泣いた赤おに~人への思いやりについて考える絵本~
【泣いた赤おに】
浜田康介/作
梶山俊夫/絵
偕成社/出版
鬼は怖い?
節分が過ぎましたが、鬼は怖いと知ってしまったお子様も多いのではないでしょうか。
ニコニコ顔で描かれた鬼のお面もスーパーに行くと多く置いてありましたが、
節分の日に突然入ってくる鬼に泣いてしまった子もいたかもしれませんね。
鬼は怖い!鬼はいやだ!というお子様にぜひ読んであげてほしい本があります。
鬼は怖いというイメージを持ったままでもいいかもしれませんが、
悪者にも優しい心がある、ということを教えてくれる本です。
『泣いた赤おに』
泣いた赤おにの主人公である赤おには、見た目から人々に恐れられていますが、本当は人の役に立ちたい、人間とともに暮らしていきたいと願う優しい心を持っています。
自分の願いをかなえるために、仲間の協力を得てある試みをします。
けれど、結果的にほしいものを手に入れるために、一番大切だったものを失ってしまった。
自分の願いだけを追い求め、手を差し伸べてくれた人をないがしろにしてしまった。
この本を読みながら、それに気が付けた時、私たちも本当の優しさについて知ることができるのかもしれません。
絵本の中に登場する赤おにの、心のまま生きたいと願う姿と、友人である青おにの優しい心が胸に響く物語です。
人を思う優しさを教えてくれる本
『泣いた赤おに』は、優しさについて教えてくれる本です。
誰かが自分に優しくしてくれた時、どこかでその人が何かを犠牲にしているのかもしれない、そんなことに改めて気が付かされます。
何か一つの目標を成し遂げるためには、辛いことや大変なこともある。
それをどうとらえていくかが重要なのでしょう。
時に何かを犠牲にして目標達成をすべきか。犠牲にせずに、目標を諦めるか。
いつも何を優先していけば良いか、ケースバイケースで良い判断ができる大人になってもらえるよう
子どもたちと向き合っていきたいですね。
優しくしてもらったら、相手のことも気遣える人になってほしい。
人に優しくできる子になってほしい。
そう思った時、この本をぜひお子様に読んであげてください。
怖い鬼が悲しそうな顔で泣く様子は、人のために涙を流すことへの切なさや思いやりをお子様に伝えてくれるかもしれません。