ママのお悩み聞きます!カミカミ期の離乳食の悩み
「親子の時間研究所」で連載コラムを担当している研究員の上野里江さん。
そんな上野さんの子育て術が詰まった『連載コラム がんばりすぎない育児』 全10話。
読んでくださった方も多いと思います。
今回は、子育てのプロフェッショナル 上野さんにママの悩みを相談してみました!
上野さんの笑顔あふれるコミュニケーション術で、ママの悩みを解決します。
ママの悩み 生後10か月 男の子の悩み
~愛知県 Yさん 26歳~
カミカミ期の離乳食の悩み
お肉などを食べやすいように調理しているのですが、口の中で噛んでいるだけで上手に飲み込んでくれません。
噛むことが多いので、量もあまり食べてくれず、ミルクをたくさん飲んでしまいますが、いいのでしょうか?
自分で調べたり、ママ友にも相談はしているのですが、なかなかうまくいきません。
食べてくれないのを毎日見ていると、とても心配になります。
ご相談ありがとうございます。
離乳食作り、赤ちゃんの食べやすいようにと色々工夫されているのですね。
食事は毎日のことだから、大仕事ですよね。
離乳食も10か月ぐらいになると、育児本には「カミカミ期」なんて書いてあるので、上手く飲み込めないと何で飲み込めないの?作り方が悪いの?と、不安になりますよね。
でも…
そもそも離乳食って、赤ちゃんにとって何のためのものでしょう?
離乳食は食べる練習
離乳食は、産まれてから母乳やミルクしか口にしたことがなかった赤ちゃんが、初めて口にする固形物です。
胃袋に初めて入る固形物だから、負担のないように少しずつ食べる練習が必要なので、月齢に合わせて進め方の目安があるのです。
そう、離乳食は「食べる練習」
スプーンから取り込むのだって、ゴックンと喉を通すのだって、赤ちゃんにとってはすごい挑戦なのです!
「食べる練習」である離乳食は、子どもによって進み具合いが違って当たり前。
苦手な食材があったり、口の中が敏感だったり、同じ月齢でも個人差があるものなのです。
個人差と好みを大事にしよう
私が経験した保育園での離乳食の進め方は、月齢ごとに同じものを与えるのではなく、ひとりひとりの食べ方を見て、その子に合った段階の固さや大きさの食事を選んでいました。
赤ちゃんは味より、のど越しが不快だと飲み込めないこともあるようです。
また、体調やその日の気分、その場の雰囲気も食べ方に影響するかも?と感じることもありました。
特にお肉は、食感が苦手な子が多かったように思います。
成長発達や好みには、本当に個人差があるのだなぁ…と、たくさんの子どもたちと出会って実感しています。
でも、安心してください!
いつか必ず、その子にとっての時期が来たら食べられるようになります。
遅くても早くても大丈夫!それがその子のベストタイミングなのです。
お肉は量にこだわらず、一口でOKにしたり、他のもので噛む練習をしたり、長い目で見ていきましょう!
「食べさせる」ではなく、一緒に食べよう
私が初めて本を見ながら作った離乳食を息子がペーッと出した時…
「せっかくつくったのに!」「何で食べないの?」と、怒りが沸いてきたのを覚えています。
「食べさせなきゃ!」という気持ちと、食べてくれない不安で、息子のありのままの姿を見ることができなかったのだなぁ…と、振り返ると分かります。
今、あの頃の私に声をかけるとしたら…
「大丈夫よ。焦らないで!一緒に食べることを楽しんで」
「大人だって好き嫌いはあるよね!食べるきっかけはどこにあるかわからないけど、そのうちに食べたい!と思う時がくるわよ」
そう…楽しい雰囲気で一緒に食べることが、食べる意欲にも繋がっていくのです。
「でも、ちゃんと食べてくれないと栄養面が心配」そんな声もあるかもしれませんが…
離乳食は、「食べる練習」
色々な食材を試したり、固さ大きさに慣れたりするための練習期間。
栄養バランスは1日で考えなくても大丈夫。
今日食べなかった分は明日違うもので栄養を取ればいいか、と一週間ぐらいをトータルで見ても大丈夫。
きっちり食べさせることより、楽しい食事タイムにしていきましょうね。
まとめ
子どもは個人差があり、本の通りに離乳食が進まなくても大丈夫。
その子なりのスピードで成長していくのを待つ、というのも大事なことかな?と思います。
ちゃんと食べられる時が来ます!
焦らないでね。
きっちりやることより、一緒に食べることを楽しんで下さいね。
●プロフィール
保育・子育てアドバイザー
上野里江
HP:http://smiley-ai.com
アメブロ https://ameblo.jp/mamavita-ai/
保育士歴30年。保育園、幼稚園、子ども園で3000人以上の親子と関わり、その後3年間療育に携わる。
子どもに関わる大人を元気に笑顔に!をモットーに、コミュニケーション講座や相談を行なっている。