保育園、幼稚園、認定こども園は違いは何ですか?~それぞれの特徴、メリット、デメリット~
「ママ保育園と幼稚園はどう違うの?子ども園とはなに?」と聞かれたと、きちんと答えることはできますか?
保育園はママが働いている子どもがいくところで、幼稚園は専業主婦の子どもがいくところと子どもに教えましたが、はたしてその答えが正しいのか疑問に思いましたので調べてみることにしました。
小さな子どもがいたら保育園、幼稚園か、認定こども園、どこが自分と子どもにとって良いのか考えますよね。
今回は、保育園、幼稚園、認定こども園の特徴、1日のスケジュール、メリット、デメリットをお話ししたいと思います。
保育園とは
保育園とは“親が働いている、または病気などの理由で十分に保育できない場合に家庭に代わって保育するための、児童福祉法で定められた「児童福祉施設」です。国の管轄は「厚生労働省」となり先生は「保育士」です。
○保育園の特徴
1.0歳から小学校入学までが対象です。
2.1日およそ8時間(早朝、夕方の延長対応もあり)
3.夏休み、冬休み、春休みはありません(暦どおり)
4.厚生労働省が管轄の福祉施設です。
5.基本的に両親が働いているなど、家庭での育児が困難な方が利用します。
6.保育料は各自治体が定め、世帯年収によって大きく違います
7.食事は給食とおやつが出ます
8.お昼寝があります
○保育園のスケジュール
●7時頃
随時登園
ひとりひとりとあいさつをしながら、子どもたちの顔色や表情を見て健康状態をチェックします。いつもと様子が違う子がいれば、保育開始後も様子をこまめに確認し、異変がないか見守っていきます。
●10時ごろ
0歳から2歳クラスはおやつを食べて、終了後に年齢別のクラスにわかれて保育をおこないます。3歳から5歳児クラスは年齢別のクラスにわかれて保育をおこないます。
●12時ごろ
昼食を食べます。
●13時から14時
お昼寝を1時間ほどします。先生は、子どもたちに異変はないかをチェックします。
●14時30分から15時30分
おやつの時間
おやつの準備をし、食べ終わったら片付けをします。
●午後遊び
おやつを食べ終わったら、自由に午後遊びを行います。
●16時
随時降園
絵本の読み聞かせをしたり、みんなで帰りのうたを歌ったり、さようならのあいさつをしたりします。16時頃から保護者のお迎えがはじまります。お迎えは17時から17時30分頃が多くなり、19時が最終です。
●スケジュール概要
保護者の見送りで登園します。登園時間は決まっておらず、入園時に登録した保護者の就業時間に合わせて登園します。ただし行事の時は保育園の方針や行事内容によりますが、行事が始まるまでに登園完了している方が望ましいでしょう。登園後は出欠により確認を取ります。午前中はお散歩や園庭での遊びタイムなどで過ごし、昼は保育園で用意された給食を食べます。その後はお昼寝をし、午後はおやつを食べて遊びタイムと続きます。夕方になると順次お迎えの保護者が見られます。残業などでお迎えが遅くなってしまっても延長や夕食の提供が可能な場合が多く、安心です。
お休みは土・日・祝日・年末年始だけで、お仕事をしている保護者に合わせ夏休みなどの長期休暇はありません。また土・日・祝日・年末年始のお休みに関しても、園によっては登園が可能な場合もあります。
○メリット
1.保育時間が長い
共働き家庭に保育時間が長いことは大助かりです。園によって違いがありますが、早朝保育や延長保育があります。それを使うと朝7時、夜19時位まで預かってもらうことができます。
2.0,1,2歳から保育がある
幼稚園は基本的に年少の3歳からスタートですが、多くの保育園では0歳から保育を行っています。育休中だったママもスムーズな職場復帰が可能です。
現在働く女性が増えたなどで、待機児童が多く希望の園、希望する時期に入れないことが良くあります。
3.給食やおやつが完備している
栄養バランスの考えられた給食を毎日食べさせてくれます。
4.身の回りのことが自分で出来るようになる
保育園での生活にはお昼寝や着替えもあり時間も長いので、自分で自分のことをする場面が多々あります。できなかったことが出来るように成長に合わせて先生がサポートしてくれます。
0歳から2歳児は保育園に行っていない子どもにくらべて、母子分離が早いです。その分、周りからしっかりしているように見られるでしょう。
○デメリット
1.親子の時間が短い
両親が仕事をしている平日、子どもたちは1日のほとんどの時間を保育園で過ごします。朝も慌ただしく、夜の帰宅後もあっという間に就寝時間になるので、ゆったりと親子で過ごす時間少なくなるでしょう。
2.成長を間近で見られないことがある
長い時間保育園にいれば仕方のないことですが、知らない内に成長してしまうさみしさも多少あるかもしれません。
3.習い事をさせにくい
土日がお休みの家庭の場合、平日は習い事への送り迎えをする時間がなかなか作れません。土曜日に通わせる家庭もありますが、家族のレジャーとのバランスを取るなど工夫が必要なようです。
幼稚園とは
幼稚園とは、3歳から小学校入学前までの子どもが通う「教育施設」で、年齢に達していれば誰でも申しこむことができます。幼稚園は基本的に年少の3歳からスタートです。国の管轄は「文部科学省」となり、先生は「幼稚園教諭」です。
しかし、人気の幼稚園は定員オーバーで抽選や面接があり、抽選に外れた人、面接でふさわしくないと幼稚園側に判断され入園をお断りされることがあります。
○幼稚園の特徴
1.3歳から小学校入学までが対象です。
2.1日およそ4時間です(延長対応あり)
3.夏休み、冬休み、春休みがあります。
4.文部科学省が管轄する学校です。
5.専業主婦家庭など、親が働いていなくても入園できます。
6.保育料は各自治体が定め、世帯年収による違いはあまりありません。
7.食事は給食やお弁当など、園によってさまざまです。
8.お昼寝がありません(年少組だけあるなど園によって違う)
○幼稚園のスケジュール
幼稚園もたくさんあって、幼稚園ごとに特色を持っていたりします。でも1日の流れはどこでもあまり変わりがないものです。
ここでは平均的な1日の流れを見てみましょう。
●朝8時から9時
登園時間で、元気にごあいさつして園へ入ります。すぐに教室へ入って出席簿のシールを貼ったり、荷物を所定の位置に置いたり、制服があるところでは動きやすい服に着替えるところもあります。
その後は時間まで自由遊びというところが多いです。
●10時頃
自由遊びが終わって各教室へ戻ってクラスでの活動をします、絵を描いたり、体操したり、集団で遊んだり、工作を作ったり、歌を歌うなどさまざまな活動をします。
年長さんでは、ひらがななどを教えてくれるところもあるそうです。
●昼12時
昼食時間で、おうちからもってきたお弁当を食べる、幼稚園によっては給食のところもあります。楽しくみんなで食事をします、その中で食事のマナーを覚えたりします。
食事後は再び自由遊びをします。
●13時頃
クラスにわかれて帰り支度をします、各教室で歌を歌ったり、絵本を読んだり、お話をしたり落ち着いた時間をすごします。
●13時30分から14時
降園時間で、預かり保育等の以がい園児はバスに乗るまたは保護者の迎えで帰ります。
●幼稚園スケジュール概要
登園時間が決まっているので、その時間に合わせて登園します。保護者の見送りの他、園によってはバスの7送迎がある場合もあります。
午前中は遊びを少しと、絵を書いたり文字を習ったり工作をしたりと学びの時間が中心です。昼食は各家庭で用意したお弁当または給食を食べます。お昼寝の時間はなく、少し遊びの時間を設けた後、ほとんどの園は14時降園です。
お休みは土・日・祝日・年末年始の他、夏休み・冬休み・春休みの長期休暇があります。行事ごとは保護者参加型がかなり多く設定されています。
○メリット
1.長い時間親子で過ごせる
降園時間が早いため、その後のお買い物や公園での遊びなど園以がいでの時間が多く、また、夏休みなどの長期休暇もあるので保育園に比べると長い時間親子で過ごせます。
2.一定時間座って過ごす習慣が付く
園によりますが、一定時間座って学習する機会が多いので、小学校での生活規則になじみやすい傾向があります。
3.習い事をさせやすい
降園後も時間があるので、習い事の送り迎えにも十分対応できます。
○デメリット
1.長時間預けられない
だいだいの園は9時から14時頃までの園が多く、ママがフルタイムで仕事をすることは難しいのが現実です。追加料金を支払って夕方までの預かり保育を行う園も増えていますが、人数が少ない、延長保育を行わない日がありますので、働くママは仕事のスケジュールの調整が大変になってきます。
2.食べ物の好き嫌いが直りにくい
家庭で作ったお弁当を持参することが多いので子どもの好きなものばかりが入ったものになってしまいます。そのため小学校給食への移行に苦労してしまうことがあります。
3.親の役割が多い
多くのイベントに関わり思い出もたくさんできる分、ママ同士の付き合いの気を使うことや時間的な負担もあるようです。
認定こども園
認定こども園とは幼稚園と保育園の機能をあわせ持った子育て支援の総合的な提供を行う施設のことです。保育園では待機児童問題を抱える一方、幼稚園は少子化によって定員割れをするところも少なくありません。こうした両方のニーズを満たす目的で作られた園が認定こども園です。
認定こども園には幼保連携型、幼稚園型、保育所型、地方裁量型と4つの種類があり1つ目の幼保連携型は、認可幼稚園と認可保育所とが連携して、一体的な運営を行うことにより、認定こども園としての機能を果たすタイプ、2つ目は幼稚園型で認可幼稚園が、保育を必要とする子どものための保育時間を確保するなど、保育所的な機能を備えて認定こども園としての機能を果たすタイプ、3つ目の保育所型で、認可保育所が、保育を必要とする子ども以がいの子どもも受け入れるなど、幼稚園的な機能を備えることで認定こども園としての機能を果たすタイプ、4つ目の地方裁量型で、幼稚園・保育所いずれの認可もない地域の教育・保育施設が、認定こども園として必要な機能を果たすタイプです。
ここでは、幼保連携型の子ども園の特徴、1日のスケジュール、メリット、デメリットをお話ししたいと思います。
○認定こども園の特徴
1.さまざまな家庭の子どもが通園しています。
2.保育と教育の両方を行っています。
3.子育て支援を行っています。
○認定こども園の1日
認定こども園では教育・保育を利用する子どもについて、1号認定、2号認定、3号認定と3つの設定区分にわかれています。
1号認定とは、保育を必要としない3歳以上の子どもで朝から昼すぎまで認定こども園、幼稚園で過ごすことができます。2号認定とは、保育を必要とする満3歳以上の子どもは朝から夕方まで預けることができ認定こども園や保育園で過ごすことができます。
3号認定とは、保育を必要とする満3歳未満子どもで朝から夕方まで認定こども園、保育所、地域型保育で過ごすことができます。
●1号認定の子どもの過ごし方
幼稚園の1日の過ごし方と同様で、決まった始業時間に登園し、決まった降園時間に帰宅しますが、2号認定の子どもと一緒に過ごす共通の教育時間がある場合があります。お金を払って早朝保育や延長保育ができます。
●2号認定の子どもの過ごし方
保育園の過ごし方と同様で、ママの就業時間にあわせて随時登園、随時降園です。1号認定の子どもと一緒に過ごす共通の教育時間がある場合があり、お昼寝や休憩は1号認定の子どもが帰宅した後にすることが多いです。
●3号認定の子どもの過ごし方
保育園の過ごし方と同様で、ママの就業時間にあわせて随時登園、随時降園です。
○メリット
1.幼稚園と保育園の良さをあわせ持っている
認定こども園は保育と教育の両方の機能を持った施設として作られました。保育園と同じように長時間の預かりにも対応している一方で、幼稚園と同じように教育にも力を入れていることが特徴です。保育園の機能を持っている教育機関と考えるとわかりやすいかもしれません。
2.親の就労の有無に関わらず利用できる
認定こども園は、保護者が働いていても働いていなくても利用できるため、入園後に就労を開始する、出産のために仕事をやめるといった就労状況の変化があっても、退園・転園する必要はないとされています。
3.異年齢の子どもと交流が持てる
一般的な幼稚園だと、3歳から就学前の子どもで最大3学年ですが、認定こども園では0歳から受け入れを行っているところもあるので、比較的異年齢交流が盛んと感じることがあるでしょう
○デメリット
1.平日の行事に保護者が参加できないことがある
保育園に比べて行事が多いのが特徴ですが、基本的に平日に行うところが多いため、働くママは参加が難しいことがあります。参加したくても参加できなかったり、仕事を休みがちになってしまったりすることがストレスと感じることもあるようです。
2.働くママと働いていないママとの温度差がある
保育と教育の両方のニーズを兼ね備えた認定こども園には、働いているママもいれば働いていないママもいます。しかし園にとってママの扱いは同じです。行事や役員の呼びかけがあっても、働くママはなかなか参加できず、働いていないママにばかり負担が偏ってしまうということも少なくありません。
3.子ども同士の生活スタイルの違い
ママの就労などによって登園・降園の時間が違うため、子どもの園での過ごし方にも差が出てしまいます。自分のママがなかなか迎えに来ない、ほかの子と比較して不満が生じてしまうことがあるようです。また、夏休みなどの長期休暇に入るとふだんより利用者数が少なくなり、子どもが寂しい思いをしてしまうこともあるかもしれません。
まとめ
幼稚園、保育園、子ども園の特徴、メリット、デメリットをざっくり説明しましたがおわかりになりましたでしょうか。メリットとデメリットの両方がある保育園、幼稚園、認定こども園です。ママはどちらを選ぶのが賢い選択なのかケースバイケースです。
子どもを幼稚園、保育園、認定こども園に預けようと考えたときに、どの施設を選ぶとしても実際にその施設に通い、友達と学び、生活をするのは子どもです。子どもの適用する能力、成長のスピードは親の想像をこえるものです。親がしっかり子どもに寄り添っていれば、どの施設に行くことになっても、間違いということはありません。
親子にとって、どの施設が良いのか子どもの個性やママがどうしたいのかなどを踏まえて考えてみましょう。