ソフロロジーでもやはり痛い!練習通りにはいかなかった初出産

初めての出産でお世話になった産院が、ソフロロジーという方法を取り入れている所でした。

痛みが少なく、母子の身体にも優しいというソフロロジー。
普通の分娩よりも少しは楽に進むのかなぁと期待していましたが、やはり現実はそう甘くはありませんでした。
でも結果的には、やって良かったと思っていますよ。

ソフロロジーを取り入れた分娩をお考えの方、私の体験が参考になれば幸いです。

ソフロロジーを産院で初めて知る

私は産院を選ぶ時、実家の近くにあって評判が良いという条件で決めました。
ソフロロジー出産という方法は、産院で教わるまでは全く知らなかったんです。

そのソフロロジー出産というのは、普通分娩のなかで行うものです。
麻酔を使ったり、特別な器具を使うようなことはしません。

以下の3つの点を意識することによって、心身共にリラックスした状態で分娩を行う、というものなんです。

・呼吸法
・イメージトレーニング
・ストレッチ

呼吸は分娩の段階に合わせて、長く息を吐いたり、吸って少し息を止めたりといくつかバリエーションがあります。
イメージトレーニングは目をつぶり、身体の緊張を解いた状態で楽しい場面を想像するといったもの。
ストレッチは、分娩時に使う身体の部位がスムーズに動かせるようにと考えられた、妊娠中から行うプログラムです。

リラックスできるといわれている、指定のBGMもあるんですよ。
細部までこだわりのある方法だなぁと感じました。

私の産院では、事前にソフロロジーについての説明会の参加が必須でした。
院長がソフロロジーの良さを語ったあと、実際にBGMをかけて目をつぶってのイメージトレーニングもやりましたよ。

そして、呼吸法やイメージトレーニング、ストレッチのやり方について書かれた本を貰って自宅練習もしました。
ここまでやっていると、陣痛の痛みにそこまで苦しまずに、出産ができそうだと思い始めました。

出産までの道のり

ソフロロジー方式に従って、真面目に事前準備をしてきた私。
果たしてその効果はどれくらいあったのか。

これから、実際の出産までの体験をお話ししますね。

夜中に破水

予定日を超過しても、まったく陣痛の気配がなかった私の身体。
とうとうお医者さんから、「あと数日このままなら、入院してバルーンを入れましょう」という提案が。

結局、入院予定日の前日まで何も変化はありませんでした。

夜に入院の支度をして、いつものように寝ていたら、突然チョロッと何か水が出たような・・・?
目を覚まして慌ててナプキンを確認すると、やはり少し濡れていました。

破水かもしれないと親を起こし、産院に電話して向かったのが夜中の2時過ぎ。
産院で着替えている途中にドバドバと破水し、出産へのカウントダウンがいよいよ始まったと覚悟を決めました。

産院では着いてそのまま陣痛室に案内され、そこで様子を見ることに。
慌てて自宅から駆け付けた主人は、まだまだ時間がかかるからと一旦家に帰されました。

陣痛室ではずっと、ソフロロジーのBGMがリピート再生で流れていました。
まだ陣痛はほとんどわからない状態で、わりと普段通りの体調。
まだ呼吸やイメージトレーニングなどは出番ナシでした。

看護師さんからは「今のうちに寝ておいた方がいいですよ」とアドバイスが。
でも初出産にドキドキしていて、ちっとも寝られませんでしたね。

朝食を食べながら陣痛に気付く

午前8時、産院から出された朝食を食べながら、時々お腹のあたりがギューッとなる感覚に気付きました。

陣痛とは、これか。

ちょっとだけ痛くて、食べる手がピタリと止まりました。
ソフロロジーの呼吸を思い出し、静かにフーッと息を吐きだして痛みがおさまるのを待ちます。

でもあまり辛くはなかったので、朝食は痛みの合間にあっという間に平らげました。

その後、午前中のうちにだんだん痛みが増していき、昼食のあたりにはそこそこな痛みに。
昼食は痛みに耐えながら、朝からやっているソフロロジーの呼吸法で乗り切りました。
とはいえ、昼食もまだ完食できる元気がありましたよ。

夕方からは辛すぎて大変

夕方になってくると、陣痛の痛みがかなりつらくなってきました。
痛みの波が来ると、握りしめた拳が強く震えるほど。

肝心のソフロロジーの呼吸ですが、私は頑張ってやっているつもりなんですが、痛すぎて理想の呼吸にならず。
静かに長く息を吐いて下さいと言われても、痛すぎて勝手にハァハァいっちゃいます。

「フゥ~~、、ハァ(すぐ吸っちゃう)、フハァ、フハフハ!」
文章にすると非常に伝わりづらいと思いますが、実際こんな感じでした。

もっと長くゆっくり呼吸して下さい、と看護師さんから何度も言われました。

頭ではわかってはいるんですけど、どうやったら実際にそんな冷静に息ができるのか。
『これはもはや、超人レベルの技術だ』と当時は思うくらい、実行するのが大変でした。

主人は昼頃から来てくれて、最初は笑って会話もできていたんです。

それがこの頃にはまともな会話もできず、ただ震える手を握って励ましてもらうので精一杯でした。

そして子宮口は驚くほどゆっくりしか開かず、何度も押し寄せる痛みにそのまま6時間くらい耐えることに。

ソフロロジーであれだけみっちり練習したイメージトレーニングに関しては、もはや忘却の彼方。
呼吸法だけは必死にこなそうとしていましたが、痛すぎてそれすら満足に出来ませんでした。

「フーハーフーハー、、(呼吸法を意識することを思い出す)フゥ~~~~~ゥゥゥ、ハァァ!」
フーとハーの言い過ぎで唇がカラカラだったことだけは、鮮明に覚えています。

そして、私は途中で何度も主人に泣き言を言ってしまいました。
「つらい」「どうしたら良いの」「もう辞めたい」「なんでこんな我慢しなきゃダメなの」など・・・。

後半ではあまりの事の進まなさに怒りも入り、「もう帝王切開にして早く産みたい!」と言ってしまいました。
帝王切開で出産する方に対してとても失礼な発言だったと、反省しております。

「ここまで頑張ってきたんだから、あと少し頑張ろうよ」と主人が冷静になだめてくれたことで、その言葉は1度きりでした。
しかし当時の私は、一刻も早く陣痛の痛みから解放されたくて頭がおかしくなりそうでした。

そして、陣痛室に入ってからもうすぐ24時間になるなぁという、日付が変わった深夜1時。
やっと子宮口が開ききって分娩室へ行けることになったんです。

分娩室では張り切って産みました

陣痛室の次のステージである分娩室に入れたのは、産院に到着してから丸1日後でした。

前日からの緊張と予想以上の痛みでクタクタでしたが、あとは力を入れて産むだけだと急に元気を取り戻した私。
さっきまでの弱気もどこへやらで、事前のトイレもサクッと済ませて(看護師さんに「もう終わったの?」と驚かれました)分娩室に向かいました。

先程までは効力に実感が湧かなかったソフロロジーの呼吸でしたが、分娩時のやり方に変えて、少しづつ息を吐き出していきました。

これがお腹に力を入れやすくて、予想以上に良かったです。
この時になってやっと、冷静な自分を取り戻せました。

そのおかげで、スムーズに出口に向かってきてくれた赤ちゃん。
分娩室に入ってからは1時間で順調に出産できました。

呼吸法をしっかりやって酸素が十分に行き届いていたおかげか、赤ちゃんも元気そのものでした。

3600グラムと大きめだったので、初めて抱いた時の感想は「わ、重たい~!」。
赤ちゃんって、もっとヘニョヘニョで軽いと想像していたので、ずっしり腕にのっかった我が子はなかなかの存在感でした。

痛かったがソフロロジーには感謝

正直に言うと『ソフロロジーで少しでも痛みを少なく出産できる』と期待していたほどの楽さはありませんでした。
でもひたすら耐えているだけの出産よりは、絶対に良かったと思っています。

妊娠中から行っていたストレッチやイメージトレーニングは、やっていれば大丈夫、という安心感をもたらしてくれました。

本番での呼吸法は、教わった通りやれる人がいるのかと疑問を抱くくらい、再現が難しかった~!
でも必死に行おうとすることで、陣痛の痛みから気をそらせることができたのは確かです。

なによりも良かったのは、実際に生まれてきた赤ちゃんが元気だったこと。
母子共に、ソフロロジーの力を借りて健康的な出産ができたことを感謝しています。

主人は陣痛室に流れ続けていたBGMについて「飽きるほど聞かされたから、出産が終わっても暫く耳から離れなかった」と漏らしていましたが。

ソフロロジーをもってしても、出産はやはり大変でした。
でも、出産前から本番までずっと心の支えになってくれたので、やって良かったです。

ソフロロジーをお考えの方は、ぜひ前向きに検討してみて下さいね。

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