赤ちゃんの発育に問題がある場合や、ママが妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病などの合併症にかかっていると計画分娩になることが多いです。
○吸引分娩
吸引・鉗子分娩は難産を回避する手段です。プラスチックや金属製の吸引カップを赤ちゃんの頭につけます。吸引カップに接続された吸引器のちからで、赤ちゃんを吸い出します。
赤ちゃんが子宮頚部まで下りてきたものの、なんらかの事情で急いで取り出すべきだと医師が判断した場合や、ママの体力が限界に近づいたときに用いられます。
○鉗子分娩
鉗子分娩とは、2枚のヘラのようなもので赤ちゃんの頭をはさんで引き出す方法です。鉗子は操作や扱いが難しいため、日本では吸引器を使って引き出す方法が主流とされています。
〈医療処置が必要な分娩のメリット・デメリット〉
○メリット
1.ママの身体的、精神的ストレスが軽くなります。
麻酔など使う分娩なので、陣痛の強い痛みをやわらげることができます。
2.赤ちゃんへのストレスを軽くし、子宮胎盤の血流量を維持できます。
医療行為で赤ちゃんへのストレスを軽くし、子宮胎盤の血流量をよい状態に保つことができます。
3.産後の回復が早いです。
膣分娩なので、帝王切開にくらべて産後の回復が早いです。
4.緊急帝王切開になった場合、そのままカテーテルが使用でき、麻酔にかかる時間が短縮できます。
5.出産日やかかる時間を予想しやすい
予定日を決めてから出産を行うことがあるので忙しい人にとって計画が立てやすいのは出産前後のスケジュールを立てやすいという点でメリットになるのではないでしょうか。
○デメリット
1.少ない確率で合併症や薬の副作用などが起こる可能性がゼロではありません
まれにですが、麻酔による副作用が出る場合があります。
2.分娩何時間か下半身が麻痺した状態になる
麻酔を使った場合何時間か下半身が麻痺した状態が残ります。
3.医療が増える分お金がかかります
医療行為を行う分、出産費用が自然分娩にくらべて高くなります。費用は自然分娩より3万~20万円程度、高くなるようです。
今回は膣分娩の種類について詳しく説明しました。
膣分娩だけでもこんなに種類があることをみなさんは知っていましたか。私は2回出産をしましたが知らない分娩方がいくらかありました。
赤ちゃんが元気に生まれてくることほどうれしいことはありません。母子ともに元気で満足が行く方法で分娩方法を医師と話し合いながら決めてください。