こんにちは。
イラストレーター、絵本創作家のはっとりまりです。

連載コラムがついに、第10回目となりました!

毎回、何を書こうか、どんな内容だったら読んでいて楽しいだろうかと試行錯誤の連載コラムでしたが、10回続けることができました。ありがとうございます。

連載の途中で赤ん坊が生まれ、3人家族から4人家族になり、赤ん坊との生活についてもおはなしさせていただいております。
読んでくださっている皆さま、ほんとうにどうもありがとうございます。

 

赤ん坊は、生後6か月になりました。体つきがしっかりとしてきて、笑う、泣く、の表情もはっきりしてきました。
「うー」と言って、私や夫、長女を呼んだり、家族の動きを目で追ったりします。
離乳食もよく食べるので、すくすく育ってきました。

長女は小学校に入学しました。入学前は、「学校行きたくない~。心配だ~。」と言っていたのですが、いざ始まってみると、「学校楽しみ!早く先生やお友だちに会いたい!」と張り切っているので、ひとまず安心しています。
私自身のことを振り返っても、小学校時代は楽しい思い出が多いので、長女も毎日元気に登校できたらいいなと思っています。

 

さて。
今回は、育児や家事の間の私なりの息抜きや気分転換についておはなししたいと思います。
赤ん坊が生後6か月を過ぎ、私の気持ちにも余裕が出てきたのかもしれません。
ちょっとした気分転換の時間を作ることができるようになりました。

 

コーヒータイム

小さな気分転換は、赤ん坊が眠っているときにコーヒーを淹れて飲むことです。
お気に入りのカップになるべくたっぷり目にコーヒーを入れます。私は母乳とミルクの混合育児なので、コーヒーを飲むうち3回に2回くらいをカフェインレスにしたりします。あまりルールが厳しすぎると嫌になってしまう性質なので、緩いルールでカフェインレスも併用しています。ブラックで飲むこともありますし、カフェオレにすることもあります。

コーヒーを淹れたら、ちょっと甘いものをつまむ時もありますし、読みかけの本を読むこともあります。日記を付けたり、手帳を開いて今後のスケジュールを書き出すこともあります。慌ただしく過ぎて行ってしまう日も多いので、ちょっと立ち止まって日々のごちゃごちゃを整理するのです。そうすることで、心が穏やかに落ち着いて気分もリフレッシュします。

ラジオタイム ​

最近見つけた気分転換は、好きなアーティスト(ハナレグミ)のラジオ(※)を聞くことです。日曜日の夜の10時からなので、子どもたちは眠っています。スマートフォンにイヤホンを挿して、ラジオアプリで聞きます。
大抵はベッドで寝ながら聞いています。就寝前の密やかな楽しみなのです。
ラジオアプリなので、放送後1週間は好きな時に聞くことができるのですが、敢えて学生時代の頃のように、夜の10時に間に合うようにいろいろ済ませて聞くのがなんとなく楽しいのです。

ラジオは昔から好きでしたが、子どもが生まれてからというもの、じっくり聞く機会がなかったので、新鮮で楽しいです。好みの曲がたくさん流れ、わくわくします。
昔と違うところは、アーティスト名や曲名をいちいちメモしなくとも、スマートフォンで検索して動画まで見られるところでしょうか。これはすごいことですね。音楽を聞くだけでなく、アーティストが演奏しているところを観ることができますものね。

ラジオが終わると暫く余韻に浸っていますが、その後は音楽の検索に移行してなかなか眠れないというスパイラルに陥ってしまい、「もう、いい加減寝なくては…。」というところで赤ん坊が目を覚ますということもしばしばです・・・。

ピクニック ​

この春に、2m×2mの大きなレジャーシートを買いました。暖かくて天気の良い日に、公園でピクニックをするためです。レジャーシートを広げて、お弁当や水筒、おやつを並べれば、何時間でも公園でのんびりできるというわけなのです。

気持ちのよい日差しの下、満開の桜や色とりどりの花を眺めたり、ご飯を食べたり、おしゃべりしたり、元気になります。
いつもはだっこひもの中にすっぽり入っている赤ん坊も、レジャーシートの上でころんと転がって、手足を伸ばして、嬉しそうです。
週末や休みの日は家族でのんびりと、春休み中は長女の友だちやお母さんたちと、何度となくレジャーシートを広げました。

赤ん坊がころんと寝ていると長女の友だちがやってきて、「抱っこしたい!」と言って、抱っこしてくれます。小さいうちからいろいろな人にかわいがってもらって、いいなあと思います。
公園大好きの長女は友だちと一緒に心ゆくまで、ごっこあそびや散策を楽しんでいます。

上の子も下の子も楽しく過ごせることは、親にとってもとても幸せなことなんだなあと思いました。

上手な切り替えを ​

毎日穏やかに過ごしたいと思ってはいても、思い通りにいかずにいらいらしたり、子どもをきつく叱ってしまうこともあります。
そして、そんな自分に落ち込む日も・・・。

限られた時間や範囲の中で、自分なりの気分転換を見つけて、上手に息抜きできたらいいなと思います。

皆さんはどんな風に気分転換をされていますか・・・。

 

 

(※)レディオデチャカチー  http://www.interfm.co.jp/chakachy/blog/

 

*イラストの無断転載を禁止致します。

 

 

こんにちは。
イラストレーター、絵本創作家のはっとりまりです。

連載コラムも第9回目となりました。

赤ん坊は5か月になり、離乳食を始めました。
今はまだ始めたばかりなので、どろどろのおかゆと、昆布だしと野菜を煮込んだスープのみをお昼に1回食べているところです。赤ん坊は、家族がご飯を食べるたびに、私か夫の膝に座って食卓の様子を見ているので、食べることに興味があるのだと思います。
離乳食を見ると嬉しそうにし、もりもり積極的に食べているので、こちらも嬉しくなります。

離乳食を与えるときは、赤ちゃんを膝に乗せて、スプーンの先にこんもりとおかゆなどをのせ、水平に下唇のところへ持っていきます。すると赤ちゃんは、自分から口を開けて舌を使って食べ物を口の中に取り込みます。
赤ちゃんが主体的に食べるということの第一歩なのだそうです。

初期の頃は食べさせてあげることが多いですが、手づかみで食べたい時期、スプーンやフォークを使いたい時期にも多少の汚れには目をつぶって、自分で食べる意欲を後押ししてあげると、食に対する興味や意欲が湧いて、積極的に食べること、生きることにつながっていきます。

ごはんをなかなか食べてくれない、という悩みは子育てされているご家庭ではよく聞かれます。

せっかく作ったおかゆ(時間がかかりますよね…。)をべーと出したり、ひっくり返されてしまうことも。
原因は、好き嫌いやお腹のすき具合、食べる量の違い、見た目など赤ちゃんによって違いますが、赤ちゃんが進んで食べやすい環境を整えてあげることで改善する場合もありますので、ヒントになればと思います。

さて。前回は子どもとの遊びについておはなししました。今回は、遊びの中でも、絵本についてお話しさせていただきたいと思います。

絵本を読むタイミング ​

赤ちゃんと一緒に絵本を見るタイミングはいつからなのでしょう・・・。

答えはわかりませんが、私は生後2か月を過ぎたころ、赤ん坊を膝の上に乗せて絵本を一緒に読んでみました。「どんな反応をするかな・・・。」なんて軽い気持ちでいたのですが、以外にも赤ん坊は初めから最後までじっと声を聞いて絵を見ていました。それなので、このタイミングでよかったと思っています。

でも、絵本を読み始めるのに遅いということはありませんので、お母さん、お父さんが「よし。絵本でも読んでみるか。」と思った時がタイミングなのだと思います。

その時のポイントは、子どもを膝の上に乗せて、読んであげることなのだそうです。

大好きな人の膝の上で大好きな人の声で絵本を読んでもらうことが、子どもにとって、とても嬉しいことだからです。

久しぶりに赤ん坊を膝の上に乗せて赤ちゃん絵本を読んだら、発見がいっぱいありました。

まず、赤ちゃんのための絵本は絵が大きく、色も鮮明なものが多いので、絵本の世界に引き込まれやすいということです。大人の私がすっかり魅了されてしまったのですから、これを生まれて初めて見る赤ちゃんはさぞ印象に残ったのではと思いました。
赤ん坊の反応も様々で、私の読む声に合わせて「あー。うー。」と声を出すこともあります。また、迫力のある大きな絵を見ると赤ん坊は「うー」と力のこもった声を出していました。

さらに、最初はじっと見ていた絵本でも、月齢が上がると絵本そのものに興味が出たのか、手を出してたたいて確かめようとしています。

今赤ん坊はこの時期です。興味のあるものに手を伸ばして触ろうとし、触れることができたら甜めて確かめています。

絵本の使いみち ​

どんな時に絵本を読むか。
どんな場所で、どんな時に。
それは、皆さんの自由です。

私の場合は、赤ん坊と読むときは、ひと通りおもちゃやわらべ歌などで遊んで暇な時。夫が赤ん坊をお風呂に入れてくれるのを待つ間。夜寝る前などです。
これからお出かけが増えてきたら、小さな絵本を持っていきます。電車の中や、病院で待っている時などに読んであげるためです。

長女にも赤ちゃんの頃からずっと絵本を読んでいます。
長女は一人で絵本や童話を読むことも増えましたが、夜寝る前には必ず私か夫のどちらかが絵本や童話などを読むことにしています。

最近は長いお話を何日もかけて読むことが増えました。続きにすると、「あ〜。楽しみ〜。」と言って眠りにつく長女ですが、実は私の方でも続きが気になっています。
親子で「どうなるのかな。」などとわくわくしながら絵本のことを話すのも楽しみの一つです。

絵本の主人公のことや、絵本に出てくる言葉が家族の共通言語となって、会話が弾むこともしばしばです。

絵本のご紹介 ​

<最近赤ん坊と読んだ絵本>
・『かん かん かん 』 のむら さやか 文 / 川本 幸 制作 / 塩田 正幸 写真 出版社:福音館書店
・『ごぶごぶ ごぼごぼ 』 作: 駒形 克己 出版社: 福音館書店
・『りんご』作: 松野 正子 絵: 鎌田暢子 出版社: 童心社
・『ぶうさんのブー』作・絵:100%ORANGE 出版社:福音館書店
・『おおきい ちいさい』作・絵:元永 定正 出版社:福音館書店
・『でてこい でてこい』作・絵:林 明子 出版社:福音館書店
・『ころころころ』作・絵:元永 定正 出版社:福音館書店

<最近長女と読んだ絵本>
・『オンネリとアンネリのおうち』作:マリヤッタ・クレンニエミ 絵:マイヤ・カルマ 訳:渡部翠 出版社:福音館書店
・『オンネリとアンネリのふゆ』作:マリヤッタ・クレンニエミ 絵:マイヤ・カルマ 訳:渡部翠 出版社:福音館書店
・『ふしぎなかぎばあさん』手嶋悠介 著 岡本 颯子 絵 出版社:岩崎書店
・『小さなスプーンおばさん』作: アルフ・プリョイセン 絵: ビョーン・ベルイ 訳: 大塚 勇三 出版社: 学研
など

絵本と子育て ​

絵本はお母さん・お父さんの味方だと思っています。

何かと忙しい子育ての時期ですが、すぐに手の届く場所に絵本を置いておけば、子どもとの遊びがひとつ広がります。また、丁寧に描かれたあたたかい絵は、私たち大人をも魅了し、心を穏やかにしてくれるでしょう。さらに、声を出して読むことで、気持ちが落ち着く効果もありそうです。

そして何よりも、子どもと一緒に絵本を読んで過ごす時間は、親子の豊かなふれあいの時間であり、物語絵本であれば、わくわくした気持ちを、科学絵本であれば、驚きや知識を親子で共有する機会となります。そしてその時間は、やがて親子のよい思い出と変わるでしょう。

まだまだ赤ん坊の息子ですが、そう遠くない未来にお気に入りの絵本のことを話してくれるかもしれません。そんな日を楽しみに、絵本を読む毎日です。

皆さんの絵本タイムがより素晴らしいものになりますように。

 

 

*イラストの無断転載を禁止致します。

 

 

こんにちは。
イラストレーター、絵本創作家のはっとりまりです。

立春が過ぎ、そろそろ春の気配を感じられるようになりました。
春になったら新しいことを始めようという方も多いのではないでしょうか。
小さいお子さんがいらっしゃるご家庭では、入園、入学などの準備があるかもしれませんね。

我が家もこの春は、長女が小学生に、長男は、保育園に入園予定です。
保育園は入れるかどうか、まだわからないのですが・・・。

私は、一度作った紙芝居の構想を練り直して、絵も描き直して、絵本にしたいと思っています。
それから、秋に展示のお誘いがあったので、その準備も始めたいです。
今は、どうやって時間を捻出しようか、考え中です。

 

さて。赤ん坊は4か月になり、寝がえりしたり、喃語も随分出てきました。
よだれもたくさん出るようになりました。

今回は、赤ん坊とのあそびのことをおはなしさせていただきます。

唇にうたを ​

赤ん坊とのあそびといっても、さあ、あそぼうという時間は少なく、赤ちゃんと過ごしている時間は、なんでもあそびになります。

というのも、いつも何かのうたを口ずさんでいるのです。
うたっていると自然と体も動いて、それがなんとなくあそびのようになっているという感じです。
おむつがえ、お着替え、抱っこの時も、なんでもあそびながらしているのです。

うたは、わらべうたやその場で浮かんだ童謡や、言葉に節をつけたでたらめなうたなど様々です。
赤ちゃんと私と目と目を合わせながら、ゆったりとした気持ちでうたい、あそんでいます。

例えば、おむつを替える時は、わらべうたのあそびをします。
赤ちゃんに「くしぇくしぇ替えるよ〜。」などと言いながらごろんと寝かせます。
そして、「こっちよ~。」とか、「れろれろれろ~。」などと言って、赤ちゃんにこちらを向いてもらいます。
「いたね~。」と言って、目を合わせます。そうしてまた、「くしぇくしぇ替えるよ〜。」と言います。
「きれいにしようね〜。」と言って、おしりを拭きます。新しいおむつをする前に「のびの〜び。」と言いながら、ひざをさすって伸ばします。

それから、「ちょちちょちちょち(恥ずかしい恥ずかしい)だからしまおうね。」と言いながら、新しいおむつをします。
最後に脇や首の下、太ももなどをくすぐって、「きれいになったね。気持ちいいね〜。」と声をかけて、おしまいです。

このおむつ替えの仕方は、阿部ヤエさんの『「わらべうた」で子育て 入門編』(福音館書店)という本に詳しく書かれています。
目を合わせること、語りかけること、おむつ替えは怖くないこと、おむつを替えて気持ち良くすること、恥ずかしいことなど人が生きていくうえで大切なことを、赤ちゃんの時代からあそびを通してわかりやすく伝えているのです。

赤ちゃんに何かをするとき、まず語りかけ、うたいかけ、これから何をするのかを伝えると、赤ちゃんは安心するそうです。
「おきがえしようね~。」、「お風呂に入るから、お洋服脱ごうね。」、「抱っこするよ~。」などと声をかけて、その動作をするのです。
反対に、急に服を脱がされたり、もののように持ち上げられたりしては、赤ちゃんはびっくりしますし、「怖い」と思ってしまいます。

そうして、目と目を合わせて、ゆったりとした気持ちで赤ちゃんに向き合います。
私の場合は、うたうことで気持ちが落ち着き、穏やかに子育てできるように思います。

お風呂に入るときは、「お・ふ・ろ、お・ふ、ろ おふろにはいるんだぞ~。」という自作のお風呂のうたを毎回うたっています。このうたは、長女が赤ちゃんだった時からうたっているので、いつの間にか夫も長女もうたうようになりました。
そして、このうたをうたいながら服を脱がせて準備をすると、赤ん坊はお風呂に入るということがわかるのか、それまでわんわん泣いていても泣き止んで機嫌がよくなるから不思議です。

うまはとしとし ​

ここひと月ほど、毎日しているあそびがあります。

わらべうたの『うまはとしとし』というあそびです。
まず、足を伸ばして床に座り、膝に赤ん坊を乗せて向き合います。目と目を合わせながらするのがポイントです。
そうして、赤ん坊の脇を支えて、膝を上下に揺らしながら、「うまはとしとし ないてもつよい うまは つよいから のりてさんも つよい ぱかぱかぱかぱか としん」とうたいます。「としん」のところで足をひらいて赤ん坊のお尻を床に軽く落とします。
月例が低い場合は、無理にする必要はないでしょう。

このあそびをすると、赤ん坊はとても喜びます。特に、「ぱかぱかぱか」というところで、満面の笑みを浮かべます。
「ぱ」という破裂音が好きなのかも・・・と思って、試しに「ぴょこぴょこぴょこ」とか、「ぽんぽんぽん」とか、「ぷっぷっぷ」などの言葉に変えてみてもやはり、かわいらしい笑い顔になるので、こちらも楽しくなって大いに笑いました。

このあそびは、長女も好きです。
赤ん坊と一緒に遊んでいると長女もやってきて、私の足に座ります。
とても重いのですが、ここはがんばりどころです。
赤ん坊を私と長女の間に挟んで、親子3人で「うまはとしとし」を楽しみます。
赤ん坊もお姉さんが一緒にいると更に楽しいようで、嬉しそうにしています。

私は、乳幼児と保護者のためのおはなしかいをしていますが、(現在はお休みしています。)おはなしかいでもわらべうたあそびをしています。
親子でふれあいながらあそべるわらべうたは、おはなしを始める前の導入として、参加者の心と体を和ませてくれるように思うからです。

ねぎ! ​

「ねぎコミュニケーション」も楽しいあそびのひとつです。

生後2か月半を過ぎたころ、なんと、下の前歯が1本にょきっと生えてきました。
その1本がなかなか立派に大きくなり、よだれの量も増えてきました。
最近は、口をぶーぶー動かしてよだれがたくさん出ています。

ぶーぶー言っている音が、「ぎー」とか「ぎゅー」という音に聞こえるのですが、「ぎー」とか「ぎゅー」という前に「ね」と言ってから、「ぎー」とか「ぎゅー」と言うので「ねぎー」、「ねぎゅー」と聞こえます。
おもしろいので、私も一緒になって「ねぎー」、「ねぎゅー」と言っては赤ん坊の反応を見て楽しんでいます。

これを「ねぎコミュニケーション」と名付けたのです。
私が「ねぎー」と言うと、赤ん坊も「ねぎー」と言ってよだれをぶーぶー出しています。

1日に何回も「ねぎ」、「ねぎ」と言っては、笑っています。


赤ちゃんと一緒に ​

赤ちゃんとふたりきり、毎日家の中にいると煮詰まってしまう、ということもよくあります。

ここでご紹介したわらべうたあそびや、ふれあいあそび、コミュニケーションあそびなど、赤ちゃんとの遊びのヒントになればと思います。

ぜひ、今しかできない赤ちゃんとの遊びを一緒に楽しんでくださいね。

 

赤ちゃんと一緒に生活されている皆さまに少しでもお役に立ち、笑顔の時間が増えたら嬉しいです。

 

次回は、一緒に読んでいる絵本について、あれこれお話ししたいと思います。

最後までお読みいただきましてありがとうございました。

 

参考文献:『「わらべうた」で子育て 入門編』(福音館書店)阿部ヤエ 平野恵理子 絵

 

 

*イラストの無断転載を禁止致します。

 

 

明けましておめでとうございます。
イラストレーター・絵本創作家のはっとりまりです。

のんびりペースで更新させていただいている連載コラム『こもれびエッセイ』を今年もよろしくお願いいたします。

 

子育てされている皆さまは年末年始、帰省等で忙しく過ごされたという方も多いのでは・・・。
我が家は、赤ん坊が生まれたばかりということで、私の実家には帰らず、1日だけ夫の実家(夫の実家には親戚の子どもたちが集まり、とても賑やかでした。)に挨拶に行ったほかは近所でのんびり過ごしていました。
長い休みの間、久し振りに家族4人が毎日揃っていました。

今回は、そんな我が家の年末年始のことなど、お話したいと思います。

大晦日の思い出 ​

大晦日はおせち作りをしました。
おせちと言っても、今年は、煮しめと昆布巻きだけです。
毎年、作りたいものを何品か決めて作るのですが、今年は少なく2品にしました。
それでも、朝10時くらいから作り始め、出来上がった頃には日が暮れていました。

この間に赤ん坊の授乳をしたり、あやしたり、おむつを替えたり。
危うく椎茸の煮物を焦がしそうになったのですが、ぎりぎりのところで気がついて火を消すと、味がよく染みた“おいしいたけ”になっていたので一安心。

おせちを作っていると、実家の母のことを思い出します。
多分、戻した椎茸の出汁の匂いが、思い出を呼んでくるのだろうと思います。
母は、毎年大晦日になると、大掃除が済んだぴかぴかの台所で、道具や材料を広げて、なます、煮しめ、酢蓮、数の子などの準備をしていました。
それから、夕食に食べるお蕎麦や海老の天ぷらの仕込みなんかも。

小さい私はお腹が減るので、母のところに行くのですが、まだ何も食べさせてもらえません。
仕方なく、テレビを観ながら一杯やっている父のそばに行って、つまみの殻付き落花生やスルメイカなどをもらいます。

ストーブが温かい家で、戻した椎茸の出汁のいい匂いがしていた大晦日。
両親にもらったほんわかした温かい家族の思い出を自分の子どもたちにも残せたらと思うので、毎年少ない数ながら母の真似をして、おせちを作っているのかもしれません。

お食い初め ​

赤ん坊は大晦日に生後100日を迎えました。
そこで、お正月の1日にお食い初めをしました。
お食い初めのごちそうは、おせちに似ているので、おせちを少しずつ子ども用の器にのせて、お祝いしようということになったのです。

長女のお食い初めも1月でしたが、お正月とは別にして、お頭付きの鯛を焼いたりしていたような・・。
今回は、鯛を割愛。おせちに作った昆布巻きの中身は出世魚のぶりなので、代わりとしました。

2番目は、愛情たっぷりならばという言い訳のもとに、しばしば手を抜かれるということがありますね!

歯固めの小石は、ハート型です。
初詣に行ったときに、長女が神社の境内で見つけてくれました。「歯固め用の石を見つけてね。」とお願いしていたのですが。こういうことは、子どもに任せるのがいちばんですね。じっくり探して、可愛らしい小石を見つけてくれたのでした。

生後100日、振り返るとあっという間です。
首がすわり、笑うようになり、腹ばいからころんと仰向けになれるようになりました。家族みんなに可愛がられ、すくすく元気に育っています。

そのことを感謝しつつ、お祝いをしました。

髪をばっさり ​

私は長かった髪の毛を切りました。
毛先が傷んでいたので、慣れない手つきで切ったりしていましたが、まさに青天の霹靂、突然「髪を短く切ろうと思い立ち、美容室で切ってもらうことにしました。

美容院に行くのはとても久しぶりです。時間をかけてシャンプーをしてもらった時は、人にお世話をしてもらうのってこんな感じなのかぁと赤ん坊の気持ちになったりしていました。
ゆっくり雑誌を眺めたり、美容師さんのプロフェッショナルなはさみさばきを見たり、おしゃべりしたり、楽しいひと時でした。

その間、夫がきょうだい2人を散歩に連れ出してくれました。夫も2人目育児は手慣れたもので、余裕が感じられます。
本人も、「大したことではない。」と言うのが口癖で、大変ありがたいです。

笑顔の1年になりますように。

赤ん坊が生まれてからというもの、長女と過ごす時間が減ってしまいましたが、この年末年始はなるべく長女との時間をとるように心がけました。
トランプやオセロ、カードゲームなどをしたり、久しぶりに一緒に絵も描きました。

一緒に過ごす中で、大いにしゃべり、笑いました。
笑うことで、たくさんのよいことがおとずれるような気がしました。

産後は、家族にとって慌ただしい3ヶ月でしたが、この年末年始でお互いに心の余裕を取り戻せたように思います。
たまにはのんびり家族で過ごす年末年始もよいものだと思いました。

 

今年一年、笑って過ごせるように。
今年の目標は、「笑顔」にしました。
今年もどうぞよろしくお願い致します。

 

 

*イラストの無断転載を禁止致します。

 

プロフィール

はっとりまり
イラストレーター、絵本創作家。

イラストレーター、絵本創作家。
主に保育、子育て、子ども関係の
イラストや絵本の仕事に携わる。
前職は保育士。
乳幼児と保護者のためのおはなしかいや、
親子向けのワークショップなども行っている。
趣味は、ピアノ、鍵盤ハーモニカ演奏。

法政大学社会学部社会学科卒

2児の母です。

HP:www.hattorimari.com

 

こんにちは。イラストレーター・絵本創作家のはっとりまりです。

前回は、9月に生まれた赤ん坊との生活や、6歳の娘の心の動きなどをお話ししました。
「じーんときました。」などのご感想をいただきまして、とても嬉しかったです。
どうもありがとうございます。

赤ん坊が生まれてから2か月が経ち、体全体が丸みを帯びてきました。
また、こちらの声に「ん~。あ~。」と反応したり、時には笑うことも!
赤ちゃんの成長はめまぐるしいです。

近所への外出もできるようになり、行ってみたかった本屋さんや、カフェなどにも赤ん坊を抱っこして、お散歩がてら行ってみました。
2番目あるあるですが、第1子の時よりも外出時間が長めになったり、コーヒーを飲んだり、ゆるい子育てをしています。

さて。
親子の時間研究所の読者の皆さまにはお馴染の『おそらの絵本』シリーズ。
今年9月に新作がたくさん発売されました。

じつは、
その中の『シンデレラ』の再話と絵を担当させていただきました。
もう、見てくださった方もいらっしゃるのでは・・・と緊張気味ですが、今回は『シンデレラ』を制作していたころのことをお話ししたいと思います。

妊娠と不安 ​

てあらいえほん『あわまる』の仕事が佳境に入った頃、妊娠が分かりました。
正直、一番先に頭に浮かんだのは「仕事を続けられるか。」という不安でした。

家で仕事をしているとはいえ、赤ん坊のお世話をしながら絵を描く時間を確保することは難しそうです。
また、月に一度のおはなしかいの準備や、他にもおもしろそうなオファーをいただいていたので、そちらをどうするか・・・。

希望の保育園に入れるだろうかという問題も浮上します。
私は長年保育士をしていたので、保育園のよい側面、悪い側面の両方を知っています。
我が子を保育園に入れるのなら、希望の保育園以外は望まないというのが本音です。
第1子が通っていた保育園で保育事故に遭い、(幸い命に別条はありませんでしたが)とても後悔したので、なおさらなのです。

不安な気持ちを抱えていると、なかなかお腹の子と向き合えません。
そこで、夫と相談のもと、これまでの生活を見直しつつ、仕事を続けるための準備や赤ん坊が生まれてくるための環境を整えていく作業をしていきました。

妊娠は、人生設計を仕切り直す機会でもありますね。
不安はあれど、未来をあれこれ想像することは、なかなか楽しかったです。
そうこうしていくうちに不安要素がひとつずつ減っていき、妊娠を心から喜べるようになりました。

妊娠しても、子どもがいても仕事が出来るんだよ ​

『あわまる』の仕事がひと段落したあと、『シンデレラ』のお話をいただきました。

妊娠中は何が起こるか分からないので、引き受けたいけれど、引き受けてよいものか・・・と悩みました。
そしてそのことを担当者さんに伝えると、
「よかったですね!おめでとうございます。嬉しい!!」
と自分のことのように喜んでくれ、承知の上で、依頼してくれたのです。

「妊娠しても、子どもがいても仕事が出来るんだよ」
と認められたような気持ちがして、とても嬉しかったですし、安心しました。

本当は怖~い?シンデレラ ​

シンデレラの再話ということで、原作やいろいろな絵本を調べてみました。

シンデレラの原作は、フランスの作家シャルル・ペローによります。
ペローは、あのベルサイユ宮殿を作ったルイ14世に仕えていたそうです。
ルイ14世の時代は17世紀の終わり、日本の江戸時代にあたりますので、とても古いお話です。
昔のお話ですが、今でも愛され語り継がれる名作ですね。

グリム兄弟の『シンデレラ』も有名です。
グリム兄弟が活躍したのは19世紀前半ころです。ペローの原作をもとに、グリム流のアレンジがされています。
グリム兄弟の『シンデレラ』では、意地悪なお姉さんの足にガラスの靴が入らないので、お母さんが足の指を切るようにと言って、本当に切ってしまうなどの怖い場面もあります。

魔法使いが出てきて、かぼちゃが馬車になったり、美しいドレスに身を包むシーンが出てくるのは、ペローのお話です。
ディズニーの『シンデレラ』はペローのお話をもとにしていますね。

『おそらの絵本』では、ペローやディズニーのおはなしの再話となっています。

シンデレラと王子様は15~16歳くらいの設定と思っています。
一目惚れの相手に一途に向かっていけるところは若いからこそでは・・・。初々しくていいなあと思います。

再話を書く際にどうしても入れたかった一文がありました。
それは、お姉さんたちがガラスの靴を試すシーンで、
「そのようすをみていた シンデレラは ゆうきをだして「わたしにもはかせてください。」といいました。」
という文章です。
この、シンデレラの勇気がなければ、2度と王子様に会うことはできなかったでしょう。
ここぞというときに自分の幸せを掴みにいったシンデレラに拍手を送りたいです。

娘と一緒におひめさまの絵を描く

幼いころ、私は毎日のようにお姫様の絵を描いていました。
目はキラキラで、ドレスや髪形を幾通りも変えて・・・。
でも、いつの間にかお姫様の絵を描かなくなり、描き方さえも忘れていました。

『シンデレラ』のキャラクターを考えながら、幼い日のことを思い出していました。
あの時のように描けたらなあ・・・。

私の机の上にはシンデレラの絵が何枚も置いてあったのですが、当時5歳の娘は、それらの絵を興味津々で見ていました。
そして、ほとんど毎日夕食後に、「いっしょにおひめさまのえをかこう。」
と誘われるようになりました。

それで、何度も一緒に描きました。
子どものころに戻ったみたいに、夢中で描いていました。

娘は、最初私が描いたものを真似していましたが、回数を重ねるうちに、
自由な発想でドレスや髪形を好みの色や形に仕上げていくようになりました。
子どもって、すごい!

切り抜いて、着せ替えにもしました。
着せ替えのためのドレスも何枚も描きました。

仕事で描いた絵が思いがけず親子のコミュニケーションの時間に発展し、よい意味で緊張感が抜けたように思います。
『おそらの絵本 シンデレラ』の絵は、難しいと感じるものも多かったのですが、楽しく描き続けることが出来ました。

想いの詰まったシンデレラ

もう既にご購入いただいた方も、ご検討中の方も、このコラムをご覧になってご興味をもたれた方も、『おそらの絵本 シンデレラ』をお子さんとご一緒にお楽しみいただけたら嬉しいです。
また、ご感想など教えていただけたら幸いです。

『おそらの絵本』は、『シンデレラ』のほかにもたくさんのおはなしがあります。
お子さんとご一緒にお気に入りのおはなしをぜひ、見つけてみてくださいね!

おそらの絵本

シンデレラはこちら

 

 

*イラストの無断転載を禁止致します。

 

 

こんにちは。

イラストレーター、絵本創作家のはっとりまりです。

 

窓を開けると、冷んやりとした空気。すっかり秋らしくなりました。
あんなに暑かった日々が嘘のようですね。
見上げれば、秋らしいすっきりと晴れた高い空。お出かけも気持ちよさそうです。

 

さて。久しぶりの連載コラム更新となりました。

私もどこかへ出かけたいなぁと思いつつ、なかなかそうもいきません。というのも、この秋に家族が増えたのです。
第2子、男の子が生まれました。

赤ん坊が生まれて、やっと一か月。何だかんだと慌ただしい日々です。

 

今回は、久しぶりに(6年ぶり)やってきた赤ちゃんとの生活や、6歳の長女の心の動きなどを書いてみようと思います。
今まさに赤ちゃんがいる方も、もう既に懐かしいわと思われる方も、ご一緒に楽しみつつ、読んでいただけたら嬉しいです。

 

赤ちゃんがやってきた。

今年の夏は暑く、おまけに妊娠後期の大きなお腹が苦しくて、眠れない日々が続きました。
そんなわけなので、臨月に入ってからは毎日のように「早く生まれておいで~。」とお腹の子に呼びかけていました。

ところが、6歳の長女がすかさず、「予定日に生まれておいで~。」と合いの手を入れます。

なぜかというと、

8月→私の誕生月
9月→長女の誕生月
10月→赤ん坊の誕生予定
11月→夫の誕生月
12月→クリスマス

ということで、毎月ケーキを食べられるからという考えなのです。

 

そんな中、赤ちゃんは予定よりも10日早い、9月のある晴れた日に生まれました。

月に一度のケーキの夢は破れたものの、6歳年上のお姉さんは、弟の誕生を喜んでくれました。

 

双子なの??

出産直後、病院の待合室で長女に会いました。

すると私のお腹をじっと見て、

「まだもう1人いるの?双子なの??」

と言います。

出産後しばらくは子宮が大きいままなので、もう1人いる、と思ったようです。

 

お母さん、変わった。

赤ん坊が生まれて、5日ほどで病院から自宅へ戻りました。

長女は私を見ると、

「お母さん、なんかいつもと違う。となりのトトロの(めいとさつきの)お母さんみたい。」

と心配そうです。

 

最初はどういうことかわからなかったのですが、夫が

「お母さん、赤ちゃんを産んだばかりで、まだ疲れているんだよ。」

と言っていたので、なるほどと思いました。

私はめいとさつきのお母さんのように、病気で元気がないという意味だったのです。
出産は大仕事といいますから、自分が思う以上に疲れや体力の衰えが感じられたのだと思います。

子どもは、よく見ているなぁ、心配させてしまって悪いなぁと思いました。

 

赤ちゃんのお顔、七変化

赤ん坊との生活が始まりました。夜も昼もなく、おっぱいを飲んで、泣いて、抱っこして、ねんねして・・・の繰り返しです。

おっぱいを飲んで、十分に満足すると、腕の中でうとうと・・・。
そのまましばらく赤ん坊の顔を見ていると、表情がくるくる変わります。まるでこれからのために、表情の練習をしているみたいです。

なんとも悲しそうな顔をしたかと思うと、口を開けて、笑い顔になったり、次の瞬間、白目をむいていたり・・・。
思わず笑ってしまいます。

そして、突然顔を真っ赤にしたかと思うと、「ぶっ!」と大きなおなら。

その自分のおならの音にびっくりして、両手を広げます。

全身で、生きている、という感じがします。

 

長女の気持ちいろいろ

体の中に命が宿り、10か月かけて少しずつ大きくなり、やがて生まれる小さな赤ん坊。
その間に女性の体は随分変化しますね。お腹はどんどん大きくなるし、体つきもふっくらしてくる。
悪阻が起きたり、喉が乾きやすくなったり、赤ちゃんがお腹の中で動くのを感じたり、、。

そうやって、赤ちゃんとの共通の時間が増えていき、いよいよ生まれる段階になったら、「やっと会えたね!」という気持ちになっています。

 

ところが、長女にとっては、ある日突然現れた人という印象が強かったようです。
夫でさえ、「頭ではわかっているけれど、実際に生まれてみないと実感がわかないものだ。」
と言っていたので、幼い長女にとっては尚更のことだったのでしょう。

赤ん坊が生まれてからというもの、大人たちは赤ん坊の世話にかかりきりで、「静かにしてね。」と言われることが増え、長女の注目される回数は減ってしまいました。
赤ちゃんは一日中大きな声でよく泣き、まだまだ言葉も伝わりません。
最初のうちは、「赤ちゃんが泣くと怖い。」と言うこともありました。

またある時は、「(時間を)巻き戻したい。」と言うこともありました。
長女と、夫と私、3人だった時に戻りたいと言うのです。

でも、この話にはオチがあって、

「まぁ、また生むことになるけどね~。」

と言うので、夫と顔を見合わせて大笑いしてしまいました。

「また、生むのだけは勘弁して~。」

と思いました。

そんなこんなでなんとか一か月が経った今、長女に少しずつお姉さんの意識が芽生えているようです。

赤ん坊が泣いているとそばにいって話しかけたり、あやしたりしてくれます。
幼稚園への送り迎えの際には、友だちやそのお母さん、お父さんたちに赤ちゃんを紹介してくれます。

まだ赤ん坊の首が座らないので、抱っこは時々しかできません。それなので、

「お母さんやお父さんはいいな。わたしも早く抱っこしたいな。」

と言っています。

まだまだ甘えん坊で、抱っこを求めてきたり、ちょっとだけおっぱいを舐めて味見をしてみたりということもありますが、長女も赤ん坊が生まれたことで、また大きく成長するのだろうなと思います。

何はなくとも愛情だけはたっぷりと注いで、きょうだいふたりをゆったりと見守っていきたいと思います。

 

妊娠・出産と家族

妊娠、出産を経験すると、自分は人間というよりも、もっと動物に近いように感じます。

どんなに文明が進んでも、妊娠から出産、子育ての流れは、超アナログです。
体全体を使い、感覚を研ぎ澄まし、汗や血にまみれて、寝不足で、泣いたり笑ったり、心配事も多すぎるほど多くて・・・。

赤ちゃんが体全体で生きていると感じるように、自分自身も体をまるごと使って子育てしていると実感します。

 

そうなるともう体力勝負です。

一人ではなかなか太刀打ちできません。

夫や義母、両親の力を借り、6歳の長女の力を借り、娘の幼稚園のお母さんたちの力を借り、赤ん坊誕生を心から祝ってくださった親戚やご近所の方々や、友だちの応援のもと、なんとかかんとか、やっています。

そして、よく夫とも話すのですが、子育て時期は一瞬だと。
赤ちゃんの時代、幼稚園の時代、小学校の時代・・・と子どもはすくすくと成長し、その時その時には大変なことがあっても、振り返ると、儚くもあっという間の気がしてしまうことでしょう。

 

気づけば、生まれたての時代が過ぎ、少しふっくらとした赤ん坊が目の前にいます。

長女はもうすぐ小学生です。

毎日は忙しく過ぎていくけれど、子どもと過ごす時の楽しさを十分に味わいつつ、その一瞬、一瞬を慈しみながら、日々過ごしていきたいものです。

 

 

*イラストの無断転載を禁止致します。

 

 

 

こんにちは。

イラストレーター、絵本創作家のはっとりまりです。

前回は、我が家で作っている保存食など、たべものあれこれについて書きました。
今回は、前回の続き、『手作りのぬくもり~ミシンカタカタ編~』と題して、
ミシンで直線縫いして作る、布ものあれこれをご紹介します。

お裁縫は自己流で、難しいことはできませんが、ミシンの直線縫いだけはできるので、
その範囲であれこれ手作りしています。

子どもや私が使うものなので、完璧に作ろう!と気構えず、
出来上がりをイメージしながら、時にはアレンジを加えつつ、楽しく作っています。

アイロンをしっかり掛けて、ぐるりと縫うと、意外ときれいな仕上がりになることも多いですよ!

 

子どもとお揃い

子どもと一緒に、お気に入りの布を見つけに、布地屋さんに行きました。
たまには、お揃いの服を作ってみようかな、と思ったのです。

服といっても、大がかりなものは作れないので、直線縫いでできるスカートを作ってみることにしました。
布地を2枚に断って、脇にジグザグミシン、裾とウェスト、ゴム通し口を縫って、ゴムを通したら完成の簡単なスカートです。

布をたっぷり使うので、ギャザーが入ってなかなかかわいいです。
2種類の布で、2種類のスカートを作りました。

布が余ったので、お揃いのターバンも作りました。

娘は、このお揃いのスカートやターバンを喜んでくれ、朝の支度の時に、
「今日、お揃いにしよう!」
と言ってくれることもしばしばです。
ちょっと照れ臭いのですが、「お揃いにしよう!」と言ってくれるのも、今の時期だけかもしれないな…と思い、お揃いのスカートをはいて、幼稚園に登園しています。

 

 

布団カバーを作ろうと思った大きな布から

買うよりも安いかな…と思い、布団カバー用にリネンの布を買いました。
シーツ用の布なので、幅広でしたが、布団のサイズの方が大きかったので、布を継がないといけません。

まあ、できるかな・・・と思っていましたが、家に帰ると億劫になってしまい、しばらく布を置きっぱなしにしていました。

そのうちに、コットンの布団カバーを手頃な価格で手に入れてしまいました。

リネンの布はお役御免に・・・。
リネンの肌触りが好きなので、リネンの布団カバーに憧れていたのですが・・・。

そこで一念発起。
眠っているリネンの布がもったいないので、クッションカバーを2枚と仕事部屋のカーテンを作ることに。

クッションカバーは、洗い替え用に以前から作りたいと思っていたので、よいきっかけとなりました。

仕事部屋の机に面した窓は、今住んでいる家に引っ越してきてからずっとカーテンを掛けていませんでした。
描いた絵やお気に入りのポスターを貼ったりしていたのです。

けれども、「リネンのカーテンを掛けたら、落ち着いた雰囲気になって、もっと集中できるかも・・・」と思い直し、窓枠の幅、長さに合わせて縫った四角い布をカーテンレールに吊るしました。

思った通り、落ち着いた印象に変わり、気に入っています。

残りの布は、テーブルクロスにしました。
食卓に時々かけてみると、気分が変わって楽しく、家族からも好評です。

布団カバーを作ろうと思っていたリネンの布。

思いがけず、家の中のあちこちで活躍してくれています

 

 

大失敗!紅茶染め

白いワンピースを紅茶色に染めてみたい!と、ある日突然閃きました。

紅茶染めは、家で比較的簡単にできる染物だと以前どこかで聞いて、何も調べもせずに、なんとなく始めてしまいました。

大鍋にたっぷりのお湯を沸かして、紅茶のティーバッグを適当に入れて煮だしたところに、着古したコットンのワンピースを入れて更に煮てみました。
しばらくして火を止めて、ティーバッグを取り出し、冷めるまで放っておきました。

そろそろよいかな~と思って、ワンピースを取り出すと、よい色だけれど、ところどころまだらな濃い茶色い染みが出来てしまい、普段着るには忍びない感じになってしまいました。

思っていたのと違う!

さて、どうしようか。

パジャマにしようか…。
絵を描く時のスモッグにしようか…。
とも考えましたが、下半分を切って、ゴムを通してペチコートにすることにしました。

ワンピースの下に重ねたりして着ることにしました。

こんなファッションの人がいたら、私かもしれません。

くたびれたリネンのシーツから

白いリネンのシーツが大分くたびれてきたので、新しいものと買い換えました。

古いものは捨ててしまおうかと思いましたが、なかなか肌触りのよい布地なので、洗ってアイロンを掛けてみると、張りが出て、ところどころ使えそうな部分もあります。

そこで、トイレのカーテン2枚と娘のスカートを作りました。
トイレのカーテンは、突っ張り棒を通して、窓よりも高い位置の壁に渡しました。
リネンの布を通して柔らかい光が差し込むので、とてもよい雰囲気になりました。

ズボンよりもスカート派の娘のためにスカートを作りました。
白い布だと透けてしまうので、2段重ねにしてみました。
気に入って履いてくれるので、作ってよかったなあと思っています。

 

秋に向けて

私はリネンやコットン等の天然の素材が好きです。

先日秋に向けて、ウールリネンの布地を買いました。
娘のものも含めると、何度作ったかわからないくらい作っている直線縫いのスカートを作るためです。
私は凝り性な性格なのか、同じものを何度も作ってしまいます。
同じ形でも布が変わるとがらりと雰囲気が変わるので、毎回新鮮です。
また、作るたびに上達するような気がして、楽しいです。

ウールリネンの布地のスカートはお店で買うとなかなかの値段がします。
そこで、布地を買って作ってみよう!と思ったのですが、布地も思っていたよりも高価でした。
一時は諦めようかと思っていたのですが、あちこち探していると、たまたま手頃な値段で気に入ったものを発見しました。

そこで2メートルほど購入しました。
更に幅が145センチと広かったので、同じ布でストールとターバンも作ることができました。

ストールは、両端の横糸を抜いて、短いフリンジを作りました。
短目の方が大人っぽいかな…と思ったので。
そして、脇を細い三つ折りにして縫いました。

長さと幅がちょうどよく、お気に入りになりました。

 

おまけ~指編みあそび~

私がミシンを踏んだり、裁縫道具を出して、チクチク手縫いをしていると、5歳の娘は興味深げに覗いてきます。

そんな時に、鍵編み用の先が丸い針に毛糸を通して、予め穴を開けておいた厚紙に、縫うのと同じ要領で毛糸を通して遊ぶ遊びをすると、「私も縫えるよ!」と嬉しそうにしていました。

縫い終わると、うさぎの絵が浮かび上がるようにしました。

毛糸を指に絡めて編んでいく簡単な編み物(指編み)も気に入っています。

こちらは編み棒を使わず指だけで編んでいけるので、お子さんと一緒に楽しむことができ、おすすめです。

子どもが新しいことに興味をもった時、その時期を見逃さずに親子で一緒に遊びながらやってみると、そのことを夢中になって覚えていきます。
近いうちに娘と一緒に本物の針と糸を使って、縫物にチャレンジしてみようと思っています。

 

 

手作りと家族

私が楽しみながら手作りしているあれこれが、結果的に家族の栄養になったり、親子の楽しい会話につながったり・・・。

「手作りのぬくもり」として、家族に伝わっていたら、それはとても嬉しいことだな、と思います。

 

 

*イラストの無断転載を禁止致します。

 

 

 

こんにちは。

イラストレーター、絵本創作家のはっとりまりです。

今年の夏は暑いですね…。

私は夏生まれなので、暑さには自信がある方ですが、今年の暑さにはさすがに参っています・・・。

そんな中、子どもって元気ですよね!

我が娘も例にもれず、海やプール、昆虫探しと、夏の遊びを満喫して、真っ黒に日焼けしています。
頼もしいものです。

暑いと何もしたくないけれど、子育て中のお母さん、お父さん方は、そんなことを言っていられませんね。
私は絵を描いている以外の時も、手を動かして何かを作っていると落ち着く性格です。

そこで今回は、前編、後編に分けて台所で保存食を作ったり、ミシンの直線縫いで布もの作りをしたり・・・といった手作りのおはなしを書きたいと思います。

暑いけれど、ちょっとひと工夫してものづくりをしてみると、意外と気分転換になるかもしれません。

よかったら、お付き合いくださいね。

 

前編は、台所仕事のことです。

保存食などを手作りすることは、それだけで楽しいものですが、余計な添加物の心配が少なくなりますし、大抵は台所にあるもので作れるのでお財布にも優しい!と実感しています。

「家族にからだにいいものを食べてもらいたい」という気持ちもありますが、私の場合は、「これ、作ってみたい。」という好奇心から作ることも多いので、家族の反応は賛否両論いろいろです。

それでも、日々実験。いつも楽しみながら、台所に立っています。

 

ぬか床

今年の春に実家に帰省した際に、母が漬けたぬか漬けを食べました。
それがとてもおいしかったので、
「我が家もぬか床を作ろう!」
と思い立ちました。

ぬか床には何度か挑戦したことがありましたが、最初のうちはよくても、ある時から変なにおいがしてしまったり、おいしく漬からないようになったり…。

失敗続きで、ここ数年は諦めていました。

でも、なぜか今回はできそうな気がして、再チャレンジ。

いろいろ調べたら、冷蔵庫で保存するので毎日かき混ぜる必要もなく、失敗はなし!という漬け方に行き当たったので、試してみることにしました。

琺瑯(ほうろう)の保存容器も新調しました。
見た目がすてきだと、モチベーションもあがります。

ぬかに捨て野菜などを混ぜて1から作る方法はハードルが高そうでしたので、市販のいろいろ混ぜてあるぬかに水を合わせて作るところからスタートしました。

今は、塩を混ぜたり、足しぬかをしたり、なんとか5ヶ月間毎日おいしいぬか漬けを食べ続けています。

ぬか漬けはいつも違う味がするような気がします。
そんな時、ぬか床って生きているよなあ・・・と愛着が沸きます。

家族にも人気があり、特にきゅうりのぬか漬けは娘の好物になりました。
毎日の食卓に、もう1品。色どりが増したことも嬉しい出来事です。

 

塩麹

ぬか床、塩麹と発酵食品続きです。

塩麹はそのまま購入して使うこともできますが、私は乾燥麹を購入して自分で作っています。
そうすると、多めに出来て経済的ですし、育てている感じが楽しいです。
ぬか床同様、毎日様子が変わります。

塩麹は、乾燥麹と塩と水だけでできます。

出来上がった塩麹は、塩と同じように使うことができますが、塩よりもマイルドで旨みたっぷり。
生の肉や魚をまとめて買ったときなどは、キッチン用の保存袋に塩麹を入れて漬け込んでおきます。そうしてから焼くと、肉も魚も柔らかくておいしくなります。

塩麹で漬けた肉は、主に野菜(お好みで何でもおいしいです)と一緒にフライパンで焼きますが、野菜用の調味料を入れなくても、塩麹と肉の旨みだけで、シンプルな炒め物になるので、助かっています。

魚は、粕漬けのような味になりますよ!

それからもう1品。塩麹のナムルもおいしいのでよく作ります。
もやしをさっと茹でて、細く切ったきゅうり、塩麹、ごま油、お酢で和える、簡単なナムルです。
最後に白ゴマをぱらり。

塩麹を加えることで味に深みが出ておいしいです。

 

捏ねないパン

朝はパン派の我が家です。
パンとコーヒー、果物が欠かせません。

最近、近所のパン屋さんが移転してしまい、しばらくスーパーでパンを買っていましたが、
いっそのこと手作りしてみては・・・と思い立ち、あれこれ調べてみました。
そして、捏ねないパンというのがあることを知りました。

強力粉、砂糖、塩、ドライイースト、水、オリーブオイルを混ぜて、発酵させてから焼くというとてもシンプルなパンです。

「捏ねない」というのは、手で捏ねず、ゴムべらなどで混ぜるという意味らしいです。
私は1時発酵のあと、打ち粉をした際にさらりと手で捏ねてしまいますが…。

この「捏ねないパン」は、作り方が簡単で時間もかからないので、夕飯の支度の際にパンの準備を組み込むことが出来ました。

毎日お米を炊くように、パンを焼くことが出来るんだ、と嬉しくなりました。
夏は発酵時間も短いようで、ふっくら膨らんでいく様子は生き物のようで面白いです。

我が家にはオーブンがないので、パンを焼く時は、大好きな先輩夫婦から結婚のお祝いにといただいた、トースターを使います。(12年選手)

大体200℃で15分ほど。トースターで焼く場合は、表面が焦げてくるので、焦げないタイミングでアルミホイルをかぶせます。
アルミホイルをかぶせることさえ忘れなければ、トースターでももっちり、ふんわりとしたおいしいパンが焼けます。

シンプルなパンなので、家族も飽きることなく食べてくれますが、
時にはパン生地にレーズンを入れたり、強力粉に全粒粉を混ぜたりして、バリエーションを楽しんでいます。

 

バナナケーキ

混ぜて焼くだけのシンプルなケーキです。材料を混ぜて焼くまでの時間は10分程度。しっかりとしているので、バナナブレッドと呼んでもよいかもしれません。

材料を混ぜて焼くだけなので、お子さんと一緒に作れますよ~。
我が家でも娘と一緒に作ることが多いです。

《作り方》
パウンドケーキ型ひとつ分

材料
〈A〉
•薄力粉 カップ1
•ベーキングパウダー4g(小さじ1程度)

〈B〉
•砂糖(我が家ではきび砂糖を使っています。)大さじ4
•卵2個
•牛乳 大さじ6
•サラダオイル(我が家ではこめ油を使っています)大さじ6
•バナナ1本

ボールに〈B〉の材料を全て入れ、混ぜ合わせます。バナナは皮を剥いて、潰します。全て混ざったら、〈A〉を合わせてふるい入れ、更に全体を混ぜ合わせます。
生地をパウンドケーキ型に入れて、焼きます。

我が家ではこちらもトースターで焼きます。
焼き時間は、20~30分程度です。やはり、途中でアルミホイルをかぶせて、焦げないように気を付けます。
オーブンで焼く場合も20分くらいでしょうか。。

簡単に作れますが、なかなかおいしいので、ちょっとしたプレゼントにも喜ばれます。
パウンドケーキ型で焼くことがほとんどですが、マフィン型で焼くこともできます。

私は、娘のお友達の家にお招きいただいたときなどに持っていきます。
我が家に来客があるときなどにも焼いておくことが増えました。

バナナの代わりにチョコチップを混ぜてもおいしいですし、
お砂糖を控えめにしてチーズやハムを混ぜると、また違った味わいです。
朝食にもお勧めです。

 

梅仕事

私は無類の酒好きです。
6月の初めに梅が出回ると、梅酒を漬ける季節だ!とわくわくします。
普段、甘いお酒はあまり呑みませんが、梅酒は、漬ける楽しみが優って毎年恒例で漬けています。

今年は青梅の農家さんから有機栽培の梅2キログラム取り寄せて、梅酒を2瓶、梅シロップを1瓶漬けました。
梅シロップは、娘のリクエストです。

これで今年の梅仕事は終わり!と思っていた矢先に、ご近所に住むアロマの先生からお声掛けいただいて、梅干しの作り方を教わることに。

梅干しは難しそう、、、と敬遠していましたが、「やってみたら意外と簡単だし、何よりも自分で漬けた梅干しは美味しいよ~。」
と言う言葉に惹かれて、挑戦することにしました。

先生のおうちで、梅を分けていただき、へたを取って、塩で漬けました。

うちに持って帰って、3週間ほど寝かせたら、3日間天日干し。今年は晴天の日ばかりでしたので、お天気の心配はありませんでした。

大好きなミュージシャンbeautiful humming birdの『梅干し人生』を歌いながら。

梅干しは、梅酢という副産物ができます。塩で漬けた時に上がってきた梅の水分なのですが、ほんのり梅の香りと塩味がよい塩梅。

ごはんに混ぜておにぎりにしたり、サラダにしたり、美味しくて、重宝しています。

今回は、日々いろいろなたべものを作っているというおはなしでした。

次回は『手作りのぬくもり』の後編、ミシンでカタカタ作っている、直線縫いの布もの作りに続きます。

 

*イラストの無断転載を禁止致します。

 

 

 

こんにちは。

イラストレーター、絵本創作家のはっとりまりです。

1回目のコラムをご覧いただきました皆さま、どうもありがとうございました。
お母さん、イラストレーター、保育士(前職は保育士でした。)という立場で、このコラムを書かせていただいています。

2回目は、子どもとの会話や、子どもの言葉について書きました。

 

子どもと会話


©2018 Mari Hattori

みなさんは、お子さんとの会話を楽しんでいらっしゃいますか。

2歳頃になると、次第に言葉を覚えて、話し始める子が多くなりますね。そして、3歳、4歳、5歳・・・と年齢を重ねていくうちに、話す内容も高度化していきます。

子どもは、これまで生きてきた経験の中から覚えた言葉を組み合わせて、一生懸命話します。
そんな時、身近な大人がその話に耳を傾ければ傾けるほど、話をすること、伝えることの楽しさを味わうことができます。
また、子どもの言葉に寄り添いながら会話をすることで、更に言葉を獲得し、他者の気持ちを知る経験を重ねることになるのです。

子どもが何気なく発したおもしろい言葉、子どもならではの詩的な表現を聞くことができることも、子どもとの会話の醍醐味です。自由な言葉の組み合わせにハッとしたり、思わずホロリとしたり、こちらの心も柔らかに光が灯るようです。

 

けれども、毎日毎日の繰り返しの中で、心の余裕をもって子どもの話を聞くことができる時間はそれほど多くはありません。

ついつい、「ねぇ、お母さん。」の呼びかけに、「ごめん、今ちょっと待って。」「後で聞くね。」こんなことを言って、子どもとの会話の機会を逸してしまうのです。

この、「ちょっと待って。」「後で聞く。」を子どもはしっかり覚えています。私は、あまり時間が経たないうちに、(時間が経つと、子どもは話したかった内容を忘れてしまいます。)「さっきはごめんね。今なら聞けるよ。」・「さっきの話なんだけど・・・。」とこちらから切り出すことを忘れずに、心に留めておくようにしています。

この時、また話をしてくれることもありますが、子どもの方にもいろいろ事情がありますから、遊びに夢中の時などは、「また後で。」・「忘れちゃった。」と言われてしまうこともあります。この場合は、身勝手なもので、ああ。聞き逃した、残念、、、と思うのです。

そこで、昨年の秋頃から、子どもの言葉を絵と文字の作品として残すことにしました。「きょうをだきしめる」とタイトルをつけて、シリーズにすることにしました。

 

「きょうをだきしめる」のテーマ


©2018 Mari Hattori

<<子どもが何気なく発した言葉に思いがけず新鮮な感動を覚えることがある。覚えたての言葉の組み合わせで一生懸命話をする子どもの瞳はキラキラしていて、体全体から生命力が溢れているみたい。その一瞬をつかまえて絵にしたいと思った。>>

このテーマは、今しか聞けない子どもの言葉を残したいという気持ちはもちろんですが、日々の自分への戒めでもありました。

無意識に流してしまった子どもの言葉を意識すること。
ハッとしたらメモをとること。
子育てをしているこの時期にしか味わえない、子どもからの贈り物を大切にすること。

明日ではなく、昨日でもなく、その日その日の子どもとの時間を大切に、頭ではわかっていても忙しさや日々の生活に流されてしまって、できていないことを意識してみようということです。

このちょっとした意識と、作品に残すというプレッシャーも手伝って、「ちょっと待って」・「後で聞く」が少しずつ減って、子どもの話を受け止める時間が増えました。「ネタになる!」というよこしまな思いもあるにはあるのですが・・・。

私がこれまでつかまえて、作品にした絵と言葉を数点ご紹介いたします。
娘が4歳から5歳になりたての頃の言葉です。画材はオイルパステルと色鉛筆です。
イメージを具体的に描いたものが多いのですが、最近少し考え直して、絵の雰囲気や画材を変えて、イメージ優先にしてみようかと思案中です。

©2017 Mari Hattori

2017年秋 『もみじのて』
オイルパステル・色鉛筆
「おかあさん、だいじょうぶ? おねつがさがる まほうの てだよ。」

©2017 Mari Hattori

2017年秋 『おばけ』
オイルパステル・色鉛筆
「あさは おばけは いないんだよ。あさになると とけちゃうんだよ。」

©2017 Mari Hattori

2017年秋 『ゆめ』
オイルパステル・色鉛筆
「おほしさま きょう ゆめみないから ゆめ しまっておいて。」

©2017 Mari Hattori

2017年秋 『かみさま』
オイルパステル・色鉛筆
「うちゅうに いたんだけど おかあさんの おなかに しゅーんって はいったんだよ。 しゅーんって。」

©2017 Mari Hattori

2017年秋 『おなか』
オイルパステル・色鉛筆
「かみさまは くものうえで ねころんでいるんだよ。 いつも そらを みているから しっているの。」

 

「きょうをだきしめる」の土台となったもの

公立の保育園で非常勤をしていたころ、子どもとの関わりの中で印象に残った言葉や場面を、毎日1ページずつノートに記録する、という宿題が出されました。
忙しい保育の仕事の上に、更に宿題が出されたことで、保育士さんたちの間に賛否両論ありましたが、私はなぜかこの宿題が嫌いではありませんでした。
考えてもなかなか書き出せないこともあり、数時間を費やすこともありましたが、これはある種の訓練と同じで、クラスの子どもたちの1日を思い出しながら、毎日無理やりでも記憶の片隅に残った言葉や場面をノートに書き連ねているうちに、次第に書けるようになっていきました。

そして、結果的にこのノートは、日々の保育の記録となり、クラスの子どもたちのことをより深く知ることにも繋がったのです。
私は、このノートをきっかけに、子どもの何気ないひとことや、子どもとの会話の中にこそ、その子の内面に関わるたくさんのヒントがあることを知りました。そして、一人ひとりの子どもの話にじっと耳を傾けることは、子どもの育ちにとって、もっとも大切なことのひとつだと気付き、この宿題とノートの大切さを理解しました。

また、出産を機に、福音館書店さんの雑誌『母の友』を毎月購読しているのですが、「母の友」に、「こどものひろば」というコーナーがあります。
読者のお母さん方(或いはお父さん方)が、子どもが発した面白い言葉を投稿すると、その中から詩人の工藤直子さんが選定した2人~3人分のなんとも微笑ましい言葉が、カメラマンの繁延あづささんの写真とともに掲載されるコーナーです。

私はこのコーナーが好きです。

子どもの言った言葉はもちろんですが、それを受け止めて、おもしろいと感じたお母さん、お父さんの、ひだまりのような温かいまなざしを感じることができるからです。

「きょうをだきしめる」は、保育士時代のノートと雑誌『母の友』の「こどものひろば」のコーナーをヒントに作品化していたのだと、この文章を書きながら、改めてわかったのでした。

シリーズ「きょうをだきしめる」は、イベントなどで時々披露する機会がありました。その度に、子育て中のお母さん方から「うちの子も同じことを言っていたよ。」とか、「すごくよいです!」などの感想をいただき、励みになりました。

この頃は、仕事などの絵を描くことが増え、「きょうをだきしめる」の絵を描くことがおろそかになっていました。
書き留めた言葉は日々増えていくので、少しずつ絵を増やして、作品にしていきたいと思います。

そしていつかまた、お披露目展もできたら、と思っています。
©2018 Mari Hattori

2018年 夏 『うめぼし』
水彩
「おかあさんの おっぱいの うめぼしってさあ・・・。」

 

*イラストの無断転載を禁止致します。

 

 

 

はじめまして。
イラストレーター、絵本創作家の、はっとりまりと申します。現在、子育て中の母でもあります。

私は駆け出しのイラストレーターですが、親子の時間研究所さんとご縁がありまして、『ねんどせっけん あわまる』のイラストを担当させていただきました。
私と同じような子育て中のお母さま、お父さま方に、少しでもお役に立てたら、と思い、こちらにコラムを書かせていただくことになりました。

「家族」・「子ども」・「お母さん」・「絵本」・「イラスト」」などをキーワードに、読んでいておもしろいと共感したり、読んでよかったなと思っていただける内容を目指して、書いていきたいと思います。

ゆっくりとしたペースでの連載ですが、お付き合いのほど、よろしくお願いいたします。

 

家族のご紹介

©2018 Mari Hattori

我が家は、家族思いの夫(「形容詞何がいいかな?」と相談したら、こう返ってきました。実際、異論はないので僭越ながら・・・)、好奇心旺盛な5歳の娘、私の3人暮らしです。
玄関には、近所の縁日で貰ってきて以来、夫が大切に育てている赤色と黒色の金魚が1匹ずついます。
アカキン、クロキン、時々、キンチャン(総称)などと呼んでいます。
そんな、3人と2匹の家族です。

家で仕事をしている私は、毎日イラストを描いたり、絵本のおはなしを考えたり、洗濯や掃除をしたり、ごはんを作ったり、買い物をしたり、娘の幼稚園の送り迎えをしたり、娘と一緒に遊んだりして、過ごしています。

仕事がない日も家で過ごしていることが多く、絵を描いたり、縫いものをしたり、豆をゆでたり、お菓子を作ったり、本を読んだり、ピアノを弾いたりしている、インドア派です。

休日は、お弁当を持って、家族で近所の公園へピクニックに行くこともしばしばです。
春、秋は、ピクニックにぴったりの季節ですね!
夫は、テナーサックスが趣味なので、練習がてらセッションをすることもあります。
そんな時は、ピアノを習っている娘も輪に入ってきます。

 

絵本づくりのきっかけ

©2018 Mari Hattori

「ずっとイラストレーターをしていたの?」と聞かれることがありますが、
前職は保育士をしていました。保育士としては、10年ほどの現場経験があります。

子どもたちと関わる中で、絵本が子どもたちに与えるものの大切さ、絵本のもつ大きな力に魅了され、私も描いてみたい、作ってみたい、と思ったことが、今の仕事に繋がっています。

最初は、保育士をしながら制作活動をしていたのですが、その間に病気をしたり、震災が起きたり、妊娠、出産を経験したりして、働き方を考え直すようになり、2016年4月からは、現場を離れて、自宅でイラストや絵本の仕事を本格的に始めました。
そんな訳なので、「駆け出し」イラストレーターなのです。

 

「あわまる」との出会い

©2018 Mari Hattori

『ねんどせっけん あわまる』の仕事は、私のHPをご覧になった企画担当者さんが声を掛けてくださったことから始まりました。
それまで、個人のお客様との仕事が多く、企業さまとの仕事は初めてだったので、緊張しながら先方に赴いたことを覚えています。
特に、絵本は、自己流で何作か描いていましたが、仕事として描くことは初めてでしたので、描いている最中もずっと緊張状態にありました。

ドキドキの連続の中での仕事でしたが、今思うとよいことがたくさんありました。

いままでの仕事では、黙々と一人で机に向かっていることが多かったのですが、担当者さんと一緒になって「絵はどんな雰囲気がよいだろう」、「おはなしの表現はどちらがよいだろう」などと意見を交わしながら作っていくことがとても面白く、新鮮で楽しかったです。
また、イラストにデザインの力が加わることによって、絵がもつ力が引き立てられることを実感し、嬉しい経験となりました。

 

ファン第1号の人

©2018 Mari Hattori

私が絵を描いていると、娘は興味深気に覗いてきます。
その日も、
「なにしてるの?こんどは、なにをかいているの?」
と寄ってきたので、描いていたあわまるのラフを見せると、
「あわまる、かわいいね~。へ~。おもしろいじゃん。」
とやはり興味津々です。
娘は、わたしのファン第1号なのかもしれません。
いつも笑顔でそばにいて、何かにつけていっぱい褒めてくれるのです。

その日以来、誰よりもあわまるの完成を楽しみにしてくれる娘のためにも、手に取ってくださる方々が笑顔になれる作品にしたいと強く思うようになりました。

 

『ねんどせっけん あわまる』のあたたかい効果

©2018 Mari Hattori

制作途中に、担当者さんからサンプルのせっけんねんどをいただいて、娘と2人で「あわまる」せっけんを作った時のことです。
「あわまるつくろう。」と私が声を掛けると、待ってました!という満面の笑みです。
ものづくりが大好きな娘は、丁寧に作り進め、完成したあわまるを満足そうに眺めながら、乾かしていました。
夕方帰宅した夫には、作り方を詳しく説明しながらあわまるを見せて、嬉しそうに自慢していました。
夫も「すごいね~。上手にできたね~。」と言うので、益々嬉しくなって、にっこにこの笑顔になっていました。

次の日、せっけんが乾くと、早速手洗いをして、色が混ざったり、シャボン玉が出てくるのを喜んで見せてくれました。

そして、
「おかあさん、きてきて!シャボンズ、でてきたよ~。」
と、教えてくれました。
シャボンズのことを覚えてくれていたことに、感動した母でした。

あわまるせっけんを作ったことで、家族が笑顔になれること、すてきだあと思いました。

家族に支えられ、そして担当者さんの熱意に導かれ、いよいよ商品ができ上がりました!
「完成しましたよ!」と担当者さんに絵本を見せていただいた時、とても嬉しかったのですが、まだ緊張が抜けていなかった私には、完成した!という実感がなかなか沸いてきませんでした。

家に帰って、娘に完成した絵本を読むと、
「わあ。いいね。いいね。おもしろいね。」
と、やはりいつもと変わらない笑顔で心から喜んでくれました。
私は、娘の笑顔を見て初めて、
「わあ。完成したんだな・・・。」
という実感と、支えてくれた家族への感謝の気持ちが沸いてきて、この仕事をできてよかったなぁ・・・と
肩の力がふうっと抜けたのでした。
『あわまる』は、親子が温かいほっとした時間を過ごすエッセンスを与えてくれる商品だと思います。

 

仲間意識

©2018 Mari Hattori

『あわまる』の仕事をしてみて、私はつくづく、家族に支えられているなあと思いました。

保育士時代の最後の1年間は、ベテランの先生と2人担任でした。
その先生と話し合い、クラスのみんなに、
『私たちは先生という立場だけれど、クラスのみんなの仲間でもあるんだよ。』
と伝えていました。
だから、困っている時は子どもたちに助けてもらったり、協力してほしい時にはそのことを素直に伝えるようにしていました。

また、担任間でも協力し合い、助け合ってクラス運営をするようにしていました。
そんな私たちの姿を見ているからか、子どもたちは、友だちや保育士が困っているとき、助けてほしい時、クラスのために、かなりの確率で力になってくれたことを覚えています。

私たち担任もまた、子どもたちからのHELPやSOSには、持てる力を総動員して応えます。
そうすることで、お互いの信頼関係が生まれることを学びました。

このことは、家庭での親子関係にも引き継がれ、夫、私、娘とは、親と子の関係であると同時に、お互い、家族の一員、仲間であるという意識をもっています。

今回の仕事は、夫の協力なしでは成し得ませんでした。娘もそんな夫の姿を見て、
「いま、お母さんはちょっと頑張っているところだな…。」
と感じて、率先してファン第1号になってくれ、助けてくれたり、励ましてくれていたのだと思います。

そう思うと改めて、
「子どもは親を(大人を)よく見ているんだなあ。」
と、実感しました。
もしかしたら、忙しいを理由に甘えたい気持ちなどを我慢させてしまったところもあるかもしれない、と反省し、次は反対に私が娘の気持ちを考える番だぞ、と思いました。

そして、我が子が益々愛おしくなって、ぎゅうっと抱きしめたのでした。

私と同じように子育てをされているお母さん、お父さんたちは、時には悩みを誰にも相談できず、一人で抱え込んでしまうことがあるかもしれません。

そんな時は、いちばん身近な存在の家族に力になってもらいたいものです。
子どもや夫(妻)に弱さを見せるのはよくないことだと思わずに、同じ家族の一員として、協力し、助け合える関係を築いていけたら、肩の力が抜けて、前を向けるきっかけになるかもしれませんね。

 

手洗い・うがいがしたくなる「ねんどせっけん付き絵本」

 

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