「登場人物はどんな気持ち?」親子で考えながら楽しめる絵本『おやゆびひめ』

もうすぐ2歳半を迎えるわが家の娘。最近ではどっぷりと「プリンセス」にハマるお年頃に突入しています。家の中では常にだいすきなプリンセスのドレスを身にまとい、朝のヘアアレンジをする際には「ママ、プリンセスみたいに可愛くしてほしいの」とご注文が。お風呂では「海のプリンセスになるよ〜!」と言いながらバタ足をして見せてくれます。

とにかく、娘の頭の中は1日中だいすきな「プリンセス」でい〜っぱい。憧れの存在に近づこうと奮闘する娘は、ぐんと成長したように感じます。

今回ご紹介する絵本『おやゆびひめ』は、プリンセスがだいすきな娘に選んだ「ストーリーを楽しむ」1冊。成長と共に絵本の内容・ボリューム共にレベルアップ。とは言え、2歳の集中力には限界があります。そこで、「内容・ボリュームが増えた絵本でも最後まで楽しんで読めますように」という想いも込めて、だいすきなプリンセスにまつわる絵本を選びました。2歳の娘と「考えながら」楽しめた『おやゆびひめ』の魅力をお伝えします。

「嬉しい」「悲しい」「良かった」『おやゆびひめ』は読む子どもたちの心を育ててくれる

あるところに子どもを育てたいと願う女の人がいました。魔法使いに相談すると、一粒の種を授けられました。種は育ち、花を咲かせ、中から親指ほどの小さな女の子が誕生しました。女の人はその子を「おやゆびひめ」と名付け大切に育てました。

ある日、おやゆびひめは息子のお嫁さんを探していたカエルにさらわれてしまいます。何とか脱出しましたが今度はコガネムシにさらわれて置き去りに。ひとりぼっちになったおやゆびひめは、ノネズミのおばあさんに助けを求め一緒に暮らします。しかし、近くに住むモグラとの結婚を勧められ、土の中で暮らす未来を悲しみます。モグラとの結婚式が近づいたある日、以前おやゆびひめが看病したツバメが助けに現れ、お花畑の中にある妖精の国へと連れ出します。そこでおやゆびひめは素敵な王子様と結婚し、幸せに暮らしました。

内容・ボリューム共に大満足の1冊です。紙の絵本でこのボリュームとなると、最後まで集中力が持たないこともありますが、おそらの絵本特有の「音の仕掛け」と「だいすきなお姫様」は効果てきめん。最後まで楽しみながら読み終えることが出来ました。

絵本という「あそび」を通じて生まれた「知りたい!」という気持ち

絵本『おやゆびひめ』には、「さらわれる」「結婚」など2歳の娘には初めて聞く言葉がたくさんありました。「“さらう”はなんだっけ?」「“けっこん”はなんだっけ?」と一生懸命物語を理解しようとする娘。

『絵本という「あそび」を通じて、普段気に留めていなかった言葉の意味を「知りたい!」と思い、学んでいく』。親子で絵本を楽しむことの良さを改めて感じています。

絵本を読んで感じた気持ちが子どもたちの心を豊かにする

おやゆびひめがさらわれる場面を読んだとき、娘が「おやゆびひめが泣いちゃった。」と今にも泣きそうな表情で私の顔をのぞき込んできました。絵本を読み終え眠りにつくまでの時間、わたしは「どうしておやゆびひめは泣いていたのかな?」と娘に尋ねました。

「カエルさんが怖いんだよ。あとママと離れてさびしいの。」と答える娘。

続けてわたしが、「どうしてカエルさんはおやゆびひめを連れていったのかな?」と尋ねると、

「小さいから・・・かわいいから・・・?」と一生懸命考えながら答えてくれました。

日常生活で自分自身が当事者となり感じる「喜び・悲しみ」とは少し異なり、「第三者目線で絵本の登場人物の気持ちを感じ、考える経験」は子どもたちの心を大きく育てます。

まだまだ「自分中心」で世界が回っている2歳の娘。でも、おやゆびひめの気持ちが分かったのは心が成長している証です。さて次はどんな絵本を読もうかな。

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